水稲冷害研究チーム

1999年編集長日誌


この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。


5月

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○5月1日(土) 早期警戒情報第2号
・ 移動性高気圧に広く覆われ、冷え込む。午前4時現在、多くの監視地点で5度を下回る。晩霜が心配される。
・ 早期警戒情報第2号を発信する。気温が平年並みと予想されているが、偏西風の蛇行が予測されているので、油断はできない。
・ 4月下旬の気象表をまとめる。気温は平年より高く経過した。
・ 川田信一郎著(1965)『冷害−その底に潜むもの』(家の光協会)を興味深く完読する。この先生は後に水稲の根に関する研究に従事する有名な東大の先生である。当時は冷害の実態を把握するために、学生を連れて各地村々で実態調査を行い、生産技術のこと、コメの生産のことなどに深い洞察をお持ちだったようだ。
・ 大阪の寿司屋さんから、次のようなメールが届く。
「お久しぶりです。東北稲作動向を拝見していますと、水稲直播きの実験が各地で行われていますが、労働時間、後継者問題、収穫量等、様々な事情があるでしょうが稲作の将来は直播きの技術開発が決め手のように思えてきます。農家のインターネット利用と直播きが普及するのと同じ位のスピードかな?鳥越さんは海外青年協力隊の講師もされていると日記に書かれていますが、隊員の平均年齢は何歳ぐらいですか?私は21才、18才、17才、15才と男ばかり4人にて、私は勇気が無く参加しなかったので、応募要項を目に付きやすい処に置いて興味を持つのを期待しています。(親バカです)今年も東北の稲作の経過を見せていただきます。宜しくお願いします。」
・ 私からの返事は次の通り。
「おはようございます。メールありがとうございます。直播栽培は現在省力・低コスト技術として注目されています。普及面積は東北全体で1,000ヘクタール程度です。今後、野菜や果樹と複合経営や大規模水稲作をしている生産者に普及が期待されています。講師の件ですが、海外青年協力隊ではないのです。海外から研修に来られた方々、先の講義ではアフリカ諸国とイランの研修生9名でした。6月にはアジア諸国から来られた研修生に講義をする予定です。英語が下手なので大変です。お子さん方の健やかな成長を期待しています。農業に興味を持ってくれれば幸いです。今後とも宜しくお願いいたします。」


○5月2日(日) 
・ 移動性高気圧に広く覆われ、好天が続く。
・ 週間予報支援図によると、今後気温は平年並みで推移する予想となっている。
・ 図説:保温折衷苗代の発明を作成する。
・ モニターに田植えの準備の進捗状況を伺うメールを出す。
・ 松山町のモニターの一人から、次のようなメールが届く。
「一日中代かきをしています。3日から田植えを開始する予定になりました。」


○5月3日(月) 
・ 移動性高気圧は東に移り、西から低気圧が近づき、天気は下り坂となる。
・ 岩手県遠野・石鳥谷・紫波の水田地帯でも田植えの準備、代かきが徐々に始まる。
・ モニターに田植えの準備の進捗状況を伺うメールを出す。
「昨日、今日といい天気で特に今日は暑いくらいです。私は、まだしていませんが昨日から田植えが始まりました。基盤整備ができても、10ヘクタールに集積されていないと能率が上がりません。田植えの予定は4日からです。予断ですが、今年は自然の季節の流れが速いようです。水温が上がっているため鯉の産卵が一週間くらい、栗駒山に駒形が表れるのが10日くらい早いようです。それではがんばって田植えをします(5日くらいかな)」


○5月4日(火) 
・ 低気圧が発達しながら、日本を通過する。各地で雨となる。田植え作業に支障を来すのでは。
・ 500hPa高度場の9日予測によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気の南下が予想される。
・ 週間予報支援図によると、北日本上空には寒気の南下が9日頃から予想されている。
・ オホーツク海高気圧が形成され始めた模様だ。低気圧の通過後に張り出す可能性がある。
・ 品種解説:「はえぬき」「どまんなか」「はなの舞」を作成する。
・ 山形県鶴岡のモニターから、田植えの進捗状況について次のようなメールが届く。
「連日の好天に恵まれ、代掻き作業も順調に進んでいます。今日で代掻きを終了し、天気を見ながら今週中に田植を行う予定です。今年は、「はえぬき」と「ひとめぼれ」を植えます。生育調査をしながら、観察していきたいと思います。今シーズンもよろしくお願いいたします。」


○5月5日(水) 
・ 寒冷前線が通過し、各地でかなりの降雨がある。
・ 午前5時35分、福島県浜通南部に“大雨・洪水警報”が出される。
・ 4日の週間予報支援図によると、北日本上空には弱い寒気の南下はあるものの、強い寒気の南下は予想されていない。
・ 午前6時以降、アメダス実況にトラブルが発生した模様。
・最近開発した生育モデルの有効性を実証するため、生育調査を行う予定のモニターの方にデータの提供を依頼する。
・ 宮城県石巻のモニターから、田植えが終わったとの次のようなメールが届く。
「4月末にパソコンのシステムがおかしくなり使用不能になりました.ようやく、復旧しました.田植えは5月の2日に終了しました.今日4日は少し寒いですが2,3日と天気が良いのでほっとしています.過去のデーターが見つかりませんので大阪のすし屋さんのアドレスをもう一度教えてください.生育調査の件ですが、ある品種について数種類の系統がそろいましたのでそれの記録を取るつもりです.それから、育種についての質問ですが、ラムシュ育種法という方法があるようですが教えてください.」
・ ラムシュ育種法については、稲育種研究室の友人に適切な回答をお願いする。


