水稲冷害研究チーム

1997年編集長日誌


1997年編集長日誌

この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。

7月


 
−−−−−−−−−   上旬   −−−−−−−−−

○ 7月1日(火)
・ 昨日の天候は、台風一過北の移動性高気圧に覆われ、全域で晴れた。気温も上がり順調な天候だ。
・ 岩手県北上のモニターの方から、生育状況に関するメールが来る。生育はほぼ平年並みになってきたとのこと。畦の草刈りも終わり、7月に入ったら排水の悪い圃場から落水し溝切りを始めるとのこと。また、いもち病はまだ見えないとのこと。
・ 山形県鶴岡のモニターの方から、生育調査結果の報告が来る。草丈、茎数、葉齢ともに平年並みに近づき、ほぼ順調な生育のようだ。直播も茎数が600本を超えている。
・ 6月下旬の気象データをまとめる。気温は2〜4度程度高く推移した。日照時間は日本海側でやや平年より少ないが、太平洋側では概ね平年より多くなった。
・ 農政局へ6月下旬の気象表を送信する。
・ 農政局から水温測定データが来る。また各県の技術指導情報が相次いで入る。
・ 品種比較試験区の生育の概況を調べる。順調に生育が回復している。高温過ぎて分げつの形成が抑制されなければ良いのだが。


○ 7月2日(水)
・昨日の天候は、太平洋高気圧に覆われ、全般的に快晴で日本海側や太平洋側内陸部で気温が30度を超えた。
・ 岩手県・秋田県で葉いもち注意報が発令された。
・ 農政局から7月1日現在の生育状況が来る。各県の概要は次の通りとなっている。


○ 7月3日(木)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が停滞し、ほぼ全域で日差しがなかった。太平洋側では気温は上がったが、日本海側は平年並み程度。ほぼ順調に経過している。
・ アメダス実況図はトラブル。ウエザーニューズに修復を依頼する。午前8時から正常に戻る。
・ 品種比較試験区の生育調査を行う。見違えるように生育が進み、今が分げつ盛期といったところ。1株茎数も30本を超えるものもある。早生品種がやや茎数不足の感じがする。葉色(SPADII)も43〜51の範囲にあり、急激に窒素を吸収している様子だ。早生品種はまもなく幼穂形成期に入る。追肥をやや遅らせる必要があるかもしれない。ひとまず、順調な生育の回復に安堵する。
・ 各県から予察情報が来る。


○ 7月4日(金)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が東北中部に停滞し、これらの地域では雨が降り日照がほとんどなかった。太平洋側は暖かい空気が入り、気温は上がる。平年より2〜5度程度も高い。青森県太平洋側地域は日照に恵まれ、生育の回復が期待できる。しかし、この高温が分げつ抑制に働くと、穂数が少なくなる可能性もある。
・ 品種比較試験区の早生品種の幼穂形成状況を調べる。「かけはし」は幼穂長が2mm程度となり、幼穂形成期に入った。つがるおとめ、つがるロマン、ゆめさんさは未だ幼穂形成期には達していない。
・ 1か月予報を入手。第2週目頃にオホーツク海高気圧が張り出し、気温の低い時期があると予想されている。


○ 7月5日(土)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が北部に停滞し、ほぼ全域で雨が降る。気温は高い状態が続く。
・ 4日の週間予報支援図によると、今後とも寒気の南下は予想されていない。
・ 早期警戒情報をまとめる。


○ 7月6日(日)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が北部に停滞し、福島県の浜通りと中通を除くほぼ全域で雨が降る。気温は高い状態が続く。関東地方では気温が40度を超えたところもあった。
・ 梅雨時に毎年現われるオホーツク海高気圧が発達する気配がない。異常な天候が続く。
・ 生育調査(7月3日)のデータをまとめる。結果は次の通り。


○ 7月7日(月)
・ 昨日の天候は、山形・宮城両県付近に梅雨前線が停滞し、それら地域を中心に雨が降った。気温は依然として異常に高い状態が続く。日照は青森県太平洋側と福島県であった。日本海側を中心として日照不足となりはじめた。
・ 6日の週間予報支援図によると、今週末偏西風が東北地方まで南下し、蛇行の程度も大きくなり、上空に強い寒気の南下が予想されている。いよいよ今まで北で蓄積されていた寒気の放出時期になるのか。この時期は幼穂形成期に相当し、どの程度の寒気が南下してくるか警戒が必要だ。
・ 各県から技術情報と生育情報が来る。青森県の茎数が少ないのが気になる。

