水稲冷害研究チーム
2000年編集長日誌
この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。
7月
−−−−−−−−− 上旬 −−−−−−−−−
○7月1日(土) 早期警戒情報第11号
【天気概況】
・暖かい空気が流れ込み、気温は高くまとまった雨となる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「公開シンポジューム、盛況開催でご苦労様でした。帰りの時間等の都合で、各先生方やモニターの方々とゆっくり話も出来ないでしまいその点は残念でした。「先人の知恵を活かす」というテーマに沿ったお話をお聞きし、諸先輩方の取り組みに対しての情熱を分けて貰った気がしました。サブタイトルに”自然を読み、稲と語り、そして心を耕す”と有りますが、肌で天候を感じ稲と語っていらっしゃる諸先輩方の意見・技術を聞き感銘を受けてきました。最後の”心を耕す”部分は、「数字にならないサイエンス」とまとめていましたが、私は”自分の感性を高めること”と思います。”伝える人−引き継ぐ人(改良する人)−伝える人・・・”これらの知恵(技術)のサイクルが、個々から隣人へそして全国へ広げられる様に、IT革命を利用できたら良いと思っています。モニターの代表としてパネラー参加してくださった、小松さん、太田さんご苦労様でした。自分の如く緊張して、私は聞いていました。モニターの方々は、規模も経営形態も考え方も各人違いますが、情報提供の一部として自分のデータを活用して欲しいと思っている人達です。水稲に対して、何らかの思い入れ(情熱)はそれぞれ違うにせよ、負けない強いものが有ります。多くの優秀な先人に微力ながら追いつけるように皆頑張りますので、今後ともよろしくご指導ください。平成5年最上町は、穂首分化期〜減数分裂期の重要な時期にたびたび17度を下回ってしまい、壊滅的な収量になりました。我が家ではその年、新しい品種として”アキユタカ”を70a程作付けしたのですが、品種特性がよく判らなかったので通常の3〜4割減の元肥で作りました。結果、実入りしたのはこの品種のみでした。その後、小林福蔵さんの来町と視察等でお話を聞くチャンスがあり、超多収を目指すのでなく”安定多収&良食味”を目指すべき現在に至っております。小林さんの「農家はバクチではない!」という言葉がありましたが、私もそう思います。実際町内で、H4の最多収の方はH5皆無でした。これは、技術でも何でもなくたまたま好天と多肥がもたらした産物で、真似たくない栽培方法です。近くで、”への字稲作”をしている人もいます。確かに、天候が良ければ爆発的な収量になるみたいですが、通年は後半のいもち病に苦労しているみたいです。また、退化せず遅れて出る穂にも籾が付きますから未熟米も多いようです。私の水田は、一部を除き砂質系の土壌のため、客土や完熟堆肥+土作り肥料で”土作り”を重視しながら現在に至っております。それでも、地力がまだまだ弱いので、肥料の量等を試行錯誤で調整している状態です。気候や土壌の違いが多々ありますので、個々の技術をコピー&ペーストしただけでは上手くいくはずがありません。何が違うのか?その答えの一部を、今回のシンポジュウムで見つけた気がします。さらなる”感性”を磨き、諸先輩に近づくために頑張りたいと、心新たに帰路しました。このような、公開シンポジュウムに参加する機会を戴き、ありがとうございました。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・北半球500hPa高度場:4日頃にはオホーツク海に高圧部が一時的に形成される予想。
・週間予報支援図(30日):今後も暖かい空気が入るが、4日頃から平年並みとなる見込み。
・警戒メッシュ図(30日):太平洋側を中心に気温はやや低い傾向がある。
・葉いもち予察(30日):感染好適条件は検出されなかった。
・日射量分布図(30日):日射量不足は徐々に解消されてきた。
【研究活動】
・早期警戒情報第11号を作成する。1か月予報は第2週目にオホーツク海高気圧の影響で気温が低いと予想する。その時期は東北の多くの稲が幼穂形成期を迎える時期である。今後の気象の動きには注意が必要。
【その他】
○7月2日(日)
【天気概況】
・梅雨前線が北上し、南から暖かい空気が入り、大気の状態が不安定となる。気温は上がり、蒸し暑い。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターから生育データが届く。
「あきたこまち> 草丈 46.3cm(43〜48cm)、茎数 28.7本(23〜33本)、葉令(不完全葉を含む) 11.3(11〜11.7)。はえぬき> 草丈 43.4cm(42〜47cm)、茎数 30.6本(24〜37本)、葉令 11.1 (10.4〜11.3)」
・山形県鶴岡市のモニターから生育データが届く。
「公開シンポジウムも終わりほっとしているところでしょうか。今朝のニュースに出ていたと妻から聞きました。私はちょうど生育調査に出かけていたので残念ながら見逃してしまいました。夕方の再放送に期待します。それでは7月1日のデータをお送りいたします。
はえぬき
草丈 茎数 葉令
46.2 575.6本/u 28.2本/株 11.1L 不完全葉含む
ひとめぼれ
草丈 茎数 葉令
47.0 575.6本/u 28.2本/株 11.1L 不完全葉含む
今の10日間は梅雨空が多かったこともあり、草丈に出ました。また葉令も進んだようです。
現在、作溝中干作業中ですが、次の10日間にどれ位色が上がり草丈が伸びるか注目です。
ひとめぼれなどは倒伏の心配も出てきます。」
・仙台管区気象台の竹谷さんからシンポのお礼メールが届く。
「6月29日、30日と大変お世話になりました。様々なご配慮本当に有り難うございました。私としては初めての経験で、お蔭様で大変勉強になりました。公私共に今後の参考にしたいと思っております。このご縁を機会に、これからも色々ご指導頂ければ幸いです。なお、気象・気候に関わる(特に資料や解析等)ことで、浅学な私の知識でも何かお役に立つことがありましたら、何時でも遠慮なく申し出てください。ご協力致します。 先ずは取りあえずお礼まで。」
・宮城県河南町のモニターから生育データが届く。
「6月29日調査 葉齢 9.9葉 茎数 32.2本 草丈 47p(ひとめぼれ)。 直播 葉齢 8.7葉 草丈 37p (ひとめぼれ)。
シンポ大変ご苦労様でした。やっぱりデータの集積が大切と思いました。寒だめしは ちょっと興味があり私も試してみようかと思っています。急なお話ですが 我がJA鹿又の有志が7月3日午前に 貴試験場の水稲直播と大豆の視察をお願いするそうなのでよろしくお願いします。」
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「シンポジウム開催ご苦労さまでした。またスタッフの皆様もご苦労さまでした。私はシンポが終わるとすぐ農協青年部の交流会が当日にあり、疲れ気味です。 今年の過燐酸石灰、珪酸カリ散布も終わり、稲作も一安心というところです。しかし、そちらの生育予測を見ると、すでに幼穂形成期に入るではありませんか!早速、追肥肥料を準備して、明日から田圃を回り、確認してみます。私のこの時期の基準としている花に螺子花がありますが、昨日鳴子温泉の窓辺の土手に咲いているのを発見し、びっくりしています。いつもと比べると2週間は速いと思っています。また基準としている糸ラン(白い花)も蕾をもっていて、昨年よりも速い生育を示しています。となると、平年よりも10日くらい早い稲の生育になっていると思います。とにかく、明日、幼穂を確認したいと思います。節間の伸長と同時に幼穂形成期に入ると昨年同様、いつ追肥をするかまた迷うような気がします。(倒伏の問題)シンポジウムの私なりの解釈ですが、科学的な公証と動物感覚をいかにデータ上で刷り合わせを行い、また解釈し、営農にいかすかがこれからの課題と感じました。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(1日):オホーツク海と太平洋中緯度地帯の海面水温は平年よりかなり低い。日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には変化が認められない。熱帯海域の海面水温も変化はみられない。
・北半球500hPa高度場:今後6日頃までは梅雨前線が北上し、南から暖かい空気が入りやすい状態が続くとみられる。
・週間予報支援図(1日):6日頃からオホーツク海高気圧が形成され、北日本にやや強い寒気の南下が予想されている。
・警戒メッシュ図(1日):気温は上がり、警戒すべき地域は岩手県沿岸北部と下北半島に限られる。ほぼ全域がいもち病に警戒すべき温度域に入る。
・葉いもち予察(1日):秋田県と山形県で感染好適条件が局地的に検出される。
・日射量分布図(1日):秋田県で日射量不足が顕著となる。
・宮城県築館・古川・仙台・亘理では幼穂形成期に達したものと推定される。
・宮城県松山町や岩出山町のモニター圃場が幼穂形成期に達したものと推定される。
【研究活動】
・岩手県と山形県の監視地点の発育情報を作成する。シンポのため作成が遅れていた。
【その他】
○7月3日(月) 生育・作柄診断試験区生育調査
【天気概況】
・梅雨前線の活動は弱まり、南から暖かい空気が入る。大気の状態は不安定となり、雨となる。
・午後から海風が入り始める。
【モニターネットワーク】
・シンポに参加いただいた松山町のモニターからメールが届く。
「先日はすばらしいシンポジウムに参加する機会を頂き有り難うございました。ー自然を読み、稲と語り、そして心を耕すーまさにその名の通りの内容だったと思います。自然にたいし謙虚な皆さんのお話は参加したものの一人として共感を覚えます。自然の恐ろしさ、自然の恵みを熟知し身をもって得た知恵は未来永劫農を営む者にとって道しるべとなり生き続ける事とおもいます。今後また、このような企画がなされましたときはまた参加したいと思っています。4日生育調査とのことですが終わりましたらお立ち寄り下さい。」
「シンポ大変ご苦労さまでした。動員なしでの参加者数はシンポの盛会を示すものと思います。最後まで居たかったのですが、カントリーの利用組合の総会があるとのことで早く
失礼しました。昨日からニンニクの収穫作業をしています。4日の調査には参加できます。」
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「2日間に渡り公開シンポジウム、準備,開催と大変ご苦労様でした。私にとっても大変有意義な二日間となりました。本当にありがとうございました。7月1日(夕)の生育データを送ります。先週前半少し天気が悪かったので生育に遅れが見られます。」
