水稲冷害研究チーム
2000年編集長日誌
この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。
8月
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○8月1日(火) 航空機実験地の事前調査
【天気概況】
・太平洋高気圧に広く覆われ、晴れて猛烈な暑さとなる。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターから出穂期を知らせるメールが届く。
・山形県最上町のモニターから近況を知らせるメールが届く。
「今日、秋田大曲で行われた”全国新形質米生産者交流会(新形質米21)”に、最上町スノーパール生産組合の代表として参加してきました。新形質米の持つ、品種特性を活かすことによる多方面の可能性を、あらためて再確認してきました。消費者の、いろんなニーズに合わせたお米を生産することが、米余りの今だからこそ特に大切な気がします。天気予報でフェーン現象の予報が出ており、間断潅水から急遽入水して出かけましたが、少しずつ水不足の傾向に有ります。今のところ、掛け流しが出来る水量は有りますが、このままでは近日中にNGになるでしょう?高温障害が出ないと良いのですが、予報では高温傾向が続きそうで心配なところです。」
・山形県鶴岡市のモニターから出穂の状況を知らせるメールが届く。
「連日厳しい気候が続いています。少し動くとすぐに汗が噴き出し、1日3回も着替えています。もう少し気温が低くても良いのですが・・・。稲のほうも順調に成育していて、はえぬき、ひとめぼれとも穂も出てきています。約50%穂が出た時点を出穂期という事なので、後2日くらいで達するものと思われます。その時に再度連絡致します。」
・宮城県亘理町の友人からメールが届く。
「調査日時:平成12年8月1日。一株穂数:15〜23本/株、平均19.0本/株(一株あたり3本移植)。以上の結果から圃場(3.6本/株移植、60株/坪)の平均穂数を推定すると1368本/坪となります。期待値の1500本/坪には達しませんでした。今年も猛暑に見舞われそうですが、水が十分にひける圃場はかけ流しを試みています。猛暑が長く続かないことを願っております。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜5日まで):太平洋高気圧が日本列島に広く張り出す予想。
・週間予報支援図(31日):太平洋高気圧が今後とも日本列島を広く覆う予想。
・警戒メッシュ図(31日):秋田県秋田市・角館・大曲周辺、山形県庄内では平均気温が27度を超す。平坦部では最低気温が24度以上となる。
・葉いもち予察(31日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(31日):日射量不足が懸念される地域はほとんどなくなる。
・各県から発生予報や高温障害対策技術などが届く。
・仙台管区気象台からは7月の天候のまとめや循環場の特徴がメールで届く。
【研究活動】
・航空機多波長域走査センサの実用化実験を実施するため、秋田県大曲市周辺の水稲生育の実態を調査する。出穂が一斉に始まり、朝と午後の景色が大きく異なる。水を十分張っていない水田や掛け流している水田などが散在する。水管理の徹底が秋田さきがけに報じられている。水田を数分歩くと汗が噴き出し、意識もややもうろうとする酷暑であった。
【その他】
○8月2日(水)
【天気概況】
・太平洋高気圧が張り出し、暑さは続く。
【モニターネットワーク】
・宮城県岩出山町モニターから出穂期を知らせるメールが届く。
「暑い日が続いております。いかがおすごしでしょうか?今日8/1に過燐酸石灰区と珪酸区が出穂期に達しました。予測とは少しずれがありますが、ほぼ合致しています。稚苗のササニシキ、まなむすめ、ひとめぼれは出穂期をすぎ、ササニシキ100%、まなむすめ、ひとめぼれは80%ぐらいになっています。中苗のひとめぼれ、ささにしきは(過燐酸石灰施用)は20%の出穂状況、ミヤコガネモチは穂ばらみ状態、コシヒカリは穂ばらみで幼穂5cmぐらいになっています。対照区は乳熟期になろうとしています。この調子で行けば、9月5日に稲刈りができそうです。今日、農協の係の方がカメムシのすくいとり調査をしていましたが、噂通り大きいのから細いのまでうじゃうじゃいました。徹底的な防除をしなければ行けないと思いました。大変です。無人ヘリの防除は8/7から8/11までの予定です。8/9の朝の防除作業後、8/9から8/13まで韓国に宮城県農協青年連盟の一人として韓国農業者と交流をしてきます。その間、メールはお休みさせていただきます。」
・宮城県松山町のモニターから出穂期を知らせるメールが届く。
「今日も暑い日です、いよいよ高温障害対策が稲にも自分にも必要になりそうです。でも今日の夜は涼しいです。そちらも暑いですか。調査圃の出穂期ですが今日と思われます。葉色が濃いせいか思ったより遅いようです。今年は美山錦が綺麗に穂揃いしまし、こころまちが傾穂してきました。お願いしていた9月1日午前の東北農試の研修が決まりました。お忙しいとは思いますが、宜しくお願いいたします。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(7月31日):日本列島東海域の海面水温が平年より著しく高い領域には変化がなく、依然として著しく高い状態が長く続く。太平洋中緯度海域の海面水温も平年より著しく高い状態が続く。熱帯海域の海面水温には大きな変化が認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜6日まで):今後とも太平洋高気圧に日本列島が広く覆われる予想となっている。
・週間予報支援図(1日):6日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、7日頃から循環場に少し変化する予想。また上空へのやや弱い寒気が南下する予想となっている。
・警戒メッシュ図(日):警戒メッシュ利用システムにトラブルが発生した模様。
・葉いもち予察(1日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(1日):宮城県の日射量も改善される。
・アメダス監視システムにトラブル発生する。重要な時期なのでデータ配信先に至急に復旧を依頼する。
・気温は午前10時現在、30度を超す地点が多数現れる。
・気温は午後2時現在、35度を超す地点はない。
【研究活動】
・図説高温障害編を作成する。
・玄米の発育情報の作成に取り掛かる。冷害危険期は直播水稲も含めてほぼ全域で無事通過したものと推定される。
・水管理試験区と過燐酸石灰区の「あきたこまち」は8月1日に出穂期を迎えた。
・生育作柄診断試験区の「おきにいり」は本日出穂期に達する。「ひとめぼれ」「ササニシキ」「はえぬき」も出穂期が近づく。
【その他】
○8月3日(木)
【天気概況】
・太平洋高気圧に広く覆われ、気温も高い状態が続く。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターから出穂期を知らせるメールが届く。
「あきたこまちが、8/2に50〜60%の出穂を確認しました。ヒメノモチは、8/1でした。昨日よりは気温が低かったですが、やはり猛暑です。夕方、小雨が降りましたが・・・すぐに止みました。水不足の解消にはなりそうにありません。」
・宮城県石巻市のモニターから水管理について問い合わせがメールで届く。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜7日まで):太平洋高気圧に引き続き覆われる予想。
・週間予報支援図(2日):8日頃から偏西風の蛇行が大きくなる予想。それまでは太平洋高気圧に広く覆われるとみられる。今後、東日本上空へ寒気が南下する予想となっている。
・警戒メッシュ図(2日):最低気温からみると、日本海側沿岸部が24度以上となる。
・葉いもち予察(2日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(2日):ほぼ全域で多日射条件が続く。日射量不足の地帯はない。
・福島農試相馬支場から稲作情報がメールで届く。
・東北農政局から水温などの情報がファクシミリで届く。なかに山形県から高温に対する技術対策の写しがあったので、技術情報を更新する。
・内陸部は30度超す猛暑、三陸沿岸部は海風により気温が上がらない。
・台風8号の動きが注目される。かなり発達しつつ、日本列島を伺う。
・明日の予想地上天気図の予想では、オホーツク海に高気圧が形成されるものとなっている。台風8号の影響もあり、今後の天候の動向が注目される。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「ササニシキ」「はえぬき」が出穂期を昨年より3,4日早く迎える。「ひとめぼれ」の出穂期は4日の見込み。