○5月6日(木) 
・ 寒冷前線が東海上に去り、移動性高気圧に覆われ始まる。放射冷却で早朝の気温は下がる。午前5時現在の気温は、岩手県から福島県にかけて0〜4度程度まで下がっている。晩霜が心配される。午後から次の寒冷前線が寒気を伴って通過する。日本海側北部から天気が崩れる。
・ NOAAの海面温度平年偏差図(4日付け)によると、南シナ海の海面温度が正偏差から負偏差に変化した。
・ 週間予報支援図(5日付け)によると、今後とも北日本上空に寒気の南下が予想されている。
・ 500hPa高度場の10日予測によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行した状態が続く予想となっている。寒気の南下もあり得る。
・ 午前10時35分、岩手県内陸と沿岸北部に霜注意報が出される。
・ 福島県病害虫発生予察情報を入手する。早々に情報更新する。
・ 青森県農業試験場から技術情報が郵送で届く。
・ 新次長の研究内容ヒアリングがある。プロジェクト研究内容を紹介する。
・ 18,19日に実行予定の田植えに関して関係者と打ち合わせを行う。


○5月7日(金) 松山町調査区設置
・ 低気圧が日本海から接近、天気は徐々に下り坂となる。
・ 早朝、岩手県や秋田県の内陸部を中心に冷え込む。気温が5度以下となり、晩霜が心配される。
・ 松山町のモニターから、調査予定圃場の田植えが本日終了しそうだとのメール連絡がある。
・ 松山町へ調査区の設置、生育調査、水温計の設置ために行く。同町では、田植えが6,7割程度進んでいる。モニターの2方は田植えの最中である。
・ 石巻のモニターを訪問する。依頼されていた書籍を届ける。インターネットのブラウザが調子悪く、文字化けが生じている。神田君の診断では、ウインドウズを再インストールする必要があるとのこと。生育調査の打ち合わせを行う。協力していただけるとのことだ。
・ 仙台管区気象台の予報官から、1か月予報がメールで届く。
・ 山形県鶴岡のモニターから、調査協力の了解のメールが届く。調査方法についてお願いをする。
「おととい田植機の調子を見ながら植ました。今日7日から本格的に植えます。日曜日までなんとか終わらせたいものです。ところで生育調査の件ですが、了解です。昨年は忙しい事を理由に調査をしなかったのですが、自分の稲の生育ステージを知る意味でも是非必要と思い今年から再開の予定でした。調査することには何も問題ありません。喜んで協力させて頂きます。」


○5月8日(土) 早期警戒情報第3号
・ 弱い寒冷前線が通過するが、天気は概ね良好である。
・ 早期警戒情報第3号を作成する。いよいよ田植えが本格的に進む時期となる。気温は平年並みである。
・ 週間予報支援図(7日)によると、北日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・ 500hPa高度場(12日)予測によると、偏西風は大きな蛇行ではなくなる予想となっている。
・ 生育・作柄診断試験用の苗の生育状況をみる。概ね順調で、現在の葉齢3.2程度となっている。
・ 品種解説「スノーパール」を作成する。
・ 山形県鶴岡のモニターから調査協力の次のようなメールが届く。
「茎数、葉令の件 了解です。不完全葉を第1葉と数える事とします。鳥越さんのお役に立てるかどうかわかりませんが、協力させて頂きます。解らない事がありましたら又質問させて頂きます。昨日は天気は良かったのですが風がとても強く、田植にはあまり好条件とは言えませんでしたが、日曜日まで家の分を終わらせなければなりませんのでそのまま植ました。月曜からは田植機を共同購入した、隣の人が使う予定になっています。6条の機械で、2人の分で約9haほど植える事になります。疲れも溜まってきていますが、もうひとがんばりです。田植が終わったら報告します。」
・ 山形県最上町のモニターから調査協力の次のようなメールが届く。
「メールが遅くなりまして、すみません。オーバークロックの弊害で、PCがダウンしていました。忙しくて、パーツをそろえるのにしばらくかかってしまいました。コンビニみたいに、パーツショップが24h開いていたら復帰早かったのに。こちらは、耕耘が終盤を迎えています。田植えは、16日辺りからでしょうか? 作付け品種は、“あきたこまち”です。今年から、“どまんなか”に換え“はえぬき”を作付けします。生育調査の件ですが、病害虫予防箱処理剤(4種類)の、試験圃場を設ける予定ですので生育調査も行う予定です。報告は、葉齢だけで良いのでしょうか? 項目が少なくて良いとすれば、HP上での
自動予測化への弾みになりますね!協力します。朝夕の気温の下がりと、風が強いのを田植え時期に心配しています。もっと、マイルドな気候なら良いのですが! リアルタイムな、情報提供をよろしくお願いします。」
・ 稲育種研究室の友人から、ラムシュ育種法の回答が届く。早々にモニターに転送する。内容は次の通り。
「お尋ねのラムシュ育種法につきまして、これは”集団育種法(bulk method)”と呼ばれる手法の別名です。交配後、F1個体を栽培して得られたF2種子の(遺伝的には均一でない)集団を、二世代または三世代程度、個体選抜を行わず雑種集団のまま自殖させ、ある程度、個体内での遺伝的固定が進んだ(各個体内でホモ型になった遺伝子座が増えた)F4〜F6世代で、個体選抜を行い、以後はその個体から得た種子を”系統”として、自殖と系統内での個体選抜とを繰り返して遺伝的固定をはかる、というものです。F2集団の段階ですぐに個体選抜を行う方法(系統育種法)に比べ、系統内での形質の分離が少なくなるので、選抜の手間が楽になります。また、例えば障害型冷害や穂いもち病の常発地で雑種集団の育成を行うと、いもちや冷害に弱い個体が次第に淘汰されていくので、個体選抜の時に耐冷性や耐病性の強い個体の出現頻度が高まる、という利点もあります。集団育種法で育成された日本の稲品種の最初の例はフジミノリ(藤坂育成)です。なお、当研究室では、一年に複数世代の稲の採種が可能な宮崎農試などに依頼して、雑種集団の育成を一年に2ないし3世代ぶん行って育種年限を短縮する、世代促進育種法(集団育種法の改良型)を主に用いております。上に書いたのは教科書的なことなので、もしこれでわかりづらい、ということであれば、改めて説明し直しますので御連絡いただきたいと存じます。」


