水稲冷害研究チーム
2001年山形県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは山形県にお願いいたします.
籾数を制御するための技術対策
平成13年6月29日
21世紀米づくり日本一推進運動本部
1 生育概況
6月29日の生育診断圃(農業普及課)や作況圃(農業試験場)の生育調査によれば、平坦部の「はえぬき」は、平年に比べ、草丈は平年並、茎数は多く、葉数は平年より2日程度進み、最高分げつ期を過ぎた圃場も認められる。中山間・山間部でも、草丈は平年並、茎数はやや多め、葉数はほぼ平年並に進んでいる。なお、農業試験場の幼穂調査によれば、平年より早生品種の「はなの舞」「あきたこまち」では3〜4日、中晩生品種「ササニシキ」「はえぬき」では1〜2日早い出穂が見込まれている。
また、農業試験場の土壌中残存アンモニア態窒素は平年以下まで低下しているものの、葉色は濃い。また、窒素吸収量が平年より多く、7月以降に水稲が吸収可能な地力窒素量はやや多いと推定される。
このようなことから、適正籾数の確保から制御に向けた技術対策の徹底を図る。
│はえぬき(農試庄内支場):予想出穂期 8月5日 平年出穂期 8月6日 │
2 当面の技術対策
6月29日発表の東北地方1か月予報によれば、向こう1ヶ月の気温は平年並か高い、降水量は平年並か多い、日照時間は平年並か少ない可能性が高いと予想されている。
また、6月20日発表の東北地方3か月予報によれば、8月の気温は平年並の予想となっている。
(1)穂肥直前までの中干し
中干しを確実に実施し、窒素吸収の抑制を図る。この間の降水量が多いと予想されていることから、早急に作溝を実施し、中干しの効果を高める。中干しは、登熟期間の根の活力向上や受光態勢の良化にも効果があるので、7月10日頃まで小ヒビ入る程度に実施する。穂肥後の水管理は間断灌漑を基本とするが、地耐力を高めるため、湛水よりも落水期間を長くする(2日湛水・4日落水)。
(2)穂 肥
本年の「はえぬき」は葉色が濃く、籾数を制御する必要があるため、幼穂形成期(出穂前25日)の穂肥は基準の半分まで減肥し、窒素成分で10a当たり1.0kgを施用する。平坦部では、中干しと穂肥の減肥を必ずセットで行う。
また、後期凋落が予想される場合は、窒素成分で1.5kg/10aを上限とした穂肥とする。本年は移植時期による生育差も大きいことから、地域ごとに穂肥時の葉色診断を実施し、適正量の穂肥を行う。
また、「あきたこまち」「ひとめぼれ」「コシヒカリ」「ササニシキ」については、強めの中干し等総合的な倒伏対策を行うとともに、葉色の低下を確認した後、窒素成分で1.0kg/10a以下に減肥して施用する。また、遅くとも出穂10日前までには施用を終了することとし、葉色が低下しない場合は穂肥を取り止める。
(3)病害虫防除
7月上旬までは曇りや雨の日が多い天候予報であるため、葉いもちが広域に発生しやすいとみられることから、圃場の見回りを徹底し、早期発見・発生初期の防除に努める。
また、カメムシについては、生息しにくい環境にしておくため、畦畔・農道等の草刈りを徹底する。なお、草刈りは稲の出穂2週間前(7月15日頃)までに終了することとする。
(4)冷害対応
中山間・山間部では、7月はオホーツク海高気圧の張り出しに伴う一時的な低温も予想されていることから、稲の耐冷素質を高めるため、幼穂形成期の深水灌漑を積極的に実施する。
reigai@affrc.go.jp