水稲冷害研究チーム

1997年編集長日誌


1997年編集長日誌

この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。

8月


 
−−−−−−−−−   上旬   −−−−−−−−−



○ 8月1日(金)
・ 昨日の天候は、高気圧に覆われ、概ね晴れの好天。太平洋側の宮城・福島両県では日照が平年より少なくなりはじめた。
・ 北海道付近に秋雨前線が停滞し、前線の北にはオホーツク海高気圧が現われはじめた。北海道北部は気温が下がっている。この前線が南下すると問題だ。
・ 岩手県から技術情報と予察情報が来る。
・ 品種比較試験区の「つがるおとめ」「つがるロマン」の走り穂が見える。
・ 品種比較試験区の7月29日現在の生育状況は次の通り。

品種名 草丈(cm)葉齢平方メートル当たり茎数SPAD
かけはし86.311.7318.642.3
つがるおとめ83.612.6386.735.0
つがるロマン7913.3351.536.7
ゆめさんさ75.512.9419.234.6
あきたこまち76.513.3395.438.8
ひとめぼれ7513478.937.3
ササニシキ76.513.3539.536.6
こころまち79.812.7409.638.7
どまんなか74.613.343536.6
はえぬき69.512.9428.438.0
おきにいり80.512.3388.538.2
コシヒカリ80.613.3479.334.3

・ 1か月予報を入手。向こう1か月は気温が平年より低いとの予報内容となっているが、各週でみると気温はそれぞれ平年並みとなっている。なかなか理解しにくい予報内容だ。
・ 北海道は寒冷前線の北側で気温が低い。今後この前線が南下すると北部では気温が下がる可能性がある。


○ 8月2日(土)
・ 昨日の天候は、高気圧に覆われ概ね晴れの好天。気温は平年よりかなり高く、雨のない状態が続いている。
・ 早期警戒情報をまとめる。やや警戒の程度を弱めることにする。一方では、干ばつの警戒が必要だ。平成6年度のことが思い起こされる。
・ 山形県鶴岡のモニターの方から、生育調査結果と次のようなメッセイジが届く。「連日熱い日が続いてます。嬉しい限りです。8月1日の生育調査値をお送り致します。稲の方も順調で、止葉はどの品種も展開し出穂を待つばかりです。土の軽い田圃で一つ二つ穂を確認できます。もう一週間あればかなり出揃いそうです。直播きも移植栽培と変わらない生育進度です。毎年こうならばもっと普及すると思うのですが・・・。」
 生育調査結果(8月1日現在)は次の通り
 はえぬきササニシキ直播どまんなか
草丈(cm)75.878.074.7
平方メートル当たり茎数581.4581.4468.0
葉齢13.013.013.0


○ 8月3日(日)
・ 昨日の天候は、高気圧に覆われて晴れの好天。少雨傾向が続く。
・ 出穂直前の分光計測を実施する。久しぶりに安定した晴天条件が得られた。
・「つがるおとめ」「つがるロマン」「あきたこまち」「こころまち」が出穂を始める。




○ 8月4日(月)
・昨日の天候は、高気圧の覆われ概ね晴れの好天が続く。青森県八戸や三戸では気温が35度を超えた。夕方から大気が不安定となり各地で雷雨がある。
・ 8月1日現在の冷害危険度地帯別作柄診断を行う。7月中旬から下旬の天候が良好であったため、作柄は太平洋側を中心に平年並みあるいはそれ以上が期待できる。
・ 週間予報によると、今後寒冷前線の通過でここ数日ぐずついた天候となりそうだ。出穂・開花期に当たり、やや心配なところもある。また台風11号が日本に向けて接近するような気配もある。
・ 寒冷前線の通過に伴って日本海側ではフェーン現象が懸念される。出穂・開花期にフェーン現象が来ると、大きな被害が出る。
・ 宮城県松山町の航空機写真が8月2日に撮影できたと連絡が入る。宮城県農業センターと実態調査の打ち合わせを行う。来週に調査を実施する方向で準備を進める。


○ 8月5日(火)
・ 昨日の天候は、気圧の谷の接近で大気の状態が不安定となり、各地でかなりの降雨があった。秋田県大館・阿仁合付近では100mm前後の降水量となった。青森県津軽と秋田県北部では日照不足が顕著となる。
・ 農政局から、青森県と岩手県の水温情報が入る。
・ 「つがるおとめ」「つがるロマン」「あきたこまち」「こころまち」が出穂期に達する。
・ ウエザーニューズ仙台支社から台風11号情報が来る。日本にかなり接近する予想となっている。


