水稲冷害研究チーム

2000年編集長日誌


この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。


2月

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○2月1日(火) 試験研究推進会議
・東北農試のプロジェクト研究(早期警戒)と県が実施するプロジェクト研究(大規模水稲安定生産)の合同試験研究推進会議が開かれる。
・宮城県亘理の友人からメールが届く。
「亘理町における稲作安全作期に関する情報をホームページに掲載していただきありがとうございます。早速拝見させていただきましたが、大変参考になります。これを見て、私の田植えはこれまでよりも一週間くらい遅くし、後半で日照量を活かして登熟を良くした方がいいのかなと感じました。内容としてはこれで十分かと思います。ただ、(3.好適な移植期間)の「最終葉数16クラスの- - - 中苗では5月4日- - - 必用があります。」と表3の同個所の記述が理解できません。単なるケアレスミスでしょうか。安全作期とは直接関係は無いのですが、稲の葉数が増減する(最終葉数が15枚と言われている品種が14枚あるいは16枚になる)のは気象条件によるのでしょうか。また、気象条件によるとすれば、ある時点までの気象経過を見ることによって、明確に増葉、公称葉数、減葉が分るものでしょうか。早期警戒システムを紹介するパンフレット向けの「推薦の言葉」をとのことですが、私はモニターではありませんが支障がなければお使いください。
===推薦の言葉===
「本早期警戒システムはインターネットのホームページを通して稲作に必用となる気象情報、技術情報、生育情報および病害虫情報等を発信しています。東北各県の各地域毎の情報が一ヶ所から得られるので、施肥および病害虫防除を行う際には大変役立ちます。また、質問等に対してスタッフの方が誠意を持って回答して下さるのも魅力です。」
・指摘の点はもっともなので次のようにご返事する。
「ご指摘の点は表現が悪いので、修正致します。なお最終葉数の変化ですが、一枚前後の変化はしばしば観察されます。私の経験では、分げつが旺盛に形成され始める頃から(主稈葉数で9葉頃から)高温多照などで分げつ形成が旺盛になると葉数が減少する傾向があります。この点は気象経過からだけでは判断するのが困難です。そこで、発育情報の主稈葉数の増加経過の情報をあわせてご利用いただければと思っています。実測葉齢が平年値推移から下に離れてくるようだと、葉数が少なくなり可能性が高いと思います。」
・大阪のモニターから推薦の言葉がメールで届く。
「大阪在住54歳竹内忠昭と申します。私は農家ではありませんが岩手県「胆沢農協」主催の「田植え」を体験した事が縁で米作に興味を持ち、「水稲冷害研究チーム」を知りました。おかげで東北地方の状況は新聞テレビよりは一足先に知る事が出来ます。インターネットの出現で農家の仕事も経験の積み重ねと農政局発表の情報を待つのではなく、自ら情報を取り込む情報革命が起こりました、次世代は各地の農家、消費者がネットで結ばれ、相互の理解が進み、農家共通の懸案である配偶者問題も打開できるのでは?後継者がやる気を起こす為にも、まず貴方が「水稲冷害研究チーム」のHPを閲覧する事をお勧めします。そして私にもメールを下さい。アドレスはtaday@pure.co.jpです。」


○2月2日(水) 
・NOAAの海面水温平年偏差図(1日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より高い領域には変化が認められない。熱帯海域では、ペルー沖で海面水温が部分的に正偏差に変わる。
・1月下旬の気象表をまとめる。平均気温は平年並みに近づく。
・山形県最上町(アメダス地点:向町)の安全作期情報を作成する。最上町は冷害危険度地帯区分の4に分類されているためか、安全作期にはあまり余裕がないことがはっきりと現れる。
・仙台管区気象台から1月の天候のまとめがメールで届く。1月の特徴は、記録的な高温(上、中旬が中心)と東北日本海側の降雪量はやや少ないことである。
・岩手県種市町のモニターから近況と推薦の言葉が届く。
「過日TVで太陽の黒点観測の番組があり、その中で昨年から太陽の活動が活発化しているという話に、非常に興味を持ちました.*異常気象の元となっているんじゃないか、*冷害の年はどうだったか、*エルニーニョ、ラニャーニャとの関わりは?かなり以前に、地球の周期として氷河期の前段に向っているとの話を耳にした事があり(真偽の程は判りません)、地球の温暖化の傾向とともに判らないことが増えました.お天道様は百姓の命なんですが、解からない事ばかりです(直視出来ないし)。推薦のことばは次の通りです。
「私と水稲冷害研究チームとの関わりは1997年5月に始まりました。最初はアメダスデータを見ているだけだったのですが、鳥越チーム長の『編集長の鳥越です。私はつくば市にある農業研究センターから平成5年4月に転勤してきました。転勤初年度、ご承知のように、東北は100年に一度のあるかないかの大冷害に見舞われました。丹精込めて育てた試験圃場の水稲は青立ちし、冷害の恐ろしさを身を持って体験しました。』の言葉に感銘を受け、ヤマセの最前線に住まいする者としては只見ているだけでは申し訳が無いと思い、モニターに応募しました.それ以降の通信内容は『編集長日誌』に載って居りますが、殆どたいした内容は有りません.私の活用方法としては(家では稲作をしておりません)ここで紹介された情報を近在の稲作農家に伝える事と、東北農試のH.Pから自分の知りたい情報(野菜)のリンクを大いに活用させてもらっています.百姓にパソコン……今だに新しいものには懐疑的な人が居りますが、情報として叉意見交換の広場として、稲作の冷害克服の手段?として是非ともここだけは積極的に活用して貰いたいものです.」
・松山町のモニターから推薦のことばがメールで届く。
「平成5年の冷害以来毎年減分期まで無事経過した時1年を締め括る様な安堵感を覚えます。早期警戒システムのメインは冷害に関する情報ですがその後ろ盾として気象や技術等色々な情報が満載されています。仕事の手を休めモニターからの各地の持ち味ある情報を見ると疲れも癒され更に経営にも役立ちます。また地域を細分化したスポット情報は高い精度を持つ情報として台風の進路等災害の備えや手まめな管理をする上で力を発揮ます。農家必読のホームページです。」


