水稲冷害研究チーム
2000年福島県稲作指導情報<会津版>
なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.
稲作情報第4号
平成12年7月7日
福島の米稲作情報編集会議
U 移植栽培の当面する技術対策のポイント
1 生育状況
(1)試験場内の生育:草丈は平坦部、高冷地とも平年より10%以上長い。平坦地の茎数は平年よりやや少ないが早期に確保された。高冷地の茎数は平年より3〜5%多い。主稈出葉からみた生育は平坦部高冷地とも2〜4日進んでいる。平坦部の初星は7月5日、ひとめぼれは8日で幼穂形成始期になり、平年より5日早まった。高冷地のまいひめ、初星の幼穂形成期は平年より3日程度早まる予想である。このため、減数分裂期や出穂期も早まる予想であり水管理、肥培管理上注意が必要である。
(2)土壌中のアンモニア態窒素は、6月下旬〜7月上旬にかけて急激に低下している。
(3)現地の生育:草丈は平年より長い。茎数はほ場間差は見られるが平年並から多い。葉色は前年並から低い傾向である。
2 当面の技術対策
(1)水管理
@中干し終了後は、間断灌漑とし根の健全化と地耐力を維持する。
A高冷地では幼穂形成期、減数分裂期に17℃以下の気温が予想される場合は、深水管理により幼穂を保護する。水深は幼穂形成期(5〜10p)、減数分裂期(15〜20p)とする。本年は生育が進んでいるため、早めに生育ステージを確認し実施する。
(2)追 肥
@草丈が長く倒伏が心配されるため、つなぎ肥は原則として行わない。しかし、コシヒカリで幼穂形成期葉色がカラースケール値3以下が予想される場合は、10a当たり窒素成1.0kg以下のムラ直しを行う。
A穂肥は、生育量と葉色により診断し実施する。基準より生育量が大きかったり葉色が濃い場合は、時期を遅らせたり、減量する。それでも、倒伏が懸念される生育の場合は、倒伏軽減剤の使用も考える。
(3)いもち病防除
会津地方の本田でも葉いもちが確認され、6月下旬以降、感染好適日が周期的に出現してる。
@葉いもちの早期発見に努め、発生を確認したら直ちに液剤か粉剤による防除を実施する。
A育苗箱施薬や粒剤による葉いもち予防を行ったほ場でも、発生が認められた場合は、散
布剤による防除を行う。上位葉での葉いもちは、穂いもちに直結するため防除を徹底する。
B穂いもち防除を粒剤で行う場合は、出穂10〜20日前までに湛水状態で施用する。
(4)害虫防除
本年はカメムシの被害が懸念されるため、出穂前10日頃まで水田畦畔等の草刈りを実施する。また、蛾類の幼虫による加害が認められるため発生に注意する。
V 直播栽培の当面する技術対策のポイント
1 生育状況
(1)会津支場5月10日播きの生育:草丈は平年より長く、茎数も多い。葉数は平年より進んでいる。
(2)現地の生育:草丈長く、茎数多目である。散播は生育過剰田も散見され、倒伏が懸念される。
2 当面の技術対策
(1)水管理
@倒伏防止のため中干しは長目とし、終了後も間断灌水の入水間隔を開け地耐力を維持する。
(2)肥培管理
@移植栽培より倒伏し易いため、つなぎ肥は行わない。穂肥は移植より減肥しやや遅めとするか中止し、倒伏を防止する。今後の生育によっては倒伏軽減剤の使用も考える。
(3)雑草防除
@アゼナ、ホタルイ、アメリカセンダングサ等が見られる場合はMCP剤やベンタゾン剤で防除する。MCPを含む剤は幼穂形成期以前に使用する。特に、アゼナ、ホタルイが残草したほ場は、SU剤抵抗性雑草の可能性が高いため徹底防除する。
(4)いもち病防除
@移植栽培と同様に、ほ場をよく見回り、早期発見、早期防除に努める。
reigai@tnaes.affrc.go.jp