水稲冷害研究チーム

1998年編集長日誌


この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。


6月


 
−−−−−−−−−   上旬   −−−−−−−−−


○6月1日(月) 
・ 移動性高気圧に覆われて、概ね晴れる。
・ 週間予報支援図によると、今後北日本上空に寒気が南下すると予想されている。いよいよオホーツク海高気圧が張り出すのか。
・ 5月下旬の気象をまとめる。平均気温は2〜2.5度程度高かった。日照時間は平年より多く、青森県太平洋側、岩手県北、山形県南部と会津地域は少雨となった。
・ 農政局から青森県と岩手県の水温データが届く。
・ 岩手県病害虫防除所から予察情報が届く。
・ 福島県農業試験場から技術情報が届く。


○6月2日(火) 
・ オホーツク海高気圧が張り出す。太平洋沿岸部にやませの雲がかり、気温も上がらなかった。岩手県沿岸北部と南部に低温注意報が出される。地帯6,7では平均気温が10度を下回る地点が多い。
・ 週間予報支援図によると、今後数日間北日本上空に強い寒気が入る予想となっている。
・ 北海道は午前4時沿岸部を除いて内陸部は5度未満となり、霜害が懸念される。東北では5度以下の監視地点はない。
・ システム農学会の準備にとりかかる。
・ 日本農業新聞からシンポジウムの問い合わせがある。


○6月3日(水) システム農学会理事会
・ オホーツク海高気圧が張り出す。気温は低く、天気はぐずつく。青森県・岩手県・宮城県・福島県に低温注意報が出される。北海道は4時現在5度未満の地点が内陸部に広がる。霜害が懸念される。
・ 週間予報図によると、今後数日寒気が南下する予想となっている。
・ 山形県最上町の友人から、次のようなメールが届く。
「おはようございます。 いつもお世話になっています。システム学会も間近になり、準備に追われていることと推測しています。暖かかった5月から、天候の安定していない様な6月で心配しております。最近は、特に風が強くなおさら肌寒く感じるのかな?
当日、最上町から1名参加となります、よろしくお願いします。JA最上町の職員で、稲作を担当しています。本当は、私も参加したかったのですが・・・どうしても都合がつかない為残念です。
さて、稲の成育状況ですが・・・5月中旬から高温で、遅霜も無かった為に順調に活着して生育良好です。生育調査は、6/10から10日置きに始まりますので順次送ります。
何かの参考と、ご指導お願いします。"システム学会"の大成功を期待しております。 HP上の学会も、期待しています。」
・ 低温が続くと予想されるので、早期警戒情報を一部改正し、冷温障害危険地帯区分を掲載することにする。
・ 東北地方も本日梅雨入りしたとみられると発表される。平年より11日早い。
・ システム農学会の理事会が開催される。


○6月4日(木) システム農学会シンポジウム
・ 低気圧の通過で、朝は天気がぐずつく。気温の低い状態が続く。北部を中心にかなりの降雨がある。
・ 週間予報支援図によると、この寒気の南下は7日頃まで続く見込み。
・ 山形県最上町の友人から次のようなメールが届く。
「低温注意報が出ていますね、夕方深水設定で巡回してきました。システム農学会のシンポジウムに後2名ほど追加で参加になると夕方電話入りました。営農部長と、組合長だそうです。併せて、よろしくお願いします。私がモニターになっていなかったら、今回の参加もなかったと思います。何か、不思議な感じもします。」
・ 気象庁はエルニーニョ現象が終息に向かっているとの公式発表を行った。
・ システム農学会のシンポジウム「東北の稲作:冷害を克服するための課題と将来展望」が開催される。約65名が参加。農家、農協、県の試験研究機関の方も参加して頂き、まずます盛会であった。


○6月5日(金) システム農学会研究発表会
・ 梅雨前線により天気はぐずつき、青森県と岩手県北部は低温の状態が続く。これら地域では低温注意報が継続して出されている。
・ 青森県太平洋側と岩手県県北・沿岸部では平均気温が10度を超えなかった。
・ 本日はシステム農学会研究発表会が開催され、午後に大会は無事終了した。関係者はボロボロに疲れる。
・ 1か月予報によると、この先もオホーツク海高気圧が張り出す予想となっている。早期警戒情報をまとめる。


