水稲冷害研究チーム

1997年編集長日誌


1997年編集長日誌

この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。

6月


 
−−−−−−−−−   上旬   −−−−−−−−−


○ 6月1日(日)
 昨日の気象データをまとめる。寒冷低気圧が通過。オホーツク海高気圧が張り出してきたため、地帯4,6,8では気温が低下した。
30日の週間予報支援図によると、強い寒気の南下は予想されていない。今後はオホーツク海高気圧がどの程度張り出すかが注目される。
5月上・中・下旬の気象経過をまとめる。5月下旬は各地帯とも低温で経過したことが明確にでている。
 
○ 6月2日(月)
 昨日の気象データをまとめる。寒冷低気圧の通過で、北部は雲に覆われた。北部太平洋沿岸部はやませの影響で気温が上がらなかった。生育の遅延がいよいよ心配される。
 アメダス実況図が午前2時以降更新されていない。ウエザーニューズの開発担当者にメールでチェックをお願いする。
31日の週間予報支援図によると、一時的に気温は上がるが、週末には弱い寒気の南下が予想されている。予測が日々変わり、不安定な状態が続いている。次の寒冷低気圧が梅雨前線を伴って接近する。九州などでは梅雨入りの可能性があるという。
アメダス自動監視システムがダウンする。コンピュータのハード故障と診断される。明日、マシンを持って修理に来てくれるという。ありがたいことだ。
岩手県農業研究センター来室。いもち病等の予察にリモートセンシング技術をどの程度適用できるか、協議する。
1日の週間予報支援図によると、やはり週末に寒気が南下すると予想されている。冷害の危険度の高い地帯は今日も一日気温が低い。
仙台リサーチセンターの関係者から連絡があり、明日ひまわりによる推定日射量画像提供の件で来室するとのこと。

○ 6月3日(火)
昨日の気象データは欠測となる。本日復旧することを期待する。
農政局から水温に関する情報が入る。水稲冷害研究チーム通信の発行をお願いしたとの依頼あり。
仙台管区気象台から低温注意報を出す準備を進めているという電話が入る。対象は北部太平洋沿岸部のようだ。5日頃から低温が来週初め頃まで続く予想だ。2日の週間予報支援図でも同様の予測を示す。
農政局から生育と水温情報が入る。6月1日現在の各県の生育状況は次の通り。
青森県:活着期にあり、平年より2〜4日遅れ。太平洋側での遅れが大きい。
岩手県:活着期から分げつ前期にあり、ほぼ平年並み。ただ、県北部では活着がやや遅れている。
宮城県:分げつ前期にあり、ほぼ順調に推移。
秋田県:活着期にあり、ほぼ順調に推移。
山形県:分げつ前期にあり、ほぼ順調に推移。
福島県:分げつ前期にあり、ほぼ順調に推移。
このように現在のところ、青森県と岩手県北部の活着が遅延している。
ウエザーニューズ来室。アメダス自動監視システムがやっと復旧した。新機能として日別アメダス分布画像が提供できることになった。監視にも役立つし、閲覧者の方にも利用できるものと思う。
東北大学川村教授、富士通関係者来室。通信・放送機構の仙台リサーチセンターから気象衛星「ひまわり」を用いた時別・日別・旬別推定日射量画像が提供していただける。場内関係者を加えてデモを行い、どのように活用できるかを検討する。
 宮城県の友人からメールが来る。天候の推移が良くなく、稲は分げつを始めているが、例年より勢いがなく葉色も淡いという。また、技術情報の充実を余裕がでたらお願いしたいとのこと。ありがたいご指摘だ。
夜は業務3科主催の「早苗ぶり」に参加、関係者と田植えの慰労と本年の豊作を願う。