○ 7月8日(火)
・ 昨日の天候は、日本海側に梅雨前線が停滞し、これら地帯を中心に雨がある。暖かい空気が入り、ほぼ全域で30度を超えた。太平洋側では日照もあった。日本海側は日照不足となる。
・ 東北農政局主催「稲作中間検討会」に出席。主として検討した点は次の通り。
・ ・仙台管区気象台による今後の天候見通しは、3ヵ月予報で示した大気の循環予想について大きな変更は今のところない。今週末頃には先の見通しがかなりはっきりするのではないかとのこと。
・ ・各県の水稲生育状況は青森県がやや不良であるが、ほぼ平年並みに回復していることが確認された。ただ、全般に生育が軟弱徒長気味で推移しているので、葉いもちの多発や倒伏の発生が懸念され、穂肥の指導には注意が必要である。
・ ・水管理等については、低温が予想されることから、前歴深水・危険期深水管理の徹底を指導する予定。


○ 7月9日(水)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が東北南部に停滞し、南部を中心に雨となった。気温はやや低下してきた。日本海側を中心にかなりの日照不足となる。このため、中干しの効果がでにくい状態が続いている。昨日の会議でもそれが話題となる。
・ 作柄診断モデルによると、7月上旬の日照不足が作柄に大きく影響する地帯はない。ただ、いもち病や中干しの不徹底による倒伏の発生による影響が今後の作柄に影響する可能性はある。
・ 山形県葉いもち注意報(7月9日付け)が来る。
・ 岩手県農業研究センターより生育調査結果が来る。生育はほぼ平年並みまで回復しているが、草丈が長く、乾物重も平年よりやや少なく、葉色も濃い。軟弱な生育となっている 。
・ 8日の週間予報支援図によると、北日本上空にやや低温が南下する予想となっている。低温の程度はそれほどでもないようだ。
・ 農政局より青森県監視地点の生育情報が来る。太平洋側では茎数が平年より少ない地点がみられる。


○ 7月10日(木)
・昨日の天候は、梅雨前線が東北に停滞し全域で雨が降る。最高気温は全域で20度程度となる。日照不足は太平洋側の一部地域(地帯4)にも拡大する。
・ 地上天気図によると、太平洋高気圧が徐々に弱まり、北からオホーツク海高気圧が張り出し始めるようにも見える。明日の1か月予報が注目される。
・ 9日の週間予報支援図によると、強い寒気の南下は予想されていない。
・ 各県から技術情報・予察情報が来る。
・ 品種比較試験区の生育調査を行い。生育は旺盛で、ひとめぼれ、ササニシキ、コシヒカリなどは茎数が40を超える株も現われた。最高分げつ期前後に達している。



品種名草丈(cm)葉齢株当茎数SPAD値
かけはし53.69.420.046.0
つがるおとめ53.89.424.145.4
つがるロマン51.59.920.147.1
ゆめさんさ47.69.825.045.6
あきたこまち49.19.921.048.8
ひとめぼれ48.99.927.146.6
ササニシキ47.79.927.245.7
こころまち51.59.321.545.8
どまんなか49.09.825.045.6
はえぬき44.69.620.245.9
おきにいり51.59.221.444.6
コシヒカリ48.79.926.645.8

