水稲冷害研究チーム
1997年宮城県「発生予察情報」
情報提供は宮城県病害虫防除所.詳細に関する問い合わせは企画指導課(TEL直通:022-275-8960, FAX:022-276-0429)にお願いいたします.
○病害虫発生予報第1号(4月24日)
<概要>
水稲では種子伝染する細菌性苗腐敗病の発生や苗の葉いもちの発生は平年並みと予想されますが、ハウス内の温度や潅水等の育苗管理に注意してください。
- 苗立枯病:発生量やや少ない
- 予報の根拠
- 4月中旬までの気温は寒暖の差が大きかった。
- 巡回調査の結果、全般に発生程度は低かった。
- 苗の生育は平年並みで概ね順調である。
- 5月始めまでの気温、日照時間は平年並みであると予報されている。
- 防除上の注意事項
- 適正な温度管理を行い、極端な高温や低温は避ける。また、多湿管理は発生を助長するので余分な潅水は控える。
- 低温に遭った場合は、タチガレン液剤の潅注を行う。
- 細菌性苗腐敗苗(もみ枯細菌病、苗立枯細菌病):発生量並み
- 予報の根拠
- 前年の本田における感染はやや不適であったと推察される。
- 4月第2半旬の気温は平年より高かった。
- 4月21日現在、県内数地点で発生が確認された。
- 5月始めまでの気温、日照時間は平年並みであると予報されている。
- 防除上の注意事項
- 緑化期以降の高温・多湿管理は避ける。
- ハウス内で部分的に発生した場合は、発病した箱を取り除き蔓延を防ぐ。
- 発病した苗は枯死するので、移植しない。
- 低温に遭った場合は、タチガレン液剤の潅注を行う。
- 苗いもち:発生量並み
- 予報の根拠
- 前年の穂いもちの発生は少なかったことから、種子の保菌率は低いと推察される。
- 5月上旬から中旬は気温が低いと予報されている、育苗期間が長引くと推察される。
- 防除上の注意事項
- 稲わらや籾殻などは伝染源となるので、育苗施設の中には置かない。
- 発生した場合は、発病苗を処分するとともに育苗施設内部の苗に薬剤散布を行う。
- 移植適期の葉齢に達した苗は早めに移植する。また、育苗日数が30日以上になると苗の葉いもち発生の危険があるので、移植前に薬剤散布を行う。
- 本田での葉いもち発生は補植用残り苗が伝染源となるので、残り苗は補植作業が終わりしだい直ちに処分する。
- 縞葉枯病(ヒメトビウンカ):発生量少ない
- 予報の根拠
- 近年、少発生が続いている。
- ヒメトビウンカの縞葉枯病ウイルス保毒虫率はきわめて低いと推察される。
- 防除上の注意事項
- 本病を対象にした防除は必要ない。
- イネヒメハモグリバエ:発生量やや少ない
- 予報の根拠
- 4月第2半旬から第3半旬の水路雑草における産卵量はやや少なかった。
- 防除上の注意事項
- 沿岸地帯では、年により局所的に多発することもあるので注意する。
- 極端な深水管理は産卵を助長するので避ける。
- 軟弱徒長苗や田植え直後に低温が予想される場合は、粒剤の育苗箱施用は行わず、本田で防除する。
- 田植え時期が地域の標準より早いほど産卵量が多くなる傾向があるので、早植えする場合は、粒剤の育苗箱施用を行うか、田植え後の産卵状況に注意して本田防除を行う。
- 本田における産卵量は、田植え後5日前後でほぼピークに達するので、この時期の産卵量が多ければ、粒剤は田植え後7日頃、粉剤や乳剤は田植え後10日頃に散布する。
- イネミズゾウムシ:発生量やや少ない
- 予報の根拠
- 発生密度は平成3年をピークに低下傾向にある。
- 防除上の注意事項
- 年発生の目立ったところや、既発生地で周辺に林、土手、やぶの多い水田では、予防措置として粒剤の育苗箱施用を行う(防除基準参照)。
- 軟弱徒長苗や田植え直後に低温が予想される場合は、粒剤の育苗箱施用は行わず、本田で防除する。
- イネドロオイムシ:発生量並み
- 予報の根拠
- 前年の発生量から、越冬後成虫密度は平年並みと推定される。
- 防除上の注意事項
- 常発地や前年多発したところでは本年も多発が予想されるので、予防措置として粒剤の育苗箱施用を行う。(防除基準参照)
- 軟弱徒長苗や田植え直後に低温が予想される場合は、粒剤の育苗箱施用は行わず、本田で防除する。
- サンサイド剤やオンコル剤などカーバメート系薬剤に抵抗性の個体群が県内の一部地域で確認されているので、本剤を使用している場合は効果に十分注意する。
- イネハモグリバエ(第1世代):発生量並み
- 予報の根拠
- 近年、発生地が拡大傾向にあるが、前年の発生量から越冬密度は全般に低いと推定される。
- 防除上の注意事項
- 全般的に防除を要するほどの発生はない見込みである。前年発生の目立ったところでは発生に注意する。
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