○6月6日(土) 
・ オホーツク海高気圧が張り出し、太平洋側を中心に低温が続く。福島県にも低温注意報が出される。
・ 宮城県に葉いもち注意報第1号がでる。
・ 圃場のイネはこのところの日照不足と寒さのためか葉色も淡く勢いを感じられない。
・ 早期警戒システムの動作チェックを行う。


○6月7日(日) 
・ オホーツク海高気圧が張り出し、気温は低い状態が続く。青森・岩手・宮城・福島の4県に低温注意報が継続されている。
・ 北海道、青森県・岩手県沿岸部は午前4時現在5度以下となる。霜害が心配される。
・ 最低気温は岩手県軽米2.8度、久慈3.0度、青森県十和田3.6度、これらの地帯では霜害が懸念される。
・ 各地の友人にイネの生育状況をメールで問い合わせる。
・ 水温監視のための準備を行う。


○6月8日(月) 
・ オホーツク海高気圧に覆われて、天気はぐずつく。中国大陸から大きな寒冷渦が近づきつつある。部分的に日差しが戻り、気温もやや上がる。
・ 岩手県種市の友人から次のようなメールが届く。
「内陸部で、霜の被害が大きかったようですが、此方では風が出ていた為か被害が出ておりません。前に稚苗を植えた話をしましたが、その後の高い気温のせいか活着して、今では少し小さいかな?とおもえるほどに育っています。」
・ 宮城県亘理の友人から次のような生育状況のメールが届く。
「今年は梅雨入りが早く、肌寒い日が続いているこの頃です。梅雨入り前までは気温が高めに経過したせいか、私の周辺の稲は成育が順調のようです。ざっと見たところ、例年同時期の倍近い分けつがとれているのではないでしょうか。私のところでは元肥を控えている(窒素分で約2.8kg/10a、平均約4本/株、約80株/坪)にもかかわらず、側条施肥をしているためか分けつが盛んに発生しています。田植え直後の植え傷みがひどかったため心配しましたが、3号分けつが発生しているところがかなり多く見られます。あまりにも分けつがとれて過繁茂になり、生育中期の施肥管理が厄介になるのではと心配しています。」
・ アクセス件数が平成8年7月以降14,000件を突破する。
・ 日本農業新聞から取材の日程調整がある。


