水稲冷害研究チーム
2000年編集長日誌
この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。
9月
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○9月1日(金) 松山町酒米研究会研修視察
【天気概況】
・台風12号の影響で南から暖かい空気が入り、天気は崩れる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜5日まで):台風12号は今後東北北部・北海道付近まで近づく予想となっている。温帯低気圧に早く変わることを祈る。
・週間予報支援図(31日):台風12号は3日頃に東北北部に近づく、その後はオホーツク海に高気圧が発達する予想。
・警戒メッシュ図(31日):日本海側沿岸部で気温は上がり、登熟がさらに促進されると思われる。
・日射量分布図(31日):海風の影響で青森県太平洋側では日射量不足が続く。
・宮城県岩出山町モニターの「ササニシキ(対象)」が成熟期に達する。
・秋田県大館・横手の「あきたこまち」が成熟期に達したものと推定される。
・宮城県米山の「ひとめぼれ」が成熟期に達したものと推定される。
・東北農政局作柄表示地帯の宮城県南部(出穂盛期7月27日)と同中部(同7月28日)が成熟期に達したものと推定される。
・仙台管区気象台から「8月の東北地方の天候(速報)」が届く。高温・記録的少雨・雷多発がキーワードとしてつけられている。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説が届く。様式や図表の変更があるため、神田君に編集メニューを改正してもらう。
・明日の早期警戒情報から刈り取り適期画像情報を提供しようと思っていたが、1キロメッシュ処理システムが不調のため準備できない。復旧後に提供したい。
【研究活動】
・宮城県松山町の酒米研究会13名が研修視察に来る。東北農試の概要、水稲冷害早期警戒システムの活動、直播技術や麦大豆立毛間播種技術、冷害研究施設グラディオトロンなどを紹介する。早期警戒システムモニターも2名含まれ、4チームメンバーと全員で昼食を共にして意見や情報交換を行う。
【その他】
・総アクセスが60,000件を超し、記念すべき日となる。
○9月2日(土) 早期警戒情報第20号
【天気概況】
・低気圧の影響により日本海側と太平洋側北部で天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜6日まで):台風12号から変わった温帯低気圧が数日影響し、その後は太平洋高気圧に覆われる予想。
・週間予報支援図(1日):5日頃から偏西風の蛇行が大きくなる予想となっている。
・警戒メッシュ図(1日):気温はさらに上がり、登熟が加速される。
・日射量分布図(1日):青森県太平洋側で日射量不足が続く。
・秋田県角館・湯沢の「あきたこまち」が成熟期に達したものと推定される。
・宮城県白石の「まなむすめ」が成熟期に達したものと推定される。
・山形県狩川の「はえぬき」が成熟期に達したものと推定される。
・福島県相馬の「ひとめぼれ」が成熟期に達したものと推定される。
【研究活動】
・早期警戒情報第20号を作成する。いよいよ刈り取りが始まる模様。
・宮城県亘理町の友人の圃場(品種:まなむすめ)と岩出山町のモニター圃場(品種:ササニシキ・ひとめぼれ)の坪刈り調査に行く。
・宮城県松山町のモニターパソコンが修復できたので、設置に伺う。
【その他】
○9月3日(日)
【天気概況】
・低気圧が東北地方を南下したため、日本海側を中心に降雨となる。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「先日は東北農試での研修、忙しい時間を対応していただき大変ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。4日にこころまちを刈り取りしたいと思います。結果は後で報告します。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(2日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には大きな変化は認められない。また熱帯海域の海面水温も大きな変化はない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜7日まで):今通過中の低気圧が去ると、太平洋高気圧に影響される予想。
・週間予報支援図(2日):9日頃から偏西風が南下し、蛇行も大きくなる予想。
・警戒メッシュ図(2日):福島県中通り・浜通り地域の気温が著しく高くなる。
・日射量分布図(2日):青森県太平洋側で日射量不足が長く続く。
・宮城県松山町のモニターの「ひとめぼれ」が成熟期に達する。
・秋田県能代・大曲の「あきたこまち」が成熟期に達したものと推定される。
・宮城県大衡の「まなむすめ」、鹿島台・石巻の「ササニシキ」が成熟期に達したものと推定される。