○2月3日(木) 東北農業試験研究推進会議(水稲部会)
・秋田県大曲市で東北農業試験研究推進会議(水稲部会)が開催される。本年度の研究成果、重点検討事項、次年度計画などが討議される。
・最上町のモニターから近況と推薦のことばが届く。
「「水稲冷害研究チーム」は、気象と水稲生育のリアルタイム情報をメインとする、東北における冷害(やませ)回避を目的とした、水稲に関する情報が満載のホームページです。ここでは、早期警戒情報が生育予測モデルや葉いもち予察、気象等他の総合判断で出され、各地域の農家モニター情報や、各県の技術情報等を合わせた利用が可能です。また、”図説・東北の稲作と冷害”や”稲作の安全作期”も内容充実・現在進行形です。41,000件を越すアクセス数が示すように、支援してくれるユーザーが多いのも、チーム全体の熱意によるものでしょう!是非、覗いてください、お薦めします。」


○2月4日(金) 東北農業試験研究推進会議(水稲部会)
・昨日に引き続き、秋田県大曲市で東北農業試験研究推進会議(水稲部会)が開催される。本年度の研究成果、重点検討事項、次年度計画などが討議される。重点検討事項は「本年産米の高温障害」が取り上げられ、関係者によって被害の実態と対策技術が総合的に検討される。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説が届く。今後とも気温の高い状態が続く予想となっている。
・岩手県和賀中央農業協同組合からホームページのアドレスが変更になったとの連絡が届く。神田君に変更を依頼する。
・八戸工業大学の学生さんから日射量に関する問い合わせが来る。詳細が不明なため、問い合わせる。
・最上町のモニターから季節の便りが届く。
「向町地点での安全作期が出来たそうで、掲載待っています。UPなったら、営農指導対策室に持っていき一緒に検討してみます。気象的には、私の所と同じと考えています。ところで、今日は節分でした。編集長日誌のアイコンを拡大してみて鬼の面を作りましたが・・・失敗でした。おそれおおくて使用できませんでした。(笑)」


○2月5日(土) 
・アメダス監視システムにトラブル発生。配信先に復旧を依頼する。
・仙台管区気象台の予報官から、「確率予報の利用法」の最終版がメールで届く。図説等で紹介することも考えてみたい。


○2月6日(日) 
・NOAAの海面水温平年偏差図(5日)によると、日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には変化が認められない。一方、ペルー沖赤道付近の海面水温はやや高くなり、その領域の徐々に広がる傾向がみられる。
・山形県鶴岡市のモニターから安全作期についてメールが届く。
「安全作期に付いてのページはすでに利用させて頂いております。去年モニターの意見交換会のときもお話しましたが、今年から受託面積が増えて約13haになり、転作を除いて約9haの作付けになる見込みです。その為既存の設備でこの面積をこなす為には、ここ2年休んでいた湛水直播きを復活させて、直播はえぬき、移植ひとめぼれそれに移植はえぬきの構成にして作期を伸ばそうと考えていました。平成5年冷害年の直まきの出穂が8月18日頃から始まり26日頃までかかりました。それで登熟にも時間が掛かり10月27日に収穫しました。今年の夏の天気は良くないという予想が聞かれますが、何とか8月13日頃から出穂が始まるように播種時期を設定したいと考えていたところに、安全作期のサイトのことを編集長日誌の中で知り参考にさせて頂いております。例年5月1日に播種してましたが、その頃の週間予報も関係してきますが、もう数日播種日を早めたいと思います。今、週間予報という言葉で思い出しましたが、早期警戒システムの最初のページに総合案内、新着情報、アメダス情報、日射量のボタンがありますがそれに加え今日の天気と週間予報の2つのボタンが増えると作業の計画を立てるときに便利だと思います。
現在は他の天気予報のサイトに行ってみていますが、同じページからジャンプできればもっと便利かと思いました。しかし、すでに「関連サーバー」の中にいくつもの気象関係のリンクが紹介してあるし、その中のひとつを最初のページにリンクさせるのにも問題あるかの知れませんね。ところで鳥越さんも毎日会議が続いてお忙しいようですね。私の場合は、ここ数日青色申告の決算のための帳簿整理や計算をやっています。事務処理だけならそんなに時間は掛からないはずなのですが、各項目を見ていくと以前のものと比較したくなったり、関係する資料を引っ張り出してしまったりするのでなかなか能率は上がりませんが、今までの経営を反省したり今後の計画を立てたりとあっという間に時間だけが過ぎてしまいます。記帳の仕方も分からない所もあるので今年は複式簿記の講習会にでも行ってみようかと考えているところです。今後とも宜しくお願い致します。」


○2月7日(月) 
・盛岡にも10cm程度の積雪がある。気温は平年を大きく上回る。
・東北農政局から依頼のあった「水稲冷害早期警戒システムの継続に向けた検討課題」をまとめる。
・明日からプロジェクト研究の外部委員による評価会議が開催されるため、その準備を行う。
・アメダス監視システムに関する開発計画の詳細を打ち合わせる。自動化に向けて作業することが多い。
・宮城県川渡(鳴子町)の安全作期情報をまとめる。稲作立地条件は厳しく、作期が極めて限定される。
・仙台管区気象台予報官から「平成11年度全国季節予報技術検討会資料−3か月・暖候期・寒候期予報における解説資料の充実および季節予報の確率表現の普及−」が郵送で届く。2月下旬に会議が開催されるとのことだ。
・アクセス総数が42,000件に達し、アクセス数は昨年同期比では2倍以上となる。


○2月8日(火) 評価推進会議(第1日目)
進捗状況を説明する編集長 ・5つの総合研究チームと県の関係者が実施しているプロジェクト研究の進捗状況について、外部委員による評価推進会議が開かれる。最終年に向けての重点研究項目について報告し、ご教示を頂く。
・ファイルバックアップ中に手違いで一部ファイルが消える。一部は復旧不可能なものもある。
・松山町のモニターから推薦のことばがメールで届く。
「大変御無沙汰しています。ホームページの表紙がなんとも言えません。遅くなりましたが推薦の言葉と、安全作期についてのコメントを送ります。「早期警戒システムのモニターに参加して3年目になります。以前は地域の限られた情報、知識しか得られませんでしたが、リアルタイムのホームページの情報で稲の冷害対策情報と栽培管理、作業計画を進めるにあたり大変役立っています。又年々農業関係・以外の方々との情報交換もでき、システムのホームページも研究チームの努力により年々情報内容が充実しています。是非一度多くの方々にホームページに参加をお願い致します。」安全作期については、品種の早晩性・平均気温・好適発育ステージを考慮しているので問題はないと思います。」
・石巻のモニターから推薦のことばと近況のメールが届く。
「早速ですが案内書掲載の為の文を送ります。《推薦の言葉》東北地方において水稲を栽培する時避けて通れない問題として冷害があります。近年では平成5年に誰も経験したことの無い大冷害がありました.これを契機として、東北農業試験場では、新しい農業機械 「コンピュータ」 で冷害を克服する為、水稲冷害早期警戒システムを作り活動中です。私は、モニターの一員として日々刻々の気象データの取得及び、水稲栽培に関連する情報が入手できるインターネット通信を利用し農業経営に大いに役立てています。又、生産者、消費者等のモニターの生の声を知ることも出来夢を膨らませています。私は、これからの水稲経営の新しい農業機械として「コンピュータを使った水稲冷害早期警戒システム」を多くの皆様に推薦します。」だんだんと日も長くなってきました.今日今年分の種モミが届きました。モニターやいろいろの人の話ではあまり期待できない12年の様ですが、いかがでしょうか? 今年も宜しくお願いします。」
・山口県の友人からメールが届く。
「メール見ました。ありがとうございます。何かと多忙の中、お心くばり感謝いたします。当地方、今年も4割近い減反を強いられております。単作地帯で、牧草、麦、大豆を水田に作れといっても、土地改良からしなければ成らない状態です。水田の拡張はしているものの、いたるところに雑草がおいしげっております。悲しい事です。せめて、美味しいお米を兄弟、知人に食べさせたく頑張っております。今年は、雪が大変おおく困っております。先月26日に降った雪がいまだ残っております。明日当たりに、山陰地方は降雪と盛んに、テレビが報じております。風邪が流行っております。ご自愛のほど。」

