水稲冷害研究チーム

1999年岩手県技術情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県にお願いいたします.

技術情報(水稲)

平成11年6月4日

岩手県農業研究センター

1. 生育概況
 活着は順調であり、県中南部では、葉数は平年並みで、草丈がやや長く、分げつ数もやや多めとなっている。

2. 安定生産のための水管理
 朝夕灌漑、日中は止め水で浅水として水田水温や地温を高める水管理を行い、稲の生育を促進する。一方、気温が15〜16度以下となるような低温時には、深水とし稲を保護する。

3. 根を健康に保つ溝切りと中干しの実施
 気温が高まると土中の藁などの有機物が一気に分解すると、土中の酸素が不足し、還元状態になる。稲の根の活力を高めるためには、この時期に溝切りと適度の中干しを行い、ガス抜きして還元状態を和らげる必要がある。
@ 6月中旬には溝切りを行い、中干しから収穫までの水管理を容易にするようにする。溝切りは2〜4m間隔で長辺方向に行い、それらを枕地部分の短辺方向の溝でつなげ、さらには水尻につなげるようにする。
A 中干しは有効分げつが確保される時期から幼穂形成期前まで(県南部:6月中旬〜下旬、県中部:6月下旬〜7月上旬)の間に行うが、中干し開始はやや早めの方が良い。
B 中干しは「足跡がつく程度」とするが、排水不良の水田や稲が過繁茂で葉色が濃い場合はやや強く行う。ただし、強グライ土や泥炭土など排水不良で有機物含量が多い土では、強い中干しは土壌からの多量の窒素放出を招くので注意が必要である。
C 中干し後は徐々に入水し、その後は間断灌漑を行う。

4. 葉いもちの防除
1) 取り置き苗の撤去
取り置き苗は葉いもちの伝染源となるので、速やかに処分する。
2) 発生予察に基づく防除
・ 病害虫発生予察情報(5月28日)によると、葉いもちの発生は平年並み、発生開始期も平年並みと予想されている。今後とも病害虫防除所の情報に注意すること。
・ 箱粒剤を施用していない場合は、予防粒剤の施用時期は6月第5半旬であるが、例年早期発生する地域では施用時期を1週間早くする。
・ 箱施用剤を施用または予防粒剤を施用予定している圃場でも観察をこまめに行い、今後の本田でのいもち病発生をみたら直ちに茎葉散布を実施する。

5. 初期害虫の防除
 初期害虫の発生時期は例年よりやや遅れている。殺虫剤の箱施用を行っていない圃場では、発生に応じて粒剤やパック剤による防除(水面施用)を行う。
○ イネミズゾウムシ:
判定時期:成虫侵入盛期(県中南部:6月上旬、県北・山間:6月第2〜第3半旬)
防除の必要な害虫密度:畦畔から2mほど入った場所で連続25株中の20株以上で食害がみられる場合)
○ イネクビホソハムシ:
判定時期:産卵盛期(県中南部:6月上旬、県北・山間:6月第2〜第3半旬)
防除の必要な害虫密度:畦畔から2mほど入った場所で連続25株当たり卵塊13個以上みられる場合)

6. 効果的な除草剤の使用
 気温が高く推移していることから、雑草の発生はやや早いと見込まれる。発生状況(特にノビエ葉齢と多年生雑草の発生状況)に応じた除草剤の選択と、耕種的防除を含めた適切な雑草防除に心がける。ヒエ等の取り残しが多くみられた場合は、葉齢に合わせて中期除草剤などを用いる。


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