○ 8月6日(水)
・ 昨日の天候は、前線の通過に伴って、日本海側を中心に各地でかなりの降雨があった。青森県津軽と秋田県北部では日照不足が続く。
・ 午前4時現在、全般に気温が下がり、岩手県岩手松尾と山形県肘折では15度以下となる。放射冷却によるものか。
・ 農政局から8月1日現在の水稲生育概況が届く。それによると各県の状況は次の通り。
・ 県から技術情報や予察情報が来る。


○ 8月7日(木)
・ 昨日の天候は、前線が北上してきた影響で、日本海側では日差しがなかった。一方、太平洋側では日差しがあり好天となった。青森県と秋田県は日照不足が続く。
・ 宮城県農業センターが来室。松山町での調査計画、リモートセンシング研究会、成果検討会等について打ち合わせる。11,12日の両日航空機写真をもとに生育調査に入ることを決める。
・ 品種比較試験区の「つがるおとめ」「つがるロマン」「あきたこまち」は穂揃い期に達する。「ゆめさんさ」が出穂を始める。稲の花が咲きそろい、とても美しい。


○ 8月8日(金)
・昨日の天候は、前線の影響で南部を中心に降雨があった。北部は概ね晴れの好天が続く。
・ 民間の調査会社、米穀データバンクの水稲の収穫予測(7月31日現在)によると、4年連続の豊作が予想されている。青森県・岩手県・宮城県・秋田県・福島県がやや良(102〜105)、山形県が平年並み(99〜101)となっている。また、この発表に対する食糧庁の見通しも、平年並みか、それ以上とのコメントを出している。
・ 台風11号が日本海を北上する予想となっている。フェーン現象が起こると、ちょうど出穂・開花時に当たるので障害が心配される。
・ 東北農政局で「早期警戒システムWG」の会合に出席する。各県の報告によると、生育は平年より進んでいる。また、依然として茎数が少なく、穂数の減少は避けられない状況である。作柄は平年並みないしそれ以上が期待できるとみる。作柄診断結果を報告する。今後の天候が平年並みに推移すると仮定すると、全体的には、平年並みあるいはそれ以上が期待できるものと考えている。会議の途中、1か月予報が入る。第1週は気温が平年並み、それ以降は気温が低くなるとのこと。今後の技術指導として、水管理、穂いもち防除、刈り取り・乾燥調整の3項目について協議した。


○ 8月9日(土)
・ 昨日の天候は、前線の影響でぐずついた天候であった。ほぼ全域で降雨があった。台風11号は朝鮮半島を通過後北日本の方向に向かっている。日本海側ではフェーン現象が起こる可能性がある。


○ 8月10日(日)
・ 昨日の天候は、日本海の熱帯低気圧に吹く込む南からの暖かい風によりフェーン現象が南部中心に発生。山形の最高気温は36.8度を記録。35度を超える地点が岩手県南部、宮城県、山形県、福島県に散見される。
・ フェーン現象による障害が心配なので、山形県鶴岡のモニターの方に状況を問い合わせる。
・ 品種比較試験区の「ひとめぼれ」「ササニシキ」「どまんなか」「はえぬき」「おきにいり」が出穂を始める。
・ 地上天気図の予報では、秋雨前線が南下し、オホーツク海高気圧が張り出す予想となっている。


 
−−−−−−−−−   中旬   −−−−−−−−−


○ 8月11日(月)
・ 昨日の天候は、前線の影響で北部を中心にぐずついた天候となった。南部は日差しがあり気温も上がる。日本海側を中心にやや低温傾向が現われはじめた。
鶴岡のモニターの方から、フェーン現象に関して次のような回答を頂いた。「昨日8月9日はとても熱かったです。しかし、風はほとんど無かったので出穂には余り影響が出なかったと思います。むしろこの高温でササニシキとどまんなかは一気に出揃った感じです。 はえぬきももう少しです。
 今回は10日になってからの強風の方が心配でした。朝になってやっと弱まった感じでした。しかし夜中の強風で助かりました。9日日中の高温にこの強風が重なれば、重大な障害が発生した事でしょう。多分被害はないと思います。 数日すればはっきりすると思いますので、再度連絡致します。
 このような天気のときは田面に水を張っておきたいのですが、水掛もこの時期は当番制で決まった時間でしか潅水できませんので自分の思いどうりには行きません。やはり自分なりに天気予報などで天気を予想する事が必要になって来ますね。私の場合ちょうど昨日が掛け番だったので、たっぷり潅水する事が出来ました。 それにしても今年は台風の当たり年ですね。これからが台風に季節ですので気がかりです。いつかの19号のような台風が来ない事を祈るばかりです。」
・ 宮城県松山町に水稲の生育調査に行く。出穂期が早まると予想されていたが、例年通り今が出穂最盛期となっている。やや茎数が少ない傾向はあるが、病害虫の発生もなく、きれいな稲となっている。


