水稲冷害研究チーム

2001年山形県技術情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは山形県にお願いいたします.

品質向上のための水稲の技術対策
要警戒!葉色濃い!
平成13年7月11日
21世紀米づくり日本一推進運動本部

1 生育概況
 7月10日の生育診断圃(農業普及課)や作況圃(農業試験場)の生育調査によれば、平坦部の「はえぬき」は、平年に比べ、草丈はやや長く、茎数はやや多く、葉数は平年より2日程度進んでいる。また、中山間・山間部では、草丈、茎数及び葉数はほぼ平年並である。なお、農業試験場の幼穂調査によれば、全般的に平年並〜1日早い出穂が予想されている。
 また、葉色は依然として平年より濃く推移し、品質・食味への影響が心配される。

品種名場所予想出穂期平年出穂期前年出穂期
はえぬき農業試験場8月5日8月4日 8月2日
庄内支場8月5日8月6日8月3日
中山間地8月7日8月9日8月4日

2 当面の技術対策
 7月6日発表の東北地方1か月予報によれば、向こう1ヶ月間の気温は高い、降水量は平年並か多い、日照時間は平年並か少ない可能性が大きいと予想されている。
 また、6月20日発表の東北地方3か月予報によれば、8月の気温、降水量とも平年並で、太平洋高気圧に覆われ平年と同様に晴れの日が多い予想となっている。
籾数過剰と登熟期の高温が予想されていることから、白粒対策、カメムシ対策に万全を期し、品質確保を重点にきめ細かな指導に当たる。
(1)穂肥と倒伏防止
 「はえぬき」の穂肥は、窒素成分で10a当たり1kgに減肥して幼穂形成期(7月第3半旬)に施用することを基本とする。
 葉色が濃く、生育量の大きいところ(茎数700本/u以上・SPAD42以上)は、施用時期を1週間程度遅らせ、1.0kgを上限とする。しかし、地力が高く平成11年に白粒が多発した地帯で、7月20日頃の葉色が濃い(SPAD39以上)場合は施用を止める。
 「あきたこまち」「ひとめぼれ」「ササニシキ」「コシヒカリ」等は耐倒伏性が劣るため、葉色の低下を確認した後、減肥(窒素成分1.0kg以下/10a)して施用するが、遅くとも出穂10日前までには施用を終了する。葉色が低下しない場合は、穂肥施用を止める。葉色が濃い場合は、一般に高温、低温及び病害虫に対する抵抗性が劣ることから、抵抗性の低下を回避するためにも穂肥は控える。
 また、倒伏診断により倒伏が予想される場合は、倒伏軽減剤を使用する。
 
(2)病害虫防除
 斑点米カメムシ類については、7月5日に山形県病害虫防除所から注意報が発表されている。被害防止のため、畦畔、農道等の草刈りは出穂2週間前(7月20日頃)までに終了する。さらに、発生が多いところや前年斑点米が多かったところでは穂孕後期(出穂直前)の薬剤防除を追加する。また、対面指導等伝達方法を工夫し、技術の徹底を図る。
 葉いもちは、稲体の体質が弱く、予防粒剤の効果が切れる時期に当たるため、発生を見逃すと今後急増する危険性が高い。このため、圃場の見回りを徹底し、早期発見・発生初期の防除に努める。
(3)間断灌漑の徹底
 気象変動に対応した効果的な水管理を行うために、作溝は幼穂形成期までに確実に実施する。全面実施が困難な場合は、圃場の外周だけでも実施する。中干し終了直後は飽水管理とし、その後徐々に間断灌漑に移行する。なお、本年は湛水期間が長くならないよう2日湛水、4日落水を基本に、これを繰り返す。また、風の強い日やフェーン風の吹走が予想される場合は、湛水し稲体の衰弱を防ぐ。
 早生品種の生育進度から見て、7月15日前後から障害型冷害危険期に入る。この時期に17℃以下の低温が入る予報が出た場合は、深水管理で幼穂を保護する。


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