・宮城県亘理町の友人からメールが届く。
「第6回目の生育調査を行いました。結果は次の通りです。調査日時:平成12年7月1日、17時。葉齢:11.3〜12.7齢、平均11.9齢。茎数:20〜34本/株、平均25.8本/株。前回調査時と比較して、分げつはほとんど増えていません。これから退化する茎がいくら出るかにもよりますが、一株茎数は適当なところに落ち着きそうな感じがします。本日(7/3)の朝に10茎ほど主茎をかみそりで切ってみたところ、幼穂長は2〜5mm程度になっているものが多く見られました。ほぼ幼穂形成期に達したものと考えられます。「まなむすめ」は「ひとめぼれ」よりも少し葉色が薄いですが、茎径は明かに太いのが分かります。本年は栽植密度を例年よりも低くしたため、中干しは行いませんでした。明日あたりから穂肥えを散布しようと思っています。以上、よろしくお願い致します。」
「シンポジウムは成功だったとのこと、なによりでした。さて、昼休みにホームページにある生育進度モデルでの予測を見せて頂きましたが、私の稲の生育はモデルの予測とほとんどぴったりと一致しています。幼穂形成期(幼穂長が2mmの時点と仮定)はモデルでの予測通り、7月1日として差支えないと思います。このままで行けば、7月中に穂揃い期に達してしまうのではないでしょうか。昨年の高温障害のことが頭の中を過ぎって、若干心配になります。」
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「今日、しばらくぶりで田圃にいって様子を観察してきました。早いものは、第5節間と第4節間が伸び、顕微鏡で見れば、幼穂が見ることが出来る位生育しています。一斉に幼穂形成期に入るのは7/7頃になると思います。既に、岩出山地区は渇水状況で、深水栽培が
できず困っている田圃があります。ヤマセは困りますが、雨がほしいところです。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・北半球500hPa高度場:偏西風は北上し、今後とも南から暖かい空気が入る予想。
・週間予報支援図(2日):5日頃からオホーツク海にはオホーツク海高気圧に対応する気圧の尾根が予想されている。
・警戒メッシュ図(2日):冷温障害を警戒すべき地域はほぼなくなる。一方、葉いもちの蔓延に好適な温度域に入る。
・葉いもち予察(2日):感染好適条件が秋田県横手盆地に局所的に検出される。
・日射量分布図(2日):秋田県山間部で日射量不足が続く。
・水温データが農政局から届く。
・明日の予想天気図ではオホーツク海高気圧が形成される予想となっている。
・岩手県監視地点の葉齢進度予測情報を公開する。
・宮城県から生育情報が届く。地点によってはモデル予測値が実測値よりも0.5葉多いところが現れ始める。
・仙台管区気象台から情報が次々と入る。6月の天候、6月の循環場の特徴、そして青森県の少雨に関する情報など。少雨に関する情報は次の通り。「(見出し)青森県では,5月半ばから雨が少ない状態が続いています。(本文)青森県では,5月半ばから低気圧や前線の影響を受けにくく,雨の少ない状態が続いています。6月27,28日の降水も水不足を解消する降水量となっておらず,津軽・三八上北の平野部の降水量は平年の30から40%と少ない状態が続いています。今後も一週間はまとまった降水量はない見込みです。 農作物等や水の管理には注意して下さい。また,今後発表される天気予報にも留意願います。」(今後の深水管理に必要な水は確保されているのか、やや心配となる。宮城県岩出山町のモニターの周辺でも水不足が心配されているようだ。)
【研究活動】
・生育・作柄診断試験区と水管理試験区の生育調査を行う。生育は順調であり、分げつ数もかってないほど多い。過燐酸石灰を追肥した試験区では、株が広がり、茎も硬くなる傾向が観察される。効果が出始めたか。
・生育調査結果は次の通り。葉齢は不完全葉を含む。茎数は株当たり(30cm x 20cm)。
7/3 葉齢 茎数
かけはし 11.04 29.2
むつほまれ 11.22 28.5
つがるロマン 11.65 30.3
あきたこまち 11.64 30.8
じょうでき 11.07 29.3
ゆめさんさ 11.21 32.5
どまんなか 11.58 34.8
おきにいり 10.61 28.2
ひとめぼれ 11.26 32.5
ササニシキ 11.36 37.3
はえぬき 11.33 34.1
コシヒカリ 11.44 32.0
【その他】
○7月4日(火) 松山町・岩出山町モニター圃場調査
【天気概況】
・高気圧の覆われ、概ね良好な天気となる。大気の状態は不安定で、ところによる雷雨がある。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・北半球500hPa高度場:台風3号の影響を受け、偏西風の流れは複雑に変化する。
・週間予報支援図(3日):北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(3日):気温が22度以上の地域が太平洋側では盛岡周辺、日本海側では横手盆地まで北上する。
・葉いもち予察(3日):感染好適条件は検出されなかった。
・日射量分布図(3日):ほぼ全域で日射量不足が解消される。太平洋側は多日射条件が続く。
【研究活動】
・宮城県松山町と岩出山町のモニター圃場に調査に行く。稲は驚くほど姿を変えた。幼穂を解剖観察したところ、幼穂形成期に入ったものや今週中にはほとんどのものが入るとみられる。追肥時期でもあり、今後の天候と追肥の時期や量についてモニターと検討する。モニターの稲は予想していた通り、見事な姿となっている。このような生育型では冷害や高温障害を回避できるものと思う。
【その他】
○7月5日(水)
【天気概況】
・高気圧に覆われるが、全般に曇りの天気となる。太平洋側は海風が入り、気温が上がらない。大気の状態も不安定で、ところによっては雨となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(4日):オホーツク海と太平洋中緯度地域の海面水温は平年よりかなり低い。日本列島東海上の海面水温が著しく高い領域は列島近海まで広がる。熱帯海域の海面水温には大きな変化が認められない。
・北半球500hPa高度場:台風3号が日本列島付近まで近づき、南から暖かい空気が入りやすくなる予想。上陸もありえるか。
・週間予報支援図(4日):今後数日は台風3号の影響を受け、その後は偏西風の蛇行が大きくなり、東海上に気圧の尾根が形成される可能性を示す。
・警戒メッシュ図(4日):平均気温が22度以上の地帯は太平洋側では青森県南、日本海側では津軽平野の南まで北上する。
・葉いもち予察(4日):感染好適条件は検出されなかった。
・日射量分布図(4日):日射量不足はほぼ全域で解消される。
・秋田県発生予報第4号(7月3日付け)によると、いもち病の全般発生開始期は7月1日に達したと予想されている。茎葉散布による防除開始時期は7月7日と見込まれている。
・岩手県:カメムシに関して注意報第2号が発せられる。出穂が早まる予想なので、畦畔やイタリアンライグラスなどの草刈りを早めに実施するように指導されている。
・青森県から監視地点の生育情報が届く。モデルの予測が若干早い地点もみられる。実測値を入れた情報に更新する。
・山形県から監視地点の生育データが届く。モデルの予測が概して0.2〜0.5前後早くなっている。
・農政局から水温データが届く。早々に情報更新する。
【研究活動】
・解剖観察による推定幼穂形成期は「むつほまれ」7月3日、「つがるロマン」7月4日となり、昨年より4〜5日早まっている。
・福島県監視地点の生育データが届く。葉齢進度予測モデルを作成する。
・盛岡地域農業改良普及センターから盛岡地方稲作リーダー研修会の講師打診がある。盛岡地方良質米産地確立推進協議会主催でかなりの人数が東北農試に集まるとのこと。
・いもち病に関する航空機実験の打ち合わせを行う。
【その他】
・総アクセスが54,000件を超す。
○7月6日(木)
【天気概況】
・北からの高気圧に覆われ、概ね良好な天候となる。太平洋側は海風の影響を受ける。
【モニターネットワーク】
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「雨がやっとふり一安心しているところです。今年も今月15日より無人ヘリによるいもち防除作業をします。昨年は雨が続き、作業が思うようにいかず大変でした。週間天気予報をみると今年もその傾向あるようです。昨年は私の地区の早生ヤマウタという品種が障害冷害(しらほ)が出たため、ひとめぼれも特に今年は生育が早いのでそうならないように深水栽培に努めたいと思っています。追肥に関しては第四節間が3cmくらい(10日)になったら行いたいと思っています。昨年同様追肥作業の見極めが難しいと思っています。大事な時期に低温が来ないよう祈りたいです。」
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「中干し+溝切りに入り、茎数も落ち着いてきているようです。あきたこまちの方は、穂肥に向けて稲姿が良好(適正?)になってきています。はえぬきは、かなり茎数が多いようです。今後の天候しだいで、登熟型にするか穂数型にするか難しいところです。葉齢も進んでいるので、今年の様な茎数が多いときのヒント有りましたら教えてください。」
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。先日はお疲れさまでした。調査結果、有り難うございます。追肥時期は圃場によって稲の様子が違いますので稲と相談しながら行いたいと思います。それからお聞きしたいことがあります。6月30日発表1ヶ月予報で、気温,降水確率、日照時間、の各階級確率(%)と階級幅平年値、30(%)、対40(%)、対30(%)との関連がよく分かりませんので教えて頂きませんでしょうか。宜しくお願いします。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・北半球500hPa高度場:台風3号は本州南海上を東に通過する予想となっている。今後ともオホーツク海高気圧の形成は予測されない。
・週間予報支援図(5日):11日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、オホーツク海付近に高気圧の中心が移動し始める予想となっている。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(5日):警戒の必要な地域はほとんどない。
・葉いもち予察(5日):感染好適条件は検出されなかった。
・日射量分布図(5日):日射量不足の地域はほとんどなくなった。多日射条件が続く。