○ 8月12日(火)
・ 昨日の天候は、前線とオホーツク海高気圧の影響で北部を中心にぐずついた天候となった。太平洋側では海風の影響で気温は上がらなかった。全般に日照不足の傾向が顕著となる。日本海側を中心にやや低温傾向が現われはじめた。地帯8の平均気温が20度を下回った。
・ 北海道はオホーツク海高気圧と前線の影響でかなり冷え込んでいるようだ。北海道の稲が気にかかる。
・ 本日も引き続き、宮城県松山町の水稲生育調査に行く。
・岩手県種市のモニターの方から、次のような近況報告が入る。「昨日のニュースで作況指数云々と言っていたので、近況を報告します。中野北区ですが、50%ぐらい頭を垂れて、近年に無い様相を呈し、豊作の予感が致します。只、現在秋雨前線?(朝晩の冷え込みが違ってきた)の影響で、10、11日と晴れ間が少ないのが心配(穂イモチ)です。今年は葉いもち病に、罹らなかったようで(JAの話では山手の方で少しやられた様です)綺麗な緑をしています。そう云えば、今朝コウロギかな?秋の虫の鳴声を初めて聞きました。」
・ 山形県鶴岡のモニターの方から、フェーン現象について次のような連絡が来る。大きな問題はないようで安心した。「先日フェーン現象の被害の件ですが、これと言った大きな問題は無いようです。10日未明の強風によって、ちょうど出穂期を迎えてたはえぬきのなどは、止葉からちょうど40から50mm穂が出掛かっていて一番風に対し弱い状態にありました。中にはその辺りから折れ曲がってたものもありましたが、問題になる数でもなくまた次の日には回復したものもありました。穂も所々こすれて変色したところもありましたが問題ありません。ただ心配なのが不稔です。これはもう少し時間が経って実が入ってこないとわかりません。この件はまた後で連絡します。」


○ 8月13日(水)
・ 昨日の天候は、秋雨前線が青森県付近に停滞し、南から暖かい風がはり日本海側ではフェーン現象のように気温が上がる。一方太平洋側は海風の影響で気温が上がらなかった。ほぼ全域で降雨があった。
・ 青森県太平洋側と岩手県沿岸北部はやませの影響で気温が上がらない。この低温傾向はさらに強まると予想されている。開花・受精期であるため異常な低温が来ないことを願いたい。
・ 品種比較試験区の「ひとめぼれ」「ササニシキ」「どまんなか」「はえぬき」「おきにいり」が出穂期に達した。また、「かけはし」の登熟は順調に進んでおり、穂が大きく垂れはじめた。
・ 品種比較試験区の生育調査を実施する。草丈が長く、茎数が少ない傾向が現われているようだ。
・ 各品種の生育状況(8月13日現在)は次の通り。

品種名草丈(cm) 葉齢 平方メートル当たり茎数 SPAD
かけはし89.1 11.7318.6 41.3
つがるおとめ 102.7 12.6 386.7 37.3
つがるロマン 104.6 13.5 351.538.5
ゆめさんさ 101.2 13.5 394.5 34.7
あきたこまち 105.1 13.6 395.438.3
ひとめぼれ 98.4 13.8 448.4 36.0
ササニシキ 104.2 13.9 493.1 35.5
こころまち 106.6 12.7 409.6 38.1
どまんなか 100.6 13.8 413.7 35.6
はえぬき86.5 14.0 395.4 35.7
おきにいり 108.6 13.0 383.0 36.3
コシヒカリ 99.6 14.5 444.2 34.0

