水稲冷害研究チーム

1997年編集長日誌


1997年編集長日誌

この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。

9月


 
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○ 9月1日(月)
・ 昨日の天候は、ほぼ全域で快晴の好天となる。気温は上がる。
・ 31日の週間予報支援図によると、今後北日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・ 東北中部付近は温暖前線の影響で朝から雨が降る。
・ 品種比較試験区の「ササニシキ」の登熟調査を行う。

○ 9月2日(火)
・ 昨日の天候は、温暖前線の影響で中部を中心に降雨があり、ぐずついた天候となる。
・ 品種比較試験区の「どまんなか」「あきたこまち」の登熟調査を行う。
・ 1日の週間予報支援図によると、今後北日本上空への強い寒気の南下は予想されていな。
・ モニターの方に登熟の状況をお聞きしたところ、幾人かの方からメールが来る。登熟がやや遅れている様子がうかがえる。

○ 9月3日(水)
・ 昨日の天候は、暖かい空気が入り、気温は上がる。北部は温暖前線の影響で降雨がある。
・ 品種比較試験区の「はえぬき」の第2回目の登熟調査を行う。

○ 9月4日(木)
・ 昨日の天候は、前線の影響で日本海側を中心にかなりの降雨がある。角館では106mmを記録、秋田県では冠水の被害がある。
・ 岩手県内の北上川流域の登熟状況調査を行う。北部ではお盆の低温で登熟が遅れているが、盛岡以南は順調な登熟で安心する。昨日は秋田県内でかなりの大雨となったので、北上から横手に抜け、大曲周辺を調査する。冠水のあった地帯は見ることができなかったが、倒伏もなく、順調に登熟している。盛岡周辺のあきたこまちとはかなり登熟程度が異なる。
・ 大曲の水田利用部を訪ね、試験圃場を見学する。

○ 9月5日(金)
・ 昨日の天候は、寒冷前線が通過後、秋の移動性高気圧が張り出す。放射冷却で朝は冷える。
・ 宮城県松山町・小牛田農業改良センター・宮城県農業センターと刈り取り調査とアンケート調査について打ち合わせる。
・ 松山町の水稲は、早いものは黄熟が進み、登熟状況は順調であった。20頃から刈り取りが始まると推定される。
・ 宮城県亘理の友人から登熟状況についてのメールが来る。順調に登熟が進んでいるとのこと。

○ 9月6日(土)
・昨日の天候は、全般に温暖前線の影響で南部を中心に曇りがちとなる。冷たい空気の影響で朝は冷える。
・ 5日の週間予報支援図によると、10日頃から北日本上空へ強い寒気の南下が予想されている。
・ 早期警戒情報をまとめる。このところの天候は登熟には好適なものである。

○ 9月7日(日)
・ 昨日の天候は、全般に温暖前線の影響で雲が広がる。
・ 6日の週間予報支援図によると、10日頃から東・北日本上空へ強い寒気の南下が予想されている。

○ 9月8日(月)
・ 昨日の天候は、秋雨前線の影響で各地で雨があり、ぐずついた。最高気温は低めのところが多かった。日本海側を中心に日照不足の傾向が現われはじめた。
・ 7日の週間予報支援図によると、10日前後に北日本上空に寒気の南下が予想されている。

○ 9月9日(火)
・ 昨日の天候は、秋雨前線の影響で南部を中心にぐずついた。気温は全般に高めに経過している。
・ 8日の週間予報支援図によると、10日頃から北日本上空に強い寒気の南下が予想されている。
・ 山形県尾花沢のモニターの方から、登熟状況に関するメールが来る。
・ 黄熟期の「あきたこまち」の分光計測を行う。
・ 品種比較試験区の「ひともぼれ」「ササニシキ」「はえぬき」も穂の垂れ方が大きくなり、「コシヒカリ」も傾穂を始める。

○ 9月10日(水)
・ 移動性高気圧に覆われて概ね晴れの好天となる。南部は秋雨前線の影響でぐずついた天候となった。
・ 9日の週間予報支援図によると、北日本上空に寒気の南下が予想されている。北海道の高い山では初冠雪の可能性もあるようだ。
・ 8月下旬の気象表をまとめる。
・ 新場長による研究ヒアリングがある。
・ 台風の動向と寒気の南下が気になる。
 
