水稲冷害研究チーム
1999年宮城県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは宮城県にお願いいたします.
稲作情報第5号
平成11年7月30日
宮城県農業センター
【気象経過】
平均気温は,7月上旬は,ほぼ平年並。中旬は,平年より高めに経過した。
日照時間は,上旬は46.5時間で平年比146%と多照であったが,中旬は9.6時間にとどまり平年比27%と少照になった。
7月10日から16日にかけて断続的に強い雨が降り,7日間の合計雨量は仙台で200ミリを超える大雨となった。
7月24日に梅雨明けが発表された。本年は平年より1日遅い。7月22日から仙台では最高気温が30℃を超える真夏日が続いている。
【作況試験圃の生育状況】
7月21日現在の農業センターのひとめぼれ(稚苗)は,草丈72.6cmで平年比107%,u当たり茎数は765本で平年比123%,葉数は11.8枚で平年より1枚多かった。葉色は平年比91%と淡い。
各品種・苗種を総じて,草丈は平年比110%,茎数は平年比120〜140%,葉数は平年差+1〜1.5枚で,葉色は平年より淡く,ササニシキでその傾向が強い。
【作況試験圃の茎数の推移】
農業センターのひとめぼれとササニシキ(5月10日植え,稚苗)の最高分げつ期の茎数はひとめぼれ 922本/u,ササニシキ 1121本/uで,それぞれ平年比136%,151%であった。最高分げつ期は,ひとめぼれが6月24日,ササニシキは6月21日で,それぞれ平年より11日,15日早かった。
【作況試験圃の幼穂伸長状況】
幼穂形成始期は,ひとめぼれ・ササニシキ(5月10日稚苗植え)ともに7月8日で,平年より4日早かった。7月26日調査時の幼穂長は,ひとめぼれ・ササニシキともに180mm前後まで達しており,8月始め頃には出穂すると見込まれる。
なお,こころまち(5月10日植え,稚苗)は,7月27日に出穂期に達し,前年より5日早かった。
【生育調査圃の地帯別生育状況】
7月21日現在の生育調査圃の地帯別生育状況については、北部平坦地帯は,草丈68.1cmで平年比102%,u当たり茎数は584本で平年比113%,葉数12.0枚で平年より0.5枚多い。葉色は平年よりやや淡い。
南部平坦地帯では,草丈71.4cmで平年比106%,u当たり茎数は688本で平年比122%と多く,葉数は11.9枚で平年より1枚多い。葉色は平年より淡い傾向であった。県全体で見ると,草丈はほぼ平年並で茎数は多い。
生育の早いほ場では,7月末頃には出穂期に達すると予想される。
【作土中のアンモニア態窒素量】
作土中のアンモニア態窒素残存量は,7月6日時点で,いずれの調査地点においても1mg以下になっている。施肥窒素はほとんど消失している。
最高分げつ期から幼穂形成期にかけての土壌窒素発現量(7月14日の値)は少なく,平年の40%程度にとどまった。
【稲体窒素栄養】
一部の調査地点を除き,乾物重は平年より多く,ほぼ前年並。窒素濃度は平年並か低めで,前年より高い。窒素吸収量は平年より多く,前年を上回った。
<直播栽培:生育は順調,生育ステージ早い>
農業センターの7月21日現在の生育状況は,草丈は57cm,u当たり茎数は713本,葉数10.1枚で,草丈は前年よりやや短く,茎数と葉数はほぼ前年並であった。
なお,本年の幼穂形成始期は7月18日であり,前年(7月24日)に比べ,6日早かった。
直播稲の茎数の推移は,前年より分げつの発生が早く,茎数の増加が著しい。前年は,7月半ばに最高分げつ期に達したが,本年は6月末から7月始め頃と推定され,前年より2週間程度早い。
<<これからの栽培管理の要点>>
【病害虫防除】
(より詳しい防除情報は,宮城県病害虫防除所が提供している「病害虫防除情報FAXサ−ビス」をご利用ください)
いもち病
・7月中旬は,県内の広い地域で感染に好適な条件の日が連続的に出現したが,下旬以降は感染に好適な条件の日の出現は少ない。今後,発生推移に注意し,発生が見られた場合は茎葉散布剤による防除を行う。
カメムシ類
・常発地や,水田周辺のイネ科牧草や雑草でカメムシ類の発生が認められるところでは,穂揃期とその7〜10日後の2回薬剤を散布し,地域一斉防除に努める。
【出穂前後の水管理】
・出穂期から開花期にかけては,水を多く必要とする時期なので,田面の水を切らさないようにする。また,台風通過後の乾燥風により白ふや白穂が発生する場合があるので,台風の接近が予想される場合にも,冠水の恐れがない限り湛水状態にする。
・登熟期に30℃以上の高温や夜温の高い日が続く場合は,稲体の消耗による登熟不良や玄米品質の低下を軽減するため,用水のかけ流しが有効である。
・早期落水は,登熟不良や品質低下の原因となるので,落水時期は出穂後25日頃を目安とする。
reigai@tnaes.affrc.go.jp