○2月9日(水) 評価推進会議(第2日目)
・NOAAの海面水温平年偏差図(8日)によると、日本列島東海上と日本海にある海面水温が平年より著しく高い領域には変化が認められない。日本列島の南海上では海面水温が平年より低い地域が少しずつ明瞭になり始める。また南米のペルー沖の熱帯域では赤道に沿って海面水温が平年より高い地域が明瞭となり始める。エルニーニョ的な状態へ移行するのかどうか注目される。
・昨日に引き続き評価会議が開催され、最後に評価委員から講評を頂く。
・場内の友人から今朝のラジオニュースで岩手県石鳥谷町の“たろし滝”の氷柱が崩落したと報じていたとの情報を頂く。14日は豊凶占いの日である。
・水稲冷害早期警戒システム紹介パンフレットの作成にとりかかる。
・神田君に過去のアクセス状況を集計してもらう。42000件のうち、農水省関係が25%(内東北農試が17.8%)で、他の4分の3は農水省外部からのアクセスとなっている。
・岩出山町のモニターに近接する宮城県川渡と古川の安全作期情報を作成する。両者の稲作立地環境は距離的には比較的近いが、まったく大きく異なる。古川と鹿島台も近接するが両者の立地環境もかなり異なるようだ。モニターの多い松山町は両者の中間に位置する。
・意見交換の広場に「なぜ、東北地方は冷害が多発するのか?」という質問が来る。単純なようで難しい質問である。
・上の質問に対して次のように回答する。
「古くからの歴史的背景を考えますと、稲を作りたいという農家の執念とそれを実現するために努力してきた技術者・研究者の技術開発への努力の結果、本来稲の生育にはやや不適であった東北地域にも稲が作れるようになってきたことがあります。現在では東北地方は良質米の一大生産拠点となっていますが、気象的には依然として冷害の危険性がなくなったとはいえません。冷害の主因は梅雨期から盛夏に襲ってくる“やませ”という気象現象にあります。このやませは偏西風の蛇行に起因します。日本上空の偏西風は、秋から冬、そして春にかけて風速が強く、ほぼ緯度線に沿って東西に流れています。しかし、春から夏に変わる頃になると、しばしば南北に大きく蛇行するようになります。その際、日本の北のオホーツク海やベーリング海の海上に蓄積されている冷たい気団は、偏西風が南に蛇行している部分に沿って日本まで南下してきます。そのとき地上天気図では、オホーツク海付近を中心として高気圧(オホーツク海高気圧)が形成され、日本、特に東北地方の太平洋側に偏東風(やませ)が吹きます。このやませは冷たい風と霧、あるいは低い雲となって陸地に押し寄せます。東北地方太平洋岸の人々は、このような冷たい偏東風をやませと呼び、冷害をもたらす風として古くから恐れられてきました。このやませが稲の生育上重要な時期に数十日持続して吹くと、大きな冷害になります。その例が1980年や1993年の冷害です。
 なお、詳しくはホームページの「東北の稲作」−「図説:東北の稲作と冷害」のコーナーにある次の項目を参照して下さい。
 ○「東北冷害編」1)過去の冷害の「冷害発生の実態」「平成5年冷害の実態」「冷害の型」「冷温障害の種類」
 ○「気象編」の「梅雨」「梅雨期の主役オホーツク海高気圧とヤマセ」「ブロッキング高気圧と異常気象」
 また、住所・氏名をお教えいただけましたら、当場50周年記念出版「やませ気候に生きる−東北農業と生活の知恵−」をお送りしたいと思います。この本に東北地方でなぜ冷害が多発するのかについて総合的に概説されています。ご返事をお待ちしています。」
・最上町のモニターから近況を知らせるメールが届く。アイコンの作成者の米丸さんと神田さんが編集長の鬼の面画像を作成して、「ヤマセ除け」にお送りした。
「2月初旬で田んぼの畦が見えるなんて、やっぱり異常です。フキノトウもでています。友人と暖冬における病害虫の越冬性の話をしたのですが、そのような資料などはないのでしょうか。」(時間をとって調べてみることにしたい)


○2月10日(木) 
・本年度の研究成果の取りまとめがほぼ終了する。あとは3月中旬のつくば市で開かれる総合農業試験研究推進会議のみとなる。
・「早期警戒紹介パンフレット」の原案を作成する。
・質問マンから素朴で難しい次のような質問がメールで事務局に届く。
「お米の種類を教えて下さい。」
・この質問に対して次のように回答を作成し、意見交換の広場でお伝えする。
「日本で広く作られている米の種類は多角的な視点からみると、実に様々に類別されます。たとえば、@流通段階のもの、A加工利用のもの、B作り安さに関するもの、C各種障害の耐性に関するものなどです。流通段階のものは自主流通米の産地・銘柄、政府米の銘柄区分などがあります。加工利用では、うるち、もち、酒米に代表されるような玄米の化学的・物理的な特性によって様々に区分されます。作り安さに関しては、生育期間の長短を表す早晩性(早生、中生、晩生)、稈長(丈の長さ)、穂数(1株に作られる穂の数)などがあります。各種障害の耐性には、耐病性、耐虫性、耐冷性、耐暑性、耐倒伏性などがあります。これらの稲の特性に関係するものが組み合わされて多種多様な品種群が作られています。利用する立場、栽培する立場、売る立場などでこれら品種群から望ましいいくつかの品種が選定されます。回答になったかどうか心配ですが・・」