・山形県病害虫防除所は7月6日付けで「斑点米カメムシ類に関する注意報」を発する。山形県のモニターにメールで知らせる。
【研究活動】
・生育・作柄診断試験区の幼穂生長の解剖調査を行う。「あきたこまち」「じょうでき」は本日幼穂形成期を確認。昨年より6日程度早まる。「どまんなか」は7日、「ゆめさんさ」「おきにいり」は8日に達するものと推定される。
・気温の高い状態が続くと、減数分裂期は早まり、出穂が今月末から始まることになる。低温が来た場合の障害や登熟初期の高温障害が懸念される。
・水管理試験区の水温計を設置する。
【その他】
○7月7日(金) 五黄の寅誕生日(シニアクラス入り)
【天気概況】
・太平洋側は海風の影響で雲がかかり、日本海側は晴れる。台風3号はゆっくりと北上し、明日頃から東北地方も影響を受ける模様。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「生育調査データならびに幼形期についての連絡ありがとうございました。現在作溝作業の仕上げをしています。田圃もだいぶ固くなり、稲の姿も変わってきました。今日からは直播きの作溝に入ります。昨日ひとめぼれの茎を剥いて見ましたら、幼穂らしき物が見えました。今日再度確認してみます。鳥越さんの予測どおり去年とは違った稲姿です。大きくなりすぎて押さえることを常に考えていた去年と違い、今年は少なめの茎数で色も落ちてきていますので、予定通り穂肥えが出来そうです。ただ一部、復田したところが大きくなっているのでもう少し模様を見て倒伏軽減剤を考えます。それまでのカメムシ予防の為に草刈を徹底しなければと考えています。今年の夏も暑い予想なので去年の二の舞にならないよう、細心の注意を払って管理しなければと思います。これからも宜しくお願いいたします。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・北半球500hPa高度場:台風3号が南海上を通過し、その後は南から暖かい空気が入りやすいと予想される。
・週間予報支援図(6日):12日頃から偏西風の蛇行の程度が大きくなる予想。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(6日):岩手県北部沿岸と下北半島では低温の影響が心配される。
・葉いもち予察(6日):感染好適条件は検出されなかった。
・日射量分布図(6日):多日射条件が続く。
・青森県から葉いもちの注意報がメールで届く。例年この時期にはほとんど発生が認められないが、本年は南部地域で広い範囲で発生がみられ、一部地域では発生程度の高い圃場が見られるとのことだ。
・朝のテレビニュースで岩手県に葉いもち注意報が出されたとのこと。6月24日の感染好適条件に対応するものか。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説とコメントがメールで届く。2週目以降オホーツク海高気圧の影響が指摘されている。アンサンブルメンバーのバラツキは大きいが概して平年並み〜低いを予想している。
【研究活動】
・幼穂形成期を起点とした発育予測モデルの作成に取りかかる。
【その他】
○7月8日(土) 早期警戒情報第12号
【天気概況】
・台風3号が太平洋沿岸を北上し、太平洋側を中心に風も強く、かなりの降水量となる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「台風の進路が心配です。風が強いと、稲の損傷からのいもち病の心配も出てきそうです。
昨日、ヒメノモチに幼穂(5mm)を確認しました。被害が少ないことを、祈るばかりです。」
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「シンポ開催お疲れ様でした。今日、古川農業試験場で稲作講座が開催され、参加してきました。宮城県北部では地力窒素の発現が終わりつつあり、追肥による窒素補給が必要のようです。生育は昨年より8日くらい早まり、かえって、幼穂形成期の低温障害の危険が感じられます。さて、明日未明から仙台平野を直撃する台風3号が襲来します。風による葉の痛み、冠水による幼穂への影響が心配です。台風通過後の適切な対策をアドバイスください。」(農水省統計情報部の減収尺度によると、幼穂形成期に濁水で3日冠水した場合の被害程度は30%、同じく減数分裂期のものは80%となっている。)
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「7日夕方にはえぬき、ひとめぼれとも幼穂を確認しております。鳥越さんの予測が見事に当っております。穂肥の散布時期の判断におおいに役立ちます。昨日は強い南東の風が一日中吹いていましたが、今日はその風が止んで7時前から雨が降っています。これも台風の影響かと思いますが、大きな被害の無いことを祈ります。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・北半球500hPa高度場:12日頃からオホーツク海に気圧の尾根が形成される予想となっている。
・週間予報支援図(7日):11日頃からオホーツク海に気圧の尾根が形成される予想。北日本・東日本への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(7日):岩手県沿岸北部と青森県下北半島では水管理に特に注意を要する。
・葉いもち予察(7日):感染好適条件は検出されなかった。
・日射量分布図(7日):多日射条件が続く。
・台風3号が関東付近から北上する。太平洋側では強い雨となり、水稲の冠水や葉の裂傷などが心配される。
【研究活動】
・早期警戒情報第12号を作成する。1か月予報によると、2週目以降にオホーツク海高気圧の影響が指摘されている。台風が通過した後の天候の動向が注目される。
・生育・作柄診断試験区の「ゆめさんさ」「おきにいり」が幼穂形成期に達する。
【その他】
○7月9日(日)
【天気概況】
・北部は台風3号の影響が残り、天気はぐずつく。一方、南部は高気圧の影響で晴れる。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターから冠水などの被害はなかったとのメールが届く。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(8日):オホーツク海と太平洋中緯度の海面水温は平年よりかなり低い。また日本列島東海上の海面水温が著しく高い領域には大きな変化は認められない。しかし、九州の南海上の海面水温が平年より低くなり始める。熱帯海域にはほとんど変化は認められない。
・北半球500hPa高度場:13日頃からオホーツク海に気圧の尾根が形成される予想。それまでは偏西風が北にあり、南からの暖かい空気が入る予想。台風4号は日本海に進むか。
・週間予報支援図(8日):11日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、オホーツク海に気圧の尾根が形成される予想。
・警戒メッシュ図(8日):岩手県沿岸部と北部、青森県太平洋側では注意が必要。早いものは幼穂形成期に入りつつある。
・葉いもち予察(8日):感染好適条件は秋田県・山形県の山沿いにわずかに検出される。
・日射量分布図(8日):青森県下北半島で日射量不足が始まる。
・青森県「むつほまれ」「つがるロマン」、秋田県「あきたこまち」、岩手県北上川北部「あきたこまち」、山形県「はえぬき」などが一斉に幼穂形成期に入り始めたものと推察される。一方、宮城県の「ひとめぼれ」「ササニシキ」などは徐々に花粉母細胞形成期に入り始める。
【研究活動】
・生育・作柄診断試験区の「かけはし」の幼穂長は7センチ程度に達する。
・東北地域水稲安定生産推進連絡協議会が11日に東北農政局で開かれるために、その資料の作成準備を進める。
・岩手県二戸市の農協水稲部会から研修視察依頼のメールが届く。岩手県農業気象協議会のある25日とのこと。
【その他】
○7月10日(月)
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、全般に晴れの良い天気となる。
【モニターネットワーク】
・松山町のモニターから転作大豆は冠水もなく、順調に生育しているとのメールが届く。
・宮城県石巻市のモニターから生育データのメールが届く。
「先週の台風の大風で葉が摺れて痛んでしまいました。付近にイモチの発生源は見当たりません。先週土曜日夕方石巻稲作研究会で酒米の生育調査検討会を開きました。幼穂は5から10mm程度伸びていました。昨夜少し気温が下がったので寒暖計で観測したら17.5度まで下がっていました。ここ1週間は深水管理が必要でしょうか。土の軟弱化との関係で悩んでいます。先日の公開シンポジュウムに古川農業試験場の方も見えられていたとメールがありました。多くの皆様に見ていただきうれしくもあり、恥ずかしくもあり複雑な心境です。明日JA石巻主催の水稲生育調査現地検討会が開催されます。「ひとめぼれ」、「ササニシキ」ともに幼穂形成期の最中の様です」
・山形県鶴岡市のモニターから生育データがメールで届く。
「週末の台風の被害は如何でしたでしょうか。こちらは大した被害は無かったのですが、莢が付き始め重くなり始めた枝豆が強い風雨により傾き、畦間いっぱいに広がり通路が見えない状態になりました。今後の作業に支障が出そうです。あっという間に10日が過ぎ、7月10日のデータをお送りする時期になりました。
はえぬき
草丈 茎数 葉令
61.2 604.1本/u 29.6本/株 12.1L 不完全葉含む
ひとめぼれ
草丈 茎数 葉令
62.8 559.2本/u 27.4本/株 12.1L 不完全葉含む
ひとめぼれの茎数が少なめですが、調査している株の付近がたまたま肥え切れして
きた為です。田圃全体で観るとまだは伸びしてふわふわしている感じなのでもう少し模様を見ているところです。はえぬきには数日中に穂肥えをと考えています。」
