水稲冷害研究チーム
2000年編集長日誌
この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。
1月
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○1月1日(日)
・2000年の早期警戒態勢の準備をする。
・新しい年を迎えて、編集長挨拶を作成する。
・最上町のモニターから電子年賀状が届く。
「ミレニアム元年、チャレンジと融和のベスト・バランスを求めて頑張りましょう!」
・松山町のモニターから新年のメールが届く。
「2000年警戒ご苦労様です。こちらのPCも異常ありません。曇りの穏やかな天気です、出来れば晴れてほしいです。唯一存在しない干支の年ですが期待したいと思います。今年も宜しくお願い致します。」
・松山町のモニターから新年のメールが届く。
「明けましておめでとうございます。200年問題も大きな混乱も無く穏やかな元日を迎えることができうれしく思います。昨夜から泊まり込みお疲れさまです。ほっとされたこととお察しします。どうぞ今年もよろしくお願いいたします。」
・鶴岡のモニターから新年のメールが届く。
「Y2K問題警戒の為徹夜の中、大きな問題も無く無事2000年元旦を迎えられた事と思います。本当にお疲れ様でした。改めて明けましておめでとうございます。いつも冷害ばかりを警戒してきましたが、昨年は今までにない高温障害の怖さを経験しまた。自然の力に対しては無力に等しい人間ですが、その中で生活させてもらっている私たち農家は、生活の中で無意識のうちに木の芽吹き方や、蛙や昆虫の冬眠のし方などを観察しその変化に対しても敏感です。最近は早期警戒システムもその様な情報源として重要な役割を占めています。農家にとってこれほど使えるHPはなかなか見つけられません。このプロジェクトも2000年で一応終了とのことですが、何とか存続していただける様お願い致します。今年もお世話になりますが、ご指導のほど宜しくお願い致します。また鳥越様始め東北農試の研究者の皆様にとりまして幸多き年になりますようお祈り致します。」
○1月2日(月)
・NOAAの海面水温平年偏差図(1日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より高い領域に大きな変化はみられない。
・大阪のモニターから年賀メールの返信が届く。
「年賀メールありがとうございます。3〜4日に一度は編集長日記を読ませていただいています。12月17日(金)編集長日誌にある農水省研究機関研究者を対象とした「農学情報機能部門研修」講義の受講生からの所感の処。コメントからは農業関係の学者さんのイメージですが、5年や10年で出来上がるシステムではない事を上層部へ進言してくれればと感じました。類似のシステムで、FAOのGlobal Information and Early Warning System(GIEWS)があるそうですが、日本の気候にあったシステムはやはり日本で作らなければ役には立たないでしょう。気ままな気象と正直な大地を相手に、衛星による最新の気象予報、無視は出来ない気象に関する伝承、各地のモニターさんと鳥越さんの努力でのデータ蓄積があってこそ成立するシステムと思います。では、本年も宜しくお願いいたします。」
○1月3日(火)
・雪のない平穏な正月だったが、雪が10センチ程度積もる。気温は年末から高めで経過する。
○1月4日(水) 仕事始め
・気温の高い状態が続く。盛岡では雪が雨にかわる。
・チーム内で研究成果のとりまとめについて打ち合わせを行う。
・年頭にあたって場長の挨拶がある。2001年の独立行政法人化にむけて場内が一丸となって新しい研究目標と体制を考えていきたいこと。その際、東北地域の農業・農村の進むべき道筋を堅実に描く必要性を強調する。
・仙台管区気象台から12月の天気概況がメールで届く。月平均気温は「平年並み」で、1999年1月から続いていた月平均気温が「高い」状態は終了したとのこと。
・松山町のモニターから電子年賀状が届く。
・亘理町の友人から、年賀と深水管理に要する経費についてメールが届く。労賃が大部分を占める試算となっている。