○6月9日(火) 
・ 梅雨前線が北上し、天気がぐずつく。北にはオホーツク海高気圧が依然と居座る。数日はぐずついて、気温がやや低い状態が続く見込み。日照不足が顕著となる。
・ 気象庁から低温と日照不足に関する情報が出される。この先1週間、前線やオホーツク海高気圧の影響で低温と日照不足が続く見込み。生育遅延が心配される。
・ システム農学会事務局長から次のようなお礼のメールが届く。
「拝啓 梅雨の候、相変わらずぐずついた天気が続いておりますが、その後、御地の寒さはいかがでしょうか。冷害につながらなければよろしいのですが、・・・。
さて、先般は貴場においてシステム農学会春季大会(シンポジウム並びに一般発表)をご開催くださり、大変盛会な大会としていただきましたことに厚く御礼申し上げます。その際、立派なプロシーディングスを貴場のご予算でご用意いただき、ありがとうございました。私どもが本学会のお世話を引き受けまして、まず健全な財政事情にすることが第一かと考え今年度の事業を進めておりますが、その意味でも本当に助かりました。細分化する一方の農学研究を全体として捉え直し、来るべき21世紀の農業を支えうる農学の確立を目指して前進して参りたいと考えております。どうか今後ともよろしくご指導の程お願い申しあげます。 敬具」
・ 岩手県種市の友人に「やませ日」の定義をお知らせしたところ、天明の冷害の様子を示す次のようなメールが届く。
「》 なお、気象庁関係者の定義は次のようになっています。
》 ・対象期間:5月から9月
》 ・青森、八戸、宮古3ヶ所の観測地点のデータから、
》 ・・3ヶ所のいずれかの地点で、最多風向(卓越する風向)が北から南東にあり
》、 ・・3ヶ所の気温が平年より1度以下
》 ・・この条件が2日継続した場合
》 当日を「やませ」日といいます。
》 参考までにご報告いたします。
ん〜〜ん。此れだと拙かったのかな。(今年の小学校用の副教材に、ヤマセに付いて書いていたのを、直したほうが良いのではと横から嘴を入れてしまった)どのようにしたか今度聞いてみなければ・・・・・・。でももう出来上がって、2〜3日前に配布されたと新聞に出ていたし・・。
 ケカズ(飢渇)の里のヤマセの感覚で居たものですから・・・・。古文書に天明の飢饉の様子を手紙にしたためたものが有ります。恵比須屋善六が江戸の井筒屋三郎兵衛に宛たものです。この手紙は、昭和四年の一月に、東京で保管されていたものを、林政太郎という篤志家が、郷土研究の資料にと、八戸へ送ってくれたものである。その内容は、一人の商人が、自ら見聞し体験した、天明三年の八戸の凶作の状況を、江戸に報告した貴重なものであった。この恵比須屋善六の手紙には、不気味なほどに狂った異常気象の様子から、騒然とした町の様子が、生々しく綴られている。この手紙が書かれたのは、凶作が決定的になった天明三年の十一月十一日との日附けが有る。(天明三年は1783年)
""
一筆啓上、寒さに向う折柄、皆様にはご壮健にて大慶に存じます。私共も、どうにか無事で居りますので、ご安心下さい。さて、ご承知の通り、当地八戸は、前代未聞の大凶作でした。先ず天気の事から申し上げますと、去年の天明二年の冬から今年にかけて、考えられないような異常つづきでした。なにしろ去年の冬は、夏のように暖かで、氷の張るような寒い日はないほどでした。十一月には、ちょっと氷が張りましたが、一年で一番寒いはずの寒に入ると、氷はことごとくとけ、まるで三月か四月頃のような陽気に為りました。
 正月から二月にかけては格別に暖かく、寒さを感じさせない年の始めでした。それが四月に入りますと、北風ばかりが吹きつのり、まるで春と冬が入れ替わったような寒さが訪れました。加えて連日の雨つづきで、四月中に雨のふらない日は七日ありましたが、それもうすら寒い霧のかかった曇りの日ばかりでした。五月も同様で、一日から雨が降りつづけ、雨の降らない日は六日、六月は五日、七月には四日ばかり、八月には六日間。おまけに連日やませと呼ばれる冷たい北東風が吹き、まるで寒中に降る雨を思わせるような、寒い夏を迎えたのでした。
 だが然し、前にも申し上げました様に、去年の冬は、春のような温かさでした。そのため畑の麦は青々と生育がよく、農家では、麦の収穫に期待をかけておりました。ところが刈り取り時期になりますと、連日の寒さと雨天つづき、これでは満足にみのりようもありません。稲作や大豆・稗等も、全く予想もつかない不順天候のため、収穫の期待は、全く裏切られる結果になってしまったのでした。
 この不順な天候の為、例年ですと、春にいちどに咲く藤や山吹の花が、ずうっとおくれて夏の六、七月に咲き、九輪草や唐アオイの花などは、春から秋の終わりまで、四度も五度も、だらだらと咲きつづけました。夏菊などは、秋の終わりの十一月に狂い咲く有様でした。タケノコなども、九月から十月にかけて、にょきにょきと顔を出して人々を驚か
せ、秋も終りの頃にセミの声が聞かれると言う具合に、あたかも気の狂ったような陽気がつづきました。
 いつもの年ですと、七月には稲の穂が出るのですが、七月の下旬をすぎても一向に穂の出る様子がなく、たまに穂が顔をのぞかせても、葉の陰にかくれて、花のかかるものはありませんでした。そんな有様でしたので、とうとうこの年は、稲は一粒も稔ったものは、ありませんでした。天明三年の八月十三日の夜には、大霜が降りました。大豆,小豆,アワ,ヒエ等も、この霜のおかげで、一晩で全滅してしまいました。このため米も雑穀も、来年に蒔く種も収穫できないままに、とうとう大凶作になってしまいました。
 もともと八戸地方は、三、四年前から不作がつづき、飢饉の前兆があったのに加えて、夏と秋の収穫が皆無という大凶作になりました。そのため、穀物の相場は、みるみるうちに上がってしまいました。玄米などは、今年の三月には、銭百文で、二升以上買うことが出来ました。それが最近十一月になりますと、ただの四合ほどしか求めることが出来ません。春から秋までの間に、実に五倍以上の値上がりになりました。さて、これからまだまだひどくなると思われ、はてさて、これからが心配です。
""
 まだまだ手紙は続きますが、この先はあまり書きたくないような悲惨なものです。此れは、「みちのく南部八百年」(正部家種康著)"南部の凶作飢饉"の一部を引用しました。
南部には、三年ケガズ、七年ケガズ、(ケカジという人も居ます)という、言い伝えが残っています。(忘れている人も多いようですが)此れはケカズに為れば、3年叉は7年続くよという意味だそうです。なんかこの本を久しぶりに読み直したら、気が滅入ってきました。ここらで・・・。」
・ 場内で総合研究推進委員会が開催される。各総合研究チームの本年度重点事項、予算要求等について協議する。
・ 東北農政局から、本年度稲作検討会と早期警戒WGの合同会議を7月9日に開催する予定である連絡が入る。