・穂の発育情報を玄米の発育過程追跡モデルに変え、情報の提供を始める。
・早期警戒システムデモのバージョンアップを行う。
・航空機実験のための準備に入る。
【その他】
○8月4日(金) 松山町調査
【天気概況】
・太平洋高気圧に覆われ、概ね晴れの良好な天候となる。気温は高い状態が続く。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜8日まで):太平洋高気圧が引き続き日本列島を広く覆う予想。
・週間予報支援図(3日):10日頃までは太平洋高気圧が日本列島に広く張り出す予想。
・警戒メッシュ図(3日):メッシュ警戒システムが復旧する。平均気温・最低気温からみても高温障害を警戒すべき状況にある。長く続かなければ良いが。
・葉いもち予察(3日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(3日):ほぼ全域で多日射条件が続く。
【研究活動】
・宮城県松山町のモニター2人のパソコンを修理して持参する。不便をお掛けして申し訳なかった。あわせてモニター圃場の穂数調査を行う。予想したとおり、一穂は大きい。9俵以上が期待できるような圃場もある。
・掛け流しを行っているモニター圃場の水温は低く、やはり水温低下の効果はある。
・盛岡から宮城県古川へ向かう東北自動車道の車窓から観察したところでは、予測モデルによる出穂期評価は概ね良好であると判断される。岩手県は出穂最盛期、宮城県内陸は乳熟始め、松山町は出穂盛期から乳熟始めにある。
【その他】
○8月5日(土) 早期警戒情報第16号
【天気概況】
・太平洋高気圧の覆われ南部を中心に気温は上がる。青森県は前線の影響で天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
・石巻市のモニターから用水の水温が28度程度あるとメールが届く。用水温が高すぎるので適切な水管理をお願いする。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜9日まで):引き続き太平洋高気圧に広く覆われる予想となっている。
・週間予報支援図(4日):今後とも概ね太平洋高気圧に覆われる予想。ただ、東日本上空への寒気が南下する予想となっている。
・警戒メッシュ図(4日):ほぼ全域で高温障害が心配される。
・葉いもち予察(4日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(4日):日射量不足の地域はない。
【研究活動】
・早期警戒情報第16号を作成する。今後とも太平洋高気圧に覆われ暑い日が続く見込み。
【その他】
○8月6日(日)
【天気概況】
・太平洋高気圧に覆われ、概ね晴れの天気となる。大気の状態が不安定なため所々でにわか雨や雷雨がある。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。昨日はなにかとお忙しい中パソコンを修復していただきまして有り難うございました。この間のホームページを眺めていますと一読するだけでも大変で毎日の積み重ねの大きさを感じます。今は一年の中で一番暑い時期です同時に私にとっても大切な時期でもあります。何とかこの暑い夏を乗り切っていきたいと思っています。また神田さんには大変な作業をしていただきまして感謝申し上げます。まだまだ、暑い日が続くと思いますので暑さに負けないよう頑張ってください。今後とも宜しくお願いいたします。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(5日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域は依然として変化が認められない。熱帯海域の海面水温は大きな変化がみられない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜10日まで):太平洋高気圧に日本列島は広く覆われる予想。
・週間予報支援図(5日):10日頃までは太平洋高気圧に広く覆われる予想。
・警戒メッシュ図(5日):気温は下がってきているものの、平均気温と最低気温からみて高温障害が心配される地域がある。
・葉いもち予察(5日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(5日):日射量不足が心配される地域はほとんどない。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「むつほまれ」が乳熟始めに達する。
・山形県モニターと秋田県アメダス監視地点の玄米発育情報を作成する。
【その他】
○8月7日(月)
【天気概況】
・太平洋高気圧に覆われ、南部を中心に概ね良好な天候となる。大気の状態が不安定なため、にわか雨や雷雨がある。北部は前線の影響でぐずつく。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「あきたこまちは、8/6に穂揃いしました。はえぬきが、走り穂してきました。1日における天候が落ち着かなくて、困っています。午前中は晴天、午後の 短時間に急にスコール・・・。このパターンの連日で、作業の計画が立たなく困っています。降る雨の粒が大きく、葉野菜等に穴が空く被害も出ています。とにかく、あたると痛い雨なんです。おまけに落雷も伴っていますので、圃場から逃げるしか手がありません。晴れ予報をあてにして始めた、二番草の乾草作りですが、もう三度も雨の被害に遭っています。乾草は、品質&収量とも最悪パターンです。水稲でも、雨が心配で穂揃期防除にも影響が出てきそうです。今回の雨は、部分集中の長時間通り雨的で、予測出来ないので困っています。」
・宮城県岩出山町のモニターから携帯によるメールが届く。稲の生育がかなり早くて驚いているとのこと。
・宮城県石巻市のモニターから水管理に関するメールが届く。
「直播ササシグで黒色着色カルパー加温処理区が出穂(20%くらい)してきました。来年からの直播の方向付けが見えてきました。昨日24時間通水を停止して温度変化を見ましたが、夜間灌漑時と何ら変わり在りませんので、通水を停止し、間断潅水に切り替えて根の健全化をはかり、登熟の促進に努めます。全域で、畦畔部分のカメムシ予防の処理をしました。少しモンガレも見えるので乳剤による混合処理としました。現在のところカメムシの確認はされません。確認次第、全域の防除を検討します。」
・宮城県亘理町の友人から生育状況を知らせるメールが届く。
「調査圃の「まなむすめ」が8月4日に傾穂期に達しました。すずめが乳汁をしゃぶっています。暑い日が続いており、毎日のようにJAの広報車が巡回して水のかけ流しとカメムシ被害への注意を呼びかけています。以上、稲の生育状況をお知らせいたします。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜11日まで):概ね太平洋高気圧の勢力内にある予想。
・週間予報支援図(6日):11日頃までは太平洋高気圧に覆われる予想。東日本・北日本上空へやや弱い寒気が南下する予想となっている。
・警戒メッシュ図(6日):気温はやや下がったものの、最低気温は高く、平均気温からみても秋田県・山形県・福島県・岩手県の一部地帯で高温障害が心配される。
・葉いもち予察(6日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(6日):青森県や岩手県北部で日射量不足の地域が現れ始める。
・東北農政局から水温情報などがファクシミリで届く。
・青森県から稲作生産情報第9号がファクシミリで届く。
【研究活動】
・山形県アメダス監視地点の玄米発育情報を作成する。
・意見交換の広場に一般から次のような質問が来る。
「過去の天気と最高気温を調べたいのですが、どうすればよいですか?」(仙台管区気象台の天気相談所を紹介したいので同所長さんに打診のメールを出す。)
・航空測量会社の担当者と航空機実験の詳細を打ち合わせる。8月21日から実験体制に入る準備に取り掛かる。
【その他】
○8月8日(火)
【天気概況】
・太平洋高気圧の影響で南部は晴れるが、北部は前線の影響で天気はぐずつく。気温の高い状態はやや収まる。
【モニターネットワーク】
・昨日の一般からの問い合わせに対して、仙台管区気象台から回答が意見交換の広場に掲載される。これが本当の意見交換の広場の姿であろう。一般の方と私とのやり取りだけでなく、第3者が横やりを入れてくるのも面白いだろう。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜12日まで):太平洋高気圧が今後とも南から張り出す予想。
・週間予報支援図(7日):11日頃までは太平洋高気圧が張り出す予想。北日本・東日本上空へ弱い寒気が入る予想。引き続き大気の不安定な状態が続く模様。
・警戒メッシュ図(7日):最低気温が高い状態が依然として続く。平均気温は下がり始める。