 
−−−−−−−−−   中旬   −−−−−−−−−


○ 7月11日(金)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が東北南部に停滞し、これらの地帯を中心に雨があった。宮城県と福島県太平洋側の地域では最高気温が20度を超えなかった。やや低めの気温となっている。
・ 青森県太平洋側にやませの雲が来る。久々のやませだ。
・ 10日の週間予報支援図によると、今後寒気の南下は予想されていない。偏西風の位置は北海道の北へ移動し、蛇行も大きくなる。太平洋高気圧が張り出すことを意味するのか。しかし、予報が日々大きく変わるので、不安定な状態が続くのだろう。
・ 山形県鶴岡のモニターの方から生育調査結果が届く。「はえぬき」は草丈63cm、茎数650、葉齢10.4、「ササニシキ」は草丈61cm、茎数660本、葉齢11.1。直播の「どまんなか」は草丈54cm、茎数620本、葉齢は9.6。日照不足で軟弱な生育だという。また中干しも連日の雨でなかなか乾かないとのこと。
・ 品種比較試験区の「つがるおとめ」が幼穂形成期(幼穂長2mm)に達する。「つがるロマン」「ゆめさんさ」「こころまち」は未達。これらも数日で幼穂形成期に達する見込み。
・ 1か月予報を入手。気温は平年より低い確率が50%、平年並み40%、高い10%である。オホーツク海高気圧と梅雨前線の影響で曇りや雨の日が多いと予想されている。あまりありがたい予報ではない。


○ 7月12日(土)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が東北南部に停滞し、宮城県・福島県・山形県ではほぼ全域で雨となった。平均気温は太平洋側では20度を超えなかった地点が多い。
・ 早期警戒情報をまとめる。低温予測なので、注意を喚起する情報内容とする。週間予報情報ではそれほど強い寒気の南下はない模様。
・ 11の週間予報支援図によると、15日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、北日本上空に寒気が南下する予測となっている。3か月予報の低温予測とほぼ一致する予報である。同予報では、7月中旬から8月上旬にかけてオホーツク海高気圧が張り出し、北日本を中心に低温が予想されている。今後の動きに注意する必要がある。


○ 7月13日(日)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が関当地方に停滞し、福島県では曇りがちであったが、北部は日差しに恵まれ気温も上昇した。
・ 明日は寒気を伴った気圧の谷が通過し、気温は下がる可能性がある。
・ 岩手県北上のモニターの方からメールが届く。
・ 12日の週半予報支援図によると、16日頃から北日本・東日本上空に寒気の南下が予想されている。


○ 7月14日(月)
・ 昨日の天候は、梅雨前線が関東付近に停滞して、南部では曇りがちであったが、北部は日差しがあり内陸部を中心に気温が30度を超えた。
・ 13日の週間予報支援図によると、16日前後に一時的な寒気の南下が予想されている。偏西風は北海道の北へ移動し、大きく蛇行している。予測が不安定で、今後の推移がなかなか読めない。油断しない方が良いようだ。
・ 品種比較試験区の「こころまち」が幼穂形成期(幼穂長2mm基準)に達する。「つがるロマン」「ゆめさんさ」「あきたこまち」は数日後には幼穂形成期に達する見込みだ。
・ 品種比較試験の生育調査結果(7月10日現在)は次の通り。

品種名草丈(cm)葉齢茎数SPAD
かけはし64.510.423.945.5
つがるおとめ68.510.526.843.7
つがるロマン63.910.825.244.4
ゆめさんさ60.610.729.443.3
あきたこまち60.710.726.346.6
ひとめぼれ59.110.835.144.2
ササニシキ58.910.834.943.6
こころまち63.510.226.744.8
どまんなか6010.731.444.6
はえぬき55.310.728.146.0
おきにいり63.410.126.245.3
コシヒカリ5910.931.943.4

「ひとめぼれ」「ササニシキ」「どまんなか」「コシヒカリ」では茎数が株当たり30本を超えた。葉色は濃いままで推移している。


○ 7月15日(火)
・ 昨日の天候は、寒気を伴った気圧の谷が通過し、ほぼ全域で雨があった。気温もやや低めで、青森県小田野沢では平均気温が20度を超えなかった。
・ 14日の週間予報支援図によると、16日以降北日本と東日本上空に寒気の南下が予想されている。この寒冷前線が通過後、地上天気図によると北から高気圧が張り出す可能性がある。
・ 農業共済新聞から現在の稲の状況、低温対策等の問い合わせがある。
・ JA福島市の営農指導の方から、ホームページに関する問い合わせがある。営農指導の参考にして頂いているとのこと。