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「台風にの被害はなく安心しているところです。今日と明日で五月初旬に植えた採種圃(ひとめぼれ)、まなむすめに追肥(反当りN2kg)を終えます。ササニシキとモチ、コシヒカリは今後の経過を見て行いたいと思っています。昨年は幼穂形成から減数分裂期まで一気に進んだようでしたが、今年は意外に緩慢にすすんでいるようです。今が一番大事な時期にあたるので低温がこないよういのるだけです。過燐酸石灰施用の田圃はどのような経過でしょうか。私の所は黒い藻が生え始め、土をかき回すと硫化水素の匂いがします。 普通だとそれで根が痛むはずなのにますます根は元気です。どうしてなのかご教授いただけないでしょうか?また過燐酸石灰施用の稲の茎を囲む葉の鞘の部分がかなり厚くなっています。そちらの試験圃も同様かご確認お願いします。仮定として鞘が厚く細胞壁が大きく構成されているため、厚い服をきたような状態になり、幼穂を保護し、低温に強くなるのではと思います。珪酸区はそれはありませんがかなり他の稲と比べると硬くなってきています。重カセキを施用した田圃の稲はカセキと同様な作用になっています。未だに洗濯水(白濁した水)になっており、カセキと比べると多少やわらかい感じがします。秋まで観察して来年の稲作に加味したいと思っています。今が一番大事なじきなのでお体に気をつけ研究活動をなさってください。」(過燐酸石灰追肥試験区は手の感触ではやはり明らかに稲体が硬くなってきている。藻の発生は認められない。株の開帳程度が慣行区に比較してやや大きいように見えるが、それ程顕著ではない。)
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・北半球500hPa高度場:偏西風は北上し、南からの高気圧に覆われやすい形と予想される。
・週間予報支援図(9日):今後オホーツク海に気圧の尾根が形成される予想。偏西風は北上し、西日本から太平洋高気圧の影響を受けるようになる予想。
・警戒メッシュ図(9日):青森県太平洋側、岩手県沿岸部と北部、福島県阿武隈山地などの地帯では気温が20度以下となり、水管理などに注意が必要。
・葉いもち予察(9日):感染好適条件などが青森県津軽、秋田県北部、岩手県北部に検出される。
・日射量分布図(9日):青森県太平洋側で日射量不足となる。
・午前4時現在、青森県十和田・むつ、岩手県軽米で気温が15度以下となる。
・宮城県の早い水稲が徐々に危険期に入り始める。
・岩手県から技術情報がファクシミリで届く。幼穂形成期は平年より1週間以上早まる見込みとのこと。追って台風対策の号外が届く。
・有効積算気温法による発育予測情報を作成する。
【研究活動】
・平成12年度東北地域水稲安定生産推進協議会の資料を作成する。
・圃場の稲についても最上位の完全展開葉の先端約5cm程度が強風による被害と見られる裂傷と萎ちょう症状が今日になって現れる。
【その他】
−−−−−−−−− 中旬 −−−−−−−−−
○7月11日(火) 東北地域水稲安定生産推進連絡協議会・稲作中間検討会
【天気概況】
・高気圧の覆われて、ほぼ全域で晴れの暑い日になる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターから生育調査データが届く。例年になく生育が早まり、穂肥の準備に追われているとのことだ。
・宮城県河南町のモニターから生育調査データが届く。モデルとの適合度もよく、茎数も比較的多くなく、秋まさり的な生育になっているものと推測される。早く稲をみてみたいものだ。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・北半球500hPa高度場:偏西風は北に上がり東西流となり、南から太平洋高気圧が徐々に張り出してくる予想となっている。
・週間予報支援図(10日)北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(10日):青森県太平洋側、岩手県沿岸部・北上山系、福島県阿武隈山地などで水管理に注意すべき地帯が広がる。
・葉いもち予察(10日):感染好適条件は検出されなかった。
・日射量分布図(10日):日射量不足の地域はほぼなくなる。
・午前4時現在、放射冷却のため内陸部を中心に気温が15度を下回る。雫石の気温は12.9度。朝の空気は秋を感じる。
・生育・作柄診断試験区の「かけはし」が減数分裂期に達したと推定される。
【研究活動】
・東北地域水稲安定生産推進連絡協議会・稲作検討会が東北農政局で開かれる。低温と高温の両方に対する技術対策を多面的に検討する。
・宮城県モニター圃場の幼穂発育予測情報を作成する。
【その他】
○7月12日(水)
【天気概況】
・台風4号から変わった低気圧に暖かい空気が入り、各地で雨が降る。
【モニターネットワーク】
・宮城県亘理町の友人から生育調査データが届く。
「調査日時:平成12年7月11日(火)、午前7時 主茎葉齢:12.5〜13.8齢、平均13.0齢。一株茎数:20〜32本、平均25.0本。弱小分げつが退化しつつありますが、その数はそれほど多くないもようです。平均的な主茎4本をカミソリで割いて見ましたが、幼穂長は21〜42mmでした。台風3号による強風で葉の先端付近が傷んだものが結構目に付きます。」
・宮城県河南町と石巻市のモニター直播圃場の発育予測情報を作成したのでモニターに連絡する。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(11日):日本列島東海上の海面水温が著しく高い領域には変化が認められない。日本列島の南海上の海面水温は平年よりかなり低くなる傾向を強める。オホーツク海と太平洋中緯度の海面水温は平年より著しく低い。
・ペルー沖のエルニーニョ監視海域の海面水温は平年よりやや高くなる傾向がみられる。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜16日まで):偏西風は北上し、15日頃から太平洋高気圧に広く覆われる予測となっている。
・週間予報支援図(11日):17日頃からオホーツク海付近に高気圧が形成される予想となっている。また17日頃から北日本上空にやや強い寒気が入る予想。次の1か月予報の内容が注目される。来週は多くの水稲が危険期真っ直中に突入する。
・警戒メッシュ図(11日):青森県太平洋側、岩手県沿岸部と北部、福島県阿武隈山地などでは気温も低く、水管理に注意が必要な状態が続く。
・葉いもち予察(11日):感染好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(11日):日射量不足はほぼ解消される。
・岩手県から生育診断圃場の調査データが届く。モデルによる葉齢よりも1枚程度少ない地点が目立つ。分げつが旺盛なためか、あるいは最終葉数が1枚少なくなるのか。「あきたこまち」「ひとめぼれ」の県平均葉齢は10.6であるが、幼穂形成期はいずれの品種も7月9〜10日とのこと。モデルに予測では、一関の「ひとめぼれ」が県南部で最初に本日幼穂形成期に達したものと推定され、他の地点は数日要する。
・宮城県の基幹品種が徐々に危険期に入り始める。
【研究活動】
・台風3号の強い風による葉の障害が目立ち、田んぼが黄色く見える。被害の程度は小さいので大きな問題とはならないが。
・生育作柄診断試験区の「かけはし」に止葉が完全展開を始める。ほぼ予測通りである。
・山形県のモニターの幼穂発育情報を作成する。
【その他】
・アクセス総数が55,000件を超す。
○7月13日(木) 生育・作柄診断試験区、水管理試験区の生育調査
【天気概況】
・低気圧の影響で、天気はぐずつく。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「今年も出穂は早そうです。なるべく遅くする為に田植を1週間遅らせたのですが追いついてしまったようです。これからの水管理とカメムシに注意です。この関係の会議で鳥越さんのご活躍のお姿をテレビで拝見でき嬉しく思ってました。ところでカメムシ対策という事で防除はもちろんなのですが、この辺では草刈を7月20日までに終わりその後は稲が登熟し終わる8月いっぱいは畦畔の草を刈らない様にという事です。草を刈ると畦畔にいたカメムシが圃場に移動するからだそうです。例年ですとこの時期は草が伸びやすく穂が傾き始める頃に一度刈るのですが、それも出来ないという事でその後の草刈に時間が掛かりそうで心配しています。私自身もカメムシの生態をよく理解していないので何とも言えないのですが、むしろ草刈を頻繁にしてきれいな状態にした方が、カメムシにとっては住み難いのではと思ってしまいます。カメムシの生態、それにカメムシ被害と草刈の関係について有効な情報ありましたらお教え下さい。御忙しいところ申し訳ありませんが宜しくお願いいたします。」(この件について山形県病害虫防除所に問い合わせる。)
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜17日まで):17日頃から日本付近で偏西風の蛇行の程度が大きくなる予想。
・週間予報支援図(12日):北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(12日):青森県下北半島、岩手県沿岸と北部では水管理に注意が必要な状況が続く。
・葉いもち予察(12日):感染好適条件は秋田県で局所的に検出される。
・日射量分布図(12日):日射量不足の地域はほとんど見られない。
・福島県会津支場から技術情報がメールで届く。
【研究活動】
・生育・作柄診断試験区と水管理試験区の生育調査を行う。今までにない旺盛な生育状況である。調査結果は次の通り。葉齢は不完全葉を含む。茎数は株当たり茎数(条間30cm、株間20cm)。
7月13日現在。
葉齢 茎数
かけはし 12.29 25.3
むつほまれ 12.44 26.6
つがるロマン 12.87 28.7
あきたこまち 12.67 29.0
じょうでき 12.03 27.7
ゆめさんさ 12.28 30.7
どまんなか 12.65 32.3
おきにいり 11.60 27.1
ひとめぼれ 12.19 31.6
ササニシキ 12.38 37.5
はえぬき 12.35 33.7
コシヒカリ 12.42 32.3
・福島県監視地点の葉齢進度予測モデル情報と宮城県監視地点の幼穂発育経過情報を作成し公開を始める。
・19日に開かれる盛岡地方稲作リーダー研修会の講師依頼が正式にくる。
【その他】
・蜩が鳴き始める。いよいよ夏本番に突入する。
○7月14日(金)
【天気概況】
・全般的に高気圧に覆われて、晴れて暑さが厳しい。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターから天候の様子を見ながら前歴深水管理に切り替えたとのメールが届く。
・宮城県岩出山町のモニターから鶴岡市モニターのカメムシ類の防除に関してコメントが届く。
