水稲冷害研究チーム
1997年編集長日誌
1997年編集長日誌
この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。
10月
−−−−−−−−− 上旬 −−−−−−−−−
○ 10月1日(水)
・ 昨日の天候は、移動性高気圧が張り出し、日差しが戻った。気温は低い状態が続くが、日照不足は徐々に解消されはじめた。遅れていた刈り取りが本格的に始まる。
○ 10月2日(木)
・ 宮城県松山町に収穫調査のため出張する。
・ 岩手県内の稲刈りはまさに始まったばかり。宮城県に入ると稲刈りが進み、地域によっては2割程度終わっているが、概して稲刈りは始まったばかりといったところだ。
・ 松山町では昨日から一斉に稲刈りが始まった様子だ。
○ 10月3日(金)
・ 宮城県松山町に収穫調査のため出張する。
・ 宮城県農業センターの共同による収穫調査は順調に終わる。天候の回復で土が乾いたために農家は一斉に稲刈りに入っている。
○ 10月4日(土)
・ 昨日の天候は、高気圧に覆われて概ね晴れの好天となる。
・ 3日の週間予報支援図によると、寒冷前線が通過した後に強い寒気の南下が予想されている。
・ 9月下旬の気象表をまとめる。低温と日照不足の実態が現われる。冷害危険度地帯別にみると、次の通り。
- 地帯1:平均気温16.2度、最高気温19.2度、最低気温13.3度。平均気温は平年より1.0度、最高気温は2.3度低い。降水量は59mmで、平年比213%。日照時間は25.1時間で、平年比74%。
- 地帯2:平均気温15.8度、最高気温19.2度、最低気温12.3度。最高気温は平年より1.9度低い。降水量は24mmで、平年比124%。日照時間は27.8時間で、平年比64%。
- 地帯3:平均気温16.1度、最高気温19.3度、最低気温12.8度。最高気温は平年より2.2度低い。降水量は52mmで、平年比159%。日照時間は27.1時間で、平年比68%。
- 地帯4:平均気温15.8度、最高気温19.6度、最低気温12.1度。最高気温は平年より1.4度低い。降水量は21mmで、平年比120%。日照時間は32.5時間で、平年比81%。
- 地帯5:平均気温16.4度、最高気温19.4度、最低気温13.6度。平均気温は平年より1.1度、最高気温は2.9度低い。降水量は47mmで、平年比174%。日照時間は23.1時間で、平年比59%。
- 地帯6:平均気温15.0度、最高気温18.3度、最低気温11.8度。最高気温は平年より2.2度低い。降水量は50mmで、平年比191%。日照時間は29.6時間で、平年比86%。
- 地帯7:平均気温15.9度、最高気温18.8度、最低気温13.1度。平均気温は平年より1.2度、最高気温は2.7度低い。降水量は54mmで、平年比219%。日照時間は22.9時間で、平年比65%。
- 地帯8:平均気温16.2度、最高気温19.4度、最低気温12.7度。最高気温は平年より1.0度低い。降水量は15mmで、平年比128%。日照時間は39.0時間で、平年比91%。
○ 10月5日(日)
・ 昨日は場内停電のため、アメダスデータが欠測となる。
・ 4日の週間予報支援図によると、北日本上空には強い寒気の南下が予想されており、登熟の遅れが心配される。
○ 10月6日(月)
・ 昨日の天候は、寒冷前線が通過して、日本海側を中心にかなりの降雨があった。
・ 5日の週間予報支援図によると、北日本上空には強い寒気の南下が予想されており、登熟の停止が心配される。
・ 宮城県亘理の友人から、次にような稲刈りが終わったとのメールが来る。豊作だったようで安心した。