○ 6月4日(水)
 昨日と一昨日の気象データをまとめる。やはり北部太平洋沿岸部では気温が上がっていない。
昨日、仙台管区気象台が低温と日照不足に関する情報を出す。上の地帯が対象。
3日の週間予報支援によると、今後1週間は北日本上空に強い寒気が南下する予想だ。状況は良くない。
岩手県種市のモニターの方から、やませ報告が来る。水田の方は、続く低温で葉色が悪いとのこと。また苗ものも根腐れを起こし新たに買い求める人で、市場は盛況とのこと。低温と日照不足の影響が多方面で出ているようだ。
岩手県北上のモニターの方から、近況報告がくる。稲は低温・日照不足にも関わらずどうにか活着したとのこと。現在のところはやや深水管理をしているという。今除草剤散布と畦畔の草刈りに追われているようだ。
山形県鶴岡のモニターの方から、稲の生育は順調に進んでいるとの連絡がある。
品種比較試験区と施肥試験区の生育調査を行う。葉齢は4前後(不完全葉は数えていない)で、根もやっと張り出してきた。葉の色がやや淡い。品種毎に顔が違い興味深い。

○ 6月5日(木)
昨日のデータをまとめる。青森県と岩手県では気温が低い状態が続いている。このまま梅雨入りになるのではと心配される。
本日は、宮城県松山町と小牛田農業改良普及センターに県の生育診断圃場へポット設置のための依頼に行く。松山町の稲を見ることができる。
われわれの実証現場である松山町では、5月上旬の移植水田では完全葉が5,6枚展開、生育は見た目まずまずの様子で安心する。直播水田、不耕起移植などの試みが散見される。久しぶりの晴天で水田の苗の緑が目に爽やかだ。また、宮城県農業センターがラジコンヘリによる大区画圃場の撮影に来ていたが、風が強く計測は実行できなかった。役場の産業課に立ち寄り今後の研究方向を打ち合わせる。
小牛田農業改良普及センターで、宮城県農業センターと仙台農業改良普及センターの関係者とポット設置に関する打ち合わせを行う。その後、鹿島台と大郷の生育診断圃場に案内していただき、ポット設置個所を決める。設置は11日に実行する予定。
普及関係者によると、5月下旬からの低温で下位の分げつの発生が抑制されている状況のようだ。今後の天候回復を皆が期待している。
4日の週間予報支援図によると、8日頃まで寒気が南下する予想となっている。

○ 6月6日(金)
 昨日の気象データをまとめる。心配される地帯8も久しぶりに気温が上がる。しかし、今後とも日照不足と低温が続く予想で、気象庁は注意を呼びかけている。
早朝は晴れていた盛岡も午前8時頃から雲が掛かり、冷たい風が吹く。
福島県(浜通り)と宮城県の技術情報をまとめる。
5日の週間予報支援図によると、今後数日間は寒気が南下する予想となっている。北部太平洋側の生育遅延が懸念される。
品種比較試験区の生育調査をする。本葉で第5葉が抽出中。分げつの発生は認められない。葉の色はやまり淡く、徒長気味だ。
1か月予報を入手。次週はオホーツク海高気圧が張り出し低温傾向のようだ。
 
○6月7日(土)
昨日の気象データをまとめる。日本海側で気温が低下したのが特徴。最高気温は2〜5度程度低い状態が続いている。
新聞によると、青森県経済連は不順天候対策本部を設置した。生育の遅れが顕著となってきたためのようだ。
早期警戒情報をまとめる。地帯によっては低温と日照不足に注意が必要だ。
週間予報支援図によると、今後数日オホーツク海高気圧が張り出し、寒気が南下する予想となっている。

○ 6月8日(日)
昨日の気象データをまとめる。全般に気温が下がった。日本海側も気温は低い。
オホーツク海高気圧の張り出しが始まり、太平洋側にはやませが吹く。
 午前5時現在、青森・岩手県沿岸と北部、秋田県北部は気温が10度以下。
午前6時現在、青森・岩手両県の太平洋側沿岸にやませが吹きはじめる。津軽と盛岡周辺では日差しがある。津軽と盛岡周辺は同一地帯に属するが、やませが吹くとその類似性がよく分かる。
午前8時現在、青森・岩手両県の太平洋沿岸部と福島県飯館・船引では気温が10度以下。やませは福島県にも及ぶ。
午後10時現在、日本海側は全般に日差しが出てきたが、太平洋側は依然日照のない状態が続く。
生育進度情報提供の準備を行う。
仙台リサーチセンター提供の日射量分布画像は土日更新されなかった。トラブル発生か。