 
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○2月11日(金) たろし滝の豊凶占い
たろしの託宣 ・例年14日に行われる石鳥谷町のたろし滝の豊凶占いが本日にあるとわかる。早朝に神田君と小林君に電話を入れ、現地に向かう。例年なら雪道で田んぼは雪に深く覆われているのだが、今年は雪がほとんどなく快適なドライブとなり、異常さが良くわかる。たろし滝に向かう山道脇には小さな小川ができ、フキノトウが姿を現す。春のような気配である。
・たろし滝の現場に到着する。そこには崩落した氷柱があり、滝には水が滴る。私たちの到着後マスコミ関係者、地元の人々などが続々と到着する。いよいよ神事が始まる。まず神楽が奉納される。その後、たろし滝保存会の会長板垣さんが、測定の方法、たろしの語源とその意味(山の神、水の神、田の神が宿る)、作柄区分(豊作、並作、不作、凶作)、過去の予測と適合度などを概説。その後、いよいよ本年のことに移る。
・本年は、暖冬でたろしの氷柱の成長が遅れ、寒さが加わりはじめてやっと成長が始まった。滝の上と下とから氷柱の形成が始まり、もう少しでひとつの氷柱となると期待されたが、2月7日朝に崩落したとのこと。いよいよ恒例の川柳による託宣が次のようにある。
 『米あまり心配してか姿消し』
 板垣さんはこの意味を次のように説明する。慈悲深いたろしがわれわれのおかれている状況に配慮し、あまり太っても減反が強化されるようになっては可哀想なので、本年は早く姿を消しますよといっていると。作柄は“不作かな?”知恵でカバーして並作にもっていきたい。平成5年の託宣にあった“知恵でカバーする”を特に強調する。ちなみに、平成5年の託宣は「たろし滝無いので知恵でカバーする」である。その年の作況指数は岩手県で30%であった。予感していた結果に、感慨深いものがある。
・岩出山町のモニターからメールが届く。
「いつもお世話になっています。だいぶ日が長くなり、古川市の街中では福寿草が咲いているそうですが、私のところでは春の足音が未だ聞けません。川渡と古川の安全作期を見ました。岩出山はその中間に位置するので、私からデータ提供できればこの地域をカバーできることと思います。前年に現代農業に依頼された原稿が、現在発売中の「現代農業三月号」に掲載されました。よろしかったらお読みください。その記事を読んだ石垣島の方電話をいただき、過燐酸石灰と珪酸カリの施用を試験的にやって診るそうです。現在田植え中で六月までには稲刈りが終わり、また田植えをして十月には稲刈りをするそうです。とてもうらやましい。日本はとても広いことを感じました。それでは!」

○2月12日(土) 
春を見つける 【天気概況】
・今朝は寒さが緩む。平均気温は2度以上高く経過。今後北日本は冬型となり、日本海側を中心に雪となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・仙台管区気象台から1か月予報の解説が届く。気温は平年並みの予報である。
【研究活動】
・早期警戒システム紹介パンフの原稿を作成する。
【その他】

○2月13日(日) 
【天気概況】
・寒さが緩む。平均気温は平年より2度程度高い状態が続く。盛岡には光の春が訪れる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAAの海面水温平年偏差図(12日)によると、日本列島東海上と日本海の海面水温が著しく高い領域には変化が認められない。
【研究活動】
・早期警戒システムの紹介パンフの原案を作成する。
【その他】
・河北新報のWeb頁に次のような記事をみつける。
「500年の伝統を誇る国の重要無形民俗文化財「刈和野の大綱引き」が10日夜、秋田県西仙北町中心部の大町通りで行われた。上町と下町に分かれた町民や観光客ら約6500人が、周囲2メートル余り、長さ100メートル以上の大綱を20分にわたって引き合い、ほとばしる熱気で厳しい寒気を吹き飛ばした。上町の2年ぶりの勝利となった。上町が勝つと米の値が上がり、下町が勝つと豊作といわれている。」


○2月14日(月) 
【天気概況】
・低気圧が接近・通過し、天気は崩れ始める。明日は強い寒気が入り、夜から各地で雪となる見込み。
【モニターネットワーク】
・松山町のモニターからメールが届く。
「商経アドバイスの2月10日発行の農業・稲作情報覧に水稲冷害警戒システム、東北農試・鳥越洋一・第4チーム長に聞くで上下編の上が掲載されました。いままで掲載された中で一番詳しくわかりやすく載っています。スキャナで送ろうとしましたが鳥越さんがうまくスキャンされないので止めます。」
・最上町のモニターから安全作期に関するコメントがメールで届く。
「まず、表1の気温指標は参考にさせていただきまして春作業予定に使わせていただきます。営農指導対策室に行って、話してきました。問題は、表3の好適な移植時期です。図1からも判るように、6月に低温の時期が有ることが多いために、生育が遅れることが多いので、どうしても指標より早くなっているようです。最上町の主力品種は、最終葉数13の”あきたこまち”ですが、向町で通常は稚苗で5/15前後から、中苗は5/20前後からのようです。(昨年は、葉令14枚でしたが・・・。また、図1の平均気温は、”気温、降水量、日照時間の準平年値”からと有りますがいつからいつまでのものでしょうか?)「少し遅すぎるのでは?」と言われたのですが、返答に困りました。最近は、平年値と大きく違う気象条件なので、リアルタイム情報に注意しないといけないのは判りますが、気象の+−の振れによりどのように違ってくるものなのでしょうか?それらも、判れば対応の幅も出てくると思います。(表1,2,3,4等で参考にさせていただきます。)
・岩出山町のモニターの栽培技術が『現代農業』3月号に掲載されている。内容は「珪酸カリと過燐酸石灰追肥で、どんな年でも安定収量、艶のあるおいしい米」。水稲冷害早期警戒システムをさりげなく宣伝してくれる。
【早期警戒活動】
・安全作期の作成に使っている準平年値について配信先に問い合わせる。その結果、「アメダスの準平年値は、気象庁発表に基づき気温、降水量、風速は1979〜1990年、日照時間は1988〜1995年を使用しております。」とのことだ。
・意見交換の広場にまたまた素朴で難題な次のような質問が届く。「他の地域にも、冷害で困っている所はあるんですか。」「冷害の原因なるやませは、どこから吹いてくるのですか」
<回答>又吉 裕也さんメールありがとうございます。次のようにご回答致します。
「まず最初の質問ですが、冷害は東北と北海道に頻度高く発生します。しかし、平成5年や昭和51年の冷害は日本全国で被害がありました。九州といえども多少の被害を受けました。世界的にみると、水稲の冷害被害が報告されている国は次のようです。アジア:日本、韓国、北朝鮮、中国、台湾、フィリッピン、タイ、インドネシア、インド、ネパール、パキスタン、バングラディシュ、スリランカ、中近東:イラン、サウジアラビア、アフリカ:セネガル、オセアニア:オーストラリア、北アメリカ:アメリカ合衆国、南アメリカ:ペルー、コロンビア、ブラジル、アルゼンチンです。このように、冷害は広く世界的な問題といえます。次の質問ですが、やませは遠くオホーツク海付近から吹き始め、千島海流(寒流です)の上を通り、冷たく湿った空気の固まり(霧も発生します)となり北海道や東北地方に押し寄せてきます。やませの強度やオホーツク海高気圧の中心の位置によっては関東や中部・北陸地方まで低温と曇天をもたらせます。この状態が長く続くと、農作物に悪い影響を及ぼします。回答は以上ですが、まだ分からないことがあればメールを下さい。ホームページの「東北の稲作」「図説:東北の稲作と冷害」も参考にして下さい。」
【研究活動】
・「水稲冷害早期警戒システム」紹介パンフの原案を完成する。あとは専門家に料理していただいて、良いパンフレットができることを期待したい。
・岩手県種市の安全作期情報の作成にとりかかる。稲作条件としては極めて厳しい状況が良く分かる。冷害の危険度が最も高いことの意味が理解できる。
【その他】
・2月10日発行の米の流通紙に昨年暮れに取材を受けたものが掲載される。かなりの紙面をとり、「水稲冷害早期警戒システム:東北農試=鳥越洋一・第4チーム長に聞く(上)、予測から被害回避へ、リアルタイムで稲作情報提供」の表題で。