○ 7月16日(水)
・ 昨日の天候は、寒冷前線が東北北部を通過し、東北北部を中心に雨が降った。太平洋が南部は日差しがあり、気温も上がる。平均気温が20度を超えなかった地点はない。
・ 国際協力事業団の稲作コース研修生が見学に来る。場内の研究者の協力で、圃場や温度勾配温室における冷害研究を紹介する。
・ 15日の週間予報支援図によると、ここ数日北日本上空にやや強い寒気の南下が予想されている。また偏西風の蛇行の程度も大きく、今後の天候の予測が非常に難しくなってきた。
・ 農政局・県から水温データ・技術情報・予察情報等が入る。


○7月17日(木)
・ 昨日の天候は、梅雨前線の影響でほぼ全域で雨が降り、日本海側は寒気の影響で気温が上がらなかった。平均気温が20度を超えなかった地点は山形県肘折の1地点。
・ 午前5時現在、岩手県岩手松尾と軽米では気温が15度以下となっている。日中は日差しがあり、気温は上がる予想となっている。
・ 福島県会津地域の稲作情報によると、減数分裂期は次のように予想されている。
・ 福島県浜通りの稲作情報によると、減数分裂期(農業試験場相馬支場)は次のように予想されている。
・ 午前6時現在、気温が15度以下の地点はなくなった。20度以下の地点が多い。
・ 青森県の定期生育調査(7月15日現在)によると、青森・弘前・八戸・黒石・十和田・むつ・三戸では葉齢は平年より進んでいるが、茎数は平年より若干少ない状態だ。
・ 岩手県の定期生育調査(7月10日現在)によると、久慈・遠野・岩手松尾では葉齢は平年並みであるが、茎数が平年より若干少ない状況だ。
・ 山形県と福島県は一部地点で茎数が少ないが、有効茎数は確保されている。だだ、草丈が平年より長いのが目につく。
・ 青森・岩手・秋田・山形の各県の水温情報をまとめる。水源水温は順調に上昇している。また、水田の水温も比較的高く問題はないようだ。
・ 午前7時現在、山形県南部と福島県で4〜8mm程度の雨が降っている。風は無風に近く、いもち病にとっては好適な環境となっている。
・ 午前9時現在、福島県浜通り・中通り地域では雨が降り、気温は20度を超えていない。早生品種では減数分裂期に入りつつある。
・ 品種比較試験区の「あきたこまち」「つがるロマン」は15日頃幼穂形成期(幼穂長2mm基準)に達したものと推定される。また、「ゆめさんさ」は本日幼穂形成期に達した。「ひとめぼれ」「ササニシキ」「どまんなか」は未達。
・ 品種比較試験区等の圃場に穂肥を追肥する。
・ 午前11時現在、下北半島、岩手県宮古、福島県の一部地点では20度を超えていない。これらの地域では東よりの風になる。
・ 午後0時現在、福島県では20度以下の地点が増える。下北は日射が増え、気温も20度を超える。
・ 16日の週間予報支援図によると、今後は強い寒気の南下はなさそうである。
・ 午後1時現在、福島県と岩手県久慈・宮古では気温が20度を超えていない。久慈・宮古はやませの影響とみられる。
・ アメダスの配信止まる。気象支援センターのトラブルのようだ。
・ 午後6時、アメダス復旧する。福島県では多くの地点が20度を超えなかった可能性がある。本日は欠測値がでた可能性がある。
・ 宮城県・福島県の水温データが来る。
・ 岩手県県北農業研究所から生育調査結果が来る。草丈。葉数は順調に増加し、かけはし、たかねみのりとも平年を上回っている。かけはしは7月8日に、たかねみのりは7月15日に幼穂形成期に達している。