○ 6月9日(月)
昨日の気象データをまとめる。やませの影響で全般に低温。日本海側は日照があったが、気温は下降傾向だ。地帯6と8は平均気温が10度に達しなかった。明日はそれら地帯の稲の姿を観察できる。
午前5時現在、青森県、岩手県、宮城県、福島県の山間部では気温が10度以下となっている。日本海側でも中山間地は10度以下。今日一日やませが吹き荒れるのか。山形県狩川では強い東風が吹いている。
岩手県北上のモニターの方からメールが届く。昨日岩手県北部地帯に研修で出かけ、観察した水田の様子を知らせてくれた。葉色は着かず田植えが終わった直後か少し日がたった様子という。想像していた通りの稲の姿のようだ。
8日の週間予報支援図によると、北日本における寒気の南下は今後弱まる予想となっている。しかし、偏西風は大きく蛇行することが予想され、油断のできない状況だ。
東北農政局から、青森県の第1回農作物不順天候対策連絡会議の資料が来る。津軽地方を除いて、活着とその後の生育が遅延しているとのこと。軟弱徒長苗を植え付けた水田の一部では代枯れも発生しているようだ。6月6日付で「低温と日照不足に対する技術対策」(農作物生産指導臨時情報)が出されている。
午前10時現在、気温が10度以下の地点は青森県小田野沢、岩手県遠野、宮城県築館となっている。太平洋側は15度以下のところが多い。
午前11時現在、気温が10度以下の地点はなくなった。しかし、太平洋側は15度以下のところがほとんどだ。
本日、東北地方が梅雨入りしたものと発表された。状況はいよいよ悪くなった。
研究チーム通信を準備する。来週初めに発行する予定。
青森県・岩手県・宮城県の生育診断圃場にポットを設置するための準備をする。10日は三沢地域農業改良普及センター、十和田地域農業改良普及センターと岩手県県北農業研究所に訪問予定。11日は宮城県古川農業試験場、小牛田地域農業改良センター、仙台地域農業改良普及センターを訪問予定。12日は岩手県一関地域農業改良普及センター、農業研究センター銘柄米研究室、紫波地域農業改良普及センターを訪問予定。
宮城県亘理の農家の方から、イネミズゾウムシが周辺水田で大発生したとのこと。対策とイネミズゾウムシの生態についての問い合わせが来る。宮城県ではイネミズゾウムシの要防除水準が本年から改正されたこと、また生態に関する概要をお知らせした。
山形県農業試験場の友人から、メールが来る。山形でも生育の遅れを心配する段階になってきたようだ。
 