○1月5日(木)
・NOAAの海面水温平年偏差図(4日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より高い領域には大きな変化は認められない。しかし、このところの傾向としては部分的に著しく高い部分はあるが、全体的には徐々に平年並みから低い部分が増えている。
・仙台管区気象台から1999年の東北地方の天候(確定版)がメールで届く。
・場内研究者からシステム開発に対して次のような提言がある。私も同様なことを考えていたところである。心強い意見である。
「新年明けましておめでとうございます。アクセス数も40000件を超えたとのことで、嬉しく思っております。鳥越さんを筆頭に皆様のご活躍のたまものと思います。ところで、編集長の年頭挨拶を見まして、一つ気になった点があります。アクセス状況のグラフを見ると、98年と比較すると99年ではアクセス数のピークが2つあるように見えます。すなわち、ホームページ読者は、花粉形成・出穂・開花時における危険性のみならず登熟時における危険性にも強い関心を抱いているということです。登熟時の高温また収穫時の降雨など、99年が特別な年だったのかも知れませんが、一定品質の米の安定生産という点では、登熟および収穫時の天候というものが非常に重要なウエイトを占めているということを表しているような気がします。鳥越さんのご努力により、昨年度はその辺の情報も入れられていたと思いますが、ホームページの名前が水稲冷害早期警戒システムということで、やや情報が伝わりにくかったのではという気がしました。品質についてまで言及するのは、いろいろ難しい点もあると思いますが、遅延型冷害を含めた登熟障害などについて、独自な項目があればホームページがより見やすく情報が伝わり易いのではと思います。例えば、地域別に登熟障害指数(?)などを作って、マッピングしたらどうでしょうか?出穂期が決定できれば、その後の登熟温度の積算などで計算できそうです(素人考えですが)。高温がどの程度続いたか(特に夜温)などの情報もまとめて頂けると参考になるのではとも考えます。遠くから水稲の状態を眺めていて、障害型冷害が常に発生したわけではなかったけれど、苗づくり、田植え後の苗立ち、登熟・収穫など、イネの生育時それぞれに問題を
抱えていたような気がします。今後はそれらの問題点を抽出して、総合的に把握できるようなシステムを作って頂けたらと思います。生産者、本省、農政局、各自治体とどのような連携を取っていくかという点が、今後これらのことを実現していく上で重要な鍵となるような気がします。いろいろ要望ばっかりで申し訳ありませんが、今後のご活躍を期待しているあかしとしてこのメールを受け取って頂けたらと思います。」
○1月6日(金)
・本日の新聞に山形市在住の民間天気予報を行っている方の東北地方の天候予測結果が報道される。それによると、「春と夏ともに天候不順で、冷害にも要注意。今年は昭和9年の冷害の年と似た傾向がみられる。」とのことだ。東北から中部地方の予測は、「2〜3月は比較的暖かく、この後は、4月中旬に東北を中心に気温が下がり、5月中・下旬には晩霜が心配。6月、7月は曇りで低温の日が多く、冷夏傾向を示す。7月下旬の集中豪雨や洪水に要注意。8,9月は台風による被害を警戒。」とのことだ。
・仙台管区気象台の予報官から年賀メールが届く。また季節予報の利用法に関する試案についてコメントがある。やはり深水管理の対応策とその経費をどのように見積もりかで、利用する季節予報と確率予報の閾値が大きく変化することになる。この点は生産者の方が自ら経費を設定して、季節予報の確率を考慮して判断するものかもしれない。その参考資料を提示できればよいのであろう。
○1月7日(土)
・宮城県農業センターとプロジェクト研究の推進会議内容を調整する。