松山町モニター田植え

○5月9日(日) 
・ 移動性高気圧に覆われて、比較的良好な天気となる。
・ 500hPaの大気循環場の予測(11日)によると、偏西風の流れには大きな蛇行は予想されていない。
・ アクセス数が、26,000件を超え、最近4週間のアクセス数は昨年比で175%。
・ 松山町のモニターから田植えが終わったとの連絡が届く。田植え期間中はひげを剃る暇もなく、戦争のような状況だという。

松山町モニター田植え

○5月10日(月) 
・低気圧が接近し、天気は下り坂となる。
・ 500hPa高度場の予測(14日)によると、偏西風は日本付近でやや蛇行し、オホーツク海に気圧の峰が形成される予想となっている。オホーツク海高気圧の張り出しもあり得る。
・ 週間予報支援図(9日)によると、15日頃に寒気の南下が予想されている。
・ 苗の生育状況を観察する。やや徒長気味となってきている。
・ 18日機械植え、19日手植えの準備のため、関係者と打ち合わせを行う。
・ 宮城県小牛田地域農業改良普及センターから、十数ヘクタール規模の稲作専業農家でモニターを引き受けても良いという人があるとの連絡が入る。14日に普及センターの方と一緒にお会いして、お願いする予定。
・ 本省の技術会議水稲担当調査官より、気象庁と開催する気象協議会に早期警戒システムの開発状況について報告したいので問い合わせがある。
・ 東北農政局の担当官から、水温測定に関する問い合わせがある。岩手県山王海ダムは工事のため水温測定ができないので、頭首工の水温に変更することになる。
・ 秋田県病害虫予察情報が届く。早々に情報を更新する。
・ 山形県鶴岡のモニターから、田植えが終わったとの次のようなメールが届く。
「昨日日曜日の3時頃にようやく終わりました。3月中旬からこの日の為に準備を進めてきて、これで一段落かと考えるとやはりほっとします。今朝は疲れが出て起きれませんでした。今日は稲倉の片付けやら機械の掃除、点検など使いっぱなしにしてきた物の整理です。明日からは野菜の定植や近所の田植の手伝いなど春は忙しい日が続きます。ところで鶴岡にお出でになるそうですが、何日頃でしょうか。今までメールでしかコミュニケーションしてなかったのに、実際お会いできるのかと思うと興奮します。私も出来る限り日程を調整しますので、ぜひ来鶴の日程を教えてください。よろしくお願いいたします。」
・ 宮城県亘理町の友人から、田植えが終わったとの次のようなメールが届く。
「久方ぶりのメールありがとうございました。返事が遅れて申し訳ありません。この大型連休中はほとんど田んぼ通いに明け暮れました(私の場合は行楽あるいは道楽となるのでしょうか?)。さて、田植え作業はすでに一段落しました。作業は、4/28に畦草刈り、4/29〜4/30に代かき、5/1〜5/3に田植え、5/4〜5/5に補植および畦波板設置のような日程で行いました。今年は苗もそこそこの出来で、本田移植後も好天続きで活着も良好でした。私の集落の田植えピークは5/2〜5/3にかけてで、5/8頃にはすべて終了したようです。盛岡周辺よりも二週間くらい早いようですね。今年もホームページに掲載されている種々な情報を利用させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。」


 
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○5月11日(火) 沖縄・奄美地方梅雨入り
・ 移動性高気圧の覆われて、概ね良好な天気となる。
・ 午後に、かなり広範な地域に『霜注意報』が発令される。晩霜害が心配される。
・ 低気圧の大きな渦が中国大陸北部で形成され始めている。沖縄・奄美地方が梅雨入り。いよいよ北のオホーツク海高気圧と南の太平洋高気圧のせめぎ合いが梅雨前線を境にして始まる。
・ 500hPa高度場の予測(15日)によると、偏西風は日本付近でやや蛇行し、オホーツク海に気圧の峰が形成される予想となっている。オホーツク海高気圧が形成される可能性を示す。
・ 週間予報支援図によると、北日本上空には15日頃まで引き続き寒気が南下する可能性がある。
・ 5月上旬の気象表をまとめる。気温は平年並みからやや高く経過する。日照時間はほぼ全域で平年より多い。
・ 生育モデルによる予測では、松山町で連休に田植えしたものは活着が比較的良好に進んでいるものと判断される。
・ 青森県の指導情報が電子メールで届く。早々に情報更新を行う。
・ 研究プロジェクトの前推進リーダでつくばに転勤した、上司から激励の(?)メールが届く。
「色々とご苦労様ですが、ともかく乗りかけたと言うより、乗ってしまった船、後は早く良い港を見つけて安全に、また良い宝物を持って上陸するよう期待しています。ただ、欲張る必要はありませんし、宝は数ではなく、また、貴兄が上陸した後の船をどうするかは、(貴兄の判断が生かされるべきですが)東北農試が総合的に考えることでしょう。ともかくゴールは目前、健康に気を付けて今一頑張りされるよう祈念しております。」
・ 松山町のモニターから、田植えが終わったとのメールが届く。
「5月9日午後4時田植えが終わりました。しばらくぶりでモニターをしています。生育調査をしますので調査の方法を教えてください。」