○ 6月10日(火)
 昨日の気象データをまとめる。依然としてオホーツク海高気圧の影響で全域で気温が下がる。
生育診断圃場にポットを設置するために、青森県三沢地域農業改良普及センター、十和田地域農業改良普及センターならびに岩手県県北農業研究所を訪れる。三沢地域はやはり低温の影響で、代枯れ、葉先の傷み、苗が黄色などの低温の障害が現われている。ほとんどの水田は深水管理で稲を必死で守ろうとしている。今日の気温は昨日と比べて10度程度高い。県内一斉調査日であり、青森県の生育状況が明日には判明するだろう。十和田地域は三沢地域ほどではないが、やや苗の色が淡い。生育は確実に遅れているようだ。分げつはみられない。
軽米地域は山間部であるため、どの水田も田植え直後の様子を呈する。同センター関係者によると、生育はやはり遅れている状況だ。同センターは新築・移転のため生育の平年値がないために、遅れの程度はわからない。
 岩手県種市のモニターの方から、稲の低温・日照不足の障害の様子に関するメールが来る。葉先が枯れ、分げつもまだ出てきていないとのこと。
宮城県亘理町(酪農と水田経営)の方からイネミズゾウムシに関する情報提供に対するお礼のメールがくる。稲の生育は日照不足と低温で草丈、分げつともに不足しているとのこと。天候が回復すると持ち直すとのこと。
岩手県農業研究センターから水稲生育定期調査の結果が来る。移植後の低温・日照不足により、水稲の生育は停滞し、6月5日現在(江刺)では、草丈は平年並み、葉数は平年より1葉前後遅れ、葉数遅れと低温の影響により分げつの発生は少なく、茎数は平年の40〜50%前後に止まっている。
9日の週間予報支援図によると、今後北日本上空へは寒気の南下が予想されていない。偏西風は北へ上がり、太平洋高気圧が一時的に張り出すと見ているようだ。それに伴って梅雨前線も本州付近に停滞する可能性が高い。気温は戻っても日照不足による生育遅延が心配される。
 
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○ 6月11日(水)
昨日の気象データをまとめる。全域で降雨があり、気温は上昇する。南部では日差しがあった。
 「エルニーニョ現象発生の可能性」の記事が各紙に出る。前々から同現象の発生の兆候があると報道されていたが、いよいよ気象庁も発生の可能性を否定できない段階にきたようだ。
本日は宮城県の生育診断圃場にポットを設置する。古川農業試験場、鹿島台(農家圃場)、大郷(農家圃場)を訪問する。宮城の稲は昨日の青森県三沢・十和田の稲とは大きく異なり、生育は遅れているがほぼ問題ない状態だ。
山形県鶴岡のモニターの方から、生育の状況に関する報告が来る。6月4日以降寒い日が続き、生育は停滞気味のようだ。深水気味に管理しているところは影響が最小限に止まっているような気がするとのこと。比較的条件の良い日本海側でも、日照不足と低温の影響が現われているようだ。また生育調査のデータファイルも添付していただいた。移植のはえぬきとササニシキは草丈約27cm、葉齢は6.5葉。直播は草丈21cm、葉齢は4.5葉とのこと。
福島県庁の友人から、エルニーニョと東北地方の夏の気温との関係に関する資料がないか問い合わせが来る。以前に仙台管区気象台から頂いた資料を提供する。
10日の週間予報支援図によると、本州と北日本上空に寒気が南下する予想となっていない。今北日本を覆っている高気圧が通過した後、どのように変化するか経過を追跡する必要がある。
ホームページの意見交換欄に、韓国の新聞社関係の人からメッセイジが寄せられた。
宮城県病害虫防除所から「葉いもち」注意報の原稿がメールで届く。早急にまとめる。
福島県・岩手県予察情報入手。

○ 6月12日(木)
昨日の気象データをまとめる。気温は高く、北部ほど日照があった。
午前6時現在、青森・岩手両県の太平洋沿岸部では東風になる。またやませが吹き始めたようだ。
今日は、一関地域農業改良普及センター、江刺市の県農業研究センター、紫波地域農業改良普及センターを訪問し、生育診断圃場にポットを設置する。どの地域も生育は数日〜1週間程度遅れている状況だ。
11日の週間予報支援図によると、まだ数日は不安定な状態が続きそうだ。今日も太平洋側北部沿岸部は気温が15度以下でやませが吹いている。青森県の調査結果によると、県南部のやませのひどいところでは10日以上生育が遅れているようだ。
種市のモニターの方から、やませ報告が来る。
 3日間にわたるポット設置作業が無事完了した。