・昨日の民間天気予報を受けて、チームの仲間が昭和9年の冷害に関する文献を捜してくれた。当時の農林省農事試験場の寺尾 博氏が農業及び園芸第9巻12号に寄稿した「水稲品種の冷害対抗性についての推考ならびに稲いもち病発生に関する仮説」である。寺尾氏は水稲冷害の先駆的な研究者であり、後に数々の冷害研究の成果を出し、最近の冷害研究の基礎を築いた方である。読んでみると、示唆に富むものである。昭和9年の冷害時、「陸羽132号」が東北全域に普及し、その点からいわば標準品種が全域に分布するためこの冷害の実態解析は多くの知見と理論が構築できると緒言に記されている。昭和9年の気象については、6月の気温は比較的高く経過し、7月10日頃より天候が著しく不良となり、9月上旬に至るまで極度の不良状態が続いた。盛岡を例にとれば、7、8月の月平均気温は平年より2.5度程度低く、日照率は7月で平年の1/2、8月で2/3程度であった。水稲の作柄は平坦部では「陸羽132号」により被害は軽微であったが、山間部や太平洋沿岸地域では同品種であってもかなりの被害となったようである。
○1月8日(日)
・盛岡地域農業改良普及センターから相互リンクの依頼がメールで届く。
○1月9日(月)
・NOAAの海面水温平年偏差図(8日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より高い領域には大きな変化は認められない。
○1月10日(火)
・異常に気温の高い状態が続く、盛岡も雨となる。
・平成5年大冷害時に、周辺の収量がほとんど皆無であったのに500キロの収量を上げた青森県六戸町の篤農家の稲作技術を解析する。分析を深めると個々の技術の科学的合理性と技術相互の絶妙なバランスが読みとれる。冷害回避技術が以下に総合的であるかを教えてくれる。
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○1月11日(火)
・仙台管区気象台から1か月予報の解説がメールで届く。今後とも気温は高く推移すると予想されている。
・石巻のモニターから昨年の意見交換会のスナップ写真と深水管理に要する経費の見積もりが郵送で届く。
・モニターの方々が試算した深水管理に要する経費増分をまとめ、モニター各位と仙台管区気象台予報官に報告する。
「深水管理に要する経費について、現場の貴重な意見を頂きましてありがとうございました。大まかにまとめると以下の通りです。これを基に、季節予報の利用法を作成し、次年度の警戒に提案して皆様のご意見を伺う予定です。今後とも宜しくお願いいたします。
深水管理の経費に大きく影響する要因としては、基盤整備の有無(畦畔高とパイプライン方式)、総作付面積、1筆当たりの面積おより漏水特性、用水路の水位と流量、住宅から圃場までの距離などが指摘されました。また、(1)用水条件の悪いところでは、ポンプなどの機材費、電気代、労賃など、(2)圃場が分散している場合には、水管理時間の増加と車などの燃料費、(3)地域内における深水管理の調整なども考える必要があるとのことです。
深水管理のための経費増分としては、畦塗り・補修(2,3年に一度)、畦シート張り、畦畔維持の草刈り、見回り労賃が共通するものといえます。
深水管理を行うために必要な経費(1ha当たり)を皆様の試算に若干手を入れて、概算しますと、大きな違いがでました。最も少ない試算と最も多い試算を除いて、概数は1万円〜11万円程度です。
この違いは主として圃場整備状況に影響され、また水管理労賃の考え方が異なるためと推定されます。パイプラインが整備された大区画圃場をもつモニターは経費を少なく見積もる。畦畔やパイプラインの未整備の圃場を有するモニターは経費を多く見積もる傾向が見られます。このことは当然でしょうね。」
・仙台管区気象台の予報官から、深水管理の経費試算に関するお礼のメールが届く。難しい試算をして頂いたモニターの方々に宜しくお伝えして下さいとのことだ。
○1月12日(水)
・NOAAの海面水温平年偏差図(11日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より高い海域に大きな変化はみられない。熱帯海域はラ・ニーニャ現象が続いている。
・仙台管区気象台の予報官と季節予報の利用法に関する検討をメールで行う。
・鶴岡市のモニターからメールが届く。