○5月12日(水) 代かき始まる
・ 移動性高気圧の覆われて、天気は良好。早朝、冷え込む。今日は快晴、岩手山がきれいに見える。残雪が残る岩手山を背景に、他の試験区の代かきが始まる。直播には大敵の“かもの夫婦”が例年通り現れる。
・ 午前4時現在、気温は内陸部を中心に5度以下となる。
・ NOAAの海面水温平年偏差図(11日)によると、大きな海面水温の変化はみられない。
・ 500hPa高度場の予測(15日)によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行し、オホーツク海に気圧の峰が明瞭に形成される予想となっている。オホーツク海高気圧が形成される可能性を示す。
・ 苗の生育状況をチェックする。まずまずの出来である。やや色が抜け始めているように見える。19日手植えのため臨時職員の動員をお願いする。
・ 青森県と岩手県の収量分布図を更新する。作図ソフトが新しくなったので、以前のものよりは比較的見やすくなる。収量データ一覧もpdfファイルで掲載する。
・ 東北農政局から、早期警戒システムを同局ホームページのトップページにリンクしてくれるとの連絡が入る。これは望外の喜びである。

代かき始まる

○5月13日(木) 
・ 移動性高気圧に覆われて、好天が続く。
・ 昨日の最低気温は、山形県肘折、福島県飯舘・川内では氷点下を観測。
・ 500hPa高度場の予測(17日)によると、偏西風は日本付近で蛇行し、オホーツク海に気圧の峰が明瞭に形成される予想となっている。
・ 大阪経済大学の農法史研究をされている先生が来室。民間の気象予報(寒試し、厚試し)のお話を伺い。東北地方の伝統的な豊凶予測(たろし滝、雪中田植えなど)の事例をお教えする。伝統的な手法で利用される情報、それに基づいてどのような判定を下すのか。話は盛り上がり、伝統的な手法と近代的な手法の接点は何か。これについて、研究会を開いてみてはと、意見が一致する。
・ 当場の広報誌「たより」に掲載予定の「早期警戒システムと平成10年度作柄」の紹介原稿を作成する。
・ 筑波大学の学生さんから、根の研究に関する問い合わせが来る。
「この話題とあまり関係無いかも知れませんが、いま、私はパールミレットと言う雑穀の乾燥耐性ついて研究しようと思っている、筑波大学博士過程の学生です。そこで根の分布特性について調査しようと思っていますが、根箱の1平方メートルくらいのものがないか探しています。まさに藁にもすがる思いで投稿しました。そこで、そんなものを持っている研究所をご存知でしたら是非教えてください。また、根の分布特性を調べる上でなにか良い方法がございましたら、教えてください。」
・ この件については、つくばの農業研究センターの友人に問い合わせる。
・ 友人からは次のような回答が来る。
「根の調査については根の研究会のホームページ(http://www.imicom.or.jp/~jsrr/)をご覧になって、ネットを通じて問い合わせしてもらうのが良いでしょう。私自身は、残念ながら、情報を持っていません。」
・ 山形県最上町のモニターから訪問の日時と目的について問い合わせがある。27日午前に訪問し、経営の概要、気象情報の利用の仕方、栽培技術に関する考え方、冷害回避技術の選択の仕方、インターネット時代の感想、早期警戒システムへの要望等について聞き取り調査をさせていただく予定。また、生育調査圃場なども見せていただく予定である。


○5月14日(金) 松山町モニター依頼と生育調査
・ 移動性高気圧に覆われて、引き続き好天が続く。降雨のない状態が続き、水稲では問題ないが、畑作物には恵みの雨が待たれる。田植えは順調に北上しているものと推察される。
・ 500hPa高度場の予測(18日)によると、偏西風は東西流となる予想である。
・ 松山町へ大規模稲作専業農家にモニターの依頼に伺う。快諾を頂いた。また、他のモニターの圃場で生育調査を行う。順調に活着している。
・ 仙台管区気象台から、1か月予報がメールで届く。
・ 山形県鶴岡のモニターから、訪問日について了解したとのメールが届く。
「26日午後1時頃の訪問という事で了解いたしました。お会いできる事を楽しみにしております。気を付けておいでになって下さい。」


○5月15日(土) 早期警戒情報第4号
・ 北の高気圧に覆われ、天気は比較的良好である。午前4時現在の気温は、北部を中心に5度以下となる。晩霜が心配される。
・ 北の高気圧の影響で海風が入り、気温は下がる。
・ 500hPa高度場の予測(19日)によると、偏西風は東西流となる予想である。この頃、春の嵐を予想する民間の予報もある。
・ 中国大陸北部に低気圧の大きな渦が形成され始める。
・ 早期警戒情報第4号を作成する。第1週目は天気がぐずつき、気温は低い状態が続く予報となっている。18,19日の田植えの天候が心配される。
・ 試験区の代かきが始まる。
・ 山形県と福島県の収量分布図を作成する。


○5月16日(日) 
・ 午前5時現在、気温は北部を中心に5度以下となり、晩霜が心配される。
・ 松山町のモニターから、メールが届く。
「先日は、ほんの5分程度留守にした時に、いらしたそうで申し訳ありませんでした。パソコンの先生がきたよ〜といわれました。我が家は、田植えが一段落 乳苗と直播きは多少残っていますが、今度は転作田に牧草の種まきをしています。田の方は、水持ちが悪いと、悩んでいるようです。朝にかけた水が、夕方前には 無くなってしまうので・・・・・ お元気でお過ごし下さい。」