○6月10日(水) 生育・作柄監視試験区 第1回目の生育調査
・ 梅雨前線が北上し、天気は南からぐずつく。気温はやや高くなる。オホーツク海高気圧は中心を東海上に移したが、依然として張り出す。中国大陸にある低気圧はほとんど動かない。
・ 生育・作柄診断試験区の第1回目生育調査を行う。葉齢は以上に進んでおり、分げつも多数形成され始めている。しかし、分げつはか細いく、稲の草姿が正常には見えない,
葉齢を数えるのが困難な個体に時々出会う。よく観察すると、本葉第5葉葉鞘が第4葉葉鞘より短く、また第6葉の葉身長が第5葉の葉身長より短く、さらには第7葉がさらに小さくなる現象が認められる。この現象が品種には関係なく観察される。育苗期間の苗の生長に起因するのか、除草剤の薬害、軟弱徒長苗が低温に遭遇したためか。原因を考える必要がある。
・ 金曜日に低温の続く地帯を実態調査することに決める。
・ 青森県・岩手県・宮城県・福島県には依然として低温注意報が継続している。
・ 盛岡の象徴である「岩手山」は地下のマグマの活動が活発化し、地震予知連から水蒸気爆発を警戒する声明が出される。


 
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○6月11日(木) 江刺市立江刺東中学校生徒5名見学
・ 梅雨前線の影響で、全般に天気がくずれる。低温と日照不足が顕著となる。
・ 6月上旬の気象データをまとめる。全般に低温と日照不足であったことが顕著に現れている。また、降水量が平年より著しく少なかった地域もある。
・ 以前お世話になった予報官が宮古の測候所に移動し、「やませ」が続くので電話を頂く。
・ 江刺東中学校1年生生徒5名が社会勉強のために見学に来る。場内を案内し、冷害研究と研究手法等について説明する。
・ 昨日の生育調査の補完調査を行う。
・ 夜は「さなぶり」。


○6月12日(金) 警戒地帯の実態調査
・ オホーツク海高気圧が広く日本列島を覆う。太平洋側は「やませ」。
・ 週間予報支援図によると、気温の低い状態はこの先数日のようだ。
・ 冷温障害が心配される地域を見て回る。コースは、青森県三沢市・六ヶ所村・東北町・天間林村、十和田市、八戸市、岩手県軽米町など。一部地域では、葉先枯れや活動中心葉や新色の退色などの障害が現れ始めている。ほとんどの水田は深水で管理されている。今後もやませが続くようでは冷温障害と生育遅延が心配される。
・ 1か月予報では、今後もオホーツク海高気圧の張り出しが予想されている。早期警戒情報は明日週間予報支援図の情報を基に作成することにする。


○6月13日(土) 警戒情報第8号
・ 前線の活動が活発となり、天気は下り坂。低温と日照不足の状態が長く続いている。
・ 早期警戒情報をまとめる。
・ 生育・作柄診断試験区の6月10日現在の生育状況がまとまる。本試験は昨年から設置したもので、平年値はない。生育状況は昨年に比較すると、葉齢の進度は著しく進み、分げつの発生が多い。どのような草姿になるのか、心配な側面もある。


