○2月15日(火) 
【天気概況】
・強い冬型となり、上空に寒気が入り、日本海側を中心に本格的な雪となる。昨夜からの雪で盛岡では10cm程度の積雪となる。今後も寒気が連続的に南下する予想となっている。
【モニターネットワーク】
・岩手県種市のモニターに安全作期情報ができたことを報告する。
【早期警戒活動】
・2月上旬の気象表をまとめる。平均気温は2〜3度程度高く推移した。
・事務局からのお知らせを作成する。安全作期に関するご要望を受けることにする。
【研究活動】
・「早期警戒」プロジェクトと連動する形で県が中心となって実施されている「いもち病」プロジェクトの初年度成果検討会が開催される。
・岩手県種市の安全作期情報を完成する。
・宮城県石巻の安全作期情報の作成にとりかかる。準平年値は仙台管区気象台のご好意で提供いただく。日照計が回転式であるため、一般のアメダス地点に比較して、気候登熟量示数はかなり高くなる。日別データの場合は補正できないので、やむを得ない。
【その他】


○2月16日(水) 
【天気概況】
・強い冬型となり、日本海側を中心に大雪となる。この状態は明日まで続く見込み。
【モニターネットワーク】
・石巻のモニターに安全作期情報ができたことを連絡する。
【早期警戒活動】
・NOAAの海面水温平年偏差図(15日)によると、日本列島東海上と日本海は海面水温が部分的に著しく高い状態が続く。また熱帯海域では大きな変化は認められない。
【研究活動】
・宮城県石巻の安全作期情報を完成する。これでモニターの安全作期情報の作成が終了する。
・71監視地点の安全作期情報の作成にとりかかる。
・過日行われた外部委員によるプロジェクト研究の評価結果が事務局から届く。及第点を頂きほっとする。
・青森県農業試験場早期警戒関係者から「青森県の水稲品種」(平成11年4月)の冊子が届く。青森県育成品種の紹介に役立てたい。
・国際協力事業団から稲作コースの講義の依頼が来る。今年は中南米・大洋州・アジア諸国から11名の研修生とのこと。講義は水管理に関するもので、4月19日が予定されている。
【その他】
・2月14日発行の米の流通紙に昨年暮れに取材を受けたものが掲載される。前回同様かなりの紙面をとり、「水稲冷害早期警戒システム:東北農試=鳥越洋一・第4チーム長に聞く(中)、ヤマセを特別監視、モニター農家設置意義深い情報交換」の表題で。


○2月17日(木) 
【天気概況】
・強い冬型が続き、日本海側を中心に雪となる。盛岡は朝冷え込む、久しぶりに車のフロントガラスが凍る。平均気温は平年並みに推移する。
【モニターネットワーク】
・種市のモニターからメールが届く。
「有難う御座います。図1の平均気温と平均降水量が古川になっていますので、差し替えをお願いします。立春からやっと冬らしくなり、シバレルようになりました。盛岡は寒暖の差がありますので、お体にはお気をつけください。インフルエンザもまだまだ猛威を揮いそうです。其れでは叉。」
【早期警戒活動】
【研究活動】
・青森県八戸の安全作期情報を作成する。障害型冷害の危険性が常にある条件であることが良く理解できる。
・図説:「平成10年度産米の主要品種作付状況」を作成する。この数年で品種の交換がかなり進んでいることがよく分かる。
【その他】


○2月18日(金) 
【天気概況】
・冬型の気圧配置が続き、日本海側を中心に雪となる。気温は低い状態が続く。ただ西から低気圧の大きな雲の塊が九州に近づきつつある。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・1か月予報の解説が仙台管区気象台からメールで届く。この後は平年並みで推移する予想となっている。1か月予報にも春が来る。東北日本海側の降雪量の予報は終了したとのこと。
【研究活動】
・本年度研究成果の印刷準備を行う。
【その他】
・当場のサーバーに接続ができない。トラブル発生か。午前10時頃復旧する。
・来週始めには人事院・本省官房関係者が来場される。早期警戒システムを部屋で紹介するようにとの指示があり、夏から今まで整理できないままの部屋を片づける。


○2月19日(土) 
【天気概況】
・冬型の気圧配置が緩む。西から低気圧が近づく。天気は下り坂に向かう。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・アメダス監視システムにトラブル発生。配信先に復旧を依頼する。
・仙台管区気象台関係者に「水稲冷害研究チーム通信」をファイルで送る。本ホームページで季節予報がよく読まれていることをお知らせする。
【研究活動】
・ホームページ改良のため昨年の通信記録を神田君に集計してもらう。これを「眠っていた水稲冷害研究チーム通信」に徐々に紹介していく。第23号「アクセス概況」を作成する。
【その他】
・管内の統計情報事務所のホームページにリンクを貼る許可を得るためにメールを送る。