○5月17日(月) 
・ 北に偏った高気圧の覆われ、気温の低い状態が2日間続く。
・ 昨日の平均気温は、地帯1,2,4,6,7,8で10度を下回る。
・ 新人研究員に、総合研究第4チームの研究と『早期警戒システム』を紹介する。
・ 霜注意報が午前11時20分、青森県と岩手県に発令される。北海道の稲作地帯では低温注意報が発令される。
・ 試験区(2ha)の圃場では、代かきが終わり、田植えを待つばかり。天気が下り坂で、やや心配である。
・ 岩手県久慈のモニターから、田植えが始まったとのメールが届く。
「鳥越さんお久しぶりです。先月中に,そちらに研修に行きたかったのですが,椎茸が始まり時間がとれない人が多く,無期延期となりました。残念です。さて,田植えですが、5月14日に久慈市の夏井町で始まりました。ただ16日の遅霜の影響がなければいいのですが・・・。山桜が咲けば心配ないと言ってもまだ旧では四月に入ったばかりでまだまだ気の抜けない時期です(16日の朝に薄氷が張っていました)。そう言えば昨年は5月の初旬にヤマセが到来しましたが,今年は未だヤマセらしいのが来ていません。後半には来るかと思いますが・・・。取り敢えず報告迄。」
・民間の会社から、次のようなリンク依頼が来る。対象に取り上げていただき、感謝する。
「陽春の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。弊社では小・中学生を対象として、インターネットを介したコミュニケーション型学習サービスを行っております。会員の皆様を対象に、一部は一般の方の閲覧も可能にし、ウエッブ上で教育関連の情報を提供しております。この中で親御さんとお子様が楽しんでいただけるサイトを紹介するコーナーを設けております。このコーナーは、会員の皆様にインターネットのすばらしさを知っていただくとともに、実用性のある良質な情報提供を目的として会員を中心に設置しております。このような趣旨をご理解いただき、ぜひともご了承いただきたくお願い申し上げます。末筆ながら、ますますのご発展をお祈り申し上げます」


○5月18日(火) 試験区の機械移植

・ 居座っていた移動性高気圧が東に去り、天気は徐々に下り坂に進む。明日から大荒れの天気となりそうだ。
・ 気温は、午前4時現在、5度以下の地点が多数分布する。北海道や岩手県内陸部では氷点下の地点もある。果樹などへの晩霜害が心配される。
・ 500hPa高度場の予測(22日)によると、偏西風は東西流となる予想である。
・ 週間予報支援図を提供しているホームページでは、最近更新されない状態が続くので、情報の更新をメールでお願いする。
・ 水管理・施肥・いもち病予察試験区の機械移植を行う。天気は良く、順調に作業が進む。
・ 一般の方から、次のような質問がメールで届く。
「初歩的なことで申し訳ないのですが、変動係数の使い方、またそれによって何が分かるのかを具体的に教えていただきたいのですが。お願いします。」
<回答>
 ホームページをご覧頂きありがとうございます。ご質問の変動係数の件についてお答えします。変動係数は統計学の分野でよく使われる指標で、標準偏差を平均値で割って、100倍したものです。したがって、平均値からのバラツキの程度を示す指標として広く利用されています。ご質問は、最近更新した各県地町村別収量や冷害危険度地帯区分にこの指標が示されているためだと拝察致します。たとえば、冷害危険度地帯区分の図を見ていただきますと、危険度地帯5(図中赤の市町村)は平均収量596、その変動係数4.8%で高収量で変動が小さく、安定していることを示します。一方、地帯8や6(図中青・水色の市町村)は収量400kg弱で、変動係数が30%を超え、収量レベルも低く、不安定なことを示します。この点を市町村別収量推移で確認頂ければと思います。さらにご質問があれば、ご連絡下さい。
・ 宮城県石巻のモニターから、生育調査のデータが届く。
「おはようございます.先日はお忙しいところをお立ち寄りくださいましてありがとうございます.お借りしました、<庄内稲作農業の発展の歴史と展望>及び<イネを作った人々>
一気に読ませていただきました.亀の尾に関すること、それから、明治時代からの稲作の歴史が詳しく書いてあり過去の農業人の健闘ぶりがしのばれました.さて、我が家のインターネット環境ですが、あれから改善したように思えたのですが、このごろ又、文字化けが生じてきました.システムの競合が原因と思われますので余りひどくならないうちにシステムの再インストールをします。今後とも宜しくお願いします.」

試験区田植え始まる

○5月19日(水) 生育・作柄診断試験区の手植え
・ 低気圧が接近し、天気は崩れる。午前9時頃から風雨が強まる。
・ 週間予報支援図(17日)によると、低気圧が通過したのちに、弱い寒気の南下が予想されている。その後は高温傾向になる予想だ。
・ 500hPa高度場の予測(23日)によると、偏西風は東西流となる予想である。
・ NOAAの海面水温平年偏差図(18日)によると、大きな変化は認められないが、南シナ海の海面水温が負偏差から正偏差に変わる傾向が伺える。
・ 生育・作柄診断圃場の手植えを行う。32名が風雨の中集まり、12品種(40a)を手植えする。昨年に引き続き雨の中の田植えとなる。夏の天候の平安を祈る。いよいよシーズンインとなり、身が引き締まる思いがする。
・ 夜は早乙女とともに、『早苗ぶり』で祝杯を上げる。

雨の中の田植え

○5月20日(木) 3か月予報
・ 低気圧が通過したが、寒気を伴った低気圧の影響で天気は北部を中心にぐずつく。
・ 500hPa高度場の予測(23日)によると、偏西風は日本付近でまた蛇行が大きくなる予想である。
・ アメダス利用システムの日別データの作成にトラブルが昨日と同様に発生する。
・ 気温も低く、風も強いので、深水管理で試験区の苗を保護する。
・ 本年北海道の冷害研究を視察した関係から、北海道の気象経過も気になり注視してきた。気温が低く経過し、積雪量も多かったので、田植えが順調に進んでいるか心配になり、道立中央農試の友人にメールを出す。
・ 仙台管区気象台の予報官から、3か月予報がメールで届く。これに合わせて、編集支援システムを神田君に改良してもらう。できるだけ、図が提供できるように、不足分はpdf版では見ていただくことにする。
・ 東北農政局から、水温計測のデータと関連資料がファクシミリで届く。
・ 予報内容は、6,7月に一時オホーツク海高気圧の発達と8月に寒気の南下が予想されている。また、8月の降水量は平年より多いとの予報で、穂いもちなどの発生にも注意が必要のようだ。要は、水稲のどのような生育時期に低温が来るかが問題、平年並みの予報はあくまでも均してみた場合のことを意味する。油断できない予報内容となっている。
・ 山形県鶴岡市のモニターから、第1回目生育調査の結果がメールで届く。