○ 7月18日(金)
・ 昨日の天候は、梅雨前線は福島県付近にあり、北から寒気が南下してきたため気温は上がらなかった。特に、雨の降った福島県、寒気の影響を直接受けた青森県、やませの提供を受けた岩手県三陸沿岸部では気温が20度を下回った。最低気温も所によっては15度以下となった。
・ 午前6時現在、全地点で気温は20度以下となっている。
・ 午前7時現在、太平洋側は日差しがでてきたが、日本海側では雲がかかり気温は20度以下となっている。
・ 東北農政局から、各県の生育状況報告が来る。それによると、7月15日現在の県別生育状況は次の通り。
・ 午後0時、気温は全域で20度を超える。秋田・岩手両県では雲が断続的にかかるが、北部と南部は日差しがあり、気温も順調に上がる。
・ 17日の週間予報支援図によると、北日本上空の気温は今後平年並みに戻る予想となっている。
・ 福島県農業試験場から中通りの技術情報が来る。中通りにおける減数分裂期予測では、平坦部の「ひとめぼれ」は7月25日〜8月2日頃、同「コシヒカリ」は8月2日〜10日頃、山間部の「まいひめ」は7月17日〜25日頃、同「初星」は7月27日〜8月3日頃となっている。
・ 1か月予報を入手。7月26日〜8月15日までの期間にオホーツク海高気圧や寒気の影響で気温が低い時期があると予測されている。水稲のとって最も低温に対して感受性が大きい時期に相当する。
・ 農政局から「早期警戒システムWG」の日程が8月8日に決まったとの連絡がある。


○ 7月19日(土)
・ 昨日の天候は、移動性高気圧が張り出しはじめ天候は回復する。上空の寒気の影響で気温は低く、最低気温が17度を下回ったところもあった。日本海側を中心に平均気温が20度を超えなかった地点が日本海側と太平洋側山間部に多く分布する。
・ 早期警戒情報をまとめる。
・ 午前5時現在、気温が15度以下の地点が多くある。
・閲覧者の方から次のような激励にメールが来る。
私は、冷害研究チームのホームページを真剣に楽しみにしている一農家です。久しぶりに、閲覧したところ非常に内容の濃い役立つ情報に驚きました。過去のデーターベースあり、気象データあり、特に「生育進度経過図」「気温経過図」「早期警戒情報」その他にも地帯区分が正確で。まるでアンコウ料理の様であます所ありません。これだけデータを用意するには、大変だと思いますがこれからも期待していますので、頑張って下さい。
・ 18日の週間予報支援図によると、北日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。

○ 7月20日(日)
・ 昨日の天候は、移動性高気圧に覆われ、ほぼ全域で晴れ好天となる。最低気温は下がり、15度を下回る地点が多かった。気象庁は東北地方が梅雨明けしたことを昨日発表した。ここ数日は夏の天気が続く見込み。


 
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○ 7月21日(月)
・ 昨日の天候は、太平洋高気圧に覆われ、ほぼ全域で晴れ好天となる。最低気温は下がり、17度以下の地点も多かった。福島県川内は最低気温が11.7度を記録。
・ 鶴岡のモニターの方から、次のようなメッセイジと生育調査結果が届く。
    「とても良い天気が続いて稲の成育も順調です。このままで行けば直播きのどまんなかもお盆前に出穂しそうです。ただ先日発表された予報では、7月末から8月中頃までは余り良くないようでしたので穂肥は控えめにしています。今月末頃に天気を見ながら葉色調整程度に追加します。」
・ ・移植の「はえぬき」は草丈66cm、茎数590本、葉齢11.4、同「ササニシキ」は草丈67cm、茎数610本、葉齢11.8.直播「どまんなか」は草丈63cm、茎数476本、葉齢11.4


○ 7月22日(火)
・ 昨日の天候は、太平洋高気圧に広く覆われ、ぼぼ全域で晴れ好天となる。最低気温が17度以下の地点もあるが、最高気温は30度近くまで上がっている。青森県小田野沢は平均気温が20度以下、やませの影響だ。NOAA画像にはやませの雲が捉えられている。
・ 午前6時現在、太平洋側を中心に20度以下の地点が広がる。福島県川内は15度以下となっている。
・ 21の週間予報支援図によると、北日本上空に強い寒気の南下は予想されていない。
・ 品種比較試験区の各品種の幼穂形成期は、「おきにいり」が7月18日、「ひとめぼれ」「ササニシキ」「どまんなか」「はえぬき」が7月20日頃と推定される。
・ 品種比較試験区の生育調査(7月18日現在)結果をとりまとめる。各品種の生育状況は次のとおり。