「深水管理に付いての報告どうもありがとうございました。圃場条件や管理者の考え方の違いで出てきた数字に開きがあることは当然と思いましが、これほど大きくなるとは思いませんでした。とても興味深い数字だと思いました。ところで編集長日誌の中に今年の天気予想として昭和9年と似ているとの新聞記事のことが書いてありましたが、予想が外れる事を願うものです。この年は私の母の生まれた年で、母が親達からその年の大変さを何回も聞かされたことを聞いています。その頃はまだ良い除草剤も普及していなく、草取りは専ら人の手に頼っていたそうです。この年は、いつもと違い6月も寒く袖なし(袖のない厚手のベストのようなもの)を着るほどで、草を取る手は水に濡れる為かじかむほどだったそうです。収穫の方も悪く、乳飲み子を抱えて母の親は大変苦労したそうです。天気のばらつきが大きいのも最近の特徴だという事ですので、あり得るのかもしれません。また天気の予想に関する新しい情報がありましたら教えてください。今後とも宜しくお願い致します。」
○1月13日(木)
・盛岡は大雪・風雪注意報が出され、15cmを超える積雪があるが、午前中には雨にかわる。
・仙台管区気象台の予報官から季節予報の利用法に関する資料(案)がメールで届く。東北の冷害対策に焦点を当てたもので、われわれのホームページ情報が有効に活用されている。季節予報がより身近に感じられるようになってきた。
・気象庁関係者から、エジプトのカイロで開催される気象関係の国際会議の要旨が届く。季節予報の利用法として早期警戒システムが例に取り上げられている。
・松山町のモニターから近況を知らせるメールが届く。稲作準備はもうじき始まるようだ。
「おはようございます。今朝ぼた雪が3cm位降り、雨に変わっています。暖かい冬で遅く播種した麦、ニンニクも順調に生育しています。この異常な天候が稲の栽培期間にどのように影響するか心配です。そろそろ育苗の床土の準備をしなければと思っています。」
○1月14日(金)
・朝から雨となり、暖かい冬を象徴する。
・花巻から石鳥谷の水田地帯を車窓から眺めると、春のような気配を感じる。雪はほとんど融け、南向きの畦畔には雑草が緑濃くしている。真冬とは思えない風景である。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説がメールで届く。
○1月15日(土)
・12月中旬からの旬別気象表をまとめる。
○1月16日(日)
・NOAAの海面水温平年偏差図(15日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より高い領域には変化が認められない。
○1月17日(月)
・「新バイオマスエネルギーの生産と利用」の公開シンポジウムに参加する。「利用可能なバイオマス資源と環境保全」について講演する。参加者は大学、国立研究機関、自治体、民間、個人など220名を超え、バイオマスに対する意識が高いことを示す。
○1月18日(火) 平成11年度早期警戒システム10大トピックス決まる
・アメダス監視システムにトラブル発生。配信先に復旧を依頼する。
・本年度の研究成果をチーム内で検討する。場内の成績検討会議が来週まで続く。
・平成11年度早期警戒10トピックを次のようにまとめる。
○第1位:早期警戒システムのモニター交流会:モニター11名が盛岡に集まり、相互の経営・技術の交流を図る。これで本当のモニター情報ネットワークが構築された。
○第2位:外部委員によるプロジェクトの中間評価無事終える:地域総合研究の中間評価年にあたり、厳しい外部評価が実施される。及第点を頂き、研究の継続が許される。
○第3位:モニター増える:宮城県松山町2名(稲作専作、稲作+イチゴ)、石巻市1名(稲作+大豆・麦)、河南町1名(稲作専作+大豆・麦)、岩出山町1名(稲作+凍り豆腐製造+花卉)の5名が新たにモニターに加わる。
○第4位:異常高温に苦しめられる:昨年は冷害気象、本年は反対に異常高温に早期警戒の業務と研究面で振り回される。高温障害は予測できたが、そのことを適切な情報として発信できなかった点が反省される。
○第5位:モニター情報ネットワーク威力を発揮する:開発した発育予測モデルの検証、生産現場の情報ニーズの把握、一般からの生産現場に近い質問の回答などにネットワークが威力を発揮する。12の頭脳がチームに付与される。
