水稲冷害研究チーム

1999年編集長日誌


この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。


2月


 
−−−−−−−−−   上旬   −−−−−−−−−


○2月1日(月) 
・ 明日開かれる地域総合研究(早期警戒)と地域基幹研究(大規模稲作安定生産)の合同研究推進会議の準備。

○2月2日(火) 推進会議
・ 地域総合研究(早期警戒:東北農試)と地域基幹研究(大規模稲作安定生産:宮城県・岩手県・山形県・福島県)の合同研究推進会議が開かれる。研究の中間段階での評価が中心議題となる。東北農政局、中日本航空、宮城県小牛田地域農業改良普及センター、青森県、秋田県からも出席いただいた。本年度も試験研究成果と次年度計画の検討会はすべて終了する。残すは宮城県松山町関係者との現地検討会のみである。
・ 1月下旬の気象表をまとめる。気温は2度前後高く推移。太平洋側南部では降水量が極端に少なくなっている。


○2月3日(水) 
・ 宮城県松山町のモニター2名の依頼事項に関してメールを出す。

○2月4日(木) 
・ 東北農業推進会議水稲部会(秋田県大曲市)に出席する。

○2月5日(金) 
・ 東北農業推進会議水稲部会(秋田県大曲市)が終了する。盛岡周辺の水田は雪が融け始め、1か月早い春の訪れを感じさせる。
・ 研究室の大掃除が終わり、遅い遅い正月休みとなる。
・ 宮城県松山町のモニター2氏から、次のようなメールが届く。
「今日、キーボードが届きました。今、その新しいキーボードでメールを打っています。画面が
とてもきれいです。ありがとうございました。」
「まずは、寒中お見舞い申し上げます。不耕起播種機の件大変ありがとうございます。普及センターとも話をしましたので、今年試験してみたいと思います。検討会にはゆっくりきてください。さて今日仲間から電話が来てインターネットにつながらないとのことで出かけたのですがまだまだ人助けする所までは行きませんでしたので、後を宜しくおねがいします。」


○2月6日(土) 
・ 盛岡市のある酒造会社の新酒祭りに出席する。石巻市のモニターが作った「亀の尾」の搾りたての新酒が披露された。熟成を経て秋には店頭に並ぶようだ。障害不稔を回避してできたものなので感激である。


○2月8日(月) 
・ 北海道における冷害研究調査の日程調整を北海道農業試験場の友人に依頼する。2月22日〜26日に北海道の試験研究機関の冷害研究を勉強する予定。


○2月9日(火) 
・ つくば市にある農業研究センターの友人から、来室予定のメールが届く。
「ご無沙汰しております.さて,来週,東北農試に出張に行けることになりました.今のところ,盛岡(本場)には18日(木)のお昼前後から午後にかけて伺えればと思っています.もし,ご都合がよろしければ,少しお話をうかがわせていただければと思っています.
ご連絡,よろしくお願いいたします.」


○2月10日(水) 
・ 1998年度市町村別収量データを整理し、1972年以降の収量推移図を順次更新する。

 
−−−−−−−−−   中旬   −−−−−−−−−


○2月11日(木) 
・ 2月上旬の気象表をまとめる。気温は平年並みとなり、降水量は太平洋側で極端に少ない状態が続く。
・ NOAAのエルニーニョホームページの海面水温によると、赤道海域では依然ラ・ニーニャ現象が続いている。また、日本近海の海面水温は平年よりかなり高い状態が続いている。


○2月14日(日) 
・ 信州大学農学部の恩師退官記念行事に参加する。東京は気温が高く、梅が開花を始めている。
・ 岩手県石鳥谷の「たろし滝」の豊凶占いの行事が本日行われた。3年連続で参加させて頂いたが、本年は残念ながら参加できなかった。


○2月15日(月) 
・ 行政監察が本日から始まる。部長が早朝来室し、「早期警戒システム」「画像情報と地理情報システムの利用」について、行政監察担当者が現場の意見を聞きたいとのことで、2日間対応のため待機するよう指示がある。
・ 成果の取り扱いに関連して「早期警戒システム」の開発について行政監察担当官から説明を求められる。また、東北地域水稲安定生産推進連絡協議会、ホームページ掲載情報等の資料を取りまとめて提出する。
・ 宮城県農業センターから、松山町における現地検討会が3月4日に設定されたとの通知が来る。
・ 北海道立上川農業試験場の育種科長に来週の訪問を電話でお願いする。
・ 同僚の神田君が「たろし滝」豊凶行事を取材に行ってくれたので、行事の模様を聞く。


○2月16日(火) 
・ 旧の正月を迎え、各地で行事が行われる。稲作を中心に生活(研究)しているものにとっては、最もピッタリする節目であるように思う。
・ 総合研究第4チームの設置経緯、構成員及び研究内容等が行政監察の対象となり、22日に調査が行われる。私は北海道出張なので部長に依頼し、その資料を作成する。
・ 松山町のモニターから新形質・古代米に関する問い合わせがある。育種研究室に調査を依頼する。
・ 稲育種研究室から回答が届く。該当する品種の詳しい情報はないとのこと。古川農業試験場の友人に調査を依頼するメールを出す。