 
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○5月21日(金) 生育・作柄診断圃場の第1回目生育調査
・ 寒気を伴った低気圧は東海上にさり、天気は回復に向かう。
・ 500hPa高度場の予測(25日)によると、偏西風は日本付近でまた蛇行が大きくなる予想である。
・ 中旬の気象表をまとめる。気温は概ね平年並みであったが、降水量が50%前後と少なく、特に日本海側で少ない傾向であった。いよいよ田植えも終盤に入る。地帯4,6,8は平均気温が13度を超えていない。気温の上昇が待たれる。
・ 午前中、ネットワークがメインテナンスのために停止する。
・ 東北農政局から、本年度稲作中間検討会を7月8日(木)に仙台で開催する予定で準備を進めるとの連絡が入る。
・ 生育・作柄診断試験区と水管理試験区の移植時葉齢を調査する。苗の葉齢(不完全葉を第1葉として)は3.1〜4.1の範囲にある。苗は健全で水温も高く、この先数日好天が期待できるので、活着も良好に進むものと思われる。
・ 仙台管区気象台の調査官から、1か月予報とオホーツク海高気圧についてのコメントがメールで届く。予報官・調査官からご教示いただけるので心強い。早々に更新する。


○5月22日(土) 早期警戒情報第5号
・ 高気圧に覆われ、天気は良好となる。午前4時現在、気温は福島県・山形県山間部で5度以下となる。
・ 500hPa高度場の予測(26日)によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行し、北から寒気が南下しやすい状態となる。
・ 積算気温法による生育進度経過図の提供を始める。
・ 水温監視情報の更新準備が整い、水温経過図を作成する。
・ 山形県最上町のモニターから、27日訪問と生育調査の件でメールが届く。
「連絡遅くなりまして、すみませんでした。9時頃と言うことで、了解しました。 前日は、庄内と言うことで近くに泊まりでしょうか?どちら方面から来るのか判りませんが、とりあえずわかりやすい場所(R47)でお待ちします。近くに来たら、携帯電話に連絡下さい。こちらは、昨日田植えが終了しました。雨が続いたので、肥料が湿ってくるため、田植え出来ない日が多く、予定が遅れてしまいました。生育調査は、5/30から10日ごとに始めたいと考えています。調査予定水田の田植えは5/18で、育苗苗は 「あきたこまち=14.8cm/3.4葉」「はえぬき=13.9cm/3.2葉」でした。 調査株は、4本植えに揃えて置きました。詳細有りましたら、当日お知らせ下さい。」


○5月23日(日) 
・ 高気圧に広く覆われて、好天が続く。終盤の田植えも順調に進み、活着も良好に進むことが期待される。
・ 500hPa高度場の予測(27日)によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行し、北から寒気が南下しやすい状態となる。オホーツク海に気圧の峰が形成される可能性を示唆する。
・ NOAAの海面水温平年偏差図(22日現在)によると、依然としてラ・ニーニャ的現象が見られ、大きな変化は認められない。日本付近の海域では水温が高い状態が続く。
・ 昨日の最高気温は、福島で30度を超えた。最低気温は山形県肘折で2.6度。
・ 青森県から技術情報がメールで届く。
・ 山形県最上町のモニターから、3月予報を印刷するとうまくいかないとのメールが届く。
「5/20の3ヶ月予報ですが、「5.中・高緯度の循環」の図と説明文ですが、プリント(A4)すると、上手くいきません。大きめの気象図の場合、説明文は表の下に来るようにか逆に説明の下に来るかしてもらえればと考えています。私の、PRTだけなのでしょうか?」
・ 私のプリンターで印刷してみると、なるほどうまくいかないので、神田君に検討をお願いする。


○5月24日(月) 
・ 高気圧は東に去り、梅雨前線を伴った低気圧が西から近づく。天気は下り坂となる。
・ 昨日の最高気温は福島と三戸で30度を超えた。
・ 500hPa高度場の予測(29日)によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行し、オホーツク海高気圧の発達が予想される。
・ 気温も上がり、ほぼ全域で田植え可能の平均気温となる。北部の田植えも順調に進んでいるものと推察される。
・ 午前10時頃から、青森県・岩手県沿岸部の監視地点で気温が15度以下となる。低気圧に吹き込む海風が入り、やませ的な状況になる。
・ 生育予測モデルによると、モニターの水稲の葉齢進度は、このところの好天で平年より0.2-0.5程度早まっているものと推定される。
・ 生育・作柄診断試験区の補植が完了する。
・ 青森県の技術指導情報(5月20日付け)を更新する。
・ 東北農政局から、稲作中間検討会を8日から9日に変更するとの連絡が入る。
・ 国際協力事業団から、稲研究コース研修員の講義依頼が来る。研修員はバングラディシュ、中国、キューバ、ミャンマー、スリランカからの研究者の方々である。
・ 宮城県石巻のモニターからメールが届く。
「ラムシュ育種法の解説ありがとうございます。時間のない身ではラムシュ育種法による育種選抜が妥当のようです。さて、イネの生育はこのごろの好天に恵まれ順調に推移しています.わがやのパソコンは やはり文字化けが治りません.近々再インストールしようと思います.」
・ 岩手県種市のモニターから、やませ情報がメールで入る。
「鳥越さん今日は。ヤマセが9時半頃から来ました。高気圧の配置は,如何ですか?取り敢えず。」
・ 一般の閲覧者から、昨年の気温経過図について次のような問い合わせがある。
「貴重なデータをご提供いただき感謝します。さて、「早期警戒関連情報」中、「早期警戒地点の気象経過」中、「3)気象経過図」中、「c)1998年のグラフ」の軸が合わないのは、当方のパソコンが原因でしょうか。」(メールアドレスがないので、ここでお答えいたします。私たちのデータが間違って表示されています。昨年の気温データを補完しました。)