○第6位:仙台管区気象台との連携強まる:季節予報の利用法の開発や季節予報のメールでの提供など、同台との研究や業務の連携が促進される。
○第7位:発育モデルによる監視態勢が整備される:発育モデルによる71アメダス監視地点とモニターの水稲の発育情報を提供する。東北全域の監視態勢がほぼ整備され、水稲の生育状況の把握に威力を発揮する。
○第8位:葉いもち予察情報(BLASTAM)による監視態勢が整備される:1キロメッシュ気象情報を用いた葉いもち予察情報がホームページで提供できるようになる。
○第9位:平成12年度以降の早期警戒システムは?:プロジェクトが終了する12年度以降、早期警戒システムの運営はどうなるのか。各方面で検討が始まる。
○第10位:アクセス件数伸びる:アクセス数は昨年末に40,000件を超す。年次別にみると、平成8年2,800件、9年8,200件、10年11,700件、12年18,000件と徐々に増加している。
○1月19日(水) 総合研究部研究成果検討会
・NOAAの海面水温平年偏差図(18日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より高い領域には大きな変化は認められない。
・総合研究部内において各チームならびに研究室の本年度の研究成果が検討される。
○1月20日(木)
・明日に開催されるプロジェクト研究「早期警戒システムを基幹とする冷害克服型営農技術の確立」の研究成果検討会の準備を行う。参画研究室からどのような成果が提出されるのか楽しみである。
・外部評価会議が近づき、その資料づくりに追われる。
・仙台管区気象台から3か月予報の解説がメールで届く。今までとは異なる形式があり、神田君に入力インターフェイスを改良してもらう。2,3月の気温は「高い」予想となっている。
・アクセス総数が41,000件を超す。
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○1月21日(金) プロジェクトの研究成果検討会
・プロジェクト研究「早期警戒システムを基幹とする冷害克服型営農技術の確立」の研究成果検討会が開かれる。どの課題もほぼ予定通り進んでいるので、最終年に向けてのとりまとめが楽しみである。研究成果と今後の研究目標を策定するために、6月頃にシンポジウムを計画したい。
・研究成果の検討会が全場検討会を残してほぼ終了する。ホームページの情報提供の改良を来週から始めることにする。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説がメールで届く。
○1月22日(土)
・「1999年早期警戒の活動を振り返る」の作成にかかる。編集長日誌を通読すると、なんと思い出多き年であったことか。モニターとの出会いと交流が最高の成果であるといえる。
○1月23日(日)
○23日(日)ホームページ改良の始動
・「1999年早期警戒の活動を振り返って」を作成する。
・早期警戒の71監視地点に関する安全作期、登熟条件およびいもち病に関する基本技術と応急技術の作成に取りかかる。かなりの時間がかかるが、徐々に整備していくことにする。
・1月中旬の気象表をまとめる。各監視地点とも気温は平年より3度以上高い。また降水量は太平洋側を中心に平年よりかなり多い。暖冬と気圧配置が例年と異なることを示す。
・NOAAの海面水温平年偏差図(22日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には大きな変化は認められない。一方、南米ペルー沖の海域に平年より高い領域が少しずつまとまり始める。
・岩手県種市町のモニターから、次のようなメールが届く。
「今日講習会が有りまして、今年の暦はあの大冷害の平成5年に似ていると言うご託宣(有難くは無いが…)が出ました。あの年を思い出し、冷害に負けない土作り、苗作りをしましょう。そうはなって欲しくはないのですが。」