・ 「待ちに待った好天が到来しました。私の周辺の状況をお知らせします。9月27日以降、好天に恵まれ、亘理周辺の刈取り作業は一気に進展し、ほとんど終了したように見えます。私のところでは9月28日から10月2日にかけて刈取り・乾燥・調整作業を行いました。収量は10アール当たり整粒米548kg、くず米 20.5kgでした。栽培者の心配とは裏腹に、稲は思ったよりも順調に生育したようです。東北農政局の作柄予想の通り豊作となりました。現在の私の心境は泣き笑いといった所でしょうか。これで今年の稲作作業も田んぼの耕起を残すだけとなりました。来期はどんな年になるのか想像もつきませんが、気を取り直して稲作の準備をしようと思っています。最後になりましたが、今シーズンも役に立つ情報を提供して頂き、大変有難うございました。鳥越編集長をはじめ、研究チームの皆様には心より感謝申し上げます。」
○ 10月7日(火)
・ 昨日の天候は、寒冷前線の通過後、移動性高気圧に覆われたが、寒気の影響で北部を中心に天気がぐずつく。気温は低い状態が続くが、日照時間は平年より多く推移。岩手松尾・大館・軽米では平均気温が10度を下回る。
・ 6日の週間予報支援図によると、北日本上空には強い寒気の南下が予想されており、遅れている地帯・品種の登熟停止が心配される。
・ モニターの方々に情報提供に対するお礼のメールを出す。
・ 品種比較試験区の「ひとめぼれ」「ササニシキ」「どまんなか」「はえぬき」「コシヒカリ」は穂の下部頴果が青く、登熟がほとんど停止している状態が続く。やはり、これらの品種にとっては限界地であるようだ。
・ 本日で冷害イネの分光計測を終える。
○ 10月8日(水)
・ 昨日の天候は、寒冷前線の接近で太平洋側は天気がぐずつき、北部は日差しがあった。気温は平年並みに戻る。
・ 7日の週間予報支援図によると、今日から明日にかけて北日本上空に非常に強い寒気の南下が予想されており、北海道や東北山岳地帯で降雪が予想されている。
・ 山形県鶴岡のモニターの方から、稲刈りが終わったとの次のようなメールが来る。「今年は9月15日より刈り始め先日10月4日にようやく終わりました。同じ村の3人グループの約22ha、4品種を刈り取りました。9月中は天気に恵まれず雨の晴れ間を見計らって田圃に出て行きまた降ってくると家に戻ってくるという繰り返しでした。9月28日からの天気でようやく仕事もはかどり終了する事が出来ました。田圃も柔らかくなってきましたが、夏の間の作溝をしっかり立てた田圃は、長雨続きでもしっかり表面水を排水できて、コンバインで作業できる好条件を維持できました。それぞれの時期での作業の重要性を再認識させられました。」
・ 財団法人岩手経済研究所からリンク依頼が来る。
・
○ 10月9日(木)
・ 昨日の天候は、寒冷前線の通過に伴って日本海側と北部で天気がぐずつき、南部太平洋側では日差しがあった。気温は低かった。
・ 岩手山に冠雪が見られる。いよいよ冬の到来が近い。
・ 8日の週間予報支援図によると、12頃に次の強い寒気の南下が予想されている。
・ 東北大学のNOAA衛星画像がここのところ停止されている。トラブル発生か?
○ 10月10日(金)
・ 昨日の天候は、寒冷前線の通過後も北部には寒気が残り、天気がぐずつく。一方、南部は好天となる。中山間地の平均気温は10度下回り、全般に気温は低かった。
・ 9日の週間予報支援図によると、次の強い寒気の南下が予想されている。
・ 本日をもって、早期警戒の業務を終えることにする。晩生の品種については、登熟不良が心配される。
・ 神田君が本日からイギリスに旅行するため、1週間程度情報の更新を停止する。
・ 西根町周辺の収穫の状況をみる。収穫はまだ半分程度といったところ。霜により稲が被害を受け、枯れあがっている圃場も散見される。
−−−−−−−−− 中旬 −−−−−−−−−
○ 10月11日(土)
・ 10月上旬の気象データを取りまとめる。全般的に低温で、北部日本海側では日照がやや少なかった。
○ 10月12日(日)
・ 品種比較試験区の成熟状況を調査する。まだ、刈り取りしていない「ひとめぼれ」「ササニシキ」「どまんなか」「はえぬき」「コシヒカリ」などはまだ青籾が見られるが、登熟はこれ以上進む様子はない。今週から坪刈りに入ることにする。
○ 10月13日(月)
・ 岩手県北上のモニターの方から、収穫状況について次のようなメールが来る。