○5月25日(火) 
・ 低気圧の通過に伴って、各地で雨となる。畑作もつには恵みの雨である。平均気温は2度前後高く推移。田植え後の活着も良好に進んでいると推察される。
・ 500hPa高度場の予測(29日)によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気が入りやすい状態となりそうだ。昨日の予想では、オホーツク海高気圧の発達もあるように思われたが、本日のデータではオホーツク海付近は低圧部となる見込みとなっている。
・ 週間予報参考資料(24日付け)によると、6月1日まではオホーツク海高気圧の張り出しは予想されていない。
・ 午前7時現在、青森県三沢から下北半島にかけて、気温は10度以下で冷たい雨が降る。
・ 午前9時半に、宮城県平野部に暴風警報が発令される。苗の損傷が心配され、深水管理で保護する必要がある。
・ 正午現在、宮城県・福島県・秋田県・山形県の数地点で風が強くなる。青森県のほとんどの地点は気温が10度を割る。低気圧の中心は、風向きから判断すると、青森・岩手両県の境にある。宮城県には暴風警報が発令中。盛岡でも風がやや強くなる。
・ 生育・作柄試験の苗が活着したようだ。全ての株の葉が立ち、生長を開始する勢いを感じる。手植えの活着は機械植のものよりやはり早いように感じる。
・ 情報資料課長から、6月2日午前中に『早期警戒システム』の記者発表を行うとの連絡がある。
・ 宮城県農業研究センター作柄解析チームから、稲作情報を28日にお送り頂けるとのメールが届く。各県とも電子メールの環境が次第に整い始めた。
・ 山形県鶴岡のモニターから、明日お会いする予定の確認のメールが届く。
・ 宮城県松山町のモニターから、分げつ形成と葉齢について次のようなメールが届く。
「雨量は少ないものの恵みの雨が降りました。稲もようやく緑が増したようです。第3葉からの分げつですが朝見てきましたが確認できませんでした。天候は良いように感じますがいまひとつなんでしょうね。葉齢見てくるのを忘れましたが、多分6.5葉前後と思います。」(生育予測モデルの葉齢は本日時点で6.5と予測している。ちなみに私たちの生育・作柄診断試験区の「ひとめぼれ」の葉齢は4.5である。)
・ 昨日、気象経過図でコメント頂いた一般閲覧者から、お礼のメールが届く。
「1998年度気象経過図(気温)を早速修正していただき感謝申し上げます。たいへん参考になります。ありがとうございました。」


○5月26日(水) 鶴岡のモニター訪問
・ 発達した低気圧が通過したため、天気はやや回復に向かう。
・ NOAAの海面水温平年偏差図(25日現在)によると、依然としてラ・ニーニャ的現象が見られ、大きな変化は認められない。日本付近の海域では水温が平年より高い状態が続く。
・ 500hPa高度場の予測(30日)によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気が入りやすい状態となりそうだ。
・ 本日の予想天気図には、オホーツク海高気圧が顔を出す。
・ 山形県鶴岡市のモニターK氏を神田・小林両君と一緒に訪ね、経営の概況、気象予報に対する感想、冷害対策技術組み立て、パソコン・インターネット・メイル、早期警戒システムへの意見・要望等について聞き取り調査を行う。電子メールでのやりとりを通して、お互いの考え方・人物像はある程度把握できていたが、初めて直にお会いすることができ感激した。奥様も聞き取り調査に同席され、夫婦協力して経営している印象を受ける。また、生育調査を行っている圃場を見せていただく。数時間程度の話ではとてもお互い満足できず、また来ることを約束して別れる。
・ 明日は、最上町のモニターを訪問する予定である。


○5月27日(木) 最上町モニター訪問
・ 低気圧が発達しながら、東北地方を通過する。各地でまとまった降雨となる。
・ 山形県最上町のモニターY氏を訪ねる。生育調査圃場を見学後、同町の営農対策室を訪ねる。昨年秋から訪問することが話題となっていたが、それが実現でき感激である。やはり、ご本人の印象は私がイメージした人物と一致した。町の営農対策室では、関係者と生産者の営農指導にはリアルタイムの情報の必要性が一致する意見となり、その一例として『早期警戒システム』を携帯電話とノートパソコンを利用して紹介した。関係者の方々は今後インターネット環境の整備等について積極的に考えてみたいとのことだ。営農指導の立場からモニターになって頂けると、私たちにはとても勉強になる。
・ 昨日から、車で盛岡−沢内−横手−新庄−鶴岡−尾花沢−最上−古川−盛岡と約600kmの旅をし、モニターの訪問と田植えの進捗状況を調査した。田植えが5月の連休に行われる庄内平野や古川周辺では苗はすでに分げつ始め直前の生育に達しているが、他の地域では田植え直後ないしは田植え中である。田植えがほぼ終わるのは、東北地域では5月末日頃であろう。われわれ3人にとっては、新しい出会いと感動の調査旅行となった。
・ 26日にお会いした山形県鶴岡のモニターK氏からメールが届く。「昨日は遠路お出で頂きありがとうございました。鳥越さんはじめチームの皆様にお会いでき本当に楽しい時間を過ごす事が出来ました。毎日の作業に追われて忘れがちになってしまいますが、人との出会いの有り難さに感謝です。」