・Web東奥ニュースに西目屋村乳穂ヶ滝の氷柱の記事がある。毎冬、高さ33メートルの滝から伸びる氷柱の形で農作物の豊凶を占っているものだが、このところの暖冬で氷柱はまったくできていなとのこと。関係者は2月20日の乳穂ヶ滝祭りまでには何とか結氷して欲しいと気をもんでいる。
○1月24日(月)
・アメダスデータ配信先と監視システムの改良に関して打ち合わせを行う。
・盛岡について安全作期に関する情報を作成する。慣行技術がいかに合理的に成立してきたかが理解できる。
○1月25日(火)
・宮城県鹿島台(松山町モニター)対象に安全作期に関する情報を作成する。生育前半は盛岡より気温条件は悪く、一方秋の訪れが盛岡よりも遅いので比較的ゆとりがある。障害型冷害に関係する穂ばらみ期の安全早限日は盛岡より数日早い程度である。やませによる海風の影響が大きく稲作に制約を加えているものと推察される。
・早期警戒システム紹介パンフレット案を検討する。
○1月26日(水) 全場の研究成果検討会(第1日目)
・全場の研究成果検討会が明日までの両日開かれる。一年に一度の一大イベントである。とはいえ長時間の会議は疲れる。
・NOAAの海面水温平年偏差図(25日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より高い領域には大きな変化はみられない。熱帯海域ではラ・ニーニャ的な現象が続いている。
・次期地域総合研究のプロジェクト研究課題案を作成する。採択されるかどうか分からないが、早期警戒システムが引き継がれ、さらに別の発想で進化するようにとの願いを込め。
・早期警戒システム紹介パンフレットにモニター推薦のコーナーを作ることに決まる。モニターや友人にメールで依頼する。
・最上町のモニターから次のようなメールが届く。
「今晩は、ご無沙汰しています。冬期間は、どちらかというと自分の時間が持てる時期ですので、昨年の反省や今年の計画、または指導機関等とのコミュニケーションやリフレッシュの期間と思っています。今年は初っぱなから暖冬で、冷害の噂さえ聞かれます。海外では、40度を超す異常高温や北では超低温などで、農産物被害に留まらず死者さえ出ているというニュースを耳にします。完全に、異常気象と思われます。昨日から、やっと冬らしくなってきました。今日は、かなり冷え込み吹雪になっています。暖かさになれてきた体には、特に厳しく感じるようです。
”1999年 早期警戒の活動を振り返る”を見ました、表紙の意見交換会時の写真を見つけ、1年間トップを飾るのかと思うとちょっと恥ずかしい気持ちと、ミレニアムの記念する年に頑張ろうという気になっています。内容を閲覧し昨年を思い起こしながら、形(目的)として完成型に近づいたHPも閲覧しながら、今年は昨年以上200%有効利用したいと考えています。異常気象の克服は簡単にはいかないと思います。でも、小さな技術(耕種的含む)の積み重ねと、細心の注意及び観察でかなり防げることは実証されています。早期警戒モニターの一人として、それらをクリアする事が・・・今年がこのHP最後との噂を振り払うものと信じています。今年も、お世話になります。よろしく、ご指導ください。」
・鶴岡市のモニターからメールが届く。
「いつもお世話様です。1月もあっという間の終わり、もうすぐ2月です。3月になれば農作業の準備に掛かります。後わずかの自由時間を有効に使いたいと思います。ご依頼の"推奨の言葉"の件了解です。もう少し時間を頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。」
○1月27日(木) 全場の研究成果検討会(第2日目)
・アメダス監視システムにトラブル発生。配信先に復旧を依頼する。
・全場の研究成果検討会の第2日目が開催される。4チームからは「汎用的で簡便な水稲の主稈葉齢予測モデル」「イネいもち病の被害度を計測するスペクトル指標」の2題を提案する。検討の結果、提案が了承される。
○1月28日(金)
・農水省農業研究機関の独立行政法人化に向けた動きが加速され始める。労働組合の組織再編も同時に進行するようだ。