・山形県米沢の「はえぬき」が成熟期に達したものと推定される。
・福島県若松「コシヒカリ」が成熟期に達したものと推定される。
【研究活動】
【その他】
○9月4日(月)
【天気概況】
・北の高気圧に覆われ、気温は下がる。太平洋側沿岸部は海風の影響でかなり気温が低くなる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「9/1〜3にかけての、台風から変わった温帯低気圧の影響でか、かなり強い暴風雨で一部倒伏被害を受けた圃場も見られるようになりました。刈り取り間近ですので、これ以上広がらない様と思っています。」
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「週末は大荒れの天気でした。ひとめぼれとササニシキ、コシヒカリを中心に倒伏が目立ちます。私の場合もひとめぼれとはえぬきで転作後の圃場の一部が倒伏しました。後はなるべく早く刈るために準備を進めるしかありません。カメムシ対策で8月中草刈しなかったもので、雑草が厚く草刈作業がはかどりません。この辺が来年の課題です。9月8日お待ちしております。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜8日まで):今後とも太平洋高気圧の影響を受ける予想。台風が九州付近に接近する予想となっている。
・週間予報支援図(3日):太平洋高気圧の影響を受ける予想。また台風の接近も予想される。台風14号の動きを注意する必要がある。
・警戒メッシュ図(3日):福島県中通り・浜通り地域で気温が高い状態が続く。
・日射量分布図(3日):青森県太平洋側と岩手県山間部で日射量不足となる。
・宮城県岩出山町のモニターの「ひとめぼれ」が成熟期に達する。
・宮城県石巻市のモニターの「酒米」「まなむすめ」が成熟期に達したものと推定される。
・宮城県のアメダス監視地点の全品種が成熟期に達したものと推定される。
・7月29日に出穂盛期であった宮城県北部が成熟期に達したものと推定される。これで宮城県東部を除いて成熟期を迎え、刈り取りが一斉に始まるものと思われる。
・仙台管区気象台から夏のまとめがメールで届く。キーワードは次の4つである。<夏平均気温は記録的な高温><6、8月は記録的な少雨><局地的な雷雨や短時間の大雨><台風第3号による記録的な大雨・強風>
・東北農政局から水温情報が届く。
【研究活動】
・ご質問を頂いていた一般の方からメールが届く。
「丁寧に情報を教えてくださって、どうもありがとうございます。僕は、日本近代文学を専門としています。農業と知識人とそこから生まれる文学というテーマで、研究を行っています。この研究の一環として、宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」を扱っています。この作品には、冷害に苦しむ農民が登場するので、いろいろ質問させていただきました。すごく、わかりやすくて、優しいホームページだと思います。また質問なのですが、現在、冷害に対する具体的な対策は、稲の品種改良以外に、なにか存在するのでしょうか。また、大正後期〜昭和初期には、冷害の具体的対策は存在したのでしょうか。それとも、予報することで精一杯だったのでしょうか?知識不足のため、漠然とした質問になってしまいますが、御返答いただければ幸いです。」
・生育作柄診断試験区の「あきたこまち」「じょうでき」「ゆめさんさ」が昨年より1〜2日早く成熟期に達する。「どまんなか」が昨年より3日早く5日に成熟期に達する見込み。
・島根県の中学校社会科の先生から電話があり、10月27日(金)午前に社会科の研修授業中に電話で生徒と話し合いをして欲しいと依頼される。
【その他】
○9月5日(火) モニターから稲刈りの便り届く
【天気概況】
・秋雨前線が北上し、太平洋側を中心に天気がぐずつく。海風が入り気温は上がらない。
・台風14号は発達しながら、西に進む。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターから刈り取りが始まったとのメールが届く。
「午後より予定通りこころまち(48アール)の刈り取りをしました。青未熟が少しみられましたし、まだ枝梗生きているためか籾に枝梗がついています。乾燥機の水分計で25%ありました。感触はまあまあですかね?調整しないとわかりません。」
・宮城県松山町のモニターから刈り取りが始まったとのメールが届く。
「昨日までにやっと盛り沢山だった行事も終わり大急ぎで稲刈りの準備を進め(まだ畦の草を全部刈り終わっていないのですが)コンバインと乾燥機の試運転をかねて約23アールの「ひとめぼれ」を午後4時頃から刈り取りました。まだまだ未熟米が多くちょっと早かったかなとも思いましたが、雀の被害がいまだに続いている圃場でしたので思い切って刈り取りました。お昼近くに雨が降ったりしたのに思ったよりも水分が低く28%ぐらいしかありませんでした。明日はトヨニシキを2haぐらいと天気が良ければ美山錦も少し刈りたいと思っています。早く新米が出来るのが楽しみです。」