○ 6月13日(金)
昨日の気象データをまとめる。やませが再び吹き始めた。青森県太平洋側、宮城県、福島県浜通りではやませの低い雲に覆われている状態がNOAA画像で確認できる。気温は全般に高かったが、地帯4と8では気温は上がらなかった。特に生育の遅れが心配されている青森県太平洋沿岸部は平均気温が13度程度。反対に、日本海側は日差しがあり、その様子はひまわりの推定日平均日射量分布図でよく把握できる。
東北農政局から各県の生育状況に関する情報が入る。生育の遅れは全般に数日から1週間程度でている。茎数が平年より少ない。
岩手県県北農業研究所から生育調査の結果報告がくる。生育はかなり遅れている。
 品種比較試験の生育調査を行う。葉齢は本葉で5〜6葉期であり、分げつがやっと始まった。
1か月予報を入手。平均気温は平年並みの見込み。また第1週は気温が高いと予想されている。
12日の週間予報支援図によると、寒気の南下は予想されていない。偏西風は北海道の北へ移動し、太平洋高気圧が張り出すようだ。今日はほぼ全域で日照があり、気温も上がった。このような天候が続くことを期待したい。しかし、太平洋側北部沿岸ではやはり気温が上がっていないようだ。

○ 6月14日(土)
 昨日の気象データをまとめる。全般に気温も高く、多照であった。しかし、地帯8は低温・日照不足の状態が続く。
早期警戒情報をまとめる。地帯8は依然警戒が必要だ。
圃場で分光計測を行う。
全般に日差しがあり、気温も上がる。

○ 6月15日(日)
 昨日の気象データをまとめる。全般に日差しもあり、気温が上がる。どの地帯も平年並みの天候推移に戻りつつある。
14日の週間予報支援図によると、強い寒気の南下はない見込みだ。

○ 6月16日(月)
昨日の気象データをまとめる。全般に平年並みの天候に戻った。生育の回復が期待できる。
午前6時現在、東よりの海風が入る。気温は太平洋側では15度以下となっている。
15日の週間予報支援図によると、偏西風は北海道の北へ移動し、寒気の南下はないと予想されている。
午前10時現在、東よりの海風が入り、太平洋側には雲がかかる。沿岸部では気温の上昇が鈍い。
午後1時現在、東よりの海風が入り、青森・岩手・宮城県の太平洋側に雲がかかる。地帯8では気温が15度を超えていない。
午後6時現在、やませの特徴がはっきりと出始めた。青森・岩手県沿岸部、宮城県、福島県浜通りでは気温が15度を下回る。昨日とは一転して気温が上がらなかったようだ。
県の予察情報・技術情報を入手。

○ 6月17日(火)
昨日の気象データをまとめる。オホーツク海高気圧からの海風で太平洋側を中心に雲がかかり、気温も上がらなかった。一方、津軽と秋田県は終日晴れ、気温・日射量ともに恵まれ、生育の回復が期待できる。しかし、地帯6と8は海風の影響で平均気温が15度を超えなかった。
16日の週間予報支援図によると、今後北日本へ寒気が南下する模様。
オホーツク海高気圧の影響で、太平洋側は雲がかかる。
午前11時現在、海風の影響により太平洋側と日本海側との違いが明瞭に現われる。太平洋側でも十和田・三沢周辺は日差しがあり、気温も徐々に上がる。
農政局から水温測定データが届く。
農政局に5月上・中・下旬と6月上旬の気象経過データを送付する。
 公開意見に激励のメッセイジが来る。このホームページを継続して欲しいとのこと。
品種比較試験区は現在、本葉7葉が抽出中である。分げつもやっと目に見えて現われ、3葉と4葉から発生しているものが多い。葉数は13日調査より約1枚程度増えている。生育が徐々に進みはじめた。好天が続けば、徐々に回復することが期待できる。
 