○2月17日(水) 
・ 研究チーム通信第22号「たろし滝」を作成する。
・ 明日から始まる地域総合と地域基幹研究の外部評価推進会議のため、行政監察は一時中断する。
・ 外部評価会議の詳細を関係者と打ち合わせる。


○2月18日(木) 外部評価会議
・ 私たちの「早期警戒システム」と連動する「大規模安定生産」のプロジェクト研究が中間年を迎えるため、中間評価が行われた。



○2月19日(金) 外部評価会議
・ 評価会議2日目。評価委員から講評を頂く。講評の感じから、合格点は頂けたものと思う。早期警戒のプロジェクト研究は平成12年まで引き続き実施できそうだ。
・ 国際協力事業団から、稲作コース(中近東・アフリカ諸国)の講義の依頼が来る。


○2月20日(土) 
・ International Research Institute for Climate Predictionによる4月から6月の気温予測によると、日本付近は平年より高くなると予想されている。
・ NOAAのエルニーニョホームページによると、2月16日現在太平洋赤道付近の海面水温は平年より低く、ラ・ニーニャ現象が続いている。また、日本近海の海面水温は平年よりかなり高い状態が続いている。
・ アメダス監視システムにトラブル発生。気象情報の提供が止まる。


 
−−−−−−−−−   下旬   −−−−−−−−−


○2月21日(日) 
・ アメダス監視システム復旧する。データ補完を依頼する。
・ 明日から北海道農業試験場と北海道立農業試験場に冷害研究の調査のため1週間出張する。そのための準備を行う。昭和59年依頼の訪問で楽しみな旅行である。


○2月22日(月) 冷害研究動向調査
・ 陸路北海道に向かう。青森市周辺は大変な大雪となり、人々は除雪に追われていた。室蘭や苫小牧周辺は太平洋側のため雪はほとんどなく、札幌に近づくにつれ積雪は多くなる。


○2月23日(火) 北海道農業試験場訪問
・ 稲育種研究室長の荒木さんにお世話になり、冷害研究関連研究室を訪問して研究内容について意見交換を行う。
・ 稲育種研究室では、新品種の「キタカオリ」(香り米)「雪雫」(酒米)「はなぶさ」(半糯品種)の育成経過や北海道の基幹品種について説明を受ける。
・ 冷害生理研究室では、耐冷性機構に関する遺伝子・分子レベルの研究の動向について意見を交換する。
・ 仲間である総合研究第1チームでは、北海道における直播栽培や根雪前春小麦播種技術などについて開発の現状を紹介いただく。
・ 地域基盤研究部上席研究官からは、我が国の新旧品種の葯長変化と耐冷性との関係に関する研究成果を紹介いただく。
・ 夜は酒を飲みながら、さらに意見交換を行う。


○2月24日(水) 北海道立農業試験場稲作部訪問
・ 岩見沢の郊外にある道立農業試験場稲作部を訪問する。
・ 育種科では、北海道の奨励品種について耐冷性・食味・穂いもち抵抗性など、また今後に育種方向の紹介を頂く。現在普及している品種は、「きらら397」「ほしのゆめ」「あきほ」「ゆきまる」などで、特に「ほしのゆめ」は食味が上下であり良食味米の育成が進んでいる。今後はいもち抵抗性を付与することが課題という。
・ 栽培科では、水稲の発育ステージと不稔歩合の推定法に関する研究成果を紹介いただく。また、不稔歩合の調査を簡便に行うための脱色法を勉強する。
・ 最後に、平成5年の大冷害を契機に設置された「冷害気象実験ドーム」を見学する。この施設は、自然に近い冷害気象を人工的に再現するもので、耐冷性の検定と選抜に利用されている。


○2月25日(木) 上川農業試験場訪問
・ 旭川からさらに北の比布にある上川農業試験場を訪問する。平成6年に新しくこの地に移転してきた。
・ 育種科では、世代短縮法、葯培養法、品種の変遷などの紹介を頂き、葯の置床作業を行っている現場を見学する。また、開花期耐冷性検定法の新しい手法を勉強する。
・ 栽培科では、穂ばらみ期耐冷性に及ぼす稲体栄養条件の影響と不稔軽減対策に関する研究成果を勉強する。


○2月26日(金) 
・ 北海道で獣医の勉強をしている娘とともに、空路盛岡に帰る。
・ 来週は行政監察対応など仕事が山積みされている。


○2月27日(土) 
・ アメダスデータの更新を行う。

○2月28日(日) 
・ 行政監察のための資料を準備する。
・ アクセス数が24,000件を超える。



 

 

torigoe@tnaes.affrc.go.jp