生育・作柄診断試験区の第1回目生育調査結果
品種名 1998年6月10日現在 1998年6月10日現在 1998年6月10日現在 1997年6月13日現在 1997年6月13日現在 1997年6月13日現在
草丈(cm)
株当たり茎数 葉齢 草丈(cm)
株当たり茎数 葉齢
かけはし 29.9 11.5 7.0 27.8 3.5 5.4
むつほまれ 31.1 11.1 6.5 - - -
つがるロマン 30.0 10.5 6.8 27.9 3.3 5.4
あきたこまち 25.3 10.7 6.6 23.8 3.0 5.5
じょうでき 27.4 10.0 6.6 - - -
ゆめさんさ 25.3 11.3 7.0 23.5 3.7 5.4
どまんなか 28.2 11.6 6.9 26.4 3.3 5.4
おきにいり 31.4 9.8 6.5 27.3 3.3 5.1
ひとめぼれ 25.1 11.1 6.9 24.7 4.3 5.6
ササニシキ 27.3 11.4 6.9 25.7 3.3 5.5
はえぬき 26.4 11.4 6.7 24.0 3.2 5.3
コシヒカリ 27.9 11.3 6.8 25.9 3.1 5.3








(注)
* 葉齢は不完全葉を含めない。
* 移植日は、1998年は5月12日、1997年は5月19日。1株3本の手植え。
* 栽植密度は30cm x 20cm。
* 4反復の平均値を示す。

・ 生育・作柄診断試験区の稲は緑も濃くなり、徐々に生育を再開しいるように見える。


○6月14日(日) 
・ 梅雨前線が活発化し、その影響で南部から降雨がある。オホーツク海高気圧は東海上に移動、また中国大陸に停滞寒冷渦は徐々に消滅しつつある。大気の循環場が少し変化している。
・ 太平洋側を中心にかなりの低温と日照不足が続く。最低気温は平年値に近づく。


○6月15日(月) 
・ 低気圧が通過し、北部を中心に天気が崩れる。オホーツク海高気圧は東へ去り、低気圧が近づく。
・ 低温注意報が青森県太平洋側、岩手・宮城・福島の各県に継続して出されている。なた、中国大陸北部に寒冷渦が形成され始めた。
・ 今週の天気が今後の生育に重要な鍵となる。
・ モニター参加へのお願いを掲載する。
・ 仙台管区気象台の予報官から電話が入り、情報交換を行う。低温はほぼ山を越えたが、日照不足は今後1週間程度続く見込みとのこと。
・ 東北農政局から各県の水温測定データと生育情報が届く。
・ 宮城県と福島県の低温注意報が解除される。青森県太平洋側と岩手県には引き続き低温注意報が継続発令されている。


○6月16日(火) 
・ 低気圧が東北北部に停滞、天気はぐずつく。青森県の低温注意報は解除される。岩手県には低温注意報が継続。
・ 太平洋側北部沿岸部は依然として低温と日照不足の状態が続く。現地調査で見た状況が瞼に浮かぶ。深水管理で必死に冷温障害を防ごうとする農家の対応と痛々しい苗の状況だった。しかし、今後これら地域も日差しが期待できるようで、回復を祈る。
・ 一方、東北南部は気温も上昇するが梅雨前線の影響で雨が降りやすい予想となっている。いもち病の発生には好適な条件となり多発が心配される。
・ 山形県最上町の友人から、6月10日の生育調査の結果が届く。「はえぬき」「はなの舞い」「あきたこまち」「どまんなか」「ひとめぼれ」は草丈28〜31cm、平方メートル当たり茎数180〜290、葉齢4.3〜6.3となっている。予想よりやや生育の進み方が遅れているようにも思える。
・ NTT古川と松山町のモニター農家2件へISDN接続の工事時間の調整を行う。松山町モニターのパソコンのセットアップを行う。
・ 葉いもち計測の航空機実験候補地選定のため、福島県農試にいもち病の現地での発生状況を問い合わせる。現在、防除所が全県を調査中とのこと、週末にはその情報が入る。
・ 岩手県の低温注意報が解除される。
・ 岩手県北上の友人から、生育状況を知らせるメールが届く。生育は停滞している状況のようだ。また、「ひとめぼれ」の売り込みに福岡市まで数日出張していたとのこと。
・ 東北農政局から電話が入る。各県の生育状況など今後の対応について情報交換を行う。
・ 宮城県農業センターと秋の研究会に関して開催時期、内容等で打ち合わせる。また小牛田地域農業改良普及センターにインターネットが接続されたとのこと。明日、松山町の農家に接続できれば、当初の目的の情報ネットワークが構築できる。