○2月20日(日) 
【天気概況】
・西から低気圧が接近、通過する。その後は冬型の気圧配置になる予想。
【モニターネットワーク】
・最上町のモニターからメールが届く。
「今晩は、お世話様です。数日前に降ったドカ雪で、今年初めて屋根の除雪をしました。通年ですと、3、4回はしているのですが・・・今年は助かっています。(今後の気象のことを考えると、素直に喜んでいいのか疑問ですが!)。ところで、”2月14日発行の米の流通紙に昨年暮れに取材を受けたものが掲載される。前回同様かなりの紙面をとり、「水稲冷害早期警戒システム:東北農試=鳥越洋一・第4チーム長に聞く(中)、ヤマセを特別監視、モニター農家設置意義深い情報交換」の表題で。”とあったのですが、掲載完了後にコピーしていただけませんでしょうか?」
【早期警戒活動】
・NOAAの海面水温平年偏差図(19日)によると、日本列島東海上と日本海の海面水温が著しく高い領域には変化がみられない。熱帯海域も変化は認められない。
・アメダス監視システムに依然トラブル発生。
・本日は津軽にある西目屋の滝の豊凶占いがある予定。
【研究活動】
・青森県十和田の安全作期情報を作成する。当地は八戸よりも内陸部に入るため、稲作立地環境はさらに厳しい。障害型と遅延型冷害の危険性を常にもつ。耐冷性育種の藤坂試験場があるのが、よく理解できる。
【その他】


 
−−−−−−−−−   下旬   −−−−−−−−−


○2月21日(月) 水田輪作研究会
【天気概況】
・冬型の気圧配置が強まり、日本海側を中心に雪が降る。
【モニターネットワーク】
・山口県の友人から近況を知らせるメールが届く。
「その後、お変りありませんか?ようやく雪が解けてまいりました。でも山かげには、まだ雪が残っております。山陰は、天気が悪く晴れ間をみては、椎茸の駒うちをやっております。なかなか、手間の要る作業で、時間ばかり経っております。またお便りいたします。」
【早期警戒活動】
・岩手統計情報事務所のホームページ担当官からメールがあり、リンクの許可を得る。
・青森統計情報事務所のホームページ担当官からメールがあり、リンクの許可を頂く。さらには相互リンクしていただけるとのこと。
・アメダス監視システムの一部機能が停止した状況。そのため平年値データを取り出すことができない。
・仙台管区気象台予報官から3か月予報の解説がメールで届く。
【研究活動】
・場内の水田輪作研究会の「水田輪作営農への先進的取り組みと技術開発−立毛間播種技術を事例として−」が開催される。検討課題は次の通り。
 @立毛間播種技術開発の現状
 A立毛間播種技術の経営的評価
 B先進地域からの報告(岩手県花巻市、宮城県古川市、関係機関における支援体制)
【その他】


○2月22日(火) 
【天気概況】
・冬型の気圧配置が続き、日本海側を中心に雪となる。盛岡でも朝から雪となり、一日降り続き20センチを超す積雪となる。
【モニターネットワーク】
・石巻のモニターから近況を知らせるメールが届く。
「ご無沙汰しています。2000年の新しい節目を迎えお忙しい毎日をお過ごしのことと思います。昨年のモニター意見交換会参加の節は大変お世話になりました。又、稲の生育に関する石巻地方の貴重な平年値の情報を提供していただきモニターとして有り難く思います。各地のモニターから多くの報告や提案などが編集長日誌に掲載され特別に忙しい年になりそうですね。お体を大切にしてわれわれ農民のために尽力ください。私は今年初めて直播に挑戦します。田植え時期の天候がとても気がかりです。また、今年は天候が不順?と多くの人が感じています。はじめての直播で天候不順では少し気が重くなります。当地石巻は水仙や福寿草、フキノトウなどが一斉に芽を出してきました。また、忙しくなりますが、お体を大切にして今後のご活躍を祈念します。」
【早期警戒活動】
・3か月予報の解説にラニーニャ現象に関する次のようなコメントがある。
「エルニーニョ予測モデルによれば、監視海域の海面水温は今後春にかけて平年に近付き、夏以降は平年並またはやや高めの状態に移行する予測結果を示している。過去においては、監視海域の海面水温が1年半以上持続して負偏差であった場合、春を境として正偏差に移行する例が多い。今回のラニーニャ現象も西部太平洋における暖水の蓄積と東方への拡大など、現象の最盛期を過ぎつつある兆候が見られ、ラニーニャ現象は春以降終息に向かう可能性が高いと判断される。」
・一部機能にトラブルが発生していたアメダス監視システム機能が復旧する。
・総アクセスが43,000件を超す。最近4週間のアクセス数は昨年の2.5倍となる。
【研究活動】
・人事院・本省関係者のプレゼンテーション用ファイルを作成する。デモも無事終わる。
・品種解説の作成にとりかかる。
【その他】
・2月17日発行の米の流通紙に昨年暮れに取材を受けたものが掲載される。「水稲冷害早期警戒システム:東北農試=鳥越洋一・第4チーム長に聞く(下)、技術情報の充実へ、監視業務自動化が課題」の表題で。
・Web東奥に西目屋の滝の豊凶占いが次のように報じられる。
「西目屋村の乳穂ケ滝(におがたき)で二十日、「氷祭」が行われた。恒例となった農作物の豊凶占いで今年は「平年作だが、台風に注意」とのご託宣が出された。」