○ 8月14日(木)
・ 昨日の天候は、前線とオホーツク海高気圧の影響により全域でぐずついた天候となった。地帯8はやませの影響で気温が急激に下がる。低温に関する情報が太平洋側に出された。全般に日照不足の傾向がさらに顕著となる。今後オホーツク海高気圧が勢力を強め、太平洋側を中心に低温と日照不足が心配される。まだ、開花・受精期の稲も広く分布するため、受精障害等が心配される。
・ アメダス実況図の更新が午前11時以降停止する。原因は衛星からのデータ受信障害であり、午後0時に復旧する。
・ 8月上旬の気象データをまとめる。気温は平年並みあるいはそれ以上となったが、日照時間は日本海側と太平洋側北部で平年比30〜60%であった。
・ 東北農業試験場元場長の姫田氏から、「東北農業への提言」に水稲冷害早期警戒システムを引用したいので、資料の送付を依頼された。

○ 8月15日(金)
・ 昨日の天候は、オホーツク海高気圧の影響で太平洋側を中心にぐずついた天候となった。地帯1,4,6、8はやませの影響で最高気温が25度を下回った。開花受精期の低温障害が懸念される。全般に日照不足の傾向がさらに顕著となる。ここ数日はこのような天候が続く見込みだ。
・ 岩手県西根町農家から低温に関する問い合わせが来る。稲が開花中であるが、どの程度の低温でどのような障害が出るのか心配されている。
・ 青森県から低温に対する技術対策の臨時情報と予察情報が入る。
・ 本省の農産課から、東北地域の水稲生育と低温との関係について問い合わせがある。
・ 出穂最盛期の「ひとめぼれ」「ササニシキ」の開花の状況を調査する。低温ながら花は咲いている。
・ 1か月予報によると、第1週目の前半はオホーツク海高気圧の影響で太平洋側を中心に天気がぐずつき、気温は低い予想となっている。早期警戒情報をまとめる。


○8月16日(土)
・ 昨日の天候は、オホーツク海高気圧の影響で太平洋側を中心に気温が急激に下がる。地帯1,2、4,6、7、8はやませの影響で平均気温が20度を下回った。地帯6と8では受精障害の警戒温度である18度以下となった。開花受精期の低温障害が懸念される。全般に日照不足の傾向が続く。
・ 午前7時現在、気温はほぼ全地点で20度以下、岩手県軽米と秋田県阿仁合では15度以下となっている。ひまわり画像によると太平洋側にべったりとやませの雲が張り付く。
・ 午前8時現在、太平洋側を中心に気温が20度以下の地点が広がる。盛岡は肌寒い。
・ 午前11時現在、太平洋側では20度を下回る地点がほとんどだ。


○ 8月17日(日)
・ 昨日の天候は、オホーツク海高気圧の影響で太平洋側を中心に気温が急激に下がる。地帯1,2、3、4,6、7、8はやませの影響で平均気温が20度を下回った。地帯1、2、4、6、7と8では受精障害の警戒温度である18度以下となった。開花受精期の低温障害が懸念される。全般に日照不足の傾向が続く。
・ 今日朝はかなりの冷え込みであった。盛岡の最低気温は10.2度に達した。
・ 盛岡・紫波・遠野・釜石付近の稲の生育状況を調べに回る。早い稲は穂が垂れはじめているが、まだ開花・受精中の稲も多くある。日中は日差しがあり、気温もやや上がるが極端な低温に見舞われている。


○ 8月18日(月)
・ 昨日の天候は、オホーツク海高気圧の影響で全般に気温が低い状態が続く。全域でやませの影響で平均気温が20度を下回った。全域で受精障害の警戒温度である18度以下となった。岩手松尾では最低気温が9.9度だ。開花受精期の低温障害が懸念される。全般に日照不足の傾向が続く。
・ 17日の週間予報支援図によると、上空への強い寒気は徐々に弱まるが、平年より低い状態が続く予想となっている。
・ 午前7時現在、太平洋側にはやませの雲がかかり、気温は20度以下となっている。日本海側の津軽と秋田県全域は日差しがあり、気温も20度を超えはじめた。
・ 農政局から水温測定データが届く。
・ 品種比較試験区において、開花・受精障害の調査を行うため、開花中の「はえぬき」「ひとめぼれ」「ササニシキ」の3品種について、18日以前に開花をほぼ終了した穂、70〜80%、50%程度それぞれ開花を終了した穂、未開花の穂の4つのグループにラベルした。盛んに開花しているので、問題はないと思われるが、不稔や発育程度籾などの発生の可能性もある。


