○病害虫発生予報第1号(4月25日)
[概要]
水稲の育苗期病害は,4月上旬から気温の低い日が続き,低温に伴うフザリウムやピシウム属菌による苗立枯病の発生が認められ,今後とも発生は多くなると予想されます.また,細菌性苗腐敗病,苗の葉いもちはやや多い発生が予想されます.
苗の生育は全般に遅れ気味に経過していますが,温度管理,水管理の徹底を図って下さい.本田初期害虫の発生は,イネミズゾウムシは前年並みですが,イネヒメハモグリバエ,イネドロオイムシはやや多いと予想されます.常発地や前年発生の多かった地域では,移植時に粒剤の箱施用を実施して下さい.
次回の発表は5月23日の予定です.
1.苗立枯病(フザリウムやピシウム属菌によるもの):発生量は多い.
1)予報の根拠
(1)緑化期以降の低温は両属菌の発生を助長するが,4月上旬から中旬の気温は県内全域でかなり低めに経過した.
(2)4月第3半旬から第5半旬の巡回調査の結果,発生程度は低いが,両属菌による被害が確認されている.
(3)育苗の生育が遅れており,育苗期間は長引くと予想される.
2)防除上の注意
(1)適正な温度管理を行い,極端な高温や低温は避ける.また,多湿管理は発生を助長するので余分な灌水は控える.
(2)育苗初期に低温(5度以下)に遭った場合は,タチガレン液剤または,タチガレエース液剤の灌注を行う.但し,タチガレエース剤の使用は1回とする.
2.細菌性苗腐敗病(もみ枯細菌病,苗立枯細菌病):発生量はやや多い.
1)予報の根拠
(1)前年の育苗期における発生は多かった.
(2)前年の出穂期頃は気温の高い日があり,適当な降水もあったことから,本田での感染にはやや好適であったと推察される.
(3)4月第3半旬から第5半旬の巡回調査の結果,苗の生育は遅れているが,既に2地点で発生が確認されている.
(4)向こう1ヶ月の平均気温は平年並み,日照時間は多い可能性が大きい見込みと予報されている.
2)防除上の注意事項
(1)緑化期以降の高温・多湿管理は避ける.
(2)部分的な発生の場合は,発病した箱の部分を取り除き蔓延を防ぐ.
(3)発病した苗は移植しても枯死するので,移植しない.
3.苗の葉いもち:発生量はやや多い.
1)予報の根拠
(1)前年の穂いもちの発生程度は低かったが,広範囲に確認されたことから,種子の保菌率は高いと推察される.
(2)苗の生育は遅れており,育苗期間は長引くと予想される.
2)防除上の注意事項
(1)稲わらや籾殻などは伝染源となるので,育苗施設の周辺には置かない.
(2)発生した場合は,発病苗は処分するとともに育苗施設内部の苗に薬剤散布を行う.
(3)移植適期の葉齢に達した苗は早めに移植する.また,育苗期間が30日以上になると苗の葉いもち発生の危険があるので,移植前に薬剤散布を行う.
(4)補植用残り苗は葉いもちが発生しやすく,本田発生の伝染源となるので,残り苗は補植作業が終わり次第直ちに処分する.
4.イネヒメハモグリバエ:発生量はやや多い.
1)予報の根拠
3月下旬の気温は平年並み,4月の気温は低く経過していることから,成虫の発生盛期は遅いと見込まれる.
2)防除上の注意事項
(1)三陸沿岸及び仙台湾沿岸地帯では,年により局所的に多発することもあるので注意する.
(2)極端な深水管理は産卵を助長するので避ける.
(3)軟弱徒長苗や田植え直後に低温が予想される場合は,粒剤の育苗箱施用は行わず,本田で防除する.
(4)田植え時期が地域の標準より早いほど産卵量が多くなる傾向があるので,早植えする場合は,粒剤の育苗箱施用を行うか,田植え後の産卵状況に注意して本田防除を行う.
(5)本田における産卵量は,田植え後5日前後でほぼピークに達するので,この時期の産卵量を目安にして,粒剤は田植え後7日頃,粉剤や乳剤は田植え後10日頃に散布する.
5.イネドロオイムシ:発生量はやや多い.
1)予報の根拠
前年の発生量から,越冬後成虫密度はやや多いと推定される.
2)防除上の注意事項
(1)常発地や前年多発したところでは本年も多発が予想されるので,予防措置として粒剤の育苗箱施用を行う.
(2)軟弱徒長苗や田植え後に低温が予想される場合は,粒剤の育苗箱施用は行わず,本田で防除する.
(3)サンサイド剤に抵抗性の個体群が県内の一部地域で確認されているので,本剤を使用している場合は効果に十分注意する.
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