・葉いもち予察(7日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(7日):日射量不足の地域はほぼ山間部に限定され、ほぼ稲作地域全体では問題とならない。
【研究活動】
・青森県アメダス監視地点の玄米発育情報を作成する。
・生育作柄診断試験区の「かけはし」が昨年より2日早く糊熟期に達する。同「つがるロマン」が昨年より1日早く傾穂期に達する。
・東北地方の技術開発研究機関連絡会で早期警戒システムの活動紹介とデモを行う。
【その他】
○8月9日(水)
【天気概況】
・上空に強い寒気が入り大気の状態が不安定となり、にわか雨や雷雨がある。暑さはそれ程でもない。またこのところ最低気温も低くなり始める。
【モニターネットワーク】
・宮城県にカメムシ類に関する注意報が出たので、宮城県モニター・友人にメールで知らせる。
・宮城県石巻市のモニターからお礼のメールが届く。
「カメムシ情報ありがとうございます。毎日圃場を観察していますが確認できません。今後、畦畔の草刈はいつ頃取り掛かれば良いでしょうか。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(8日):日本列島東海上にある海面水温が平年より著しく高い領域にはほとんど変化はなく、依然として高い状態が続く。熱帯海域の海面水温には大きな変化は認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜13日まで):太平洋高気圧が東から広く日本列島に張り出す予想となっている。
・週間予報支援図(8日):11日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、南から低圧部が北上してくる予想となっている。
・警戒メッシュ図(8日):最低気温は平坦部で24度を超すところが多い。平均気温は全般に下がり、27度を超える地域はほとんどなくなる。多くの水稲が乳熟期から糊熟期の間にあり、高温障害が依然として心配される。
・葉いもち予察(8日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(8日):日射量不足が心配される地域はほとんどない。
・東北農政局経由で秋田県の高温技術対策が届く。
・東北農政局から各県の注意報・警報をとりまとめた資料が届く。
・宮城県にカメムシ類の注意報が出される。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「あきたこまち」「じょうでき」が昨年より2日早く傾穂期に達する。
・岩手県と福島県アメダス監視地点の玄米発育情報を作成する。
・現場の方から明日暑気払いをやろうと呼びかけがある。これもまた楽しみである。
【その他】
・総アクセスが58,000件を超す。本年1月からの今日までの18,000件は昨年一年間の総数に相当する。
○8月10日(木)
・北海道付近に中心をもつ高気圧に覆われ、概ね良好な天気となる。上空に寒気があるため、午後は各地でにわか雨や雷雨がある。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「相変わらず、午後に雨が降るうっとうしい天候です。7/下旬に最後の畦畔草刈りをしましたが、毎日雨が降りかなり伸びてきています。我慢できそうになく、天候の合間を見て除草剤を畦畔に散布しています。あきたこまちは、早く出穂したところが幾分傾穂してきています。はえぬきの方は、8/9に出穂期(50%)を迎えました。穂孕期までは、順調にシミュレーションにトレースしていましたが出穂期でもたついた感が有ります。原因としては、通年より茎数が多く生育量が有った為と考えています。近くの他のはえぬきでは、8/4に出穂期を迎えた圃場も有りますので、予測は正確だと思われます。葉齢進度はほぼ完璧でしたが、私の圃場では減葉&増葉が有り・・・それも遅れた原因かと思います。通年より、葉齢のバラツキが多いみたいです。(天候が影響?原因不明?)生育量と出穂期の変化等のデータなど無いでしょうか?有りましたら、図説等にでもUPしていただけませんでしょうか?発育予測の補正に、使用したいと思いますので。今年は、各品種とも草丈が長いようです。これからの、台風の進路が気にかかる所です。」
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「草刈の件了解しました。今日、直播ササシグレの隣のひとめぼれ圃場で捕虫網で20回のすくい取りを場所を変えて、3箇所実施してみましたが、カメムシらしきものは確認できませんでした。日を改めて観察し、確認できれば防除体制に入りたいと思います。酒米圃場は、モミ粒が丸く膨らんできてころころとしてきました。乳熟期を過ぎた様です。隣のひとめぼれより美味しいのかスズメが遊びに来ているので防鳥対策をしました。来年の直播の防鳥対策の参考にしたいと思います。」
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「直播きのはえぬきも現在出穂期を迎えていて、お盆まではおおかた出揃いそうです。気温の方は8月初めの36,7度が最高でそれ以降は32度止まりで夜も結構涼しくなってきました。しかし、雨らしい雨はぜんぜん降っていません。今朝も少し降ったようなのですが、
朝露よりも少ない感じです。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜14日まで):今後とも太平洋高気圧に広く覆われる予想。
・週間予報支援図(9日):15日頃から日本付近で偏西風の蛇行が大きくなる予想。また今日発生した台風9号は日本付近に接近する予想ともなっている。今後の動きには注意が必要である。
・警戒メッシュ図(9日):最高・最低気温がこのところ低くなってきたが、夜温が高い状態が続く。
・葉いもち予察(9日):感染に好適な条件は検出されなかった。
・日射量分布図(9日):日射量不足が懸念される地域はほとんどない。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「ゆめさんさ」「どまんなか」が昨年より1〜3日早く傾穂期に達する。
・宮城県松山町のモニターらの酒米研究会が9月1日に視察研修に来るとの公文が届く。
【その他】
−−−−−−−−− 中旬 −−−−−−−−−
○8月11日(金)
【天気概況】
・寒冷前線が東北地方に南下し、天気はぐずつく。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「減葉の件了解しました。私の圃場だけでなかったのですね、安心しました。それに伴う穂数の減少が有るのですか、その点は心配ですね。はえぬきは、出穂の揃いも他の品種に比べ今年は悪いような気がします。昨日のメールの補足になりますが、除草剤にはカメムシ用の殺虫剤を加えております。これにより、畦畔のカメムシは駆除できると考えていますが・・・?除草剤の効果での、圃場への逃げ込みを防ぐ為に行いました。今年は、畦畔の草の伸びが早くて、カメムシの危険期の間待っていられない状態でしたので苦肉の策です。昨年は、オール1等米でした。今年も、誰からでも喜んで貰えるお米が出来るよう、
防除の徹底に特に注意している所です。あと1ヶ月、それで今年の全てが決まります。健全な稲姿で、出来秋を迎えたいものです。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜15日まで):太平洋高気圧に概ね覆われるが、台風9号が関西付近に近づく予想となっている。
・週間予報支援図(10日):
・警戒メッシュ図(10日):平均気温は下がるが、平坦部の最低気温は依然として24度を超す。
・日射量分布図(10日):日射量不足の地域はほとんどない。
・台風9号は南に巨大な雨雲を形成しながら、かなり早い速度で北上を続ける。今後の動きが注目される。
【研究活動】
・農水省農業技術環境研究所の所長一行が来場、早期警戒の監視活動とシステムのホームページを紹介する。
【その他】
○8月12日(土) 早期警戒情報第17号
【天気概況】
・寒冷前線が東北南部にあり南部は天気がぐずつくが、北部は良好な天気となる。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市と河南町のモニターが古川農業試験場に研修に行ったとのメールが届く。品種育成の過程を興味深く勉強したとのことだ。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜16日まで):台風9号は南海上を東に進み、その後南から太平洋高気圧に覆われる予想。
・週間予報支援図(11日):台風9号は南海上を東に移動し、16日頃から太平洋高気圧が南から張り出す予想。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(11日):最低気温は平坦部で24度を超す。平均気温は26度を超す地域は極限定される。
