水稲冷害研究チーム

1996年宮城県「発生予察情報」


宮城県:

 情報提供は宮城県病害虫防除所.詳細に関する問い合わせは企画指導課(TEL直通:022-275-8960, FAX:022-276-0429)にお願いいたします.

 病害虫発生予報第6号(7月25日)

[概要]
 葉いもちは、発生時期がやや遅く、発生量は平年並みと予想されます。また、穂いもちも発生時期がやや遅く、発生量は平年並みと予想されます。葉いもち発生の多い水田、生育の遅れている水田、葉色の濃い水田では防除を確実に実施してください。紋枯病の発生は、やや少ないと予想されます。稲こうじ病はやや多い発生が予想されます。注意報第1号(7月24日付け)に準じて防除を実施してください。害虫では、イナゴの発生が多いと予想されます。発生の多い所では直ちに防除を実施してください。また、ツマグロヨコバイの発生がやや多いと見込まれますが、斑点米の原因となるカメムシ類、フタオビコヤガ、セジロウンカ等の発生は、平年並みから少ない見込みです。

1.いもち病(葉いもち)
 〇発生時期:やや遅い
 〇発生量 :並み

(1)予報の根拠
 @ 全般発生期は7月第3半旬で平年並みであった。
 A 7月第3半旬から第4半旬の巡回調査の結果、県平均の発生地点率はやや低かった。
 B 県予察ほ(名取市高館)における分生胞子の飛散状況は、初補捉が7月16日で平年より遅く、飛散量も少ない。
 C アメダス資料による感染好適日の推定では、7月20日から22日にかけて感染好適条件が広範囲に出現している。
 D 7月19日現在、水稲の生育は3日程度遅れている。
 E 向こう1か月の平均気温は平年より低く、降水量は平年より多い可能性が大きいと予報されており、発生には好適であると予想される。

(2)防除上の注意事項
 @ 穂いもち防除に粒剤を使用する地域で、葉いもちの発生が多い場合は、茎葉散布剤による補完防除実施後に施用する。
 A 航空防除等の共同防除地域では、発生状況に注意し、散布間隔が長くなる場合は補完防除を実施する。
 B 数日間の低温に遭遇した後や追肥後の稲体は、いもち病抵抗力が低下するので発生推移に注意する。
 C 葉いもちの上位葉(止葉、次葉)発病は穂いもちの伝染源になるので、出穂前の防除を徹底する。

2.いもち病(穂いもち)
 〇発生時期:やや遅い
 〇発生量 :並み

(1)予報の根拠
 @ 本年の予想出穂期(平坦部、ササニシキ)は8月7〜11日で、平年よりやや遅い(7月18日現在)。
 A 県予察ほ(名取市高館)における分生胞子の飛散状況は、初捕捉が7月16日で平年より遅く、飛散量も少ない。
 B 7月第3半旬から第4半旬の巡回調査の結果、葉いもちの県平均の発生地点率はやや低かった。
 C 向こう1か月の平均気温は平年より低く、降水量は平年より多い可能性が大きいと予報されており、発生には好適であると予想される。

(2)防除上の注意事項
 @ 穂いもち防除に粒剤を施用する場合は、予想出穂期を参考にし適期防除に努める。散布に当たっては、湛水状態で行い、散布後も3日から5日は湛水状態を保つ。
 A 茎葉散布剤による防除を実施する地域では、出穂直前、穂揃期、傾穂期の3回防除を徹底する。

3.紋枯病
 〇発生時期:やや遅い
 〇発生量 :やや少ない

(1)予報の根拠
 @ 初発は7月5日(岩沼市長岡)で、平年より8日遅かった。
 A 7月第3半旬から第4半旬の巡回調査の結果、発生は平年より少なかった。
 B 7月19日現在、水稲の生育は3日程度遅れている。
 C 前年の発生が少なかったことから、伝染源量は少ないものと推察される。
 D 本病は、高温・多湿(多雨)条件で発病が助長されるが、向こう1か月の平均気温は平年より低く、降水量は平年より多い可能性が大きいと予報されている。

