水稲冷害研究チーム
2001年山形県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは山形県にお願いいたします.
高品質確保のための水稲の技術対策
平成13年7月23日
21世紀米づくり日本一推進運動本部
1 生育概況
7月19日の生育診断圃(農業普及課)や作況圃(農業試験場)の生育調査によれば、平坦部の「はえぬき」は、平年に比べ、草丈はやや長く、茎数はやや多く、葉数はやや多い。さらに、葉色は平年並〜やや濃い。また、中山間・山間部では、草丈、茎数及び葉数はほぼ平年並である。なお、幼穂調査によれば、全般的に平年並〜1日早い出穂が予想されている。
また、生育調査による予想穂数は平年よりやや多いことから、u当たり籾数も多くなることが見込まれる。
| 品種名 | 場所 | 予想出穂期 | 平年出穂期 | 前年出穂期 |
| はえぬき | 農業試験場 | 8月4日 | 8月4日 | 8月2日 |
| 庄内支場 | 8月6日 | 8月6日 | 8月3日 |
| 中山間地 | 8月9日 | 8月9日 | 8月4日 |
2 当面の技術対策
7月20日発表の東北地方1か月予報によれば、向こう1ヶ月間は晴れて暑い日が多い。降水量、日照時間は平年並の可能性が大きいと予想されている。
籾数が平年より多く、登熟期の高温が予想されていることから白粒対策と、7月19日に斑点米カメムシ類対象に警報、葉いもち対象に注意報が発表されたことから、病害虫対策を重点に、早めの技術対応を徹底する。
(1)気象変動に対応した水管理
ア 白粒対策
白粒対策の決め手は、出穂後2週間の水管理にある。圃場を良く見回り、漏水か所の補修、作溝の手直しを行う。出穂期には湛水管理とするものの、穂揃期以降は湛水期間を短くし、間断灌漑を徹底する。特に、高温が予想される場合は、夜間灌漑・日中落水等日較差を大きくし、地温を下げる水管理に努める。地域的に用水が充分確保されている場合は、高温時の稲体の消耗を抑える灌漑水の掛け流しの実施が望ましい。
また、中干しが徹底できなかったところでは、倒伏抵抗性を付与するためにも「穂孕期の落水」を5日程度行い、地耐力の向上に努める。なお、倒伏が確実視される場合は、倒伏軽減剤を使用する。
イ 強風対策
梅雨明け後フェーン現象による高温乾燥や台風等の強風が吹く天気予報の場合は、根の活力を維持しつつ、水分不足にならないよう間断灌漑から湛水管理に速やかに切り替える。
(2)病害虫防除
ア 斑点米カメムシ類
発生量が平年より多いため、薬剤防除は必ず穂揃期と穂揃期後7〜10日の2回実施するとともに、畦畔等の生息場所を含めて確実に散布する。発生が多いところや前年斑点米が発生したところでは、穂孕後期(出穂直前〜7日前頃)の薬剤防除も実施する。葉いもちが発生しているところでは、いもち病との同時防除を行う。
また、畦畔、農道等の草刈りは斑点米の発生を助長することから、8月末まで行わない。
イ いもち病
7月に入り各地で感染好適日が断続的に出現し、稲体質も弱いため、発生の拡大、病勢の進展が懸念される。特に北村山、最上地域では発生地点率が高く、発病圃場の病斑は伝染力の強い大型の急性病斑である。このため、直ちに圃場を見回り、発生の見られる圃場では必ず防除を行う。特に、予防粒剤を施用した圃場でも発生を認めたら薬剤防除を行う。
(3)追 肥
穂孕期以降の追肥は、本年のように平年より稲体窒素吸収量が多い場合は、高温時の稲体の消耗を助長し、品質向上効果は認められない。また、玄米の粗タンパク質含有率を確実に高め、食味の低下が懸念されることから、原則として実施しない。
reigai@affrc.go.jp