・日射量分布図(11日):岩手県沿岸北部で日射量不足の地域が現れ始める。
【研究活動】
・早期警戒情報第17号を作成する。台風は日本列島に接近後東に流れる予想だが、複雑な動きをする可能性も指摘されている。今後の動きには注意が必要。暴風雨による倒伏は是非とも避けたい。
・生育作柄診断試験区の「むつほまれ」が昨年より2日早く糊熟期に達する。「ササニシキ」は昨年より3日早く傾穂期に達する。
【その他】
○8月13日(日)
【天気概況】
・北部は北の高気圧に覆われ晴れ、南部は太平洋側を中心に台風9号の影響でぐずつく。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「直播きも順調で追い播きを比較的多くした3枚の圃場は若干遅れていますが、ほかの圃場はもう数日もあれば出揃います。直播きでこれほど出穂が順調な年は経験ありません。ところでカメムシ対策ということで8月中の草刈をしないようにという指導ですが、7月20日までに草刈を終了するために7月15日頃に刈り始めたところは、雑草がすでに腰の高さまで伸びてしまい防除のためにクロを歩くのも大変な状態です。またナイアガラホースの端を持つのが女性や高齢者が多いため、クロを踏み外したり転倒したりの危険もあるため私は作業者の安全を優先して一部の草刈をしました。来年からは7月30日まで草刈を終了するくらいでちょうど良いのかもしれません。」
・宮城県河南町のモニターから生育データがメールで届く。移植水稲は減葉することなく、株当たり穂数も24本程度確保されている。直播水稲の出穂期予測は観察のものより5日程度早くなっている。松山町のモニターの直播も予測値が実際よりもかなり早い傾向がある。一方、移植水稲は2日程度のずれにとどまる。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(12日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には大きな変化がなく、依然として高い状態が続く。熱帯海域の海面水温には大きな変化が認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜17日まで):台風9号は東に移動し、太平洋高気圧が南から張り出す予想。
・週間予報支援図(12日):台風9号は東に移動し、太平洋高気圧が徐々に南から日本列島を覆う予想。
・警戒メッシュ図(12日):平均気温は福島県太平洋沿岸部、福島市付近、山形県庄内の一部地域で26度以上となる。最低気温は平坦部では24度以上となる。
・日射量分布図(12日):日射量不足が懸念される地域はほとんどない。
・午前5時現在、岩手県北・青森県太平洋側で気温が15度を下回る地点がある。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説が届かなかったので、メールでお願いする。
・台風9号は南海上を東に移動し、東北には直接的な影響を及ぼさないものと推察される。今の時期の倒伏は是非とも避けたい。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「ひとめぼれ」「はえぬき」が昨年より2〜5日早く傾穂期に達する。また「コシヒカリ」は昨年と同日の本日出穂期に達する。「かけはし」は穂の先端の穎花が黄色くなりはじめる。
・図説高温障害編を作成する。
【その他】
○8月14日(月)
【天気概況】
・北海道東海上に中心をもつ高気圧に覆われ、日本海側と北部では晴れるが、南部は天気がぐずつく。
・気温は平年並み近くまで下がる。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターから“早い秋が来そうです”のメールが届く。調査圃場などの状況をデジタル画像で送ってくれた。
「暑中お見舞い申し上げます。昨日まで日照少ない天気でしたが、ようやく晴れの良い天気が戻ってきました。早すぎる秋ですが登熟は順調に進んでいます。作柄の診断はまだ難しいかも?こころまちは黄熟になりつつあります。とにかく早い秋です。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜18日まで):台風9号は動きが遅くゆっくりと北海道東海上に移動し、その後は太平洋高気圧が南から日本付近張り出す予想。
・週間予報支援図(13日):18日頃までは南から太平洋高気圧に覆われるが、その後はまた台風が北上する予想となっている。
・警戒メッシュ図(13日):平均気温が26度を超える地帯は極限定される。最低気温もやや下がり始めたが、24度以上の地域は平坦部を中心に広い範囲にわたる。
・日射量分布図(13日):日射量不足が懸念されるところはほとんどない。
・午前5時現在、放射冷却のために盛岡周辺では気温が15度を下回る。岩手県北山間部では11度近くまで下がる。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説などの資料がメールで届く。
・青森県と岩手県から出穂期の情報が届く。
・青森県太平洋側、岩手県沿岸部ならびに福島県沿岸部に海風が入り、気温は上がらない。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「つがるロマン」が昨年より1日早く糊熟期に達する。
・航空機実験の観測波長域とその数、飛行高度、飛行コースなどの詳細を決める。
【その他】
○8月15日(火)
【天気概況】
・太平洋高気圧の覆われ、概ね良好な天気となる。太平洋側沿岸部では海風が入り気温は上がらない。
【モニターネットワーク】
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「カメムシの防除は無人ヘリにて終わりました。2回目の防除は検討中です。既に穂は傾いており、コシヒカリも出穂期に達しつつあります。ひとめぼれ、ササニシキ、まなむすめはすでに傾穂になっており、米粒の形ができているところもあります。8/13に韓国から帰国しましたが、仙台空港の近くの田圃はすでに黄色く色づき、またまたびっくりしています。最近は気温が下がり気味の傾向で、稲にはよい傾向であると思います。すでに、田圃の水を下ろしています。雨で十分間に合うという計算です。韓国の国立農業試験場の稲作部を見学してきました。さすがお米の国だけあって研究機関も充実していました。冷害は少なく、インフラ不足のための干害が最大の問題ということでした。まだ情報化は農業者までの浸透はないようです。しかし携帯電話の普及は日本並で、そちらから情報化が進むのでないかと思って来ました。カルビ、冷麺、キムチ、焼酎接待攻勢に少し食傷気味ですが、稲刈りに向け、お盆に休養をしています。」
・宮城県石巻市のモニターから直播の出穂日を知らせるメールが届く。
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。調査結果をいただき有り難うございます。収穫の秋を楽しみにしています。また、先日はかめ虫についての情報をいただきありがとうございました。圃場ですくってみてもかめ虫は確認できませんでしたが念ため一通り防除をしました。圃場に入ってみると草丈が胸のところまでのびているところが多く刈り取りまでには倒伏しそうです。先日の台風、あわやこちらを直撃か、と心配いたしましたが東の海上へ旋回したので安心致しました。近々にまた台風が発生しない事を祈るばかりです。このところ朝夕めっきり涼しくなり季節のうつりかわりを感じます.それにあわせ苺のほうも定植の準備
にはいります。」
・宮城県亘理町の友人から生育情報がメールで届く。
「おはようございます。調査圃の稲が8月12日頃に糊熟期に達したと判断されます。穂の中央部の籾に硬い芯が形成されつつあります。台風9号の動きが心配でしたが、日本本土にはほとんど影響がなくなったとのことで胸をなでおろしています。以上、稲の生育をお知らせいたします。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜19日まで):台風9号は北海道の東海上で停滞し、南から太平洋高気圧に覆われる予想。
・週間予報支援図(14日):20日頃から太平洋高気圧が東から広く張り出す予想となっている。残暑が続くのか。
・警戒メッシュ図(14日):ここ数日は最低気温も下がるが、最低気温は移動平均では高い状態が続く。
・日射量分布図(14日):日射量不足が懸念され地域はほとんどない。
・台風9号は衰えることなく発達しながらゆっくりと北上する。外周部を回って海風が太平洋側に入る。方向が変わるようなことがなければ良いが。一方、九州の西にある低気圧は徐々に雲が集まり、渦を巻くような気配を示す。
【研究活動】
・早期警戒システムの今後の発展につながる研究企画立案に追われる。関係県の方々もお盆休みを返上で、ご努力頂いているものと想像する。
【その他】
○8月16日(水)
【天気概況】