鶴岡のモニターと、話は尽きない

○5月28日(金) 
・ 再び寒気を伴った低気圧が通過し、天気はぐずつく。
・ 500hPa高度場の予測(6月1日)によると、偏西風は日本の北を通るようになると予想されている。
・ 週間予報参考資料(27日付)によると、6月3日まではオホーツク海高気圧の張り出しは予想されていない。
・ 生育・作柄診断、水管理等の試験区の苗が緑を濃くする。比較的良好に活着が進む。
・ 過去3日の平均気温データを用いて生育予測を行う。宮城県松山町モニターO氏の「ひとめぼれ」は7葉期(不完全葉を含む)、T氏のものは6葉期を超す。それぞれ平年より早いペースで進む。前者では第4葉からの分げつの初発が近く、後者では第3葉から分げつの初発が近い。また、山形県鶴岡のモニターK氏の「はえぬき」「ひとめぼれ」が6葉期に達する。第3葉からの分げつが発生する時期である。この圃場は今までやや深水で管理していたので、第3葉からの分げつは休眠する可能性もある。
・ 仙台管区気象台から1か月予報がメールで届く。今回はオホーツク高気圧指数の実況と予想に関する情報がその他の項目で付記されている。オホーツク海高気圧の張り出しを監視する上で、とても参考になる。神田君に入力支援システムの改良を依頼し、次回から掲載できるようにしたい。
・ 山形県・岩手県から技術情報がファクシミリで入る。早々に情報を更新する。
・ 秋田県作況ニュースを更新する。
・ 宮城県から稲作情報第1号がメールで届く。宮城県予察情報がファクシミリで届く。
・ 山形県病害虫防除所のホームページが開設されたことを最上町のモニターからお聞きしたので、リンクの依頼をお願いする。しかし、メールが届かない。
・ 山形県最上町のモニターY氏から、初対面の印象について次のようなメールが届く。
「昨日はお世話様でした。初対面なのに、そうでないような錯覚におちてしまうのがインターネットマジックですね!(笑)」


○5月29日(土) 早期警戒情報第6号
・ 寒冷前線が通過し、西から移動性高気圧が近づいてくる。天気は全般的に回復に向かう。
・ 500hPa高度場の予測(6月2日)によると、大気の流れは東西流となり、偏西風は日本の北を通るようになると予想されている。今後、梅雨前線が北上してくる可能性がある。
・ 早期警戒情報第6号を作成する。東北の稲作は今までは順調に推移している。山形県技術指導情報では過剰生育を心配する地帯もあるという。
・ 生育予測モデルによると、比較的気温が高く経過したため、松山町のモニターの水稲は6〜7葉期(不完全葉を含む)に達している模様である。葉齢の調査と葉齢目印の更新のために急遽月曜日に伺うことにする。
・ 岩手県(15:10)に霜注意報が発令される。
・ NTT古川より電話があり、松山町の新しいモニターのISDN設置を8日に実施することを決める。


○5月30日(日) 
・ 移動性高気圧に覆われて、好天となる。
・ 午前4時現在、山形県肘折で気温が5度以下となる。岩手県は無風で山間地では気温が3度程度。晩霜害が心配される。
・ NOAAの海面水温平年偏差図(29日現在)によると、依然としてラ・ニーニャ的現象が見られ、大きな変化は認められない。ただ、南部アメリカ合衆国から中米の西海上の海水温が高くなる傾向が見られる。日本付近の海域では水温が平年より高い状態が続く。
・ アクセス数が27,000件を超え、最近の件数は昨年比180%前後。
・ 500hPa高度場の予測(6月3日)によると、大気の流れは東西流と予想されている。
・ 松山町のモニターT氏から、月曜日の件でメールが届く。
「おはようございます。月曜日の件、結構です。このところ、好天が続いており、河川敷の草刈りをしております。」
・ 松山町のモニターO氏から、生育状況を知らせるメールが届く。
「良い天気が続く毎日でちょっと忙しいです。ようやく分けつが数本出てきました。ドロオイ虫の卵も見られます。」
・ 山形県最上町のモニターY氏から、第1回目の生育調査の結果が届く。


○5月31日(月) 松山町生育調査
・ 移動性高気圧に広く覆われ、好天が続く。
・ 午前4時現在、山形県肘折や福島県飯舘で気温が5度以下となる。晩霜害が心配される。
・ 500hPa高度場の予測(6月4日)によると、大気の流れは東西流と予想されている。
・ 生育予測モデル検証のため松山町モニターの圃場に設置した調査区の生育調査を行う。活着後順調に生育している圃場ではモデルの適合度は良いが、活着がやや不順な圃場では葉齢の予測にやや誤差が大きかった。分げつ開始期に達したので、今後は今回の調査データを初期値に与えて、生育を追跡してみることにする。
・ 松山町の旧モニター2人のパソコンシステムにイメージスキャナーを設置する。これからはモニターから画像が送られてくる可能性がある。
・ 松山町の新モニター2人にお会いして、6月8日のISDNとパソコン設置について打ち合わせる。
・ 仙台管区気象台の予報官から、季節予報の記載間違いを修正するように依頼がくる。
「季節予報の解説の掲示等いつもお世話になっております。ところで、5月7日発表の1か月予報から、項目が「向こう1ヶ月の気温、降水量、日照時間、降雪量の各階級の確率(%)。」と表示されています。このうち、降雪量については原則として11月後半から2月前半発表の予報にしか掲載されませんので、削除してください。よろしくお願いします。」
・ 宮城県石巻のモニターから、インターネット環境復活の便りと生育調査データが届く。
「しばらくご無沙汰しました.先週中は宮城、山形地方のモニター訪問ご苦労様でした.
鳥越さんのエネルギッシュな姿が文字化けの中にも伝わってきました.さて、我が家のパソコンシステムですが、思い切ってウィン98にバージョンアップしました.文字化けもなく、インターネット環境は復活しました。」



 
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