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「まもなく、稲刈り本番です。今日のニュースで、庄内地方の”ひとめぼれ”出荷米の格付けが出ていました。心配されたカメ虫の被害もなく1等米だったそうです。自分の稲もそうだと信じつつ、刈り取り前の準備に追われています。」(嬉しい便りだ。)
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜9日まで):7日以降は太平洋高気圧の影響を受ける模様。
・週間予報支援図(4日):7〜9日頃は太平洋高気圧が張り出し、その後は偏西風が南下し、その蛇行の程度も大きくなる予想。
・警戒メッシュ図(4日):福島県で続いていた高温傾向がやや収まる。
・日射量分布図(4日):ほぼ全域で日射量が少なくなり始める。青森県の太平洋側と岩手県北部は海風の影響が続き、日射量不足が続く。
・宮城県松山町のモニター「ひとめぼれ」が成熟期に達したものと推定される。
・青森県弘前の「つがるロマン」が成熟期に達したものと推定される。
・山形県楯岡の「はえぬき」が成熟期に達したものと推定される。
・福島県福島の「コシヒカリ」が成熟期に達したものと推定される。
・出穂最盛期が7月29日であった宮城県東部は沿岸部を除き、成熟期に達したものと推定される。
・出穂最盛期が8月2日であった山形県庄内平坦部と秋田県秋田市周辺は成熟期に達したものと推定される。
【研究活動】
・東北大学の天文学の先生から、推定日射量分布図に関する問い合わせがある。郵政省通信放送機構仙台リサーチセンターをご紹介する。天文台設置の適地を捜しているようで、やませの影響の及ぶ範囲を知りたいとのこと。水稲冷害危険度地帯区分を参考にして頂くほか、残念ながらデータはない。
・水管理試験区の「あきたこまち」はほぼ成熟期に達する。部分的ではあるが、倒伏が始まる。
・昨年作成した高温障害診断手法を本年度に当てはめて検討する。
【その他】
○9月6日(水)
【天気概況】
・秋雨前線が東北太平洋側に南北に横たわり、南から湿った暖かい空気が入り始める。平成10年も同じ現象があったことを思い出す。
・気圧配置の状況が大きく変わる模様。北の高気圧と太平洋高気圧に挟まれ、日本付近が低圧部となり、長く天気がぐずつく可能性がある。これから刈り取り最盛期に入る地帯もあり、倒伏や刈り遅れが心配される。
・台風15,16号が発生する。台風14,15号の動きが注目される。
【モニターネットワーク】
・宮城県河南町のモニターからメールが届く。
「本日5日から酒米の刈り取りが始まりました。4−5日早い感じがしますが雨による倒
伏が心配なので刈りました。ひとめぼれの刈り取りは7日か8日になるとおもいます。当ライスセンターでは30haの刈取り予定で天気次第ですが、今月いっぱいかかると思います。ひとめぼれの直播ですが 草丈が長く倒伏が心配です。今雨が降っています。いつもなのですが稲刈りが始まると長雨に見舞われます。収量は後で報告いたします。」
・山口県の友人からメールが届く。
「朝夕めっきり涼しくなりました。昨夜など布団をかけて寝るくらいでした。夢うつうにこれで米が良いぞとにんまりしたところです。当方地方、コシヒカリをボツボツ刈っております。自分は植え付けも遅く今月の中から刈ろうと思っております。「ひとめぼれ」順調に生育しました。今年も美味い飯が食えると楽しみにしております。植え付けが遅い分、少し本数を入れたのが良いのではないかと今年は感じました。薄植えで、3本を限度としてやっておりますがいかがなものでしょうか?来年は、苗をたっぷり作り薄植えで坪70株入れてみようと思っております。今年など1箱浸水籾で120グラムを播種しました。お陰で欠株、1本苗が多く見受けられました。毎年、毎年が1年生です。だから百姓が楽しいのかもしれません。」
・宮城県岩出山町モニターからメールが届く。
「昨日、ひとめぼれ採種圃90aを稲刈りしました。前日の雨で、湿り気味でしたが、田圃は土間状態で仕事が大変はかどりました。収穫量は生もみ(水分31%)で反当り770kgほど(珪酸カリ施用)でした。昨年と同等な収量と思います。宮城は週間天気予報も天候が思わしくなく、台風も発生しているので、品質を落とさないよう、晴れ間を逃さず、稲刈りをしたいと思います。ご報告まで!」(精玄米収量は8.7俵と予想される。)
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(5日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域にはほとんど変化が認められない。熱帯海域の海面水温も変化はみられない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜10日まで):今後とも太平洋高気圧の影響を受ける予想。台風の接近は予想されていない。
・週間予報支援図(5日):今後とも太平洋高気圧が影響を及ぼす見込み。