○ 6月18日(水)
・ 昨日の気象データをまとめる。海風の影響で岩手県南部から福島県の太平洋側は雲が張り付き、日照がほとんどなかった。その様子は仙台リサーチセンターの日平均推定日射量画像にきれいに現われている。ほぼ全域で概ね良好な天候が続いている。
・台風と梅雨前線の影響で南は雲がかかり、下北半島にはやませの雲がかかる。日本海側と北部は概ね良好な天候である。今後は台風の動きが鍵となる。
・ 東北農政局から、各県の生育と水温情報が来る。それによると、各県の生育概況(6月15日現在)は次の通り。
青森県:草丈が短く、茎数、葉数とも平年より少ない。分げつはほとんどしていない状況。
岩手県:草丈は短く、茎数、葉数とも平年より少ない。生育は3日程度遅れている。
宮城県:草丈はやや短く、茎数、葉数とも平年より少ない。生育は3、4日程度遅れている。
秋田県:草丈はやや短く、茎数、葉数とも平年より少ない。生育は3、4日程度遅れている。
山形県:草丈は平年並み、茎数、葉数とも平年より少ない。生育はほぼ平年並み。
福島県:草丈は平年並み、中通と浜通りでは茎数、葉数とも平年より少ない。両地帯では生育は2,3日遅れている。
・ 岩手県北農業研究所から生育調査結果が届く。移植後6月13日までは低温により分げつがほとんど進まなかったが、14日以降の好天で分げつが始まったとのことだ。
・ 岩手県農業研究センターから生育調査結果が届く。江刺市にある銘柄米開発研究室のササニシキの生育は茎数と葉数が平年をかなり下回っている。
・ 日本農業新聞記者が来室。

○ 6月19日(木)
昨日の気象データをまとめる。梅雨前線の影響で南部は曇り、北部ほど日差しがあった。気温も全般に高く、好天が続いている。福島県では弱い雨があり、いよいよいもち病のシーズンが到来する。各県の指導によると、予防粒剤は今月25日までに散布せよとのこと。
ひまわり画像によると、南に台風7号の渦巻き、西部に寒冷低気圧の渦がある。台風の今後の動きが注目される。盛岡は南から暖かい湿った空気が入り蒸し暑い。
岩手県北上のモニターの方からメールが届く。山形県鶴岡市で開かれた稲作経営者会議に出席し、かなりの圃場にイネドロオイムシの被害が見られるとのこと。
岩手県種市のモニターの方からメールが届く。岩手県での一斉調査のテレビ報道で紫波の稲の姿を見て、種市周辺の稲と大きく異なることに驚かされたとのこと。
午前8時現在、青森県太平洋沿岸部と青森市周辺にやませによる雲がかかり、気温の上昇が鈍い。
18日の週間予報支援図によると、今後北日本への寒気の南下はない予想となっている。
3ヶ月予報を入手。7月と8月は気温が低いとの予報となっている。確立は低いが50%、並みが40%、高いが10%である。このような確率分布はここ数年見たことがない。明日のマスコミは冷夏を大々的に取り上げるのでは。
分光計測を実施、快晴に恵まれ比較的よいデータが取れた。
水稲の生育調査をする。葉色が急激に濃くなって、分げつの発生も盛んとなってきた。多いもので1株十数本の分げつがある。葉も立ってきて、今後急成長期に入る見込み。やっと回復の兆しを感じる。

○ 6月20日(金)
・昨日の気象データをまとめる。全般に日差しに恵まれ、気温は急上昇。内陸部では30度を超えた。
・19日の週間予報支援図によると、北日本上空への寒気の南下は予想されていない。台風7号が紀伊半島へ上陸、その後関東へ進む予想だ。この台風の特徴は雨台風とのこと。今後の進路が注目される。
・ウエザーニューズ仙台支社から、台風情報が届く。一緒になって東北のことを心配いただき感謝する。以後3時間毎に情報をくれるとのこと。
・午前10時現在、福島県と宮城県で雨が降りはじめた。
・山形県鶴岡のモニターの方から、6月20日現在の生育調査の結果が来る。はえぬきの草丈33cm、平方メートル当たり茎数463本、葉齢8.0、ササニシキの草丈33.4cm、平方メートル当たり茎数641本、葉齢8.4。直播(どまんなか)の草丈26.4cm、平方メートル当たり茎数246本、葉齢6.5。移植稲は平年並みに回復してきたとのこと。直播がやや遅れているようだ。
・ 1か月予報入手。台風の通過後は梅雨前線の影響で天気がぐずつく見込みだ。いもち病の発生がいよいよ心配される時期となった。
 
