水稲冷害研究チーム
1999年岩手県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県にお願いいたします.
岩手県農作物技術情報(水稲) 第4号
平成11年5月20日
岩手県・同農作物気象災害防止対策本部
1. 田植え
1) 県内の田植えは5月13日に最盛期を迎え、15日までに約7割の水田で田植えが終わっています。田植え後は活着までやや深めの水管理(葉先が2〜3cm水面から出る程度)とし、活着後は、浅水管理としますが、低温で日照の少ない日には深水にする。
2) 一方、最盛期を迎える北部では、寒い日や風雨の日を避け、できるだけ暖かい日を選んで田植えを行って下さい。丁寧な移植作業を心がけ、適正な栽植密度と株当たり本数の確保に努める。
3) 本田初期害虫の防除は、発生状況を確認しながら必要な圃場のみで実施する。育苗箱施用を行っていない圃場では、発生に応じて粒剤やバック粒剤による防除(水面施用)を行う。
4) 防除の必要な初期害虫の発生密度(箱施用を行っていない場合)は次の通り。
○ イネミズゾウムシ
・ 判定時期:5月下旬から6月上旬、 成虫侵入盛期
・ 防除に必要な害虫密度:100株当たり成虫数30頭以上
○ イネクビホソハムシ
・ 判定時期:6月上旬から6月中旬、 産卵盛期
・ 防除に必要な害虫密度:100株当たり卵塊数50個以上
5) なお、田植え後は取り置き苗の放置を厳につつしむ。補植後はすみやかに置き苗を処分する。
2. 効果的な除草剤の使用
雑草の発生状況に応じた除草剤の選択と耕種的防除を含めた適切な使用を行い、最小限の薬剤使用で効果的な雑草防除を行うよう心がける。
1) 除草剤を安全に使用するための留意点
・ 河川環境の保全などのため、除草剤の田植え前処理は行わない。
・ 同一の成分を含む剤は年1回以内の使用にとどめる。また、同一剤を連年続けて用いることを避ける。
・ 耕起、代かきを丁寧に行い圃場の均平に努める。
・ 充実した健苗を好天の日に移植し活着を促進する。
・ 除草剤の散布後は3〜4日間は水の移動を避ける。また、畦畔からの漏水やオーバーフローがないよう水管理に注意する。
2) 初期剤や一発処理剤の
圃場の大きさや条件に合った効果的な散布方法を選択する。水量が十分に確保できる大規模圃場ではフロアブル剤の水口施用(流し込み)、区画の整った20〜30aの圃場では1キロ粒剤や水口施用、小規模な圃場では手振り処理などが効果的です。
3) 除草剤の使用の留意点
○ 1キロ粒剤の散布
@ 従来の3キロ粒剤より比重が重く遠くまで到達する。
A 背負い動噴では調節量レバーをやや絞り、と出量を少なくし、かつ均一に出るように設定する。
B 薬剤の種類や散布量を十分確認する。
C 処理時の湛水深は3〜5cmとし、止水して処理する。
○ フロアブル剤の手振り散布
@ 処理前に水深5cm程度に湛水下のち、水の出入りをなくす。
A 畦畔の四方から手振り散布する。
B 短辺30mを超える圃場では効果を安定させるため圃場内部に入っての散布を組み合わせる。
○ フロアブル剤の水口施用
@ 水深5cmまで4〜6時間程度で入水できる圃場であること。
A 自然減水により水深1〜2cmとする。
B 水尻を閉じ、給水栓を全開にして圃場内に十分に水の流れができるのを確認してから、給水栓のど出口に流し込み処理する。
C 湛水深が5cm程度になったら止水する。
4) 処理時期は、ノビエ葉齢の適用範囲で決め、代かき後の日数は補助的な目安とする。
5) 昨年発生した主な草種が一年生雑草か、多年生雑草が混じって発生したか、シズイやクログアイが多発したかによって、必要に応じた薬剤を選択し、過度の使用は避ける。
○ 一年生雑草主体:初期剤(+必要に応じて幼穂形成期前にMCP剤)または初期剤+中期剤
○ 一年生雑草に加えて多年生雑草も発生:一発処理剤(+必要に応じて幼穂形成期前にMCP剤)または、初期剤+多年生雑草に効果のある中期剤
○ シズイやクログアイが多発する場合:初期剤+多年生雑草に効果のある中期剤+必要に応じて幼穂形成期前までにグラスジンM
次号は6月4日の発行予定です。内容は根を健全に保つ中期管理です。
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