品種名草丈(cm)葉齢株当たり茎数SPAD
かけはし74.111.419.939.4
つがるおとめ76.911.125.237.2
つがるロマン71.911.823.340.6
ゆめさんさ67.411.52638.8
あきたこまち68.111.624.542.1
ひとめぼれ6611.431.239.5
ササニシキ67.111.734.739
こころまち7111.124.139.9
どまんなか67.211.830.540.3
はえぬき62.311.527.242.8
おきにいり71.810.825.441.3
コシヒカリ66.611.932.738.8


○ 7月23日(水)
・ 昨日の天候は、太平洋高気圧に広く覆われ、ほぼ全域で晴れ好天となる。最低気温が17度を下回った地点は青森県小田野沢・六ヶ所、岩手県軽米、福島県石川・東白川・飯館・川内、秋田県大潟、山形県肘折。平均気温が20度以下の地点は青森県小田野沢と六ヶ所。最低気温が平年より低い傾向が顕著となるが、最高気温は高く、日照時間も多いので水稲の生育には問題はないものと思われる。
・ 午前7時現在、やませの霧が青森県・岩手県沿岸部、宮城県、福島県浜通りにかかる。
・ 本日は福島県農業試験場に行き、航空機実験の対象地におけるいもち病の発生状況を調査し、実験実施の可否を検討した。葉いもちは発生しているものの、その程度は低くまた広域発生が認められなかった。残念ながら、実験を延期にすることに決める。中通り地帯の稲の生育は順調で、葉色も低下し穂肥の時期となっている。


○ 7月24日(木)
・ 福島県浜通り地域の稲の生育を調査する。生育は順調で、葉いもちの発生もほとんど見られない。福島県農業試験場の相馬支場の「初星」は丁度今が減数分裂期となっている。

○ 7月25日(金)
・ 23日と24日の天候は、北部太平洋側沿岸部に一時的にやませが入る。23日はそれら地帯では気温が上がらなかった。しかし、最低気温も17度程度はあり、それ程問題とはならない。
・ 留守中、岩手県種市町のモニターからやませの状況に関する次のようなメールが来る。 「いよいよヤマセが本格的にやってくるのかな? 7月20日から夜間(12時間ぐらい)にヤマセが吹いています。未だ少なくても3時間は日照が有りますので、これ以上強くならなければと願っています。ヤマセが吹いても気温は20度を切る事は少なく、これぐらいならと思っています。」
・ 24日の週間予報支援図によると、30日頃から北日本上空に寒気が南下してくる予想となっている。台風9号が西日本に接近中であり、この台風の通過後どのような気圧配置になるか、注意が必要だ。
・ 東北農政局から15日現在の作柄表示地帯別水稲生育状況が届く。青森県青森と南部、秋田県全域がやや不良となっている。生育は1〜4日早い。東北全体では、生育は平年並み、草丈は長く、茎数がやや少ない状況にある。
・ 1か月予報を入手。それによると、向こう1か月はオホーツク海高気圧や前線などの影響でぐずつく時期があり、平均気温は平年より低い見込み。警戒が必要だ。


○ 7月26日(土)
・ 昨日の天候は、太平洋高気圧に覆われて晴れの好天となる。台風9号の影響で南からの暖かい風が入り、気温は上がる。特に日本海側ではフェーン現象が発生し、秋田県角館は35度を超えた。一方では下北半島にはやませの雲が一時かかる。
・ 早期警戒情報をまとめる。来週末から北日本には寒気が入る状況なので、警戒が必要だ。
・ 品種比較試験区の「かけはし」が出穂を始める。


○ 7月27日(日)
・ 昨日の天候は、北部は高気圧に覆われ晴れの好天となるが、南部は台風の雲がかかる。南からの暖かい空気が入り、秋田県大館では35度を超えた。
・ 台風は西日本に上陸、日本海に抜ける。進路が北の高気圧に阻まれ、動きが遅い。
・ 午前8時現在、日本海側の多くの地点で気温が30度を超える。フェーン現象が発生、乾燥注意報が出されている。
・ 品種比較試験区の「コシヒカリ」が幼穂形成期、「かけはし」は出穂期にそれぞれ達した。


○ 7月28日(月)
・ 昨日の天候は、高気圧に覆われ晴れの好天が続く。台風の影響で日本海側ではフェーン現象が発生、津軽、秋田県、山形県庄内で気温が35度を超えた。
・ 宮城県松山町の水稲の生育状況を調査にいく。生育の進んだものは減数分裂期に達している。順調な生育であるが、やや過繁茂の水田も見られ、倒伏が心配される。いもち病の発生は見られなかった。