○ 8月19日(火)
・ 昨日の天候は、オホーツク海高気圧の影響により太平洋側北部で気温が低い状態が続く。昨日より気温は上がる。地帯4,6,8では平均気温が20度を下回った。開花受精期の低温障害が懸念される。日本海側の日照不足は改善されたが、太平洋側は日照不足の傾向が続く。
・ 岩手県と青森県では低温注意報が出ている。他の地域は解除された。
・ 18日の週間予報支援図によると、北日本上空への強い寒気の南下は予想されていないが、平年よりやや低い状態で推移すると見込まれている。
・ 本日は、今までの低温の影響で「満開現象」といえるほど稲の開花が盛んだ。出穂後低温に遭遇した品種は、茎間での開花・登熟のバラツキが目立つようになってきた。
・岩手県種市のモニターの方から近況報告の次のようなメールが来る。「昨日久慈市夏井町を見た所、黄金色には程遠いものの赤銅色に首を垂れた稲が見えました。中野では未だ色がつくところまでは行っていません(品種:かけはし)。もち米は、出穂期にヤマセが来たものだから、稲穂が立ったままです。2週に渡るヤマセの影響で、スイカも甘みが乗らず物になるやら。」


○ 8月20日(水)
・ 昨日の天候は、オホーツク海高気圧と秋雨前線の影響により太平洋側北部で気温が低い状態が続く。日本海側と南部では日差しがあった。昨日より気温はさらに上がる。地帯8では平均気温が20度を下回った。開花受精期の低温障害が懸念される。日本海側の日照不足は改善されたが、太平洋側は日照不足の傾向が依然として続く。
・ 青森県と岩手県では低温注意報が発令中。

 
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○ 8月21日(木)
・ 昨日の天候は、オホーツク海高気圧と秋雨前線の影響により太平洋側北部で気温が低い状態が続く。ほぼ全域で降雨があった。地帯8では平均気温が20度を下回った。太平洋側は日照不足の傾向が依然として続く。
・ 20日の週間予報支援図によると、今後も寒気が南下しやすい状態にあると予想されている。
・ 日本作物学会東北支部会が岩手県農業研究センターで開催される。東北農業試験場の「早期警戒システムを基幹とする冷害克服型営農技術の確立」の研究プロジェクトを特別講演で紹介する。


○ 8月22日(金)
・ 昨日の天候は、移動性高気圧に覆われて概ね晴れの好天となり、気温も上がる。南部では降雨があった。
・ 8月中旬の気象条件をまとめる。各地帯の気象条件は次の通りで、太平洋側を中心に低温と日照不足が顕著に現われた。
  • 地帯1:最高気温は2.4度低く、降水量は平年比240%、日照時間は平年比50%。
  • 地帯2:最高気温は2.6度低く、降水量は平年比111%、日照時間は平年比74%。
  • 地帯3:最高気温は1.8度低く、降水量は平年比89%、日照時間は平年比96%。
  • 地帯4:最高気温は3.7度低く、降水量は平年比281%、日照時間は平年比60%。
  • 地帯5:最高気温は1.6度低く、降水量は平年比72%、日照時間は平年比96%。
  • 地帯6:最高気温は2.9度低く、降水量は平年比238%、日照時間は平年比44%。
  • 地帯7:最高気温は2.6度低く、降水量は平年比283%、日照時間は平年比42%。
  • 地帯8:最高気温は3.8度低く、降水量は平年比1613%、日照時間は平年比28%。
    ・ 仙台管区気象台から日照不足が水稲の生育に及ぼす影響について問い合わせがある。今後も、日照不足が続く可能性があるとのこと。
    ・ 品種比較試験区の「コシヒカリ」が出穂期に達した。開花・受精期に低温に遭遇した「はえぬき」「ひとめぼれ」で開花の不揃いが顕著となる。これら品種では穂の半分が開頴しないで、黄色い葯が見える。「ササニシキ」はこのような現象は少ない印象があり、今も開花している。
    ・ 1か月予報によると、第1週は気圧の谷が通過後、オホーツク海高気圧の影響で太平洋側を中心に天気がぐずつく時期があると予報されている。生育遅延の拡大が心配される。