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○ 9月11日(木)
・ 昨日の天候は、寒冷前線が通過した後移動性高気圧に覆われ、概ね晴れの好天となる。気温は上がる。
・ 10日の週間予報支援図によると、北日本上空に寒気の南下が引き続き予想されている。
・ ウエザーニューズ来室。次年度に向けて気象監視システムの高度化について協議する。
・ 仙台ウエザーニューズから台風情報のファクシミリが入る。いよいよ登熟最盛期から後半に差し掛かるおりに、台風の接近は歓迎できない。

○ 9月12日(金)
・ 昨日の天候は、寒冷前線が中部に停滞し、盛岡以北では最高気温が20度前後となり、肌寒かった。
・ 11日の週間予報支援図によると、今後も北日本上空には寒気が居座り、15日前後はかなり強い寒気の南下が予想されている。
・ 大学関係のモニターから、教材として冷害被害の水稲の写真等を掲載して欲しいとの希望があった。この後、このような情報も充実していく予定である。

○ 9月13日(土)
・ 昨日の天候は、北部は晴れの好天となるが、南部は秋雨前線の影響で曇り。上空に寒気が南下し、気温が下がる。
・ 早期警戒情報をまとめる。今北から強い寒気が南下し、今後気温の低いぐずついた天候が予想される。登熟の遅れもあり得る。
・ 台風19号の進路が心配だ。平成3年の台風19号を同じようなコースで進んでいる。西日本への上陸もある。
・ 12日の週間予報支援図によると、今後数日は北日本上空に強い寒気が居座る予想となっている。

○ 9月14日(日)
・ 昨日の天候は、秋雨前線の影響でぐずついた天候となり、上空に寒気が南下し、気温が下がる。最高気温は太平洋側では20度を超えなかった。
・ 13日の週間予報支援図によると、今後15日頃まで北日本上空には寒気が居座る気配だ。
・ 台風19号の動きが注目される。平成3年と同様なコースを辿っている。

○ 9月15日(月)
・ 昨日の天候は、秋雨前線の影響でぐずついた天候となり、上空に寒気が南下し、気温が下がる。最高気温は北部や太平洋側では20度を超えなかった。
・ 盛岡周辺と遠野地域の稲の登熟状況を見て歩く。順調に登熟している稲もあれば、穂の垂れ方がやや遅れている稲もある。一ヶ所で稲刈りをしている圃場を見る。早いもち米の収穫か。来週には早生種では稲刈りが始まる可能性もあるが、やや遅れるのでは。
・ 気温の低い状態が続いている。

○ 9月16日(火)
・ 昨日の天候は、秋雨前線の影響でぐずついた天候となり、上空に寒気が南下し、気温がさらに下がる。最低気温が10度を下回った地点もある。
・ 今日は気温が著しく下がる。北海道では4度前後となり、霜注意報が出されている。東北では北部を中心に10度以下となっている。
・ 台風19号の動向も警戒される。本日九州に上陸する見込みだ。
・ 15日の週間予報支援図によると、明日までこの寒気が居座り、台風19号が日本海を北上するためその後は一時的に気温が上がる予想となっている。
・ 岩手県種市もモニターから稲刈りが始まったとのメールが来る。品種「かけはし」は順調な登熟のようで安心した。
・ 品種比較試験区では、晩い品種では登熟の進み方が緩慢となる。早い品種でも穂基部の籾の登熟が遅れ、ばらつきが目立つ。

○ 9月17日(水)
・ 昨日の天候は、台風19号と秋雨前線の影響でぐずついた天候となり、上空に寒気が南下し、気温がさらに下がる。盛岡以北では最低気温が10度を下回った。日照不足が顕著となる。
・ 午前8時現在、台風の雨雲が東北地方に掛かりはじめる。風はそれほど強くない。
・ 台風19号は午前9時ごろ日本海で低気圧になる。