○2月23日(水) 
【天気概況】
・冬型は緩むが、日本海側と北部で雪となる。気温は平年より2度程度低く経過する。
【モニターネットワーク】
・意見交換会の写真をパンフに利用するための許可を頂くため、参加者にメール送る。
【早期警戒活動】
・NOAAの海面水温平年偏差図(22日)によると、日本列島東海上と日本海の海面水温が平年より著しく高い領域には変化が認められない。一方、九州・四国の南海域では海面水温が平年より低くなる。南米西海域では海面水温が平年並みに近づき、その領域も拡大しつつある。
【研究活動】
・品種解説「出羽燦々」を作成する。これは山形県が育成した酒造好適米であり、「美山錦」にかわる品種と位置づけられる。
・岩手県軽米の安全作期情報を作成する。好適な作期を理論的に設定するのが難しい。冷害危険度地帯区分の「6」に位置づけられる意味がよくわかる。
・岩手県一関の安全作期情報を作成する。好適な作期が軽米に比べて容易に選択できる。ここは危険度地帯区分「1」に位置づけられている。
・「早期警戒システム」紹介パンフレットの原案が業者から出る。渡した写真の中から、モニターとの対話場面のものがいくつか利用されている。写っているモニターに承諾を得るメールを送る。
【その他】
・大阪の大学教授の友人から、「寒だめし気象予測」「冬を占う−昆虫に学ぶ長期予測」「心ある農業を江戸の農書に学ぶ(『地上』2000年3月号、家の光協会)」などの資料が郵送で届く。
・富山県小矢部市の『かんだめ』による気象予測観測者F氏出版の小冊子には、利用上の注意の一つとして次のような記述がある。「科学の進歩に伴い、自然破壊・地球規模での環境破壊が進んでいる今日では、古人が自然環境に順応し、生活の知恵として作り出した『かんだめ』も私の永年の経験によれば、昔ほど合わなくなり、その的確さがやや減じた感があるように思われる昨今です。」また観測について「近年深夜に及び観測は医師より制限を受けており、又老齢(友人の手紙では84歳)も重なり、深夜の観測も思うほどできず、細則の点が不十分であることをご容赦下さいましてご参考にして下さい。」とある。小冊子には四季の概況と天気予測として3月から来年正月までの日別に天気が予測されている。これには驚かされる。そして、年間の気象概況の一項目に、「稲作については、平年作は望めないと思います。」とある。また「天候も旧盆の8月末までは余り良くなく、特に3月〜4月は晴れの日がないようです。」ともある。この点は岩出山町のモニターの予測と一致するようにも思える。だだ、場所が宮城と富山では大きく異なる。


○2月24日(木) 
【天気概況】
・日本海にある低気圧の影響で盛岡でも10センチ程度の積雪となる。今後冬型の気圧配置となり、日本海側を中心に雪となる。気温は平年より1度程度低く経過する。
【モニターネットワーク】
・最上町のモニターから写真使用の許可と近況を知らせるメールが届く。
「以前話をした、町の営農指導対策室ですが・・・、明日インターネットデビューになるとの話でした。アドレス判れば、お知らせします。遅れましたが、インターネットモード対応にしていただきまして有り難うございます。4月頃までに、私の携帯も変えたいと思っています。もちろん、そのときは携帯でのメールも出来ますので、緊急な時もリアルタイムで対応出来ると思います。一つ聞きたかったのですが、”生育予測シミュレーション”の基礎データですが、ベースとなっている肥料設定はどのようなものを使っているのでしょうか?元肥と、追肥の量や時期で生育はかなり変わりますが、そこら辺はどのように見ているのでしょうか?シミュレーションの難しさも有りますが、生育の振れはみていないのでしょうか?
返信:(安全作期の件ですが、肥料設定は考慮していません。一般の生育経過を想定しています。ご承知のように、幼穂形成期までは栽培管理で生育が異なります。昨年の例ですが、初期分げつの旺盛な生育をするようなタイプでは葉齢進度が9葉期頃から遅れます。(鶴岡のモニターの生育です。1葉程ずれます。)同様の結果は松山町のモニターの隣接圃場でも観察されました。ただ、幼穂形成期後は穂の発育過程を予測しています。穂の発育過程には品種間差や生育型での違いはほとんど認められません。以上ですが、当該情報はあくまでも目安と考えて下さい。さらには平年的な気象経過などはほとんど期待できません。)
・種市町のモニターから写真使用の承諾と近況に関するメールが届く。
「此方は雪が隔日間隔で15cm程度降り、雪掻きに追われて居ります。2月と8月は対極関係にあるそうですので…?8月前半はヤマセで寒くても出穂期あたりからは、好天に恵まれるのではと……都合の良すぎる解釈で……申し訳ありません。写真使用は宜しいです。mailアドレスも掲載してください。普通の(一般的な)ヤマセと違って、ここのヤマセの特徴など、叉温暖化が続くと私たちの地域が、米作地域に為り得る事等…もしmailが来たら主張したいです。と言うよりここのH.Pがこのまま続けて頂けたら一番嬉しいのですが…….其れでは叉.」
・岩出山町のモニターから写真使用許可と近況を知らせるメールが届く。
「今年の作付けの計画を作成中です。目標は低コスト、安定稲作を中心に考えています。3月に入ってすぐに種籾を浸水します。種蒔きは3月27日頃になると思います。昨年同様、覆土にヨウリンを使用します。長期予報で五月に遅霜があるとのこと、効果が見れるかもしれません。お体ご自愛の上、お仕事がんばってください。写真はお使いください。」
・鶴岡市のモニターから写真使用許可と近況を知らせるメールが届く。
「交流会の写真の件ですが、どうぞご自由にお使い下さい。魅力有るパンフレットに仕上がる事を期待しています。鳥越さんの仕事も一段落されたようで何よりです。編集長日誌を見ているとその忙しさが良く分かります。しかし、健康あっての仕事ですのでお気を付け下さい。私の方は3月には行ったら本業に復帰しようと、現在の仕事を何とか終わらせようと連日残業が続いています。月曜日28日には藤島町で直播きの講習会もあるようなので勉強しに行くつもりです。東北農試からも先生がいらっしゃる予定との事でした。楽しみにしています。これからもお世話になりますが、宜しくお願い致します。」
・石巻市のモニターから写真使用許可が届く。
【早期警戒活動】
【研究活動】
・岩手県一関の安全作期情報を作成する。
・秋田県大潟の安全作期情報を作成する。気候登熟量示数が1000を超す。太平洋側とは比べものにならない値だ。
【その他】


○2月25日(金) 
【天気概況】
・冬型が続き、寒気も南下して、日本海側を中心に雪となる。気温は平年より1.5度程度低く経過している。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・仙台管区気象台から1か月予報の解説が届く。
・2月中旬の気象表をまとめる。気温は平年並みとなる。日本海側の地帯5では降水量が平年の1.5倍程度となる。
・東北農政局山形統計情報事務所からリンク許可が届く。
・宮城県各普及センターのホームページリンク許可願いのメールを出す。
・宮城県古川地域農業改良普及センターから許可のメールが届く。
【研究活動】
・早期警戒システム紹介パンフレットの初校を行い、印刷業者に改正を依頼する。
・秋田県大曲の安全作期情報を作成する。
・福島県浪江の安全作期情報にとりかかる。
【その他】
・友人から送られてきた「心ある農業を江戸の農書に学ぶ(『地上』2000年3月号、家の光協会)」に目を通す。その一節に「稲と話す極意、小林福蔵さん(青森県)」があり、興味深く読む。それは「朝起きるとすぐ田んぼに行って、稲にあいさつをします。『夕べ寒かったろう、よく我慢したな。今晩は、もう一枚布団掛けようか』って、言葉に出すとすっきりするんです。通じていると思うんだ。<中略> 長年、稲の現地委託試験も請け負ってきた。耐冷性品種の開発や、深水管理など寒冷地の稲作栽培の技術体系を確立した田中稔を師として仰ぎ、農業試験場や普及所で研究者たちと歩みをともにしてきた。<中略> 自然から学び、師から学び、友人と語らいながら、いつも稲と向き合ってきた。小林さんの座右の銘は「農は心を耕す」である。」と結ばれている。(今年、一度お会いしてお話を伺いたいものだ。)
・上のことから、先人から学ぶ−自然を読み、稲と語り、心を耕す−のシンポジウム構想が浮かぶ。是非とも実現したいものだ。