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○ 6月21日(土)
・ 昨日の気象データをまとめる。台風7号の影響で南から暖かい空気が入り、ほぼ全域で降雨があった。北部では日差しがあったが、太平洋側南部を中心に日差しはほとんどなかった。今日は、西風が卓越し、日本海側を中心にぐずつくのでは。
・ 早期警戒情報をまとめる。今後ぐずついた天候となると予想されているため、いもち病が心配される。全般発生に関する情報は今のところない。
・ 水稲冷害研究チーム通信21号を作成。
・ 20日の週間予報支援図によると、今後北日本上空へ強い寒気の南下はない模様だ。

○ 6月22日(日)
・ 昨日の気象データをまとめる。寒冷低気圧の影響で日本海側ほど天候が悪かった。宮城県と福島県浜通りでは日差しがあった。いよいよ本格的な梅雨に入るか。梅雨前線が日本付近に停滞する様子だ。

○ 6月23日(月)
・ 昨日の気象データをまとめる。寒冷低気圧が北日本を通過し、天候はやや崩れる。南部は梅雨前線の雲がかかる。中部は日差しに比較的恵まれた。
・ 22日の週間予報支援図によると、月末に偏西風が蛇行し、位置も本州付近に南下する予想となっている。また、寒冷低気圧が今後北日本上空を断続的に通過する気配がある。
・ 山形県農業試験場来室。本年度のリモートセンシング関係の研究協力について協議する。
・ 水稲冷害研究チーム通信21号を発行。関係者に郵送する。
・ 東北農政局が6月15日現在の水稲生育調査結果を公表する。
・ 東北農政局から、天候不順対策連絡会議設置の案内が来る。これは3ヵ月予報を受けて、事前に各機関の連携を図り、技術指導等を徹底するのが目的。25日に開催される予定。

○ 6月24日(火)
・ 昨日の気象データをまとめる。比較的好天が続いているので安心だ。
・ 週間天気予報も大気が不安定なためか、なかなか当たらない。23日の週間予報支援図によると、今後とも強い寒気の南下はない模様だ。
・ 品種比較試験区の生育調査を行う。草姿の品種間差異が明瞭に現われはじめた。葉齢は8葉に達し、株当たり分げつは10〜20程度で急速に生育が進んでいる。
・ NHK社会部からホームページと冷害対策技術に関する問い合わせが来る。

○ 6月25日(水)
・ 昨日はほぼ全域で晴れ、気温も急激に上昇し、真夏日のところがあった。好天が続き、最高気温が平年より3〜4度も高い異常な状態が続いている。
・ 週間予報支援図によると、今後も強い寒気の南下は予想されていない。
・ 東北農政局の天候不順対策連絡会議に出席する。会議では、仙台管区気象台から3ヵ月予報と1ヵ月予報の内容について、詳しく説明がある。低温の予想時期は7月下旬から8月上旬にかけてであり、稲の冷害危険期に相当する。農政局と県からは現在の農作物の生育状況が報告され、今後の技術対策を取りまとめた。東北農試からは水稲の早期警戒システムを紹介した。いよいよ7月をまじかにして、関係機関の連携の強化と油断のない対応を相互に確認した。
・ 帰路、田んぼの様子を観察する。やはり、生育は遅れている。また、田植え時期やその後の管理によって、生育に大きな違いが出ているようだ。田んぼによって生育の良否が明瞭にでている感じがする。今後の天候の推移によっては、まだ油断できない状態にある。