「毎日、稲の茎を抜き観察しています。ほぼそちらの生育予測と合致しています。さすがです。今年は鶴岡のモニターから取り寄せたコシヒカリも既に幼穂形成期に入りました。 今年はふつうお盆に咲くスケトシア(青い花)が咲き、赤とんぼが集団で飛んでいます。しかし、山百合に関しては平年より遅い感じがします。カメムシの防除に関しては宮城県が先輩と思います。草刈の時期は、米の乳熟期に刈らなければ被害は少ないようです。草は刈りすぎると帰って被害を大きくするようです。(田圃に侵入するため)私の地域ではその時期に一斉防除します。無人ヘリの薬剤は(ビームトレボン)を散布します。いもちとカメムシの二種混合薬剤を使用します。また即効性の薬剤をその時期にすれば効果は同様と思います。昨年は北海道の友人の地域(札幌市の隣 当別町)のほうもカメムシの被害で等級が落ち、色彩選別期を購入したようです。これもまたグローバリゼーションの影響か地球温暖化の影響か、営農はますますむずかしくなってきています。また私の地域(古川を含む大崎地域)は鳴子ダムの貯水量が40%を切り、渇水状態になりつつあります。私の田も深水栽培をあきらめざるをえません。気温が高く、日照もあるので冷害の心配はありません。大崎土地改良区の話だと花水期まで鳴子ダムの取水制限をしているそうです。干害が心配です。」
・宮城県亘理町の友人からメールが届く。
「カメムシ類多発予報ありがとうございました。出来るだけこまめに畦草を刈ってはいるのですが、好天続きのためにあっという間に伸びてしまいます。また、今年は畦塗りで盛土となった部分にヒエが大発生しています。休眠種子の生命力に驚いています。本日(7/14)の朝の時点で幼穂長は約180mmになっているものがあります。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜18日まで):今後西日本から太平洋高気圧に覆われ、南から暖かい空気が入りやすい状態を予測。
・週間予報支援図(13日):17日頃からオホーツク海付近に気圧の尾根が形成され、偏西風の蛇行も大きくなる予想。
・警戒メッシュ図(13日):注意の要する地帯は青森県下北半島、岩手県沿岸部と北部山間に限られる。
・葉いもち予察(13日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(13日):日射量不足の地域はほとんどない。
・宮城県にカメムシ類に関する注意報が12日に発表される。宮城県のモニターの皆様方に内容をメールでお知らせする。
・福島県から葉いもち防除特別号と浜通りの斑点米カメムシ類に関する情報が届く。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説とコメントがメールで届く。気温予想は高いが50%となる。ただアンサンブル予報ではメンバー間の変異が大きいので信頼度は低いとのこと。各週の気圧配置の文面から推察すると、第2週目に平年並みの梅雨明けとなるか。今まであったオホーツク海高気圧の影響は今回はなくなる。
【研究活動】
・危険期を迎えての事務局からのお知らせを作成する。
・図説高温障害編の作成に取りかかる。
・生育・作柄診断試験区の「ひとめぼれ」「ササニシキ」「はえぬき」の幼穂形成期は解剖調査の結果、7月12日と推定される。昨年より6日早い。
【その他】
○7月15日(土) 早期警戒情報第13号
【天気概況】
・梅雨前線が北上し、南部ほど天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「古川農改による直蒔きの現地検討会がありました。カメムシの史上最大の大発生、干害、高温障害を回避する方法が説明がありました。水が少ないときの高温障害を回避する方法をないかと質問したところないと切なく説明されました。とにかく雨を待ちたいです。またこのままで生育がすすむと9/5には稲刈りが出来そうということでした。大変なことになりそうです。」
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「メールを頂き有り難うございます。これまでこちらではかめ虫についてこれほど深刻な状況になった様な記憶はないように思います。草刈りは今のところ途中で先送りしてましたが早速刈りたいと思います。一昨日、稲をむいてみましたら幼穂長約10oになっていました。草刈り、追肥、苺と大変ですが頑張って行きたいと思っています。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜19日まで):日本列島の南から太平洋高気圧が北に張り出す。18日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、東海上に気圧の尾根が形成される予想となっている。
・週間予報支援図(14日):19日頃から偏西風の蛇行の程度が大きくなり、東海上に気圧の尾根が明瞭に形成される予想。
・警戒メッシュ図(14日):気温も上がり、警戒の要する地域は極限定されてきた。気温が23度以上の地域が福島や宮城県の平坦部に広がってくる。
・葉いもち予察(14日):感染好適条件は検出されなかった。
・日射量分布図(14日):太平洋側を中心に多日射条件が続く。
・青森県からカメムシ類の注意報がメールで届く。
【研究活動】
・早期警戒情報第13号をまとめる。西日本は梅雨明けが近いが、東北は微妙なところである。
【その他】
○7月16日(日)
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、太平洋側では晴れ、南部や日本海側では不安定な天気となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(15日):日本列島東海上の海面水温が著しく高い領域の水温はさらに高くなる。昨年と同様な傾向があり、海面水温が著しく高い領域は昨年よりも広く南に広がる。
・オホーツク海と太平洋中緯度海域の海面水温は平年より著しく低い状態が続く。日本列島南海域の海面水温は平年より低くなる。熱帯海域の海面水温には大きな変化は認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜20日まで):偏西風の蛇行は18日頃から大きくなる。太平洋高気圧が南から徐々に北上する予想。
・週間予報支援図(15日):偏西風の蛇行は20日頃から大きくなり、太平洋高気圧が東から徐々に張り出す予想。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(15日):気温は上がり、警戒すべき地域はなくなる。
・葉いもち予察(15日):福島県中通り地域に感染好適な条件が局所的に検出される。
・日射量分布図(15日):多日射条件が続く。
・宮城県の水稲のほとんどが減数分裂期に入りつつあるものと推定される。
・秋田県本荘や大館付近の水稲も減数分裂期に入りつつある。
【研究活動】
・ネットワークにトラブルが発生した模様。監視活動ができなくなる。インターネットが使用できなければ、アメダス監視システムを見ることもできず、データも入手できない。インターネットの便利さを痛感する。
・昨日の落雷が原因、午前8時に復旧する。
・秋田県の幼穂形成過程追跡モデルを作成する。
【その他】
○7月17日(月)
【天気概況】
・梅雨前線が西から近づき、天気は下り坂となる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「友人に誘われ、皆既月食をさっきまで見てきました。自然の不思議に触れた感じです。 はえぬきの幼穂(2〜3mm)を7/15に確認しました。」
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「稲の方は、すこぶる順調です。あと一週間もすれば出穂するのではないかと思われます。」
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「カメムシの件では色々お手数をお掛けしました。岩出山町のモニターからもアドバイスを頂き、参考になりました。じめじめした天気が続き、1週間ほど前に草刈したところは既に10cm位伸びてきています。20日までに何とか終わらせようと草刈に奮闘しています。
その後はなるべく刺激しないようにし、防除で対応する事とします。稲もいよいよ敏感な時期に入ってきました。気温の変化に気をつけて管理していこうと思います。」
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「カメムシ情報ありがとうございます。石巻地方ではあまり問題になっていない様ですが、
とりあえず、畦畔のくろ草刈りは終了しました。私も、カメムシに対する対策などは経験が無いので対策のしようがありません。とりあえず、除草の前に畦畔を殺虫剤で防除ししばらく経ってから草刈しました。今年はいつもの年よりイナゴの発生が多かったのでイナゴ対策としての除草対策に取り組みました。又,昨年は葉先に白いまゆのようなものが特に多く見られましたが、今年はあまり観察されませんでした。水稲もかなり生育が進み、今日17日現在本葉13枚目が見えてきました。今週末から穂ばらみ期に入るものと予想します。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜21日まで):太平洋高気圧が徐々に南から北上し、東北地域もその範囲内に入る予想。
・週間予報支援図(16日):21日頃から偏西風の蛇行が大きくなる予想。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(16日):平坦部はほぼ全域で気温が23度を超す。
・葉いもち予察(16日):秋田県と福島県で感染に好適な条件がやや広域的に検出される。
・日射量分布図(16日):日本海側からやや日射量が少なくなり始める。
・秋田県は「斑点米カメムシ」と「葉いもち」の注意報を発表する。
【研究活動】
・山形県・岩手県のアメダス監視地点の幼穂形成過程追跡モデル情報を作成する。
・盛岡地域農業改良普及センターの方が19日の研究会の打ち合わせに来る。生産者の人などが60名来られるとのこと。岩手県内の生産者の方々に早期警戒の仕事を紹介できる良い機会なので有り難い。
・水管理試験区:明日早朝から危険期深水管理に移行する。
・図説:水稲収量の地域性に関係する日射と温度を作成する。
【その他】
○7月18日(火)
【天気概況】
・寒気を伴った低気圧が東北を通過し、各地で強い雨となる。オホーツク海高気圧が地上天気図に現れる。
・北海道東部は午前7時現在の気温が15度以下となる。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。雨の涼しい朝です、昨日までは暑い日が続いてエアコンもなく大変と思います。2,3日前にアブラゼミとミンミンゼミが鳴き真夏を感じています。天気も良くニンニクの作業も終わりました。転作はコスズの除草作業だけです、カメムシ注意報がでていますが、天気が良すぎると虫類が多いそうで、大豆にも1oくらいの黄色がかった虫が付いて葉がウイルス病症状(色が薄く縮れぎみ)をしています。稲は地力窒素が少ないこともあり何処の圃場も葉色が薄いようです。私も追肥作業は一部を除いて終わりました。今日の雨で一段と出穂が早まるかも?」