(2)防除上の注意事項
 @ 7月中の発生が少なくとも、気象条件(高温、多湿)によっては出穂期以降急激に病勢進展することがあるので発生推移に注意する。
 A 防除適期は、紋枯病の病斑が第4葉鞘に進展してきたころ(通常の場合、穂ばらみ期から出穂期)である。
 B 防除要否の目安は、穂ばらみ期の発病株率が早生・中生種15%程度以上、晩生種20%程度以上である。
 C 前年多発したほ場や多発が予想される気象の場合(登塾期に降雨が多い)、穂揃期に2回目の防除を行う。

4.稲こうじ病
 〇発生量:やや多い

 詳細は注意報第1号(7月24日発表)参照のこと。

5.ツマグロヨコバイ
 〇発生時期:やや遅い(第2世代若齢幼虫期:8月第2半旬)
 〇発生量 :やや多い

(1)予報の根拠
 @ 農業センター(名取市高館)における7月第4半旬の調査では、発生時期が平年並みであった。
 A 7月第3半旬から第4半旬の巡回調査の結果、全般的に密度は高かった。
 B 向こう1か月の平均気温は平年より低く、降水量は平年より多い可能性が大きいと予報されている。

(2)防除上の注意事項
 防除は第2世代若齢から中齢幼虫期と見込まれる8月上旬に実施する。

6.セジロウンカ
 〇発生量:少ない

(1)予報の根拠
 @ 飛来量は平年より少ない。
 A 向こう1か月の平均気温は平年より低く、降水量は平年より多い可能性が大きいと予報されている。

(2)防除上の注意事項
 防除を要するところは少ない見込みである。

7.フタオビコヤガ(イネアオムシ)第3世代
 〇発生時期:やや遅い(第2世代成虫羽化・産卵盛期:8月第2半旬)
 〇発生量:やや少ない

(1)予報の根拠
 @ 7月第4半旬現在、発育は平年よりやや遅れている。
 A 第2世代幼虫密度は平年よりやや少ない。
 B 向こう1か月の平均気温は低く、降水量は多い可能性が大きいと予報されていることから、発生にはやや好適と見込まれる。

(2)防除上の注意事項
 本種の被害は、第3世代幼虫によるものが最も大きいので、第2世代幼虫の発生が目立ったところでは、8月中旬の若齢幼虫期に薬剤を散布する。

8.斑点米の原因となるカメムシ類
 〇発生量:並み

(1)予報の根拠
 7月第1半旬の巡回調査の結果、水田周辺の雑草および牧草でのカメムシ類の発生密度は平年よりやや低かった。

(2)防除上の注意事項
 @ これからの水田周辺のイネ牧草や雑草の刈り取りは、かえってカメムシ類を水田に追い込み、被害を助長するので出穂10日前までに刈り取る。
 A 常発地や水田周辺のイネ牧草および雑草でカメムシ類の発生が認められるところでは、穂揃期とその7〜10日後の2回薬剤を散布する。
 B 薬剤散布は地域一斉に行い、周辺雑草も含めて散布する。
 C 使用薬剤は、有機りん剤やカーバメート剤の単剤はなるべく避け、混合剤を用いる。

9.イナゴ(コバネイナゴ)
 〇発生量:多い

(1)予報の根拠
 7月第3半旬から第4半旬の巡回調査の結果、イナゴの発生密度は平年より高かった。

(2)防除上の注意事項
 @ イナゴは8月に入ると食害量が急増するので、発生の多いところでは早急に薬剤散布を実施する。
 A 薬剤散布は地域一斉に行う。
 B オフナックバッサ粉剤DLの使用期間は収穫45日前まで(ただし出穂期まで)なので、散布時期に注意する。オフナック乳剤の使用期間は収穫60日前までなので、使用しない。

◎その他病害虫の発生状況と防除対策
 長距離移動性害虫(トビイロウンカ、コブノメイガ、アワヨトウ)
 トビイロウンカ、コブノメイガの発生は、すくい取り調査及び予察灯ともに確認されていない。アワヨトウは水田及び牧草地ともに発生は未確認である。

  
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