○6月17日(水) 松山町モニターにパソコン設置
・ 移動性高気圧に覆われて、全般に晴れる。気温も上がり、生育の回復が期待できる。
・ 宮城県松山町のモニター2名のお宅を訪ね、ISDNとパソコンを設置する。インターネット接続を行い、この後ホームページの情報提供内容について、生産者の立場からの助言を頂く。
・ 松山町の稲は、驚くほど旺盛な分げつで葉色も濃い。葉いもちの発生について取り置き苗や本田を観察するが、病斑はみられても、ほとんど止まり病斑で進展性の病斑は観察されなかった。ラジコンヘリによる予防粒剤の散布が盛んに行われている。


○6月18日(木) 3か月予報発表
・ 移動性高気圧に覆われて、概ね天気は良好。盛岡は昨日に続いて、初夏の陽気となる。
・ 週間予報支援図では、強い寒気の南下は予想されていない。また、中国大陸に低気圧の大きな渦が形成され始めた。今後の動きに注目したい。
・ 岩手県種市の友人から、6月に入っての低温について次のような印象を述べている。
「低温傾向といっても、昨年度のような寒さではないので・・・。霧雨乃至雨も3日以上続くことも、今の所少ないので影響は無いようですけれど(畦畔に立って見ていないので、断言は出来ない)。昨年の今ごろは、低温障害にやられた稲の話ばかりしていましたけれど、今年はすっかり忘れていました。暖房が必要な日が今年は3日程しかなかったもので・・・・。此れからは未だ判りませんけれど。蓬蓮草ですが、今年は高温期にしか出ない"萎凋病"に悩まされております。」
・ 青森県の生育情報が届く。葉数でみると、三沢地域で数日の遅れ、茎数では青森・八戸・三沢地域でやや遅れがみられるが、全般的には平年より生育は進んでいる。
・ 場内のいもち病発生試験圃場に罹病苗を配置する。航空機実験が実施できるような、発病を期待する。
・ 中国大陸にある低気圧の渦が非常に発達し、不気味な渦に見える。これにより、オホーツク海付近が相対的に高圧部となり、オホーツク海高気圧が発達する可能性もある。明日の1か月予報が注目される。
・ 3か月予報が発表される。7月の天候の特徴が変更された。前回オホーツク海高気圧の一時的な張り出しが予想されていたが、今回はその点の指摘がなくなった。だが、8月には前回同様一時的な寒気の南下が指摘され続けている。
・ 青森県藤坂試験場から生育・作柄診断試験区でみられたと同様な症状、上位葉が下位の葉より小さくなる現象が目につくとの連絡が入る。高温で生育していた稲が急激な低温によって生長が止まり、それに日照不足が加わってこのような異常な形態になったものと推察される。
・ 宮城県古川農業試験場から、やませが押し寄せるビデオ画像がないか問い合わせがある。農試内にはない模様だ。そこで、岩手県種市のモニターの方にそのようなビデオを役場等でもっていないか問い合わせをする。
・ 農業共済新聞から東北の稲の状況について問い合わせがある。今後もことを聞かれてもなかなか返答に苦慮する。


○6月19日(金) 第2回目生育調査、早期警戒情報第9号
・ 梅雨前線が近づき、南部から天気は崩れる。
・ 中国大陸北部にある低気圧の渦はその形が崩れた。週間予報支援図によると、今後もやや冷たい空気が入る可能性を示す。また、週間予報内容からもオホーツク海高気圧の発生が考慮されているようだ。
・ 岩手県種市の友人から、やませの映像に関して返信がある。町役場等に聞いてくれるとのこと。また、映像を取りに来たらと助言を頂く。東北農試にもないので、やませ襲来時には映像を取りに行くことにする。
・ (財)電力中央研究所我孫子研究所から推定日射量画像に関する問い合わせがある。仙台リサーチセンターの関係者に転送し、対応してもらう。
・ 山形県鶴岡の友人から、次のような水稲生育の状況を知らせてきた。
「こちらの生育は順調です。冷たい東風の日は多いもののなかに風がやんで暖かい日も入るので、生育としては順調です。今年はオリゼメートを15日から20日までに散布するようにと連絡が来てます。
桜の花がいつもより早く咲く年はいいことが無いという人がいます。今年はどんな年になるのでしょうか。晴れれば長く続き、風が吹けば又長く続くというように今年は偏った天気の傾向にあるような気がします。稲の危険期に良い天気の日が続くことを願っています。」
・ 生育・作柄診断試験区の第2回目生育調査を行う。生育は順調に進んでいる。上位葉と下位葉の形態の逆転が起こっている個体は、生育が抑制されるものと回復しつつあるものとに分けられた。このような症状を示す個体は前回以降ほとんど増加していない。この調子で行くと、本年は最終葉数が増加する可能性がある。
・ 1か月予報を入手。今後オホーツク海高気圧が張り出し、太平洋側では気温が低い予想となっている。今後低温と日照不足が続くようでは、生育の遅延が顕著になってくるところもある。