・警戒メッシュ図(5日):高温傾向は収まる。
・日射量分布図(5日):ほぼ全域で日射量が少ない状態になる。
・宮城県松山町モニター「ひとめぼれ」が成熟期に達したものと推定される。
・宮城県岩出山町モニター「ササニシキ(過燐酸石灰追肥)」が成熟期に達したものと推定される。
・宮城県河南町モニター「ひとめぼれ」が成熟期に達したものと推定される。
・岩手県一関の「ひとめぼれ」が成熟期に達したものと推定される。
・山形県新庄の「はえぬき」が成熟期に達したものと推定される。
・8月2日に出穂盛期を迎えた秋田県北・中央では秋田・能代・本荘周辺が成熟期に達したものと推定される。同山形県庄内一帯が成熟期に達したものと推定される。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の早生品種を坪刈りする予定だったが、雨のため延期する。
・明日から明後日にかけて宮城県石巻市・河南町・松山町、山形県最上町・鶴岡市のモニター圃場の刈り取り調査を行うため、その準備に取りかかる。
【その他】
○9月7日(木) モニター圃場刈り取り調査
【天気概況】
・前線が沿岸に沿って停滞し、天気は太平洋側でぐずつく。
・台風14,15号が南海上で北上する。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜11日まで):今後とも太平洋高気圧の影響を受ける見込み。
・週間予報支援図(6日):11日頃から偏西風の蛇行が大きくなる。また台風も南岸に近づく予想となっている。
・警戒メッシュ図(6日):気温も下がり、高温障害の心配はなくなる。
・日射量分布図(日):全域で日射量が少ない状態が続く。
・山形県最上町モニターの「あきたこまち」が成熟期に達したものと推定される。
・青森県五所川原・三戸の「むつほまれ」が成熟期に達したものと推定される。
・秋田県大潟の「あきたこまち」が成熟期に達したものと推定される。
【研究活動】
・宮城県石巻市・河南町・松山町のモニター調査圃場の坪刈りを行う。稲の顔にはそれぞれの栽培者の特徴が現れるが、いずれも素晴らしい出来のように感じる。刈り取り後の収量・品質の報告が楽しみである。
・明日は山形県最上町・鶴岡市のモニター圃場を刈り取るため、山形県内に移動する。
・不覚にも携帯電話が使用できないため、情報の更新ができない。
【その他】
○9月8日(金) 山形県最上町・鶴岡市モニター圃場坪刈り
【天気概況】
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜日まで):
・週間予報支援図(日):
・警戒メッシュ図(日):
・日射量分布図(日):
【研究活動】
・山形県最上町のモニターを訪問する。「あきたこまち」は予想通り成熟期を迎え、坪刈りを行う。粒の張りは良く、良好な作柄が期待できる。「はえぬき」は黄熟期を過ぎたところ。周辺の早いところで刈り取りが始まる。
・山形県鶴岡市のモニターを訪問する。「ひとめぼれ」「はえぬき」は成熟期を過ぎ、刈り取りを待つばかり。両品種を坪刈りする。両品種とも粒の張りも良く、昨年よりは収量が上がるのではと期待される。天候をみて、「ひとめぼれ」から刈り取るとのこと。周辺では稲刈りが始まっている。
・同モニターの湛水直播圃場を観察する。見事な出来で感心する。10俵はかるく超えるのではと期待される。今までにこのような直播圃場は見たことがない。
・盛岡への帰り道、車窓からみると、宮城県では稲刈りが昨日よりさらに進む。
【その他】
○9月9日(土) 場公開日、早期警戒情報第21号
【天気概況】
・前線の影響で南から暖かい湿った空気が入り、全域で雨となる。場所によっては強い雨となる。倒伏・穂発芽などが心配される。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「昨日は暑い中試料の採取ということでご苦労様でした。稲刈りの準備もやっと終わりこの雨が上がり次第、ひとめぼれ、はえぬきと刈ります。今月末ころにはえぬきの直播きを刈り取る予定でいます。収量よりも品質の良いものができるよう期待しています。」
・宮城県松山町のモニターから刈り取りができなくて泣きたくなるとのメールが届く。稲は待ってくれないため、十数ヘクタールの刈り取りを予定しているものにとっては、天気との戦いだ。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜13日まで):太平洋高気圧は徐々に後退し、南海上を台風がゆっくりと西に移動する予想。
・週間予報支援図(8日):太平洋高気圧は徐々に後退し、13日頃から偏西風が南下し、その蛇行の程度も大きくなる予想。
・日射量分布図(8日):太平洋側を中心に日射量不足が続く。
・生育作柄診断試験区の「はえぬき」「ひとめぼれ」が昨年より4日早く成熟期に達する。
・岩手県紫波・遠野の「あきたこまち」が成熟期に達したものと推定される。
・福島県郡山の「コシヒカリ」と白河の「ひとめぼれ」が成熟期に達したものと推定される。