・21,22両日は日頃お会いできないモニター・友人(山形県最上町・鶴岡市、宮城県亘理町・石巻市)を訪問する計画。それぞれの稲の姿は予測モデルなどから推測できるが、実際にそのようになっているか確認しておきたい。それぞれ期待通りの稲の姿になっているものと思う。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜22日まで):偏西風の蛇行は21日頃から大きくなり、東海上に気圧の尾根が形成される予想。
・週間予報支援図(17日):
・警戒メッシュ図(17日):冷温障害を警戒すべき地域はなくなる。
・葉いもち予察(17日):システムにトラブル発生。
・日射量分布図(17日):日本海側ではやや日射量が少なくなるが、太平洋側は多日射条件が続く。
・各地の水稲がぞくぞくと危険期に近づきつつある。
・青森県から葉いもちに関する地区報がメールで届く。南部地域で葉いもちが多発しており、出穂1週間前の防除を徹底するように呼びかけている。
・東北農政局から水温・生育情報がファクシミリで届く。
【研究活動】
・アメダス監視システムにトラブル発生。日別データや葉いもち予察図も作成されなかった。
・危険期深水管理の処理を始める。
・青森県の幼穂発育過程追跡情報を作成する。
・図説:玄米の生長の特徴を作成する。
【その他】
○7月19日(水) 盛岡地方稲作リーダー研修会
【天気概況】
・梅雨前線が東北北部に停滞し、北部を中心に天気がぐずつく。
・北海道は午前6時現在、ほぼ全域で気温が15度以下となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(18日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域にはほとんど変化がみられない。領域の広さが太平洋中部まで拡大する傾向がみられる。オホーツク海と太平洋中緯度の海域の海面水温は平年より著しく低い状態が続く。熱帯海域には大きな変化は認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜23日まで):偏西風の蛇行は22日頃から大きくなり、東海上に気圧の尾根が形成される予想。
・週間予報支援図(18日):偏西風の蛇行は22日頃から始まり、東海上に明瞭な気圧の尾根が形成される予想。北日本上空(札幌)にはやや強い寒気が20日頃まで南下する予想。
・警戒メッシュ図(18日):警戒の必要な地帯はない。むしろいもち病の発生に警戒が必要な状況にある。
・葉いもち予察(17,18日):システムを手動で動かす。17日は庄内付近に感染好適条件が局所的に検出される。また18日はほぼ全域で局所的に感染に好適な諸条件が検出される。
・日射量分布図(18日):日本海側ではやや日射量が少なくなるが、日射量不足まではいかない。
・宮城県のアメダス監視地点の生育データがファクシミリで届く。葉齢の予測は0.5程度実測値より大きくなっている。適合度の良い地点も数地点ある。
・午前6時現在、青森県太平洋側と岩手県北部・沿岸部で海風が入り、気温が17度前後になる。これらの地帯の「かけはし」は危険期にあるものと推定される。
・午後1時現在、青森県太平洋側と岩手県北部・沿岸部で海風が入り、気温が20度以下となる。
・仙台管区気象台の予報官から3か月予報とその解説ならびにコメントがメールで届く。3か月を均した平均気温は高い確率が50%、平年並みが40%となり、冷夏予想とはなっていない。猛暑となるのか?当面は月末までの天候の動きが注目される。
【研究活動】
・盛岡地方稲作リーダー研究会で「早期警戒システムについて」講演とホームページデモを行う。60名ほどの基幹的な農業者と関係者が対象である。中から新しい岩手県のモニターが現れることを期待したい。
・図説:玄米の生長の特徴を作成する。
【その他】
○7月20日(木)
【天気概況】
・前線が東北北部を通過し、北部を中心に雨がある。
【モニターネットワーク】
・21,22日のモニター訪問予定が決まる。皆様にお会いできる予定。期待通りの稲の姿が見られるはずである。本当に楽しみである。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜24日まで):偏西風の蛇行は22日頃から大きくなり、東海上に気圧の尾根が明瞭に形成される予想。
・週間予報支援図(19日):偏西風の蛇行は22日頃から大きくなり、東海上に気圧の尾根が明瞭に形成され、それが月末まで続く予想となっている。
・警戒メッシュ図(19日):今後の天候が注目される。太平洋側を中心に気温が下がる。
・葉いもち予察(19日):秋田県の一部に局所的に感染好適条件が検出される。
・日射量分布図(19日):日本海側の秋田県・山形県に日照不足の地帯が検出され始める。
・午前6時現在、青森県・岩手県太平洋側を中心に気温が下がり、17度程度までに達する。
・昨日の平均気温は青森県太平洋側や岩手県北部・沿岸部で20度を下回る。北海道東部は気温が15度以下となる。
・福島県農業試験場相馬支場から技術情報がメールで届く。
・山形県からアメダス監視地点の生育データが届く。モデルの葉齢予測値と実測値は1枚近く異なる。多げつ性の生育型の特徴か。モデルの予測精度が良い鶴岡市のモニターの稲がどのようなものか、楽しみである。
・大きな雨域をもつ台風5号が日本列島に進路を向ける。
【研究活動】
【その他】
−−−−−−−−− 下旬 −−−−−−−−−
○7月21日(金) モニター訪問(第1日目)
【天気概況】
・梅雨前線は北海道付近に北上し、南から暖かい空気が入り、気温も上がる。
・午前5時現在、青森県・岩手県沿岸・北部では気温が17度付近まで下がる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜25日まで):偏西風は大きく蛇行し、東海上に気圧の尾根が形成される予想。
・週間予報支援図(20日):偏西風の蛇行は月末頃まで続き、東海上に気圧の尾根が形成される予想。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(20日):青森県太平洋側と岩手県沿岸部・北部は気温が急激に下がるが、本日は気温も上がる予想。
・葉いもち予察(20日):岩手県北部と秋田県に感染に好適な条件が検出される。
・日射量分布図(20日):秋田県北部と青森県で日射量不足となる。
【研究活動】
・宮城県岩出山町モニターを訪問する。親子が圃場で歓迎してくれる。水稲は穂ばらみ期にあり、珪酸カリ・過燐酸石灰を追肥した稲の姿は慣行のものとは大きく異なる。月末に出穂するように見える。穂揃い期は8月上旬か。防除等のスケジュールの変更を話し合う。
・山形県最上町のモニターを訪問する。久しぶりの対面に喜ぶ。「はえぬき」「あきたこまち」などの稲を観察する。描いていた通りの稲がそこにあった。10俵も期待できるものである。一部に葉いもちが多発している圃場がある。モニターは数日前から体調を壊しているが、防除作業ができないとのこと。町の営農指導の担当者も昼食をともにしていもち病の防除について話しあう。
・山形県鶴岡市のモニターを訪問する。夫婦で出迎えてくれる。久しぶりの再会に笑顔がこぼれる。昨年の気温測定の結果を報告する。鶴岡アメダスと圃場の気温差は夏の期間を通してみると、約1度圃場の方が低い傾向があった。両者の気温差は日照時間や風の強さと方向など様々に影響される実態もよく分かった。「はえぬき」「ひとめぼれ」「転作大豆」などを拝見する。どれも予想通りの稲であり、力強さを感じる。10俵以上は堅い。特に驚かされたのは「湛水散播直播圃場」である。30アール圃場10筆の稲の姿は私が過去見たことのないすばらしい草姿であった。技術のノウハウを伺うと、それなりの合理性がある。9俵以上が堅いとみられる。13ヘクタール(水稲10、大豆3)の経営を夫婦で運営する。再会を約束して別れる。
・明日は宮城県に移動するため、蔵王の山麓に宿をとる。
【その他】
○7月22日(土) モニター訪問(第2日目)
【天気概況】
・南部は梅雨揚げ後の快晴となり、熱風が吹く。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜日まで):
・週間予報支援図(日):
・警戒メッシュ図(日):
・葉いもち予察(日):
・日射量分布図(日):
【研究活動】
・午前中に宮城県亘理町の友人を訪ねる。夫婦で出迎えてくれる。葉齢進度予測モデルに適合していた「まなむすめ」は分げつ数も過剰ではなく、美しい草姿をしていた。走り穂が出始め、今月末には穂揃い期に達するものと推定される。穂も大きく、着粒数も多い。下位の葉も緑が濃く、上根の発達も良好である。高温障害などが心配されるが、この稲なら乗り越えられるのではと期待される。ただ。カメムシが散見されるのが少々心配だ。
・午後は宮城県石巻市と河南町のモニター3名を訪問する。それぞれの圃場を見学し、稲の生育状況を検討する。ここにも期待通り、またそれ以上の稲の姿があった。鳥害で騒いでいた圃場も今では立派な直播圃場となっている。移植の稲は穂ばらみ期にあり草姿も良く、それぞれ多収が期待される。高温障害も乗り切れるものと期待できる。またモニターはそれぞれ独自の技術改善を積極的に試みているのに感心した。
・2日間にわたるモニター訪問も無事終了する。久しぶりの再会と素晴らしい稲を見せていただき、私たちにとっては最良の日々であった。出来秋が楽しみである。
【その他】
○7月23日(日)
【天気概況】
・寒冷前線が南下し、北部を中心に雨となる。南部は太平洋高気圧に覆われ晴れる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「本日は、遠路いらしていただきまして有り難うございました。東北南部の梅雨明け宣言とは裏腹に、明日から天候が不順のようです。いもち病の蔓延が心配されますが、早急な予防+治療防除の追加を行いたいと思います。現在体調が最悪なので、こちらの回復が先決かも知れませんが・・・。出穂前にする作業が山積みなので、本当の意味の梅雨明け宣言が欲しいです。早いものは、今月中に出穂しそうな勢いで生育しています。生育を見守っている状態なら良いのですが、完全に遅れてしまっています。「俺達は、今年頑張っているよ!」と言っている稲の声に、答えきっていない自分に腹立たしい現状ですが、早急に体調を戻して出穂までは挽回したいと思っています。出来秋を、素晴らしい黄金色で迎える為に!!」
