[概要]
水稲では、葉いもちの発生盛期は平年よりやや遅い7月第6半旬で、発生量はやや少ないと予想されます。今後の気象経過に注意し、早期発見・早期防除を心がけて下さい。また、粒剤による防除を実施した地域においても中旬以降は発生状況に注意が必要です。害虫では、イナゴの発生がやや多いと予想されますので、発生の目立つところでは畦畔雑草を含め若齢期の防除が必要です。紋枯病、稲こうじ病、ツマグロヨコバイ、カメムシ類の発生は、平年並からやや少ないと予想されます。前年発生の多かった地域や発生の目立つところでは適期防除に努めてください。
病害虫の発生は全般に発生時期がやや遅くなっていますが、今後の発生状況と天候の推移に十分注意し、薬剤の選定に当たっては県農作物病害虫防除基準を参照してください。
今回の予報対象期間は7月後半が主です。次回の発表は平成8年7月25日の予定です。
1.いもち病(葉いもち)
〇発生時期:やや遅い(発生最盛期:7月第6半旬)
〇発生量:やや少ない
(1)予報の根拠
@ 7月第1半旬の巡回調査の結果、県平均の発生地点率は平年より低かった。
A 本田での発生は、県内数地点で確認されているが、病勢進展は緩慢に推移しており、全般発生期には達していない。
B 県予察ほ(名取市高舘)における胞子飛散は確認されていない(7月5日現在)。
C アメダス資料による感染好適日の推定では、6月25日以降7月4日まで、感染には不適な気象条件で推移した。
D 向こう1か月の平均気温は平年より低く、降水量は平年並みの可能性が大きいと予報されている。
E 7月2日現在、水稲の生育は平年より3日遅れている。
(2)防除上の注意事項
@ 粒剤による葉いもち防除を実施した地域では、7月中旬以降は薬効が低下する時期なので、発生が認められる場合は茎葉散布剤(粉剤、水和剤等)による防除を実施する。
A 航空防除等の共同防除地域では、発生状況に注意し、散布間隔が長くなる場合は補完防除を実施する。
B 数日間の低温に遭遇した後や追肥後の稲体は、いもち病抵抗力が低下するので発生推移に注意する。
C 葉いもちの上位葉(止葉、次葉)発病は穂いもちの伝染源になるので、出穂前の防除を徹底する。
D 穂いもち防除に粒剤を施用する場合は、予想出穂期を参考にし適期防除に努める。
2.紋枯病
〇発生時期:やや遅い
〇発生量:やや少ない
(1)予報の根拠
@ 7月第1半旬の巡回調査の結果、発生は確認されなかった。
A 7月2日現在、水稲の生育は茎数が平年を下回っている。
B 前年の発生量から、伝染源量は少ないと推測される。
C 本病は、高温・多湿(多雨)条件で発病が助長されるが、向こう1か月の平均気温は平年より低く、降水量は平年並みの可能性が大きいと予報されている。
(2)防除上の注意事項
@ 7月中の発生が少なくとも、気象条件(高温、多湿)によっては出穂期以降急激に病勢進展することがあるので発生推移に注意する。
A 防除適期は、紋枯病の病斑が第4葉鞘に進展してきたころ(通常の場合、穂ばらみ期から出穂期)である。
B 防除要否の目安は、穂ばらみ期の発病株率が早生・中生種15%程度以上、晩生種20%程度以上とする。
C 前年多発したほ場や多発が予想される気象の場合(登熟期に降雨が多い)、穂揃期に2回目の防除を行う。
3.稲こうじ病
〇発生量:並み
(1)予報の根拠
@ 前年の発生から、伝染源量はやや少ないと推察される。
A 稲こうじ病は、出穂20日前から出穂期の間に降雨日数が多いと多発する傾向にあるが、向こう1か月の降水量は平年並みの可能性が大きいと予報されており、感染にはやや好適であると予想される。
(2)防除上の注意事項
@ 銅含有剤(Zボルドー、撒粉ボルドー等)の防除適期は、出穂前20日から10日なので予想出穂期を参考にし遅れないように実施する。
Aカスミンボルドー、カッパーシン水和剤は、使用濃度が高いと薬害が発生するので、希釈倍数(2,000倍)を厳守する。
B ベフラン含有剤(ラブサイドベフランなど)は、出穂前10日前後が防除適期であり、適期幅が比較的狭いので散布時期に注意する。
C 多発すると品質のほかに収量にも影響するので、前年発生したところやその周辺の水田では防除を実施する。
D 例年晩生種(みやこがねもち等)や多肥田で発生が目立つ傾向があるので、これらの水田では確実に防除を実施する。
4.ツマグロヨコバイ
〇発生時期:やや遅い
〇発生量:やや少ない
(1)予報の根拠
@ 予察灯(名取市高舘)における初飛来は平年並みであった。
A 7月第1半旬のすくい取り調査の結果、全般的に密度はやや低かった。
B 向こう1か月の平均気温は低い可能性が大きいと予報されている。
(2)防除上の注意事項
@ 第1世代の発生が目立つところでは、第2世代の若齢から中齢幼虫期にあたる8月上旬に薬剤を散布する。
A 発生の多い地域では、防除効果を高めるため広域的な防除に努める。
B 使用薬剤は、有機りん剤やカーバメート剤の単剤はなるべく避け、有機りん剤とカーバメート剤またはアプロード剤とカーバメート剤の混合剤を使用する。
5.ヒメトビウンカ
〇発生時期:やや遅い
〇発生量:並み(平年並みに少ない)
予報の根拠
@ 向こう1か月の平均気温は低い可能性が大きいと予報されている。
A 7月第1半旬の巡回調査の結果、発生密度は全般的に低かった。
6.斑点米の原因となるカメムシ類
〇発生量:並み
(1)予報の根拠
7月第1半旬の巡回調査の結果、水田周辺雑草および牧草地におけるカメムシ類の発生密度は平年よりやや低かった。
(2)防除上の注意事項
カメムシ類は、水田周辺の出穂している牧草や雑草で増殖するので、牧草地や水路、道路法面、河川堤防の雑草、牧草は早めに刈り取る。
7.イナゴ(コバネイナゴ)
○発生量:やや多い
(1)予報の根拠
近年多発傾向が続いており、前年の発生量は多かった。
(2)防除上の注意事項
@ イナゴは8月に入ると食害量が急増するので、防除効果の高い若齢幼虫期に薬剤を散布する。
A 薬剤散布は地域一斉に行い、周辺雑草も含めて散布する。
B オフナックバッサ粉剤DLの使用期間は、収穫45日前まで(ただし出穂前まで)、オフナック乳剤は、収穫60日前までなので、散布時期に注意する。
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