水稲冷害研究チーム
2000年福島県稲作指導情報<会津版>
なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.
稲作情報第3号
平成12年6月23日
福島の米稲作情報編集会議
<当面する技術対策のポイント−移植栽培−>
1.生育状況
@作況試験の草丈は平坦部が平年並み〜やや長い。高冷地は平年並み。茎数は平年並み〜やや多い。各品種とも必要茎数は確保された。主稈出葉からみた生育は平坦部、高冷地とも平年並み〜3日早い。
A現地の生育は、草丈が並み〜やや長め。茎数はバラツキがあるものの、平年並み〜やや多い。
2.当面の技術対策
1)中干し
@目標茎数は確保された。根の健全化と過剰生育防止のためできるだけ早く中干しを行う。中干しの効果は生わら施用等で還元が進んでいる圃場は特に大きい。中干しの程度は砂質土壌では弱め、肥沃な水田は田面に亀裂が入る程度まで行う。
A作溝は降水時期の中干しや、中干し終了後の間断灌漑時に極めて有効である。
B中干し終了の時期は7月上旬とし、中干し終了後は間断灌漑とする。
2)病害虫の防除
@置き苗での葉いもち発生は平年より10日早い。降雨日数が増えれば蔓延が心配される。置き苗が残っている場合は直ちに処分する。防除を散布剤で行う場合は早期発見に努め、発生を確認したら直ちに防除する。
A斑点米カメムシ類やイナゴの若齢・中齢幼虫は、水田畦畔や休耕田の雑草地で生活し、時期がくると水田に侵入する。このため、雑草を刈り取ると薬剤散布と同様の効果がある。本年はカメムシの被害が懸念されるので、出穂前10日頃までに定期的に行う。
3)施肥管理
@つなぎ肥は側条施肥等で葉色の低下が著しい場合や葉色ムラが大きい場合を除き、我慢する。
A出穂前35〜40日の加里の追肥(10アール当たり成分4kg)は稈質、登熟向上に有効である。特に、砂質老朽化水田、排水不良水田等では効果が高い(ケイカリン施用田は省略できる)。
<当面する技術対策のポイント−湛水直播栽培>
1.生育状況
@会津支場内5月10日播種、条播は草丈が平年より長く、茎数は平年比166で多い。葉数は前5か年平均より0.9葉進んでいる。
A現地では、苗立ちの良否によるバラツキは見られるが、概ね草丈が長く、茎数は多い。散播では平方メートル当たり1,000本以上の圃場も見られ、過剰生育気味である。
2.当面の技術対策
1)水管理
@目標茎数を確保した圃場から、田面に十分に亀裂が入る強めの中干しを行い、土壌の固化と無効分げつの抑制を図り、倒伏防止に努める。本年は耕耘時には圃場の乾きが悪く、耕深が深い例が多い。生育過剰な圃場や還元が進んだ圃場では、中干し期間を延長し、強めに行う。降水日数が多い年は特に効果が高い。
A中干し時期の水管理を容易にするため、圃場に5〜10m間隔で作溝を実施する。
B目標茎数に達しない圃場では、浅水管理で茎数確保に努める。
2)肥培管理
@基肥窒素を施用した水田では、穂肥の時期まで追肥をしない。
A基盤整備初年目で、無窒素でスタートし葉色低下が見られる水田では、窒素成分で10アール当たり2kg程度施用する。加里の追肥は移植栽培に準じて行う。
3)葉いもち防除
@葉色が濃く、生育過剰気味の稲は軟弱なため、いもち病に対する抵抗力が弱い。粒剤による予防防除を実施するとともに早期発見に努め、散布剤の早期防除で対応する。
4)雑草防除
@ホタルイや広葉雑草が残った場合には、ペンタゾン剤で防除する。
5)過剰生育対策
@水管理だけで、生育コントロールが難しいと思われる場合は、普及センター等と相談の上、生育調節剤等も含めた対策を早期に検討する。
reigai@tnaes.affrc.go.jp