水稲冷害研究チーム
2000年福島県稲作指導情報<中通り版>
なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.
稲作情報第4号
平成12年7月18日
福島の米稲作情報編集委員会
U 生育状況
1)作柄解析試験の生育:草丈は長く、茎数はやや少ない。幼穂形成始期は、平年より4日〜8日程度早い。このため、減数分裂期や出穂期も早まる予想であり、水管理や肥培管理上の注意が必要である。
2)現 地 の 生 育: 草丈は長く、茎数は県北で平年並からやや多く、県南では平年並からやや少ない。葉色はやや淡く、台風3号による葉先枯れが目立つ。幼穂形成始期は、平年より県北で7〜10日、県南で5〜7日早い。
V 移植栽培の技術ポイント
1) アメダス資料による葉いもち感染好適条件の推定によると、周期的に感染好適条件及び準感染好適条件が出現している。7月第3半旬以降上位葉での葉いもちの発生が予想されるので防除に努める。
@葉いもち発生を確認したほ場では、ただちに散布剤(液剤、粉剤)による防除を実施する。
A降雨が続く場合には、雨の切れ間をねらって薬剤散布を実施する。
B予防粒剤(箱処理剤または水面施用剤)を施用した圃場や、航空防除の実施地域でも発生が認められたら、散布剤による追加防除を行う。
2) 穂いもち対象に粒剤を使用する場合は、剤に応じた所定の時期に湛水状態で施用し、4〜5日止水する。
3) 本年はカメムシの被害が懸念されるため、出穂前10日頃までに必ず水田畦畔等の草刈りを実施する。カメムシ防除薬剤は、1回散布の場合は糊熟期に、2回散布の場合は乳熟期と糊熟期に散布する。
4) 本年は出穂期が早まり高温登熟が懸念される。高温が継続する場合は、用水が充分確保される場合には掛け流しまたは湛水深を深めに確保し、稲体の保護に努める。
5) コシヒカリの葉色は平年よりやや淡い。コシヒカリについては、葉色の低下が著しい場合、出穂前25日に10a当たり1kgの窒素を追肥する。追肥を実施した場合は、併せて葉いもちの防除を行う。
X 直播栽培の技術ポイント
1) 生育の状況
場内作柄解析試験の生育:湛水直播は、草丈がやや長く、茎数は葉色が急激に低下したことから平年よりやや少ない。幼穂形成始期は前年より6日〜9日早まるとみられる。乾田直播は、草丈がやや長く、茎数はほぼ平年並である。葉色は前年よりやや淡い。幼穂形成始は前年より4日程度早まるとみられる。
現地における生育:湛水直播は、草丈が平年並からやや長く、茎数はほ場によるバラツキが大きいもののね平年並からやや多い。生育は昨年より進んでおり、移植栽培より5〜7日程度遅れである。
2) 当面の技術対策
(1)湛水直播は、幼穂形成期前まで強い中干しを継続する。特に、播種深度が浅く根が土壌表面に露出している場合、草丈が長い場合、苗立ち数が多い場合は、ほ場全面に亀裂が入る強い中干しを行うとともに、その後もほ場の固さを保ちながら間断潅漑を実施する。乾田直播は、間断潅漑を継続し、中干しは行わない。
(2)移植稲と同様にいもち病防除を徹底する。
(3)幼穂形成期を確認した後、移植の生育診断に準じて追肥を施用する。ただし、ほ場が軟弱な場合や播種深度が浅くて株元が安定しないほ場では、追肥を控える。
(4)前年多発したほ場や生育の遅れているほ場ではイネツトムシの防除を実施する。
reigai@tnaes.affrc.go.jp