・高気圧に広く覆われ、概ね天気は良好。ただ大気の状態が不安定なため、にわか雨や雷雨がある。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターから来年の直播栽培の改善についてのメールが届く。彼等の稲作への情熱には感動するものがある。私たちも少しでもお手伝いできればと思う。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(15日):日本列島東海域の海面水温が平年より著しく高い海域には大きな変化はなく、依然として高い状態が続く。ただ、関東の南海域の海面水温は平年より低くなり始める。熱帯海域の海面水温はペルー沖沿岸部で平年より高くなり始め、徐々にではあるが変化が現れ始める。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜20日まで):台風9号はほとんど今の位置に停滞し、南から太平洋高気圧が張り出す予想となっている。
・週間予報支援図(15日):台風9号は21日頃まで今の位置にほとんど停滞するが、その後は偏西風の蛇行が大きくなり、北日本・東日本上空へやや強い寒気が南下する予想となっている。
・警戒メッシュ図(15日):最低気温が高い状態が続く。多くの稲は乳熟期から糊熟期にあり、高温障害が心配される。気温は平年並みだが、稲の生育ステージが平年とは大きく異なる。
・日射量分布図(15日):日射量不足が心配される地域はほとんどない。
・台風9号はさらに発達し、進路を北にゆっくりと進む。
・今後平年並みの気温で推移すると、8月末から9月上旬に成熟期を迎えるところがあると予想される。
・台風9号と北の高気圧の影響で、太平洋側を中心にやませが入る。岩手県北沿岸部や青森県太平洋側では気温が上がらない。
・台風9号の進路が北西に変わる。接近しないことを祈る。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「かけはし」が昨年より2日早く黄熟期に達する。
・古川農業試験場の紹介で、島根県の中学校の先生から東北地方の冷害、稲作、農家の稲作への意気込み、生き様などについて問い合わせの電話が入る。教材には早期警戒システムのホームページにある図説をご利用下さいとお願いする。
・中学校の先生からお礼のメールが届く。
「10月27日に当中学校で、社会科の研究授業を行います。題材は「東北地方の稲作」で行います。先ほどは、お忙しいところ丁寧に説明をしていただき、大変ありがとうございました。また、いろいろお聞きすることがあると思いますので、よろしくお願いします。本当にありがとうございました。」
・大阪府立大学農学部2回生の学生さんが今日から31日まで研修に来る。大阪の梅田から高速バス16時間程度かけて到着する。明日からは私たちと活動を一緒することになる。東北の自然、稲作、人々のすばらしさを体験していただければと思う。
【その他】
○8月17日(木)
【天気概況】
・概ね高気圧に覆われ、日本海側を中心に好天となる。太平洋側は台風9号と北の高気圧の影響でやませが入る。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「我が家のお盆も今日で終わりました賑やかなお盆を過ごしました。鳥越さんはどうでした?昨年とは違って出穂後の日照、夜温ともよ良いと思います。今日の夜は涼しく唱歌、虫の声を思わせる夜です。稲の生育も進み9月上旬の初めての稲刈りも実現しそうです。でも出来秋の期待とは別に過剰在庫米の中では厳しい秋かと思っています。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜21日まで):台風9号は北海道東海上に停滞し、太平洋高気圧が南から張り出す予想。
・週間予報支援図(16日):21日頃から日本付近で偏西風が南下し、蛇行の程度も大きくなる予想。北日本上空へかなり強い寒気が入る見込みとなっている。
・警戒メッシュ図(16日):平均気温からみると、秋田市と庄内周辺に26度を超える地域があり、最低気温は全般に平坦部で24度を超す地域が多い。
・日射量分布図(16日):日射量不足が懸念される地域はほとんどない。
・太平洋側沿岸部はやませが入り、気温は上がらない。
【研究活動】
・秋田県農業試験場と水田利用部を訪ね、プロジェクト研究課題案や航空機実験について打ち合わせを行う。秋田農試は移転し、新しい研究施設が整備されており、今後の活躍が期待される。
・航空機実験地の水稲の生育を観察する。発育予測モデルでイメージしていた通りであり、乳熟期から糊熟期にある。
【その他】
○8月18日(金)
【天気概況】
・高気圧の覆われ概ね晴れの良好な天気となる。日本海側は気温が30度を超す。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜22日まで):台風9号は東海上で停滞し、南から太平洋高気圧に覆われる予想。
・週間予報支援図(17日):今後とも太平洋高気圧に南から覆われる予想。北日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(17日):平均気温は秋田市と庄内で26度以上となるが、他は26度以下となる。最低気温は太平洋側では警戒温度を下回る地域が多くなるが、日本海側では依然として24度以上の地域が多い。
・日射量分布図(17日):日射量不足が懸念される地域はほとんどない。
・午前5時現在、岩手県北部や青森県太平洋側、内陸部では気温が15度を下回る。
・青森県・岩手県太平洋側沿岸部は台風9号の周辺を巻くやませの影響で気温が上がらない。
・台風9号は依然として大型の勢力を維持して、東北・北海道を伺う。また南には台風の卵が2つ。これらの今後の動きが注目される。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説がメールで届く。天気の変わり目に来たような予報内容である。
【研究活動】
・図説高温障害編を作成する。
・生育作柄診断試験区の「あきたこまち」「じょうでき」は昨年より1〜2日早く16日に糊熟期に達した。「ゆめさんさ」「どまんなか」はほぼ昨年並みに本日糊熟期に達する。「コシヒカリ」は昨年より2日遅く穂揃い期に達する。「あきたこまち」も籾の黄化が始まる。今月末にはかなり成熟期に近づくものと推察される。
・東北地方の自然立地情報データベースを構築されている岩手大学工学部教授にお会いし、プロジェクト研究企画への参画を依頼する。快諾を頂く。
・航空測量会社の担当者と21日からの航空機実験の連絡態勢の打ち合わせを行う。
【その他】
○8月19日(土) 早期警戒情報第18号
【天気概況】
・北の高気圧に覆われ、概ね晴れの良好な天気となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜23日まで):今後徐々に南から太平洋高気圧が日本付近を覆う予想。
・週間予報支援図(18日):22日頃から太平洋高気圧が南から張り出す予想。
・警戒メッシュ図(18日):最低気温は日本海側を中心に高い状態が続く。
・日射量分布図(18日):日射量不足が懸念される地域はない。
【研究活動】
・早期警戒情報第18号を作成する。このところ最低気温も一部地域を除いて低くなる。
【その他】
○8月20日(日)
【天気概況】
・北の高気圧に覆われ、概ね晴れの良好な天候となる。太平洋側沿岸部は海風が入り、気温は上がらない。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「良い天気が続いて順調に登熟が進んでいます。今年こそは期待できる実りの秋になりそうです。今度転作の南部小麦でうどんを作ることになりました。(こだわりうどん)予定は太いもちもち感のある讃岐うどんをイメージしていましたが、委託加工のため細めの自然乾燥の乾麺になりました。うどん製造のため勉強していたらオーストラリアにロゼラという小麦の品種があり、デンプンが多くコシの強さを示す最高粘度が970なそうです。東北農試で開発したもち性小麦の特性とは違うのですか、教えてください。宜しくお願いいたします。」
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「私も被害の映像を見ました。近所での被害の話は聞きません。ただひとつ気になるのが、出穂中だった直播きの穂を良く見ると、モミの一部が褐変しているものが散見されます。私の圃場だけではなく、他の人の移植栽培でも出穂が遅れたのに見られます。強い東風の吹いていた時は水を十分ためていたのですが、これもフェーンの影響だったのでしょうか。