○ 7月29日(火)
・ 昨日の天候は、台風から変化した熱帯低気圧の影響で、北部を除いて雨となる。日本海側のフェーン現象は解消され、太平洋側は曇天のため気温の低いところもあった。
・ 危険期の真っ只中だが、比較的天候に恵まれ順調に推移している。太平洋高気圧が例年とは異なるが、オホーツク海高気圧が張り出す気配はみられない。
・ 岩手県北上のモニターの方から、次のような近況が届く。
「しばらくぶりです。 農場の近況をお知らせします。毎日のように暑い日が続き水田の方は順調な生育です。心配されるイモチ病の発生は確認されません。畦畔にはイナゴが少し見えます。22日よりイモチ病の共同防除を3日かけて行いました。出穂期には低温がこなければ良いと思っています。今日28日は秋出荷用のパンジーの種蒔きをしました。」
・品種比較試験区の生育調査を行う。「つがるロマン」「あきたこまち」など減収分裂期にある。「かけはし」は開花盛期。順調に生育しているが、早生品種の茎数がやや少ない傾向だ。詳しくはデータをまとめてみないと分からない。


 
○ 7月30日(水)
・ 昨日の天候は、停滞している熱帯低気圧の影響で、ほぼ全域で雲がかかり、所々で強い雨がある。気温は太平洋側で上がらなかった。平均気温が20度を下回る地点はなかった。
・ 仙台管区気象台の予報官から、最近の少雨傾向が農作物に及ぼす影響についての問い合わせがある。青森県を対象に少雨に関する情報を出す予定のようだ。
・ 会計検査院の実地検査で、水稲冷害早期警戒システムの研究紹介を行う。
・ 岩手県北農業研究所から生育調査結果が来る。草丈、葉数は順調に経過しているが、茎数が少ない点が気になる。また7月17日と18には最低気温が14度近くまで下がり、今後の生育経過を注意深く見守る必要があると指摘している。
・ 農業共済新聞から、水稲の生育と低温に対する対策に関する問い合わせがある。低温よりも少雨の影響が心配される。
・ 場内でも「さんさ踊り」の集合練習が本格化してきた。8月1日から4日まで盛岡の夜はお祭り一色となる。東北地方で一斉に始まる夏祭の期間中が猛暑なら、稲はひとつの峠を越えることになる。

○ 7月31日(木)
・ 昨日の天候は、津軽地域と南部は雲の影響で曇りとなるが、他は概ね晴れの好天となる。気温は内陸部を中心に上がる。
・ 天気予報によると、明日頃からオホーツク海高気圧が張り出す予想となっている。
・ 宮城県亘理町の友人から近況報告の次のようなメールがくる。
・ 「水稲の生育も中期が終わろうとしていますがいかがお過ごしでしょうか。私の田んぼ の稲も出穂が始まりましたので、ご報告かたがたしばらくぶりでメールをお送りさせ て頂きます。今年は前半に天候が悪くて心配しましたが、中期に入ってからはそこそこ天候に恵まれて現在の生育は昨年と同程度にまで回復したようです。昨年より分けつ茎数が少ないですが無効分けつも少なく、結果として茎数はそこそこ取れているようです。今朝、田んぼを見回ったところ出穂(はしり穂)が始まっているところが見られました(品種はひとめぼれ)。昨年よりも1日遅れといったところです。出穂の盛期は8月6日前後になるのではないかと思っております。昨年同様、水稲冷害研究チームのホームページで提供されている気象情報および生育情報を活用させていただきながら追肥、穂肥を施しました。後は天候が大きく崩れないことを願うだけです。ところで、ホームページの編集長日誌がおもしろいので(試験圃場の各種稲の様子が分かるため)よく読まさせていただいておりますが、調査等で東北各地を飛び回っている鳥越さんの様子がよく分かります。暑さがますます厳しくなる折、お身体には十分気を付けて下さい。」
・ 本日は分光計測を実施したが、雲の飛来が激しく明日に延期する。


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