○ 9月18日(木)
・ 昨日の天候は、台風19号から変わった低気圧の影響でぐずついた天候となった。各地でかなりの降雨があった。低温と日照不足の傾向が顕著となる。登熟の遅れが心配される。
・ 17日の週間予報支援図によると、今後も北日本上空には弱い寒気の南下が予想されている。
・ 台風20号が関東地方に接近しつつある。現時点の予想では、太平洋沿岸を北上するものとなっている。
・ 仙台管区気象台から日照不足に関する問い合わせがある。今後23日頃までぐずついた天気になると予想されている。登熟が遅れるのではないか。

○ 9月19日(金)
・ 昨日の天候は、前線の影響でぐずついた天候となった。台風20号による南よりの暖かい空気が入り、気温は上がる。日照不足が顕著となる。登熟の遅れが心配される。
・ 台風20号が関東地方に接近する。福島県と宮城県には大雨洪水などの警報が出されている。
・ 18日の週間予報支援図によると、今後も北日本上空には弱い寒気の南下が予想されている。
・ 本日は場公開日、あいにくの雨で人出は減るのではと心配される。
・ 午前6時現在、強い雨風は観測されていない。
・ 午後0時現在、盛岡で風雨が強まる。台風の進路は大きく東に外れ、東北地方には大きな影響はでないような見込みだ。
・ 山形県庄内の調査に行ってきた友人によると、刈り取りはほとんど進んでいない。また、倒伏も目立つようになってきているとのこと。天候の回復が待たれる。

○ 9月20日(土)
・ 昨日の天候は、台風20号が東海上を通過。ぐずついた天候となり、気温も上がらなかった。日照不足が顕著となる。登熟の遅れが心配される。
・ 19日の週間予報支援図によると、今後も北日本上空には弱い寒気の南下が予想されている。
・ 早期警戒情報をまとめる。ぐずついた天候がまだ続きそうなので、適期刈り取りが順調に進むか、やや心配される。
 
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○ 9月21日(日)
・ 昨日の天候は、移動性高気圧に覆われ久しぶりに快晴となる。気温も低めで日照不足が続く。登熟の遅れが心配される。
・ 20日の週間予報支援図によると、今後も北日本上空には弱い寒気の南下が予想されている。

○ 9月22日(月)
・ 昨日の天候は、秋雨前線の影響でぐずついた天候となる。気温も低めで日照不足が続く。登熟の遅れが心配される。
・ 21日の週間予報支援図によると、25日頃まで北日本上空には弱い寒気の南下が予想されている。

○ 9月23日(火)
・ 昨日の天候は、秋雨前線が停滞しぐずついた天候となった。気温も低く、かなりの日照不足が続いている。
・ 東北地方には日照不足と低温に関する情報が出された。登熟不良や刈り取りの遅れによる品質の劣化が心配される。
・ 22日の週間予報支援図によると、今後とも北日本上空には弱い寒気の南下が予想されている。
・ 岩手県北上のモニター農家から、次のようなメールが来る。「暫くぶりです。ぱっとしない天候が続いて稲の登熟が進まない状態ですが、近隣圃場では結構色付いた所も有ります。我が家では多分来月に入ってまもなく刈り取りになると思います。今は作業舎の整理と籾ガラの片づけを行っております。刈り取り前の準備で一日が短いこの頃です。」
・ 明日、筑波の国際協力事業団稲作(インドシナコース)の研修員に「水管理技術」を講義するために盛岡を発つ。

○ 9月24日(水)
・ つくば周辺は既に収穫も終わり、ひこばえが大きく成長している。関東地方には今の日照不足と低温はまったく関係ないようだ。また、北関東には水利慣行から収穫の行われていない水田もあるようだ。
・ 明日は、宮城県松山町の現地で、坪刈り調査が始まる。

○ 9月25日(木)
・ 宮城県松山町に刈り取り調査に行く。途中、岩手県内の水稲の登熟状況を観察すると、まだまだ青い水田が目につく。収穫はほとんど始まっていない。倒伏のみられる圃場もある。
・ 松山町は岩手県よりは登熟も進み、刈り取りの可能な水田が多い。ただ、水田には水が溜まっており、機械収穫には不適な土壌条件となっている。約50圃場から試料を約150点採取する予定である。成熟に達している圃場から試料を取る。
・ 明日も来る予定だったが、天候が悪化するようなので取り止めにする。