最近暑さがぶり返しています。水管理にはまだ気が抜けません。ひとめぼれなどは大分穂が傾いてきました。今年は止葉が出た後で予想以上に草丈が出て一部倒伏の危険もあるようです。これから降るであろう雨は、なるべくやさしく降ってもらいたいものです。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(19日):日本列島東海上の海面水温が著しく高い領域に少し変化がみられはじめる。偏差値がやや低くなりはじめる。熱帯海域の海面水温の平年偏差には大きな変化は認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜24日まで):太平洋高気圧が南から広く日本列島を覆う予想。
・週間予報支援図(19日):24日頃から偏西風が南下し、蛇行の程度も大きくなる予想。
・警戒メッシュ図(19日):最低気温がやや高い状態が続く。
・日射量分布図(19日):日射量不足が懸念される地域はほとんどない。
・台風10号が南海上で発生する。今後の動きが注目される。
・NHKのニュースでフェーン現象による白穂が庄内地域の一部で発生したとのこと。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「おきにいり」「ササニシキ」が昨年より3日早く糊熟期に達する。「かけはし」は成熟間近となる。
【その他】
−−−−−−−−− 下旬 −−−−−−−−−
○8月21日(月) 航空機実験態勢に入る
【天気概況】
・太平洋側は海風が入り、気温も上がらない。一方日本海側は晴れ、気温が上がり30度を超すところもある。
【モニターネットワーク】
・宮城県亘理町の友人からメールが届く。
「調査圃の稲がほぼ黄熟期に達した(8/19〜20頃)と判断されます。今のところ倒伏も見られず、順調に登熟しているように見えます。「まなむすめ」は「ひとめぼれ」に比べて籾粒が少し大きく見えます。」(予測モデルの黄熟期と一致する。)
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜25日まで):太平洋高気圧に今後も広く覆われる予想。
・週間予報支援図(20日):太平洋高気圧に今後とも広く覆われる予想。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(20日):平均気温からみると、秋田県秋田市と角館周辺、山形県庄内地域は気温が高くなる。これら地帯は糊熟期を過ぎ、黄熟期に近づきつつあるものと推察される。
・日射量分布図(20日):福島県浜通りはこのところの海風の影響で、日射量がやや少なくなる。
・宮城県仙台市周辺の「ひとめぼれ」などが黄熟期に近づきつつあるものと推定される。
・太平洋側北部沿岸部と宮城県・福島県に海風が入り、気温は上がらない。一方、日本海側では気温が30度を超し、35度に近いところもある。
・仙台管区気象台から3か月予報とその解説がメールで届く。3か月とも平均気温は高い予想となっている。秋田県と山形県の少雨に関する気象情報が添えられている。
<秋田県>
秋田県では、梅雨明けした7月下旬頃から太平洋高気圧の張り出しが強まり、低気圧や前線の影響を受けにくくなっており、沿岸部を中心に雨の少ない状態が続いています。 また、気温も平年に比べ、1〜2度高い状態となっており、日中の最高気温が30度を超えるような日が続いています。今後数日間は、まとまった雨の降る見込みがなく、降水量の少ない状態が続きますので、農作物や水の管理には注意して下さい。また、今後発表される天気予報等に留意願います。
<山形県>
山形県では、庄内・最上地方を中心に7月下旬から雨の少ない状態となっており、8月12日以降は雨がほとんど降っておらず、最高気温が平年よりやや高い状態が続いています。今後、数日間は、概ね晴れて雨の少ない状態が続きますので、農作物および水の管理に注意してください。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区:「つがるロマン」が昨年より1日早く黄熟期に達する。「ひとめぼれ」「はえぬき」が昨年より2日早く糊熟期に達する。高温時期に登熟しているため、黄熟期から成熟期までの期間が著しく短くなっている。「あきたこまち」も黄熟が始まり、この調子では月末にかなり成熟期に近づく模様。
・航空機は本日秋田空港に向かい計測態勢に入る。
・現場の方に昨年同様に収穫の準備を早めに行うように依頼する。
【その他】
・アクセス総数が59,000件を超す。
○8月22日(火)
【天気概況】
・太平洋高気圧に広く覆われ、概ね良好な天気となる。大気の状態が不安定なため、にわか雨や雷雨がある。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜26日まで):太平洋高気圧が広く日本列島を覆う予想。
・週間予報支援図(21日):概ね太平洋高気圧が日本列島に張り出す予想。
・警戒メッシュ図(21日):平均気温は日本海側でやや高くなる。最低気温は実況よりやや高く評価している可能性がある。
・日射量分布図(21日):宮城県南部と福島県浜通り地域でやや日射量が少なくなる。
【研究活動】
・航空機実験実施のため、秋田県大曲市に出向く。早朝の天候予測では実験の可能性があったが、現地に到着すると雲が広がり、航空計測は不可能と判断された。
・実地調査を実施する地域の水稲の生育状況と適地の選択を行う。また仙北地域農業改良普及所に伺い、現地での調査が円滑に行えるように支援をお願いする。秋田農試の支援もあり快諾いただける。現地は大気の状態が明日も不安定であるが、実験実行に向け引き続き待機することにする。
【その他】
○8月23日(水)
【天気概況】
・概ね太平洋高気圧に覆われ、天気は比較的良好。上空に寒気が入り、大気は不安定な状態になり、にわか雨がある。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニター2人から、パソコンなどのトラブルの電話がある。1件は簡単に解決するが、もう1件は重傷のようだ。本体を送ってもらって、修復することにする。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(22日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には大きな変化はないが、東北・北海道沿岸海域の海面水温は平年並みに近づきつつある。熱帯付近の海面水温には大きな変化は認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜27日まで):今後とも太平洋高気圧に広く覆われる予想。
・週間予報支援図(22日):概ね太平洋高気圧に覆われる予想。北日本・東日本上空への強い寒気の南下は予想されていない。
・警戒メッシュ図(22日):平均気温は日本海側で上がり、27度以上の地域が秋田市周辺、庄内に広がる。これらの地域の水稲は黄熟期直前頃にあるものと推察され、登熟速度がさらに早まる見込み。
・日射量分布図(22日):宮城県全域と福島県浜通り地域でやや日射量が少なくなる。
・アメダス監視システムにトラブルが発生する。配信先に復旧を依頼する。
【研究活動】
・意見交換の広場に一般から次のような問い合わせがある。
「冷害について調べていたら、大正時代に、冷害の発生と太陽の黒点の数が関係しているという「太陽黒点説」をとなえた人がいることを知りました。現在では、黒点数の増減と冷害の発生に因果関係は存在すると考えられているのでしょうか?また、やませによって、連続して「みぞれ」が降るということはあるのでしょうか?すごく漠然とした質問で申し訳ないのですが、お答えいただければ幸いです。」
(航空機実験に追われているため、回答は少し時間を頂くことにする。)
・生育作柄診断試験区の「かけはし」が昨年より1日早く成熟期に達する。「あきたこまち」「じょうでき」が黄熟期に達する。「コシヒカリ」は傾穂期、「ゆめさんさ」「どまんなか」は黄熟期に明日に達する見込み。
・航空機実験は週間予報によれば明日の晴れ間が有望に思えるので、準備に万全を期す。
【その他】
○8月24日(木) 航空機実験実施
【天気概況】
・太平洋高気圧に広く覆われ、快晴の天気となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜28日まで):太平洋高気圧が今後とも日本列島を広く覆う予想。
・週間予報支援図(23日):太平洋高気圧が今後とも日本列島を広く覆う予想。
・警戒メッシュ図(23日):気温は日本海側を中心に上がる。
・日射量分布図(23日):福島県浜通り地域が日射量不足になる。
【研究活動】
・航空機計測と地上調査のため秋田県大曲市周辺に行く。天候はやや計測には不適だが、航空機が飛行予定コースを飛んだので地上での計測を実施する。高高度と低高度の2コースでの計測が行われたが、高高度の計測はコースの南部で雲の影響を受けたとのこと、低高度では2回計測を行い、そのうち一つのデータは利用できそうとのこと。実験終了後、皮肉にも空は透き通るように晴れる。
・NHK盛岡が実験を取材するために同行する。彼等の監視のもとに実験を行うことになる。4時間以上に及ぶ実験中、邪魔することなく暑い中忍耐強くカメラを回す。