○2月26日(土) 
【天気概況】
・冬型の気圧配置は緩むが、西から次の低気圧が近づく。通過後は冬型に戻る予想。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・仙台管区気象台の予報官から「確率予報の利用法」をホームページで公開、一般からの意見を頂くことに了解が得られる。
【研究活動】
・福島県浪江の安全作期情報を作成する。当地は「ひとめぼれ」「コシヒカリ」が作付けされることが理解できる。また、収穫期頃に雨が多く、適期刈り取りが重要な技術となる。
【その他】


○2月27日(日) 
【天気概況】
・日本海にある低気圧が東北を通過し、雪となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAAの海面水温平年偏差図(26日)によると、日本列島東海上と日本海の平年偏差が著しく高い領域には変化が認められない。熱帯海域も大きな変化がみられない。
【研究活動】
・福島県郡山の安全作期情報を作成する。浪江のものと大きくは異ならない。
【その他】


○2月28日(月) 
【天気概況】
・日本海にある寒気を伴った低気圧が通過し、日本海側を中心に雪となる。本日朝、盛岡では15センチ程度の降雪となる。
【モニターネットワーク】
・松山町のモニターからメールが届く。
「ご無沙汰しております。鳥越さんの、お仕事ぶり度々拝見しております。モニター推薦の言葉も皆さんのすばらしいコメントに圧倒され、出さずじまいとなり申し訳ありませんでした。パソコンはおかげさまで順調です。農作業の方は、まだ始動はしていません。安全作期情報をぜひ活用したいと思います。こちらこそ、よろしくお願いします。」
・松山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。大変ご無沙汰いたしております。パンフレットの写真の件ですがどうぞご自由にお使い下さい。また稲作安全作期有り難うございました。これおもとに作業計画をたてようと思っています。今月に入って冬本番の日が続いています。でもビニールハウスの中は常夏、照りつける太陽の日差しは一段と強く春間近を告げているかのようです。いつも思うのですが日長と季節【温度】は一致しなくおよそ一ヶ月遅れでやってくるように思うのです。例えば夏至は6月20日頃で一番太陽高度が高いはずなのにその1ヶ月後に暑い夏がやってくるようです。(梅雨明けもその頃)。冬至は12月20頃で太陽高度が一番低く日長も短いのに本格的な寒さはそれから1ヶ月後の1月20日頃(大寒)です。それから、お彼岸ですがこれは地球の傾きの折り返し地点で年2回(春彼岸と秋彼岸)ありますが春と秋とでは約10度℃の差があると言われています。どうしてなのか分かりません。春を待ち侘びる今そんなたわいもないことを思ったりしています。もし気象関係者にお会いする機会がありましたらお尋ねしていただけませんでしょうか。風邪を召されたそうですがどうぞ体を労ってください。」
・鶴岡のモニターから直播研修会受講後の感想についてメールが届く。
「2月も終わりになってからようやく冬らしい天気が続いています。今日も午前中かなり強く降りました。そんな中鶴岡の隣町の藤島町農協を会場に直播きの講習会が開かれました。東北農試からは水田作業技術研究室長が御出でになられ、現在の湛水直播の状況に付いて詳しく説明されとても参考になりました。遠路御出で頂き本当にありがとうございました。播種方法も進歩し、点播や条播の専用機械が作られているようです。今までは散播でやっていましたが、播種後の作業性などを考えると、やはり条播や点播が良い様です。私の地区の直播き研究会には、ヤンマーの6条の条播機が1台あるのですが、私が今年3ヘクタールほどで貸してもらうとすると時間的に厳しいようで、どこか別のところから借りる方法を探っているところです。生研機構と農機メーカーで開発した8条の機械だと350万から380万くらいで、すぐに買おうと思う金額ではなかったようです。また直播きをはじめた理由の一つが農機への出費を押さえようと思ったからで、直播きの専用機を個人で買おうとは思いません。もし買うとすれば、移植も出来て条播も出来るような物が良いと思います。機械の購入に関してはこれから時間をかけて検討していくつもりです。今日のような講習会に行くと、いよいよ春が来るなという感じがしてきます。しっかりした計画を今のうちに作り、順調なスタートを切りたいと思います。」
【早期警戒活動】
・宮城県産業経済部と仙台地域農業改良普及センターからリンク許可が届く。
【研究活動】
・福島県会津若松の安全作期情報を作成する。最終葉数17クラスの品種の作付も可能であり、幼穂形成期から出穂期までの積算日照時間も多く、また登熟条件が極めて良好なことが分かる。冷害危険度地帯区分の「5」に入ることも理解できる。
・青森県五所川原の安全作期情報を作成する。福島県の各地点に比較すると、作期幅が大幅に縮まる。しかし、登熟条件は極めて良好となる。収量が11俵に達することが良く理解できる。
【その他】


○2月29日(火) 
【天気概況】
・冬型の気圧配置が強まり、日本海側を中心に雪となる。気温は平年より2度程度低い状態が続く。
【モニターネットワーク】
・松山町のモニターの素朴な次の質問には私には手が出せない。場内の友人と仙台管区気象台に助けを求める。
「いつも思うのですが日長と季節【温度】は一致しなくおよそ一ヶ月遅れでやってくるように思うのです。・・(後略)」
【早期警戒活動】
・東北地方の週間予報から雪のマークが消える。いよいよ春に近づくのか。
・作柄診断試験区の品種種籾を各県に依頼する準備に入る。
・宮城県迫地域農業改良普及センターから許可のメールが届く。
【研究活動】
・青森県青森の安全作期情報を作成する。
・岩手県岩手松尾と北上の安全作期情報を作成する。
・公開シンポジウム計画案を作成して、場幹部に検討を依頼する。
【その他】
・総合研究部送別会



 
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