    ○ 8月23日(土)
    ・ 昨日の天候は、前線の影響で北部と太平洋側では日照がなかった。また寒冷前線の通過に伴って各地で降雨があった。日本海側は気温が上がる。太平洋側は日照不足の傾向が依然として続く。
    ・ 早期警戒情報をまとめる。
    ・ 晴れ間が期待できるので、分光計測を行う。


    ○ 8月24日(日)
    ・ 昨日の天候は、ほぼ全域で好天となり、気温は地帯8を除いて平年並みに近づいてきた。太平洋側を中心に日照不足は続く。
    ・ 公開意見欄に次のようなメッセイジがくる。「初めまして、東京農工大農学部4年の東山です。 現在、私は生物制御化学という研究室で卒業研究を行っています。 私の卒論テーマが「イネの低温処理に対するブラシノライドの効果」というものなので、こちらのホームページを興味深く拝見させていただきました。 これからも質問などをするかもしれませんので、よろしくお願いします。」


    ○ 8月25日(月)
    ・ 昨日の天候は、北部を中心に降雨があり、日照はなかった。気温は全域でほぼ平年並みになった。ほぼ全域で日照不足は続く。
    ・ 今日からオホーツク海高気圧が張り出し、太平洋側では気温が下がる予報となっている。
    ・ 24日の週間予報支援図によると、今後も北日本上空には弱い寒気の南下が予想されている。
    ・ やませが太平洋側を襲い、青森県と岩手県の太平洋側では午前0時の気温が20度を超えていない。

    ○ 8月26日(火)
    ・ 昨日の天候は、太平洋側を中心に天気はぐずつき、気温は下がる。地帯4,6,8では平均気温が20度を超えなかった。ほぼ全域で日照不足は続く。
    ・ 25日の週間予報支援図によると、今後とも寒気が南下しやすい状態が続く予想だ。
    ・ 品種比較試験区の登熟状況を調査する。やはり開花・受精期に低温に遭遇したものは登熟に穂間や1穂の頴果間でバラツキが目立つ。また不稔も多少発生しているように見えるが、もう少し時間が経たないとはっきりしたことは分からない。
    ・ 東北農政局から8月15日現在の水稲生育概況が入る。東北全体としては「やや良」となっているが、日本海側の秋田・山形両県は平年並みとなっている。

    ・ 東北農政局から各県の生育概況(8月18日現在)が届く。概況は次の通り。
    青森県:出穂期にあり、出穂盛期は平年比5日早い。13日以降の低温により、太平洋側沿岸、下北地方、津軽半島北部の一部で開花受精の遅れによる不稔が懸念される。 ・ 福島農業試験場の友人に、お盆の低温の影響を問い合わせたところ、今のところ顕著な影響は観察されていないとのこと。
    ・ 岩手県農業気象協議会に午後出席する。低温・日照不足が続く中、関係者は一日も早く日差しが戻ることを期待している。

    ○ 8月27日(水)
    ・ 昨日の天候は、南部を中心に天気はぐずつき、気温は太平洋側で上がらなかった。地帯6,8では平均気温が20度を超えなかった。太平洋側では日照不足が依然と続く。
    ・ 27日の週間予報支援図によると、月末に寒気の南下が予想されている。
    ・ 岩手県北部の軽米と青森県十和田・八戸・三沢周辺の水稲の生育状況を調査した。傾穂期の稲も見られるが、乳熟期に入りつつある。三沢周辺(沿岸部)では開花受精期の圃場も散見され、褐変籾も目立つ。

    ○ 8月28日(木)
    ・ 昨日の天候は、南部を中心に天気はぐずつき、気温は太平洋側で上がらなかった。地帯6,8では平均気温が20度を超えなかった。太平洋側では日照不足が依然と続く。
    ・ 27の週間予報支援図によると、今後も強い寒気の南下は予想されていない。
    ・ 久しぶりに全域で快晴となり、日射量も多い好天となる。圃場の分光計測も順調に進む。

    ○ 8月29日(金)
    ・ 昨日の天候は、ほぼ全域で快晴の好天となる。
    ・ 28日の週間予報支援図によると、今後北日本上空への寒気の南下は予想されていない。
    ・ 出穂・開花期に低温に遭遇した「はえぬき」の登熟状況を調査する。立穂している穂には不稔が発生している。
    ・ 花巻から盛岡周辺の稲を見て歩く。傾穂が遅れているようだ。


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