・私たちの動きを不審がる近くの農家の人がスイカを差し入れしてくれる。乾いた喉には最高の美味しさであった。実験の概要をご説明し、納得して家に帰られる。
・盛岡に帰り、航空測量会社の担当者と打ち合わせを行う。明日、再度実験に挑戦することになる。週間予報から判断すると、最後の挑戦になる模様。
【その他】
○8月25日(金) 航空機実験第2日目
【天気概況】
・太平洋高気圧に覆われ、概ね晴れの良好な天候となる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「好天が続いていますが、水不足も何とかクリアし順調に水稲は生育しています。今年の出穂後の稲は、いつもと違うようです。全体的に、茎数が出たのに秋落ちせず、かえって葉色が出ている感が有ります。今年は、一番長いはずの親穂より、後から出た穂の方が長かったりしています。退化するはずの茎にも穂を付けていまして、遅れ穂や過剰1穂粒数の為に登熟悪化の心配も有ります。また、草丈がかなり伸びてきており、一部倒伏が心配な箇所も有ります。今後も、豪雨や強風が無い、穏やかな好天を願っています。このままだと、過剰粒数や遅れ穂の為に、積算温度だけでは適正な刈り取り判断が難しい所です。稲刈りが早まりそうなので、それまでに片付けなくてはいけない作業が山積みで、そちらの心配もしています。8/24〜26は、東北最大の山車で有名な”新庄祭り”が山形県新庄市で開催されています。山形新幹線の新庄延伸効果も手伝い、多くの方々がお祭りに出向いて賑わっていました。この、山車と祭囃子の余韻が消えると、秋はもうすぐです。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜29日まで):概ね太平洋高気圧に広く覆われる予想。
・週間予報支援図(24日):今後とも太平洋高気圧に南から広く覆われる予想。
・警戒メッシュ図(24日):平均気温、最低気温とも日本海側を中心に高くなる。
・日射量分布図(24日):宮城県全域と福島県浜通り地域でやや日射量が少ない状態が続く。
【研究活動】
・航空機実験再挑戦のため、秋田県大曲市周辺に行く。早朝から生育調査と穂いもちの発生状況を調査する。航空計測の適時間になっても、薄い雲が空を覆う。ぎりぎりまで待機して、最後の最後になって無事計測を終える。航空機のオペレータから計測を終えたと携帯に仕事を終えた安堵の声が届く。秋田空港に長いこと滞在し、日々数回気象状況をもとに連絡を取り合った緊張の連続であった。炎天下の調査であったため、一同くたくたになって盛岡に無事帰る。本当にご苦労さまでした。
・島根県の中学校社会科の先生からメールが届く。
「さっそく平成5年の大冷害に関するビデオならびに資料を送ってくださいまして、本当にありがとうございました。授業で有効に活用させていただきます。まことに勝手なお願いですが、本校で、きたる10月27日〔金〕の午前中に、県教育研究大会を行います。社会科で公開授業を行いますが、その際に鳥越様に生徒から直接電話でお話が聞けたらと考えています。いかがでしょうか。後日、電話で連絡いたしますので、よろしくお願いします。」
【その他】
○8月26日(土)
【天気概況】
・秋雨前線の影響で北部は天気がくずれる。
【モニターネットワーク】
・宮城県河南町のモニターからメールが届く。
「直播ひとめぼれは草丈 98cm、乳熟期は8月18日頃とおもいます。生育ムラがかなりあるようです。当ライスセンターでは 9月10日前後から収穫作業に入る予定です。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜30日まで):太平洋高気圧が広く日本列島を覆う予想。
・週間予報支援図(25日):今後とも太平洋高気圧に広く覆われる予想。
・警戒メッシュ図(25日):最低気温が平坦部を中心に高くなり始める。
・日射量分布図(25日):日射量不足が懸念され地域はほとんどない。
【研究活動】
・早期警戒情報第19号を作成する。今後とも太平洋高気圧の影響を受け、気温は高いと予想される。登熟がさらに促進されるものと推定される。今週頻繁に通った秋田県大曲市周辺の水稲は数日の間に黄熟期に達するものと思う。
・生育作柄診断試験区の水稲は黄熟期と成熟期の期間が高温のためかなり短縮される傾向がみられる。
【その他】
○8月27日(日)
【天気概況】
・太平洋高気圧に覆われ、概ね晴れの天気となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(26日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には大きな変化がみられない。中南米の沿岸海域の海面水温は平年よりかなり高くなる傾向がみられる。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜31日まで):今後とも太平洋高気圧に広く覆われる予想。
・週間予報支援図(26日):今後とも太平洋高気圧に広く覆われる予想。
・警戒メッシュ図(26日):平均気温は依然として高い状態が続く。
・日射量分布図(26日):日射量不足が懸念される地域はない。
【研究活動】
・意見交換の広場の「太陽黒点の質問に次のように返事する。
「返事が遅れて申し訳ございませんでした。さて、太陽の黒点と冷害との関係ですが、東北地方では太陽黒点の変動と関連させた80年周期、28〜30年周期性などの研究や学説があります。ただ、太陽黒点説は黒点の変動と大気の循環との関係が説明されていません。また太陽活動と北日本の冷夏については、極小期の近傍で気温の高低の不安定期にあるという研究もあります。また、民間の気象予測にも太陽の黒点に着目しているものもがあります。私は今のところ太陽の黒点と冷夏との因果関係が未だはっきりしていないと思っています。次のご質問ですが、やませによって「みぞれ」が降ることがあるかとのことですが、ほとんどないと思います。やませはオホーツク海高気圧の発達によって東北太平洋側に吹く湿った冷たい風(霧を伴う)をいいます。この風が来ると、植物や人に水滴が付着するほどです。やませでみぞれが降ったということは未だ聞いたことがありません。
ご質問があればメールを頂けましたら幸いです。」
【その他】
○8月28日(月)
【天気概況】
・北部は前線、太平洋側は海風の影響で曇る。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「天気は相変わらず晴れベースで、登熟も順調に進んでいます。刈取は9月15日頃からと考えていますが、それよりも少々早まるかもしれません。稲の成育に負けないよう稲倉や機械などの準備を進める必要があります。枝豆の収穫も後数日で終わりそうなので、その後はカメムシ対策で伸びに伸びた草刈です。これからも時間を気にしながらの作業が続きます。」
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「昨年も早かったのですが、今年はそれ以上の感が有ります。日中の気温が高くても、夜温が低いので順調のようです。昨年と違い根の活力も有るようで、このままだと「乳白等の心配も少ないのでは?」と考えています。今年は、平坦と中山間〜山間との生育差が少なくどこでも順調のようです。昨年同様、県内トップクラスの上位等級米の期待も高まっています。心配は、台風の進路と今後の発生頻度ですね。過剰米で、米価低迷の厳しい状況が今年も続きそうです。減農薬米や新形質米にも取り組んでいますが、なにより安定した品質(等級・食味)のお米生産の継続が大切だと認識しています。品種本来の、食味特性を最大限に生かせるように、稲体の活力維持に努めているところです。」
・宮城県亘理町の友人からメールが届く。
「小生の調査圃の稲は大分登熟が進み、穂軸先端が緑色から黄色に移りつつあるものが見られます。今日までのところ、倒伏は見られません。ほぼ成熟期に達したと判断して良いかと思います。ここ何日か高温で雨が無かったため、周辺の早期落水した田んぼでは稲が急速に黄化(枯れ熟れ)しているものも見られます。夕べの雨で倒伏しかかった圃場もちらほら目に付きます。稲刈りのピークは9月9〜10日になるのではないかと思っております。稲を見に来られるのであれば、9月3日以前であれば大丈夫です。私が立ち会えるのは9月2日だけになります(9月3日は地区総出の草刈が予定されています)。以上、稲の生育状況をお知らせいたします。」(モデルの予測と良く適合している。)
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜9月1日まで):太平洋高気圧が今後とも広く日本列島を覆う予想。
・週間予報支援図(27日):太平洋高気圧が今後とも広く日本列島を覆う予想。
・警戒メッシュ図(27日):日本海側では気温はやや下がるが、反対に太平洋側では気温が上がる。
・日射量分布図(27日):日射量不足が懸念される地域はない。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「かけはし」「むつほまれ」「つがるロマン」「あきたこまち」の収穫前穂数調査を行う。