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「昨日は遠路お越し頂き本当にありがとうございました。久しぶりの再会でお話ししたいことが沢山あり、気持ちばかりあせりあっという間に時間が過ぎてしまいました。昨日は稲について色々教えて頂いた訳ですが、もう一つ大事なことを聞き忘れてしまいました。それは今年度以降の早期警戒システムの存在についてです。私の場合早期警戒システムを通じて天気予報の読み方から始まり、冷害の発生のメカニズムやその予防法などを勉強させて頂きました。それに生育予測といもち予察情報、各県の技術情報など毎日の経営管理に不可欠の存在になってしまいました。現在では各県の農業改良普及センターや試験場でもHPを開設しているところが増えてきましたが、内容としては断片的なものが多く更新もなかなかされず、その情報の鮮度にも問題がある場合も少なくないようです。このような状況の中において早期警戒システムは先駆者的な役割を果たしていると思います。インターネットの特徴である双方向性という面を十分生かしながら常に新鮮であり、また生育予測の精度が昨年に比べ飛躍的に向上したことにより、穂肥え時期の判定など農家の意思決定支援に大いに役立っています。ここまで農家に関係する総合的な分野をカバーし「使えるサイト」は他にありません。是非このまま存続させていけますようお願い致します。他のモニターの方々ともこの件に関して是非意見交換したいものです。これからますます暑くなりますが、お体に気をつけてご活躍頂きますようお願い致します。次回お会いすることを楽しみにしています。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(22日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域はさらに高くなり、北海道東海域までに及ぶ。太平洋中緯度の海面水温が著しく低かった海域は徐々に高くなり始める。熱帯海域の海面水温には大きな変化は認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜28日まで):25日頃までは太平洋高気圧が張り出す予想。その後は偏西風の蛇行が徐々に大きくなる予想。
・週間予報支援図(22日):北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(22日):警戒が必要な地帯はなくなる。
・葉いもち予察(22日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(22日):日射量不足は解消される。
【研究活動】
・早期警戒情報第14号を作成する。出張のため一日遅れる。
・生育作柄診断試験区「かけはし」の出穂期は観察によると7月20日と判定され、昨年より5日ほど早い。また「コシヒカリ」の幼穂形成期は解剖観察によると22日と推定され、昨年より4日早い。
【その他】
○7月24日(月) 生育作柄診断試験区の生育調査
【天気概況】
・太平洋高気圧に覆われ、良好な天気となる。前線が北から南下し、天気は下り坂に向かう。
【モニターネットワーク】
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「調査ご苦労さまでした。鳥越さんはじめチームの精力的な調査活動本当に頭が下がります。梅雨明けしたような好天になっています。家の田圃も所々穂の先が見え始めました。 これからはイモチとカメムシやその他の防除とアゼ刈りが中心の作業になります。無人ヘリの防除計画も変更しそうです。無人ヘリの機動性、計画変更のし易さがメリットであると思います。また真っ黒になりながら太陽のありがたさを身に染みさせていきたいと思います。」
・宮城県松山町のモニター2名からパソコンが壊れたとの連絡が入る。同時期に導入したパソコンが同時期にトラブルを発生させた。何か問題があるのか。急遽26日に調べに伺うことにする。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜28日まで):24日頃までは太平洋高気圧に覆われるが、その後北日本は気圧の谷となる予想。
・週間予報支援図(23日):26日以降に偏西風の蛇行が大きくなり、月末にかけてオホーツク海付近に高気圧が形成される予想となっている。
・警戒メッシュ図(23日):警戒の要する地域はない。
・葉いもち予察(23日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(23日):青森県津軽地域に日射量不足が発生するが、他の南部一帯は多日射条件が続く。
・生育・水温情報が農政局から多数届く。
・山形県から斑点米カメムシ類に関する警報が本日付けで出される。山形県のモニターにメールで知らせる。
・青森県から稲作生産情報第8号が郵送で届く。
・岩手県農業研究センターから生育定期生育調査データが届く。
【研究活動】
・生育・作柄診断試験区、水管理試験区の生育調査を行う。
・福島県の幼穂発育情報を作成する。
【その他】
○7月25日(火) 二戸市農協研修会・岩手県農業気象協議会
【天気概況】
・日本海から前線が南下し、南から暖かい空気が入り、ほぼ全域でまとまった雨となる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターから葉いもち防除に入ったとのメールが届く。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜29日まで):28日頃から太平洋高気圧が関東・東北地域に影響を及ぼす予想。
・週間予報支援図(24日):28日頃から日本付近は低圧部となり、北からの高気圧の影響を受ける予想。また寒気の南下も予想されている。
・警戒メッシュ図(24日):警戒の要する地域はない。
・葉いもち予察(24日):気温が高杉で感染に好適な条件は検出されなかった。しかし、降雨のあった地域は蔓延に注意が必要だろう。
・日射量分布図(24日):津軽地域の一部に日射量不足が認められるが、ほぼ全域で多日射条件が続く。
・青森県から穂いもちに関する注意報がメールで届く。
・東北農政局から21日付け東北農政局生産流通部長名で各県農政主管部長宛の「水稲作に係わる当面の技術指導対策について」の写しがファクシミリで届く。
・仙台管区気象台予報官と今後の気象経過について情報交換を行う。
・太平洋側では海風が入り、午前10時頃から気温が下がり始める。
・夕方から日本海側からかなりのまとまった降雨があり、気温も下がり始める。穂ばらみ期は背丈も低く冠水を受けやすく、また幼穂は冠水に最も敏感な時期だけに心配される。
・
【研究活動】
・岩手県二戸農協の方々37名が冷害、いもち病の研修に訪れる。水稲冷害早期警戒システムの開発状況と本年度の水稲の生育概況・いもち病の発生状況などについて講義する。
・岩手県農業気象協議会に出席する。水稲の生育はかなり早まり、今後の技術対策について情報交換を行う。
【その他】
○7月26日(水) 宮城県松山町調査
【天気概況】
・前線が東北地方を南北に縦断し、太平洋側を中心にまとまった雨となる。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「お晩で御座います。22日はお会いできなくて残念です。こころまちが出穂してお待ちしておりました。今日は美山錦が出穂しました。雨により出穂が始まると思います。この好天が良い方向に向かうことを期待します。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜30日まで):28日頃から太平洋高気圧が南から勢力を北に及ぼす予想。
・週間予報支援図(25日):29日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、前線が引き続き列島に停滞する可能性を予想する。台風の影響も加わり、今後の動向が気がかりである。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(25日):冷害に警戒を要する地帯はない。
・葉いもち予察(25日):感染に好適な条件は検出されなかった。しかし、葉いもちの防除が遅れ、蔓延が心配される地域もある。
・日射量分布図(25日):青森県津軽地域の一部に日射量不足のところがある。
【研究活動】
・パソコントラブルと水稲生育状況を調査するために宮城県松山町モニター訪問する。モニター二人のパソコンのハードディスクが同じ日に物理的に壊れたことが分かる。不思議な現象である。修理のため本体を持ち帰る。
・モニターの水稲の生育状況を見る。いずれも素晴らしい生育を示している。出穂直前であり、好天が続けばすぐにでも出穂しそうな状況である。
【その他】
○7月27日(木)
【天気概況】
・日本列島を南北に走る前線の影響で、太平洋側を中心に天気がぐずつく。日本海側は高気圧に覆われ天気は回復する。
・昨日は気温が下がり、青森県太平洋側、岩手県沿岸部・北部、福島県阿武隈山系などで平均気温が20度を下回る。
・海風が入り、太平洋側沿岸部を中心に気温が上がらない。
【モニターネットワーク】
・宮城県亘理町の友人から出穂を知らせるメールが届く。
「先日は暑い中、生育調査ご苦労様でした。私の稲も出穂期に入りました。7/21〜7/22にかけて走り穂が見られました。本日(7/26)の朝の観察から、ほぼ出穂盛期に達したと思われます。昨夜から強い雨が降っており、出穂開花を迎えた稲がかわいそうです。以上、稲の状態をお知らせします。」
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「酒米とスノーパールが出穂し始めました。くりの花が豊作で花の長さが短かったので
稲の穂も短いと思っていたら、やはり短かったようです。幼穂形成期前の好天と、春先の土壌窒素発現率が関係しているのでしょうか。ことわざの言伝え通りになるようです。追肥による適当な窒素補給のされたところは穂も大きいようでした。」
・宮城県岩出山町のモニターに出穂期を問い合わせる。
「過燐酸石灰の対照区の田圃(ササニシキ)は出穂期に達しました。過燐酸石灰の田圃は未だです。ササニシキの早いのにはびっくりしています。無人へりの防除は約一週間早める予定です。8/7より」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):何かトラブルがあったのか、情報更新が途絶える。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜31日まで):太平洋高気圧は28日頃から日本列島を広く覆う予想となっている。