・8月2日に出穂最盛期にあった秋田県北・中央、3日に出穂最盛期にあった県南でほぼ全域は成熟期に達したものと推定される。
・8月2日に出穂最盛期にあった岩手県北上川下流は成熟期に達したものと推定される。
・新聞などで「全量1等米格付け」の記事が多く目に付くような時期となる。米の初検査は順調な滑り出しのようだ。
【研究活動】
・早期警戒情報第21号を作成する。刈り取りを待つ稲も多いが、予報などの情報では天気がぐずつく可能性もある。また台風の動きも注目される。
・雨の場公開となる。研究バスツアーにおいて生育作柄診断試験区の設置について雨の中午前と午後の2回紹介する。強い雨の中予想外にも、それぞれ30名程度の方々が来てくれる。
・「水稲冷害早期警戒システム」説明員となって対応した小林・神田両君は子供たちがパソコンを占領してシステムの紹介ができないと嘆きながら帰ってくる。
【その他】
○9月10日(日)
【天気概況】
・秋雨前線が停滞し、日本海側を中心に雨となる。刈り遅れや倒伏が心配される。
・大型で非常に強い台風14号が沖縄を目指して北上する。今後の動きが注目される。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(9日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域はさらに広がる。熱帯海域の海面水温には大きな変化はみられない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜14日まで):台風14号は南海上を移動し、日本付近は低圧部となる予想。
・週間予報支援図(9日):台風14号は中国大陸の方向に移動し、太平洋高気圧が東から張り出す予想。
・日射量分布図(9日):岩手県沿岸南部、宮城県山間部と南部、福島県浜通り北部が強度の日射量不足となる。
・青森県青森・鰺ヶ沢の「むつほまれ」、黒石の「つがるロマン」、三沢の「かけはし」が成熟期に達したものと推定される。
・秋田県鹿角・鷹巣の「あきたこまち」が成熟期に達したものと推定される。これで秋田県の全地点が成熟期に達したものと推察される。
・8月1日に出穂最盛期にあった青森県津軽・岩手県北上川上流地帯は成熟期に達したものと推定される。
・8月3日に出穂最盛期にあった山形県置賜地帯は成熟期に達したものと推定される。
・日別気温の設定値を変更する。
【研究活動】
【その他】
−−−−−−−−− 中旬 −−−−−−−−−
○9月11日(月)
【天気概況】
・台風14号に刺激され秋雨前線が活発化したため、南部太平洋側を中心に雨となる。刈り取りの遅れが心配される。
・台風14号はゆっくりとしたスピードで沖縄に向けて進む。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「連日の雨で、刈り取りがかなり遅れそうです。予報でも、好天は期待できそうに無く、途方に暮れている状態です。また、この雨と気温が高いことにより、品質低下につながりそうで心配しています。好天の再来と、連続発生中の台風の被害がないことを祈るばかりです。」
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「先日の視察及び観察穂の坪刈りご苦労様でした。あれからがんばったのですが、毎日の雨模様と機械の不調の為、昨日までの作業で坪刈り圃場の10a分が刈り取りできずに残ってしまいました。11日八時現在、石巻地方はまだ雨が降っていません。これからの天候を思うと憂鬱です。昨年も秋の長雨にたたられて刈り取り時期を逃し、品質を低下させましたが今年も繰り返しの様です。とりあえず、晴れ間を逃さず刈り取りに励みたいと思います。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜15日まで):台風14号はゆっくりと九州付近に接近する予想。
・週間予報支援図(10日):台風14号は西に進み、その後太平洋高気圧の影響を受ける予想。
・日射量分布図(10日):岩手県沿岸部・南部と宮城県全域で強度の日射量不足となる。
・岩手県軽米の「かけはし」が成熟期に達したものと推定される。
・山形県尾花沢の「はなの舞」が成熟期に達したものと推定される。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の坪刈り予定地の穂数が確定する。平方メートル当たり穂数は「かけはし」345本(昨年比91%)、「むつほまれ」330本(昨年比98%)、「つがるロマン」324本(昨年比91%)、「あきたこまち」365本(昨年比99%)、「じょうでき」368本(昨年比112%)、「ゆめさんさ」382本(昨年比105%)、「どまんなか」368本(昨年比111%)、「おきにいり」330本(昨年比110%)、「ひとめぼれ」378本(昨年比111%)、「ササニシキ」366本(昨年比96%)、「はえぬき」363本(昨年比110%)、「コシヒカリ」338本(昨年比111%)となる。
・生育作柄診断試験区の「ササニシキ」が昨年より3日早く成熟期に達する。