・宮城県亘理の安全作期に関する情報をまとめる。ここは盛岡に比較すると、幼穂形成期から出穂期の積算日照時間や登熟期の気候登熟量示数は明らかに少ない。作期にはゆとりがあるが、やはり夏場ヤマセ(海風)により日照時間が少ない。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説がメールで届く。
・大阪のモニターから春が近いことを伝えるメールが届く。
「こんにちは、鳥越さん。大阪は大寒の言葉どおりこの数日はよ〜く冷え込んでいます。年に1〜2度あるのですが、昨日は市内でも1cm位積雪があり、今朝はその雪が凍結していました。でも梅はつぼみが膨らんできています。節分には大阪の風習「巻き寿司の丸かぶり」で弟の店を手伝いに行きます。推薦の言葉の件、身に余る光栄です、私は「水稲冷害早期警戒システム」傍観人の感想を述べさせていただきたいと思っています。では、御身大切に」
○1月29日(土)
・宮城県鹿島台の安全作期情報を完成する。
・今までの地帯とは大きく異なる山形県鶴岡の安全作期情報の作成にかかる。
○1月30日(日)
・アメダス監視システムにトラブル発生する。配信先に復旧を依頼する。
・NOAAの海面水温平年偏差図(29日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には大きな変化がみられない。
・安全作期情報に対する意見をモニターの方々にメールで問い合わせる。
・宮城県岩出山町のモニターから近況と推薦の言葉がメールで届く。
「どうもご無沙汰しております。現在も凍り豆腐を生産中です。私の家では、一年を稲作期(四月から十一月)と凍り豆腐生産期(十二月から三月)と二期で季節を眺めることがあります。昨年の十一月から今年の一月で考えますと全般はかなりの暖冬で一月二十日から平年の冷え込みがあったことをかんがえますと、私の予測では、二月から三月は太平洋側で大雪があり、四月は多雨で気温があがらず田植えは5月連休明け頃になると思います。それで育苗期間中に雪が降ることがあるかも知れません。近年では平成5年がそういう年でした。ちょうどその年の三月に無人ヘリコプターの免許講習の時期で、雪と大風で講習にならず、二週間のところ一ヶ月もかかり、種まきもせずにヘリに夢中だったことを思い出します。平成5年のような大冷害にはならないと思いますが、天候が不順であることは考えられます。
<推薦の言葉> 東北の稲作農家が徳望するホームページです。毎日の天候、日照時間、稲の成育予測などがリアルタイムでわかります。過去の米に関する各地の収穫量や天候の状況、編集長の日誌などのデータだけではわかりにくい足で稼いだ情報も見ることができ、東北各地域に点在するインターネット農家モニターの生の情報と最新の稲作の技術情報がわかり地域の天候や作付け品種の情報を手にいれることもできます。それを通じて、現在の自分の稲と照らし合わせた作業を実施することもでき地域での稲作情報にはない実践的なデータを手に入れることができます。ひとつのHPでたくさんの情報が一度に見ることができること、稲作農家にとってはまさに即、戦力になりえます。稲作農家だけなく、園芸農家にとっても有用なページであることは変わりません。」
○1月31日(月)
・明日開かれるプロジェクト研究(早期警戒)と県が分担するプロジェクト研究(大規模水稲安定生産)の合同試験研究推進会議の準備を行う。
・鶴岡の安全作期情報を作成する。作期幅が驚くほど広い。また、慣行とはかなりずれるが、作期をぎりぎりにもっていくと、気候登熟量示数は900を超す。作期が早いほど、気温が高いため登熟条件としてはよくないといえる。
・鶴岡のモニターから推薦の言葉がメールで届く。
「水稲冷害早期警戒システムを推薦します。農家にもパソコンが普及し、簿記や日誌以外にインターネットを利用する人も増えているのではないでしょうか。農業に関するホームページも沢山ありますが、私は東北農試の水稲冷害早期警戒システムをお勧めします。アメダス情報、農業新聞の抜粋、いもち病の発生予察、各地の稲の生育状況など盛り沢山です。内容も常に更新されていて、運営に当られている人達の意気込みが伝わってきます。皆さんも一度アクセスしてみては如何でしょうか。きっと「お気に入り」に追加したくなるはずです。」
torigoe@tnaes.affrc.go.jp