○6月20日(土) 
・ 北の低気圧に向けて、南から暖かい空気が入り、朝から日本海側を中心に気温が上がる。低気圧の通過後は太平洋側で気温が上がる。
・ 中国大陸に低気圧の大きな渦が形を整えてきた。
・ 岩手県種市の友人から、やませの映像はないとの連絡が入る。


 
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○6月21日(日) 第2回目生育調査結果
・ 高気圧に覆われ、太平洋側を中心には晴れる。
・ 生育・作柄診断試験区の第2回目生育調査結果をまとめる。昨年6月24日時点と比較して、葉齢は進み、茎数は多くなっている。生育は順調に進んでいる。
・ 松山町のモニターの方に初めてメールを出す。


















生育・作柄診断試験区 第2回生育調査結果
1998年6月19日調査 1997年6月24日調査
品種名 草丈(cm) 葉齢 平方メートル当たり茎数 草丈(cm) 葉齢 平方メートル当たり茎数
かけはし 36.3 8.1 319 40.7 8.1 210
むつほまれ 35.7 7.9 269 - - -
つがるロマン 37.0 8.2 257 41.1 8.4 180
あきたこまち 31.2 8.1 266 35.0 8.3 227
じょうでき 33.6 8.0 247 - - -
ゆめさんさ 30.0 8.4 308 35.2 8.4 241
どまんなか 33.4 8.4 326 36.2 8.2 229
おきにいり 36.5 7.7 239 38.8 7.7 199
ひとめぼれ 30.4 8.4 309 36.1 8.4 294
ササニシキ 33.0 8.3 355 35.7 8.1 261
はえぬき 32.2 8.2 282 33.7 8.1 190
コシヒカリ 33.8 8.3 340 36.8 8.2 243







(注)
* 葉齢は不完全葉を含めない。
* 移植日は、1998年は5月12日、1997年は5月19日。1株3本の手植え。
* 栽植密度は30cm x 20cm。
*4反復の平均値を示す。


○6月22日(月) オホーツク海高気圧発達
・ オホーツク海高気圧が発達し、北日本を覆う。やませが吹き、太平洋側を中心に気温が急激に下がる。中国大陸北部に低気圧の大きな渦が明瞭となる。
・ 岩手県農業研究センターから定期生育調査結果が入る。生育がやや遅れている品種・栽培様式もみられる。
・ 宮城県から6月19日生育診断圃の調査結果が入る。生育がやや遅れている地帯・品種がみられる。
・ 青森県太平洋側、岩手・宮城・福島各県に低温注意報が午後発令される。今後も低温が続くことが予想される。


○6月23日(火) オホーツク海高気圧発達
・ オホーツク海高気圧が発達し、北日本を広く覆う。太平洋側を中心に気温の低い状態が続く。
・ 昨日、仙台管区気象台は低温と日照不足に関する情報を出す。ここ数日気温が低く、この先1週間は日照不足が続く見込み。
・ 山形県最上町の友人から生育調査データと稲の生育ついて次のようなメールが来る。
「6月とは思えないほど、肌寒い日々です。(日照も少ない)典型的な、ヤマセの感がします。稲の生育も、停止しているかのごとくなかなか進みません。東北農試の成績と比べると、遅れているようです。天候がすぐれないためにか、おさえめの肥料にもかかわらず稲姿が乱れている感があります。地力窒素を吸収できないのではと思っていますが・・・好天を期待している毎日です。うまい、対処方法は無いかな!?」
・ 生育・作柄診断試験区の葉齢マークを行う。分げつが旺盛に生長し、株が開いてくる。まずまず順調な生育を示している。