・過燐酸石灰追肥試験区と水管理試験区の穂数調査を行う。
・一般から次のような問い合わせがメールで届く。
「冷害とは関係ないので、こんな質問をして良いものかどうか・・・。大学時代に農学を専攻していなかったので、独学で勉強しているのですが、本に載っていないので、よかったら教えてください。イネにおいて、育種目標を多収性とした場合、半矮性遺伝子を利用するということですが、もう少し具体的な方法を知りたいのです(育種方法など)。畑違いなことかもしれませんが、私が探したホームページで気軽に質問できそうなところがここしかなかったので・・・。どうもすみません。無理ではなかったら、よろしくお願いします。」
(回答)光合成による物質生産は稲の受光態勢と密接に関係します。茎葉については、個々の葉を厚く小型とし、葉の向きは水平ではなく立ち気味に、これらの葉を個体としてある程度密集させながら、お互いに整然と立体的に配置すれば、効率的な光合成が行われます。実際の育種では草型はこのように改良されてきました。育種の歴史の中で、多肥条件での多収性と倒伏の問題を解決したのが、半矮性品種でありました。半矮性の育種は、1950年代から60年代にかけて目覚ましく進展しました。九州では、半矮性在来種の十石を母本として、ホウヨク、シラヌイ、レイホウなどの多収品種が次々と育成され、九州地方の収量水準を飛躍的に高めました。本州中部では、十石に類似した草型の白千本を母本に、金南風をはじめとする多くの品種が育成されました。東北では、突然変異育種法による短稈多収品種レイメイが育成され、アキヒカリなどの多収品種の母本となってきました。これらの品種の半矮性に関する遺伝子分析の結果、世界的に多収を実現している多くの品種が同一座の半矮性遺伝子を有していることを分かってきています。
【その他】
○9月12日(火)
【天気概況】
・秋雨前線が東北南部を横切り、南部を中心に雨となる。非情な雨に、モニターの方々も刈り取りが進んでいないものと推察される。
・東海地域で記録的な大雨となり、名古屋市を中心に大きな被害となる。周辺の農作物はどうなっているのか。
【モニターネットワーク】
・宮城県亘理町の友人からうれしい便りがメールで届く。
「先日は刈り取り調査ご苦労様でした。さて、収穫に入った途端にこの悪天候ですが、刈り取り作業は9月5日から始まり、9月10日までに約9割程度終わりました(調査圃は9月7日に刈り取りました。籾摺りは未だしていません。)。ここ数日は悪天のために作業を休んでいます。一部(刈り取り調査の時にご覧になった泥炭土壌の圃場)籾摺りを行いましたが、収量は精玄米が約560kg/10a、くず米が約68kg/10aでした。この異常に多いくず米量は、着粒過剰によって登熟歩合が上がらなかったこと示しています。但し、粗植にしても収量が低下しないことは分かりました(品種の違いは無視)。「まなむすめ」はほとんど倒伏が無く、刈り取り作業が非常に楽でした(但し、「みやこがねもち」はかなり倒伏が進んでおり、刈取りはこれからです!)。取りあえず、収穫の中間報告まで。」
・宮城県松山町のモニターから刈り取り状況を知らせるメールが届く。
「去年といい今年も刈り取り時期に雨の降る稲刈りです。こころまち以外蔵の華50アールを刈り取っただけです。8日以降進んでいません。倒伏または刈り取りに影響する状態には至っていませんが、蔵の華の穂発芽が心配です。籾はすっかり水付け状態です。風が吹かないことには刈り取りができません。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜16日まで):台風14号は北上し朝鮮半島に向かう予想。
・週間予報支援図(11日):台風14号は北上し朝鮮半島北部に向かう予想。台風の北上後には太平洋高気圧が張り出す予想。
・日射量分布図(11日):岩手県沿岸部と南部、宮城県全域、秋田県南部、山形県山間部、福島県北部では強度の日射量不足となる。
・岩手県雫石の「あきたこまち」、北上・若柳の「ひとめぼれ」が成熟期に達したものと推定される。
・8月4日に出穂最盛期にあった山形県村山・最上地帯は成熟期に達したものと推定される。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区などの坪刈り準備を行う。
【その他】
・アクセス総数が61,000件を超す。
○9月13日(水)
【天気概況】
・秋雨前線は北上し北部に停滞する。日本海側南部から天気は回復に向かう。稲刈りが進むことを期待したい。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(12日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には変化がない。熱帯海域の海面水温も変化はほとんど認められない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜17日まで):太平洋高気圧が東北に張り出し、秋雨前線は北に押し上げられる予想。台風14号は東シナ海を北上し中国大陸に向かう予想。