○ 9月26日(金)
・ 昨日の天候は、気圧の谷の接近でぐずついた天候となった。気温は低い状態が続き、また日照不足も解消されない。
・ 25日の週間予報支援図によると、日本上空にはかなり強い寒気の南下が予想されている。
・ 秋田県・山形県・宮城県に低温注意報が発令される。
・ 農林水産業の情報化の調査を行っているインタービジネス研究所から早期警戒システムに関する問い合わせが来る。
「宮沢賢治の宇宙」編集委員会から、リンク依頼が来る。
・ 宮城県亘理の友人に刈り取りの状況をお聞きした。それによると、「亘理の方もこのところ雨ばかり降り、憂鬱な毎日が続いております。私の田んぼの稲も既に刈取り適期を迎えておりますが、天候が悪いため刈取り作業に入れません。籾の登熟の不揃いも大きいよう(周りのササニシキと比べて)で気にかかる所です。くず米が多く出るのではと心配です。近所でも悪天候の合間に刈取りを始めた所が僅かにあるだけです。雨が降る度に、倒伏の度合いが大きくなる田んぼが目立つようになりました。早く天候が回復して欲しいものです。」とある。また豊作を素直に喜べない、今の米価の問題や在庫処理の問題についてもコメントされている。早期警戒の仕事は、これら問題とは切り離して考えるしかないと、言い切れない国の研究者の立場があるのかもしれない。
・ 9月中旬の気象表をまとめる。低温と日照不足の実態が如実に現われる。冷害危険度地帯別にみると、次の通り。
・ 1か月予報によれば、今後1週間は太平洋側を中心に、気温の低い状態が続く見込みだ。

○ 9月27日(土)
・ 昨日の天候は、秋雨前線の影響が活発化し、南部を中心に40〜50mmの降雨があった。気温も低く、日照不足は続き、登熟には良くない。また、刈り取りの遅れもさらに心配される。
・ 寒気を伴った低気圧の接近で、ぐずついた天気となる。
・ 26日の週間予報支援図によると、日本上空にはかなり強い寒気の南下が予想されている。

○ 9月28(日)
・ 昨日の天候は、寒気を伴った低気圧の影響で秋田県を中心に20〜50mmの降雨があった。気温も低く、日照不足は続き、登熟には良くない。また、刈り取りの遅れもさらに心配される。
・ 27日の週間予報支援図によると、今後とも日本上空にはかなり強い寒気の南下が予想されている。

○ 9月29日(月)
・ 昨日の天候は、寒気を伴った低気圧の影響により日本海側で降雨があった。気温も低く、日照不足は続き、登熟には良くない。また、刈り取りの遅れもさらに心配される。
・ 品種比較試験区の収穫調査を行う。「かけはし」「つがるおとめ」「つがるロマン」「ゆめさんさ」「あきたこまち」は穂数が少ない。また、登熟のバラツキも目立つ。「ひとめぼれ」「ササニシキ」は、穂数は多いが登熟が進んでいない。特に「ササニシキ」は遅い頴果は乳熟の状態で止まっている。
・ 先週収穫した「あきたこまち」の調整が行われている。玄米がやや細いように見える。当試験場も稲刈りがやっと始まった。

○ 9月30日(火)
・ 昨日の天候は、移動性高気圧が張り出し、日差しが戻った。気温は低い状態が続くが、日照不足は徐々に解消されはじめた。遅れていた刈り取りが本格的に始まるだろう。
・ 秋田県と山形県には低温注意報が出されている。
・ 29日の週間予報支援図によると、今後とも日本上空にはかなり強い寒気の南下が予想されている。
・ 品種比較試験区の「かけはし」「つがるおとめ」「つがるロマン」「ゆめさんさ」の坪刈りを行う。また各種試験圃場の「あきたこまち」の収穫が本格化してきた。

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