○6月24日(水) オホーツク海高気圧が東に移動
・ オホーツク海高気圧は東に中心を移動し、一方太平洋高気圧が西から張り出す。それに伴って梅雨前線が北上する。
・ 週間予報支援図によると、今後偏西風が北に上がり、北日本上空に南から暖かい空気が入る予想となっている。
・ 依然として低温注意報が太平洋側に出されているが、ほぼ低温も峠を越える。しかし、日照不足は今後も続く見込み。青森県・岩手県の低温注意報は解除される。宮城県と福島県には継続されている。
・ 中国大陸に低気圧の大きな渦が形成され始めた。今後を注目したい。
・ フジテレビから「やませ風」をテーマに、ニュース番組「スパーニュース」ウイークエンドジャーニーの生中継の依頼が来る。関係者で対応を協議する。
・ 東北農政局から6月15日現在の作柄地帯別生育情報が届く。


○6月25日(木) 岩手県農業気象協議会
・ オホーツク海高気圧は南下し、太平洋高気圧に吸収される。梅雨前線が北上し、天気が崩れる。夕方から盛岡で久しぶりの雨がある。今後数日は梅雨前線の影響で天気がぐずつくようだ。
・ 低温注意報は解除される。
・ 岩手県農業気象協議会に参加。水稲の生育状況は25日現在やや遅れが出始めているようだ。本日、生育診断圃場の調査が行われたので、数日後には県内の生育状況がまとまる予定だ。


○6月26日(金) 松山町モニター再訪
・ 梅雨前線が東北中部まで北上し、中部を中心に降雨がある。南から暖かい空気が入り気温は上がる。
・ 宮城県松山町のモニターを再訪する。一人の方は大麦後の大豆播種がやっと終わったところで、一息ついているところ。メールの使用法を詳しく説明する。もう一方はタマネギの収穫と調整で忙しくしている。奥さんにパソコンの使用法について説明する。宮城県北部の水稲は順調に生育している。イネドロオイムシが一部圃場で多発している。
・ システム農学会で知り合った宮城県石巻市の農家にモニター参加をお願いに行く。


○6月27日(土) 警戒情報第10号
・ 梅雨前線が日本海上にあり、南から暖かい空気が入る。日本海側では大雨・洪水警報が出される。
・ 週間予報支援図によると、今後も北日本上空に強い寒気の南下は予想されていない。


○6月28日(日) 
・ 梅雨前線は東北南部に下がり、通過した低気圧の影響で天気はぐずつく。
・ 太平洋側は強度の日照不足となる。


○6月29日(月) 松山町モニターから記念すべきメール
・ 梅雨前線は南下したが、天気はぐずつく。日本海側と北部沿岸部では気温は上がらなかった。内陸部では25度を超えるところが多かった。
・ 松山町のモニターから記念すべき次のようなメールが来る。
「 前略、こちらは蒸し暑い日が続いています。忙しいとはいえ、初めてのメールが遅くなりまして、大変申し訳ございません。また、第4チームの皆様方には、モニターとはいえ再三にわたっておいで頂きありがとうございます。少しは 、お役に立ちたいと思いますので宜しくお願いいたします。もし宜しかったら今週こちらに来るときは泊まっていただけませんか。私が会長をしている、農事研究会という専業農家の集まりの会があるので、紹介したいと思いますのでよろしくお願いします。私の記念の初メール」


○6月30日(火) 生育・作柄診断試験区第3回生育調査
・ 移動性高気圧の覆われ、太平洋側では天気は回復し、気温も上がる。一方、日本海側北部は寒気の影響で気温が上がらなかった。またこれら地帯では日照不足が顕著となる。
・ 気象庁から日照不足に関する情報が出される。今後も日照不足が続く予想となっている。
・ 第3回目の生育調査を行う。昨年に比べて、各品種分げつ数が異常に多いのに驚かされる。
・ 「かけはし」の幼穂をチェックする。現在、2次枝梗原基分化初期に相当する。7月3日頃には幼穂形成期に達する見込み(昨年は7月4日であった)。ほぼ平年並の生育進度といえる。
・ 宮城県松山町産業課から「松山町農事研究会との意見交換について」の日程調整が来る。7月2日に開催することになる。



 

 

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