・生育作柄診断試験区の「おきにいり」「ササニシキ」は昨年より5〜6日早く黄熟期に達する。「はえぬき」は昨年より7日早く昨日黄熟期に達したものと推定される。
・岩手県農業気象協議会に出席する。水稲の生育は例年よりかなり早まっている。ミニ講座では、東北農政局岩手統計情報事務所の担当官から「作況調査のしくみ」を詳しい紹介頂いた。
【その他】
○8月29日(火)
【天気概況】
・北部は前線の影響で曇る。南部は太平洋高気圧の影響で晴れる。北部太平洋側沿岸部は海風が入り、気温は上がらない。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜9月2日まで):今後とも太平洋高気圧が広く日本列島を覆う予想。
・週間予報支援図(28日):今後とも太平洋高気圧の影響を受けるが、9月2日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、日本列島東海上に気圧の尾根が形成される予想。
・警戒メッシュ図(28日):秋田市周辺、庄内、山形市周辺、福島県中通りなどで気温の高い状態が続く。
・日射量分布図(28日):青森県で日射量がやや少なくなる。
・東北農政局から8月15日現在の作柄表示地帯別作柄概況をファクシミリで送付頂く。作況指数の公表は今回見送られたが、同示数106以上の「良」は青森県青森・南部・下北、岩手県東南部・下閉伊・北部、山形県最上が該当する。同指数が99〜101の「平年並み」は宮城県南部・中部、山形県庄内が該当する。他の地帯は同指数102〜105の「やや良」となっている。新聞報道等によると、9月15日現在の公表より早めて、9月1日現在の作況指数が公表されるとのこと。今後は秋雨前線の南下と台風の接近が警戒される。悪天候が今後2週間ないことを祈る。
・宮城県亘理町の友人の「まなむすめ」が成熟期に達する。
・宮城県仙台市周辺の「ひとめぼれ」が成熟期に達しつつあると推定される。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の4品種の穂数が確定する。平方メートル当たり穂数は「かけはし」345本(昨年比91%)、「むつほまれ」330本(同98%)、「つがるロマン」324本(同91%)、「あきたこまち」365本(同99%)となる。
・生育作柄診断試験区の「むつほまれ」が昨年より4日早く成熟期に達する。「ひとめぼれ」が昨年より5日早く黄熟期に達する。
・水管理区などの水温を回収する。供試品種「あきたこまち」は成熟期に近づきつつある。
・大阪府立大学農学部谷井さんの研修として、総合研究第1チームの直播研究と技術開発状況を紹介頂きともに勉強する。
・明日は宮城県松山町と岩出山町のモニターの稲を見に行く予定。期待通りの稲があるものと思う。
【その他】
○8月30日(水) 松山町・岩出山町モニター訪問
【天気概況】
・高気圧に覆われ概ね晴れの天気となる。北部太平洋側沿岸部は海風の影響を受ける。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(29日):太平洋中緯度地域のほぼ全面の海面水温が平年より著しく高くなる傾向がみられる。熱帯海域の海面水温には大きな変化は認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜9月3日まで):今後とも太平洋高気圧に広く覆われる予想。ただ、台風12号が日本海に入ってくる可能性を示唆する。
・週間予報支援図(29日):今後とも太平洋高気圧の影響を受ける予想。台風12号は日本海北部に入ってくる予想。
・警戒メッシュ図(29日):平均気温は福島県浜通りと中通りで高く、高温障害の発生には注意が必要。
・日射量分布図(29日):青森県太平洋側で日射量不足が生じ始める。
・山形県鶴岡市のモニターの「はえぬき」「ひとめぼれ」が成熟期に近づきつつあると予想される。
・秋田県本荘の「あきたこまち」が成熟期に近づきつつあると予想される。
【研究活動】
・宮城県松山町と岩出山町のモニターを訪問し、稲の作柄と成熟状況を調べる。期待通りの稲があり、作柄はかなり期待できそうである。冷害にも高温障害にも強い理想的な生育型を実現したモニターも多い。
・東北自動車道など車窓から稲の成熟状況を達観調査する予測モデルの評価は概ね妥当であった。
【その他】
○8月31日(木) 大阪府立大学農学部谷井君の研修終了
【天気概況】
・高気圧に覆われ、概ね晴れの天気となる。
・台風12号は12時の予想によると、朝鮮半島を横断して日本海に入り、その後進路を東にとる。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターから近況を知らせるメールが届く。
「おはようございます。出穂後少し安心してしまいました。酒米の収穫は9月7日に刈り取りをします。続いて,9日にスノーパールの収穫に入り、11日からひとめぼれの収穫に入ります。ササシグレの収穫は9月20日を予想しておりますが鳥越さんの観測ではいかがでしょうか。現在の様子は次の通りです。酒米:穂軸の先が枯れてきた。下の方に青モミが残っている。全体にモミ粒が大きく大きく弓なりに倒伏しています。スノーパール:穂全体が黄熟してまもなく刈り取りが出来ます。ひとめぼれ:穂先が黄熟してぬれると透けて見えるようになりました。もう少し時間がかかる様です。直播ササシグレ:傾穂期から一部乳熟期に入っています。田んぼの低いところに根返り倒伏が見られます。今後の雨と台風の被害の無いことを祈りたいです。昨日は松山と岩出山の方に出向かれるとのこと、毎日の業務ご苦労様です。もう少しですので頑張ってください。」
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。昨日は、調査ご苦労様でした。お会いできず申し訳ありませんでした。稲のほうは多少、水不足はあるせよ春の弾丸暗渠が利き、高温障害の葉先枯れは少ない感じがします。トルコキキョウの出荷や、パンジーの定植に手間取り、稲刈りの準備ができずまた、9/1.2は大豆の防除の予定(無人ヘリ、私の家では作付けしていない)あったりして、稲の成育に人間がついていってない今日この頃です。私もお盆頃より、目をいため調子がいまいちです。予定では、9/5から稲刈りをする予定です。稲の姿はいいのですが、どのくらい収穫があるかはモミスリをして袋に収めない限りわかりませんが、昨年より少しいい反当り540kgではないかと予測しています。高温障害はどの程度出るかは予測できません。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜4日まで):今後は太平洋高気圧が弱まり、北日本付近に秋雨前線が形成される予想。台風12号は中国大陸へ向かう模様。
・週間予報支援図(30日):9月上旬は日本付近が低圧部となり、天気がぐずつく模様。その後は偏西風が南下し、その蛇行の程度も大きくなる予想。
・警戒メッシュ図(30日):平均気温は福島県中通りと浜通りで依然として高い状態が続く。
・日射量分布図(30日):青森県太平洋側と岩手県北部沿岸で日射量不足となる。
・仙台管区気象台の予報官から山形県の少雨に関する情報が昨日メールで届く。
「少雨に関する山形県気象情報 第2号。平成12年8月30日13時00分。山形地方気象台発表。(見出し):山形県では、7月下旬から降水量の少ない状態が続いており、今後さらに2〜3日間は気温が高く、降水量の少ない状態が続く見込みです。(本文):山形県では、局地的な雷雨の影響のあった地域を除き、7月下旬から降水量の少ない状態が続いています。また、太平洋高気圧に覆われ、晴れて気温の高い状態が続いています。今後、2〜3日間は、概ね晴れて、降水量の少ない状態が続きますので、農作物および水の管理に注意してください。」
・東北農政局発表8月15日現在の作柄をまとめる。
・宮城県築館「ひとめぼれ」、古川「ササニシキ」、亘理「ひとめぼれ」が成熟期に近づいているものと推定される。
・山形県酒田・鶴岡・山形の「はえぬき」が成熟期に近づいているものと推定される。
【研究活動】
・大阪府立大学農学部学生谷井さんが研修を終えて、盛岡を去る。2週間研究活動を共にする。青春の思い出が得られたなら幸いである。
・生育作柄診断試験区の「コシヒカリ」が昨年より3日早く糊熟期に達する。同「つがるロマン」が昨年より1日早く明日成熟期に達する見込み。
・明日は松山町の酒米研究会の一行が研修視察に来る予定。
・図説:1か月予報の地上気温時系列図の提供を作成する。
・意見交換の広場に一般の方からの問い合わせがある。
「丁寧な返答、どうもありがとうございました。論文の作成のために使用したいのですが、『冷害研究の歴史』について書かれた書物はあるのでしょうか?なにか良い資料がありましたら教えてください。」
【その他】
torigoe@tnaes.affrc.go.jp