・週間予報支援図(26日):8月2日頃から日本列島は広く太平洋高気圧に覆われる予想となっている。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(26日):昨日は一時的に低温となったが、冷害を警戒すべき地帯はない。
・葉いもち予察(26日):感染に好適な条件が岩手県・秋田県・山形県・宮城県・福島県などに検出された。既に発生のみられている地帯においていもち病の蔓延が懸念される。
・日射量分布図(26日):青森県津軽地域と秋田県北部では日射量不足が心配される。
・福島農試会津支場から技術情報がメールで届く。
・太平洋に日本列島がすっぽりと入るような巨大な低気圧の渦が数日前から形成され停滞する。また中国大陸には発達した雲をもつ低気圧が南下を始める。台風6号は九州を伺う。出穂・開花期を迎えて不順な天候が続くのではと心配になる。
・仙台管区気象台の予報官から東北北部の梅雨明けの「梅雨の時期に関する東北地方気象情報 第4号」がメールで届く。
・仙台管区気象台の予報官と今後の気象推移について情報交換を行う。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「むつほまれ」が昨年より3日早く出穂期に達する。「つがるロマン」は明日昨年より3日早く出穂期に達する見込み。
・農業気象研究会が明日古川農業試験場で開催されるため、その資料を作成する。
・宮城県古川農業改良普及センターのホームページアドレスが変更になったとのメールが届く。
・高温障害の図説の作成に取りかかる。
【その他】
○7月28日(金) 農業気象研究会
【天気概況】
・北からの高気圧に覆われ、概ね晴れの天気となる。大気の状態は依然として不安定である。
・【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(25日):日本列島東海上の海面水温が著しく高い領域は依然として高い状態が続く。熱帯海域の海面水温については大きな変化はみられない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜8月1日まで):太平洋高気圧が広く日本列島を覆う予想となっている。
・週間予報支援図(27日):太平洋高気圧は30日以降広く日本列島を覆う予想。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(27日):冷害を警戒すべき地域はない。
・葉いもち予察(27日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(27日):青森県津軽地域と秋田県北部の一部地域で日射量不足のところがある。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説がメールで届く。気温はこの先も高いと予想されている。
【研究活動】
・農業気象研究会が宮城県古川農業試験場で開催される。重点検討事項は「水稲の成熟期の予測法について」であり、早期警戒システムの成熟期予測手法と高温障害の監視態勢について話題を提供する。
・古川農試は昨年移転し、新しい耐冷性検定のための恒温深水圃場を見学する。
【その他】
○7月29日(土) 早期警戒情報第15号
【天気概況】
・太平洋高気圧が徐々に勢力を張り出す。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜8月2日まで):30日以降、日本列島は太平洋高気圧にすっぽりと覆われ、その中心は東北の東海上に位置すると予想されている。
・週間予報支援図(28日):今後は太平洋高気圧に広く覆われ、その中心は東北の東海上に位置する予想。
・警戒メッシュ図(28日):各地の水稲の生育予測から判断すると、障害型冷害の危険はほぼなくなったものと判断される。今後は高温障害が心配される。
・葉いもち予察(28日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(28日):日本海側北部の日射量不足も解消される。
・青森県から予察情報がメールで届く。
【研究活動】
・早期警戒情報第15号を作成する。今後は太平洋高気圧が張り出し、日本列島を覆うものと予想される。また高気圧の中心の位置も東北の東海上にある。昨年の夏が思い出される。これから開花・受精期を迎えるため、日本海側のフェーン現象や異常高温による障害が心配される。
【その他】
○7月30日(日)
【天気概況】
・太平洋高気圧に広く覆われ好天となる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「昨日は、急に夕立があったりで、落ち着かない天候でした。湿度と気温があがり、くらべて日照が少ないといった危険な感じです。今日も、曇りです。管内は、平坦地や中山間地のあちこちで走り穂が見られるようになりました。それに合わせたように、あちこちで一斉に病害虫の防除が始まりました。我が家のヒメノモチは、10〜30%出穂です。2日程で出穂期を迎えそうです。あきたこまちとスノーパールは、走り穂していました。今年の高温時(異常気象)の天候でも、生育予測のシミュレーションは高精度で実に生育に合致しています。お陰様で、作業計画がスムーズに出来ております。今度、天気予報の表示(アナウンス)もさらにわかりやすくなると聞いています。夕立等の正確な時間や霧の発生(葉の濡れ)情報なども、さらに精度が上がれば作業効率の向上や病害虫防除の効果が上がると思われます。生育予測と天気情報の高精度化により、ピンポイント管理による高品質&省力化も可能になりそうです。これからが、米の品質に一番大切な時期ですので、各情報に注意して管理しています。ここのHPは稲作の欠かせないアイテムになっており、鶴岡のモニターと同じく・・・継続運用を切に願っている一人です。」
・モニターの皆さんが心配されている総合研究4チームとプロジェクト研究の終了については、来年4月から東北農試は独立行政法人となり、本チームは地域基盤研究部の連携研究第1チームへ引き継がれ、早期警戒システムも継続的に運営される予定です。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(29日):日本列島東海域の海面水温が平年より著しく高い領域は依然として高い状態で続く。熱帯海域の海面水温は変化が認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜8月3日まで):日本列島は太平洋高気圧に広く覆われる予想。
・週間予報支援図(29日):日本列島は太平洋高気圧に広く覆われる予想。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(29日):山形県庄内、福島県福島市周辺は最低気温が24度以上となる。
・葉いもち予察(29日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(29日):日射量不足の地域はない。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「あきたこまち」が昨年より3日早く出穂期を迎える。
【その他】
・総アクセス数が57,000件を超す。
○7月31日(月)
【天気概況】
・太平洋高気圧に広く覆われ、晴れで気温が著しく上がる。日本海側ではフェーン現象が起こる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターから生育調査結果がメールで届く。同町の「あきたこまち」が一斉に出穂を始めているとのこと。
・宮城県河南町のモニターから生育調査結果がメールで届く。
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「私の地域のササニシキは殆ど穂ぞろい期に達してします。またひとめぼれも各田圃で走り穂が見られます。私の田圃は稚苗で植えた、ササニシキ、ひとめぼれは穂ぞろいし、中苗で植えた田圃は走り穂が見ることができます。珪酸区と過燐酸石灰区とハイリン酸区は追肥の影響があったためか、そちらの生育予測とは2,3日のずれがあるようです。今年も熱い夏になりそうですね!」
・宮城県亘理町の友人からメールが届く。
「調査圃の稲が7/29にほぼ穂揃い期(出穂率約80%)に達しました。調査圃以外もほぼ同じです。「みやこがねもち」は出穂始期に達しました。7月中に穂揃い期に達したのは私の記憶では初めてです。今年の生育状況から予想はしていましたが、改めて驚いています。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜8月4日まで):引き続き太平洋高気圧に広く覆われる予想。
・週間予報支援図(30日):今後太平洋高気圧が勢力を西に伸ばし、朝鮮半島付近まで張り出す予想。
・警戒メッシュ図(30日):日本海側を中心に最低気温が24度を超える。
・葉いもち予察(30日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(30日):宮城県において日射量がやや少なくなる。
・宮城県「ひとめぼれ」「ササニシキ」、山形県庄内の「はえぬき」、秋田県「あきたこまち」が出穂期に近づいているものと推察される。
・昨日は、日本海側の青森県津軽、秋田県、山形県、福島県会津などの地域で気温が34〜36度程度に上がる。
・気温は午前8時現在、青森県津軽、秋田県・山形県沿岸部で30度を超す。今のところ風はそれほど強くない。
・気温は午前10時現在、日本海側で35度を超える地点も現れ始める。
・気温は午後1時現在、日本海側で37度を超える地点も現れ始める。
・気温は午後3時現在、日本海側の秋田県内陸などで37度を超える。
・気温は午後6時現在、日本海側も35度を下回る。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「じょうでき」「どまんなか」が出穂期を迎える。昨年より2,3日早い。「ゆめさんさ」は明日出穂期に達するものとみられる。
・仙台管区気象台から高温に関する情報がメールで届く。「温に関する東北地方気象情報 第1号。平成12年7月31日11時20分 仙台管区気象台発表。東北地方は、太平洋高気圧に覆われ、最高気温が高い状態となっています。今後一週間も最高気温の高い日が続く見込みです。熱射病や日射病等、特に戸外での作業には十分注意して下さい。また、農作物、家畜、水産養殖物などの管理にも注意して下さい。」
・仙台管区気象台の予報官から熱帯海域における変化についてメールが届く。海面水温、貿易風の方向、海水の動きなどに最近大きな変化が現れ始めているとのこと。
【その他】
torigoe@tnaes.affrc.go.jp