「我が家の稲刈りの状況は、刈り取り予定面積12ヘクタールに対して約20パーセントの進ちょく率です。これは、受託農家の平均面積が30アール前後の為どうしても受託農家の刈り取りが終わらなければ進ちょく率が伸びない状況です。良い天気が続かないので困っています。登熟は良いと思われます。今年は冷害が無く大変良かったです。」
・ 品種比較試験区の坪刈りを行なう。全品種の収穫が終わる。
○ 10月14日(火)
・ 試験圃場の全試験区の坪刈りを終える。
・ 平成9年度東北地域リモートセンシング研究会の開催計画を宮城県農業センターと協議する。
○ 10月15日(水)
・ 地帯別収量予測モデルによる、最終の作柄診断を行なう。全般的には平年作が確保できそうで一安心。
○ 10月16日(木)
・ 盛岡では本日初霜が観測された。平年より数日遅いという。
・ 水温の最終データをまとめる。
○ 10月17日(金)
・ 宮城県農業センターと松山町の土壌調査について打ち合わせる。
○ 10月18日(土)
・ 図説東北の冷害の改定案を考える。新しく「図説東北の稲作と冷害」として総合的な情報提供ができるようにしてみたり。
・ 図説「東北作付品種の新しい政府米銘柄区分」を作成。
・ 今週、岩手県遠野・紫波地域農業改良普及センターと宮城県小牛田地域農業改良普及センターから調査用稲穂が届く。
○ 10月19日(日)
・ 編集長からの挨拶をまとめる。
・ 神田君が無事イギリスから帰国する。
○ 10月20日(月)
・ 宮城県亘理と岩手県久慈地域農業改良普及センターから調査用の稲穂が届く。
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○ 10月21日(火)
・ 宮城県築館地域農業改良普及センターから調査用の稲穂が届く。
・ アメダス自動監視システムの改良計画を検討する。
○ 10月22日(水)
・ 昨日、アクセス件数が1万件を突破する。
・ 宮城県仙台・迫地域農業改良普及センターから調査用の稲穂が届く。
○ 10月24日(金)
・ 岩手県水沢地域農業改良普及センターから調査用の稲穂が届く。
○ 10月25日(土)
・ 図説東北の稲作と冷害:東北農業と稲作をまとめる。
○ 10月27日(月)
・ 品種比較試験区等の収量調査を開始する。
・ 岩手県盛岡・一関、宮城県石巻地域農業改良普及センターから調査用稲穂が届く。
・ 青森県庁から青森県内の生育診断圃場の調査用稲穂が届く。
・ 東北農政局から15日現在の作柄概況が届く。東北全体では「やや良」となった。
○ 10月28日(火)
・ 昨日、盛岡で初雪を観測する。平年より2週間程度早いという。
・ 岩手県千厩・宮城県石巻地域農業改良普及センターから調査用稲穂が届く。
・ 品種比較試験区と松山町試料の脱穀・籾摺りを終える。明日から本格的な調査となる。
・ 本日の東北農業試験場の収穫感謝祭。
・ 山形県最上町のモニターの方から、次のようなメールが届く。
「最後の出荷分の調整をしていました。 人気品種の作付けが、山間地まで伸びているようで・・・登熟不足で刈取りが遅れている人もいるようです。(雪の下になってしまった)
今年の作付けは、あきたこまち(650k)、どまんなか(630k)、出羽燦々(酒米/580k)、ヒメノモチ(600k)でした。予想以上の出来で、喜んでいます。オール1等米(酒米は、特1)でした。 最後に刈取りした”どまんなか”は、雨で刈り遅れましたが品質的には良かったです。屑米が、ほとんど無くなっていました。
冷夏と言われましたが、何とか凌いだ1年でした。あちこちで、エルニーニョの影響が報道されています。来年は、危なそうですね!?困ったときのe−mail、来年も宜しくお願いします。」
○10月29日(水)
・ 品種比較試験区の収量・粒厚分布調査を行なう。
○ 10月30日(水)
・ 宮城県松山町の収量・粒厚分布調査を行なう。
○ 10月31日(金)
・ 宮城県松山町の収量・粒厚分布調査を行なう。
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