○ 6月26日(木)
・ 昨日は、全般に晴れ、気温は高く、内陸部を中心に真夏日となった。最高気温は3〜5度程度も高く、この時期としては異常な天候が続いている。
・ チームメンバーが県の生育診断圃場に設置したポット稲の生育調査に三沢・十和田・軽米に行く。それら地域の稲の生育状況は比較的回復しつつあるとのこと。
・ 岩手県種市のモニターから、天候が順調なのでうれしいとのメールがくる。
・ 農政局から県別作柄地帯別水稲生育状況の資料が来る。

○ 6月27日(金)
・ 昨日は、梅雨前線の影響で全般に雨があり、気温も平年並みに戻った。
・ 台風8号が発生。日本付近に接近しつつある。梅雨前線は山形・宮城県付近に停滞し、本日も南部ほど雨が降る予報となっている。
・ 26日の週間予報支援図によると、月末に寒気の南下が予想されている。
・ 6月24日の品種比較試験区の調査結果がまとまる。田植えは5月19日、1株3本植え(手植え)、栽植密度30cmx20cm。結果は次の通り。

  草丈(cm) 葉齢 株当たり茎数(本)
かけはし 40.7 8.1 12.6
つがるおとめ 41.1 8.1 14.8
つがるロマン 41.1 8.4 10.8
ゆめさんさ 35.2 8.4 14.4
あきたこまち 35 8.3 13.6
ひとめぼれ 36.1 8.4 17.6
ササニシキ 35.7 8.1 15.6
こころまち 36.5 8 12.3
どまんなか 36.2 8.2 13.7
はえぬき 33.7 8.1 11.4
おきにいり 38.8 7.7 11.9
コシヒカリ 36.8 8.2 14.5

・ 仙台のウエザーニューズから台風情報第1号が来る。進路予想では、29日午前6時頃大阪付近に達する見込みだ。
・ 岩手県北農業研究所から生育調査結果が届く。中旬以降の好天で分げつが始まり、成苗「たかめみのり」は25日現在、平成5,7年と大差ないほどの茎数になっている。中苗の「たかねみのり」・「かけはし」は、平年の7割強の茎数を確保するに至っている。
・ 共同通信社会部から稲の生育に関する問い合わせが来る。
・ 岩手県農業研究センターから水稲の生育調査結果が来る。6月10日以降の高温・多照により水稲の生育は回復の傾向を示している。茎数は平年比70〜80%であるが有効茎はほぼ確保したとみられる。25日調査では葉数は平年差−0.2〜−0.7葉となっている。

○ 6月28日(土)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が山形・宮城県付近に停滞し、ほぼ全域で雨があった。台風8号の影響で南から暖かい空気が入り、気温は全般に高かった。
・ 台風8号は九州に上陸し、その後列島を横断する進路となっている。ただ、東北地方に近づくころには勢力は弱くなる見込み。
・ 早期警戒情報をまとめる。気温は平年よりかなり高く推移している。天候がぐずつく予報なのでいもち病の発生が懸念される。

○ 6月29日(日)
・ 昨日の天候は、台風8号の接近で梅雨前線が活発化し、山形・宮城県を中心に強い雨があった。総雨量はこれら地帯では70〜140mm程度。各地で災害が発生しているようだ。
・ 台風は未明に太平洋へ抜けたが、雨雲が残り、午前5時現在ほぼ全域で雨となっている。
・ 各県の技術情報をとりまとめる。

○ 6月30日(月)
・ 昨日の天候は、台風8号が通過した後、北からの冷たい空気が日本海側に押し寄せ気温は上がらなかった。一方、太平洋側は、日差しもあり気温は上昇した。依然、気温の高い状態が続いている。
・ 盛岡は台風一過の快晴となるが、日本海側は北からやや冷たい空気が押し寄せている。
・ 岩手県農業気象協議会に出席。水稲の生育はほぼ回復傾向にある。本日付でいもち病の注意報第1号が出される。盛岡地方気象台長の「冷害とエルニーニョ」に関する講演を聞く。
・ JA宮城経済連からホームページ情報掲載依頼が来る。
・ 福島県からアメダス監視地点の水稲生育情報が来る。ほぼ平年並みの生育に安堵する。

 
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