・週間予報支援図(12日):台風14号は東シナ海を北上し、中国大陸に向かう予想。それに伴って太平洋高気圧が張り出し、北日本上空には暖かい空気が入る予想。暑い稲刈りとなりそうだ。
・日射量分布図(12日):強度の日射量不足は青森県太平洋側、福島県浜通り・中通り北部までに広がる。
・生育作柄診断試験区の「コシヒカリ」が黄熟期に達する。
・8月3日に出穂最盛期にあった青森県青森地帯と岩手県東南部地帯は成熟期に達したものと推定される。
・8月5日に出穂最盛期にあった福島県中通り地帯は成熟期に達したものと推定される。
・8月6日に出穂最盛期にあった福島県浜通り地帯は成熟期に達したものと推定される。
・午前10時現在、山形県庄内地域は天気が回復し、風も強い。鶴岡市のモニターに待望の晴れ間が訪れる。刈り取りが始められるか。
・午前11時現在、秋田県南、山形県庄内・最上、福島県会津地域で日差しが戻る。太平洋側は海風の影響で雲がかかる。北部は前線の影響で雨となる。
・午後4時現在、ほぼ全域で雨が止む。
【研究活動】
・次世代早期警戒システムの概念設計の検討を始める。
・農業環境技術研究所の関係者が早期警戒システムの視察に来る。来年2月に国際ワークショップを開催する予定であるが、話題提供を依頼したいとのこと。
【その他】
○9月14日(木)
【天気概況】
・秋雨前線は北海道付近まで北上し、天気が回復してくる。日本海側は快晴となり、稲刈りが進むものと期待される。一方、海風の入る太平洋側も北部と南部は晴れ間が広がる。
・岩手県南部と宮城県北部は海風による雲がかかる。
・台風14号は東シナ海でほとんど停滞し、今後の動きが注目される。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターから待望の稲刈りが始まったとのメールが届く。
「長かった雨もようやく上がり、待ちに待った稲刈が13日より始まりました。初日は1.2haほど刈り取りましたが、27%台の水分で14日のお昼前まで乾燥に時間がかかりそうです。今日明日も天気が良さそうなのでがんばりたいとお思います。品質に付いては籾摺りをしてみないとまだ何ともいえませんが、感触としては悪くないかなと思っております。」(いよいよ始まり、ホッとする。期待の稲だけに成果が楽しみである。)
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜18日まで):偏西風は北上し、今後も太平洋高気圧の影響を受ける予想。
・週間予報支援図(日):
・日射量分布図(13日):ほぼ全域で強度の日射量不足となる。このところ低温傾向であり、登熟の遅れが心配される。
・福島県猪苗代の「初星」が成熟期に達したものと推定される。
・8月6日に出穂最盛期にあった福島県会津地帯の平坦部は成熟期に達したものと推定される。
・8月1日に出穂最盛期にあった青森県南部地帯の河川流域は成熟期に達したものと推定される。これで主要な水田地帯のほとんどが成熟期に達したものと推察される。秋の好天を期待したいが、夏のような好天になるのでは。
・日本海側では30度を超す気温となる。真夏のような日差しの中、稲刈りが本格的に始まったものと推察される。反面、倒伏した稲の穂発芽などが懸念される。
【研究活動】
・試験区の詳細な調査用標準株を刈り取る。坪刈りは来週に実施する予定。
・来週からコンバイン収穫が始まる。準備は万全に整っているようだ。
【その他】
・正式な名前は知らないが、赤トンボが群をなして飛び交う。秋恒例の出来事だ。
○9月15日(金)
【天気概況】
・秋雨前線は北上し、ほぼ全域で晴れとなる。日本海側はフェーン現象で気温が異常に上がる。倒伏した稲の穂発芽が心配される。
・台風14号と2つの熱帯性低気圧の動きが注目される。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「午後より天気が回復してきたので刈り取りを始めました。管内の検査状況は雨前ではカメムシの被害もなくオール1等のようです。酒米の「蔵の華」だけが背白、腹白、基部乳白があり、格付けが良くありません。収量はまあまあの580キロでした。今までの長雨の影響で「ひとめぼれ」はともかく、「蔵の華」と「ササニシキ」の発芽が心配されますが、明日以降刈り取りを急ぎたいと思います。「ひとめぼれ」の刈り取りまでは3日位有りそうです。」
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「稲刈りはさっぱり進んでいません。9/5に採種圃「ひとめぼれ」90a、9/7に「ひとめぼれ(過燐酸石灰区)」35a、「まなむすめ」47aを刈り取り、9/9まで東京にて資格再講習をし、それ以来、雨の為に稲刈りは全くしていません。9/13に初の米の検査日で、「ひとめぼれ」、「まなむすめ」は全量一等米でした。今年の米は、昨年と比べると米の粒張りや千重粒もよく、乳白もなく、心配したカメムシの被害もありませんでした。収穫量は「ひとめぼれ」が一等米(1.9mm)で8.5a/俵、全量で540kgほど、「まなむすめ」が一等米で(1.95mm)で8.8a/俵、全量で560kgほどでした。昨年より、30kgほど多い収穫量で、形質、味とも良い状態と思います。9/14も雨の後の状態が悪く、湿度が高く、風の無い状態なので明日も、稲刈りできない状態かもしれませんが、昨年同様雨の間をついて稲刈りしたいと思います。モニター各位も同じと思いますが、私も稲刈りの1割を終えたところです。米の品質をおとさず、稲刈りがんばりたいと思います。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜19日まで):今後とも太平洋高気圧の影響を受けるものと予想されている。
・週間予報支援図(14日):21日頃までは太平洋高気圧の影響を受ける予想。
・宮城県石巻市・河南町のモニターの直播が成熟期に達したものと推定される。
・青森県むつ「かけはし」、岩手県岩手松尾「あきたこまち」と江刺「ひとめぼれ」が成熟期に達したものと推定される。
・福島県東白川「コシヒカリ」が成熟期に達したものと推定される。
【研究活動】
【その他】
○9月16日(土) 早期警戒情報第22号,
【天気概況】
・秋雨前線は北上し、太平洋高気圧の影響を受ける。日本海側はフェーン現象で気温が高くなる。太平洋側は海風の影響で雲に覆われる。」
・台風17号が昨日発生する。今後の動きが注目される。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「13日は、風もなく夕方まで雲が立ちこめ(県境は霧雨)、朝露が乾かない状態でした。お隣の新庄地区は、朝から日が照っていたと言う話でした。14日も午前中は昨日と似た天候でして、午後から初めての刈り取りに入りました。予報では、明日の16日まで刈り取り可能みたいですので、頑張っている所です。ただ、水分が26%くらい有りますので、乾燥機の完了待ちが辛いところです。幸い、刈り取り適期を逃していませんので、品質は良いと思うのですが・・・?結果は、玄米になっていないのでまだハッキリしませんが、良いと感じています。今日は、夜温も高く(25度あった)夏のようです。変に蒸し暑く、傾穂している籾が発芽しないか心配です。」
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「貴重な晴れの天気が3日も続き「ひとめぼれ」の刈り取りが終了しました。明日からは引き続き「はえぬき」の刈り取りに入ります。水分も21%前後です。取急ぎ状況報告まで」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(15日):今後とも太平洋高気圧の影響を受ける予想。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜20日まで):今後とも太平洋高気圧の影響を受ける予想。
・週間予報支援図(日):
・山形県最上町モニターの「はえぬき」が成熟期に達したものと推定される。
・福島県石川の「コシヒカリ」が成熟期に達したものと推定される。
・アメダス監視システムに早朝からトラブル発生。
【研究活動】
・早期警戒情報第22号を作成する。気温が著しく高く、穂発芽などが心配される。
・宮城県松山町のモニターのパソコンが修理できたので設置行く。松山町や岩出山町では稲刈りはやっと本格化し、各地で作業が行われる。モニターも稲刈りに忙しい。秋晴れが待ち遠しい。
【その他】
○9月17日(日) 台風17号北上
【天気概況】
・寒冷前線が通過し、台風17号は北上し天気がぐずつく。
・台風17号の動きが注目される。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(16日):日本列島東海上の海面水温が平年より著しく高い領域には大きな変化は認められない。また熱帯海域の海面水温も大きな変化はみられない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜20日まで):今後とも太平洋高気圧の影響を受ける予想。
・週間予報支援図(16日):台風17号が通過後は南から太平洋高気圧に覆われる予想。
・台風17号はやや発達しながら、北上し、東北東海上を通過する予想となっている。今晩から未明に通過する模様。倒伏、強風害などが心配される。
・アメダス監視システムの実況表示機能にトラブルが発生する。データ配信先に復旧をお願いする。
【研究活動】
【その他】
○9月18日(月)
【天気概況】
・台風17号は三陸東海上を北上し、天気は回復に向かう。福島県川内・東白川では30ミリを超す降雨となるが、心配された程雨は降らなかった。
・ほぼ全域で晴れ間が期待でき、稲刈りが本格化するものと推察される。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「秋の長雨にたたられて、思う様に刈取りが進みません。酒米は18日今日検査です。米質はとても良いです。ただ、倒伏により収量が上がりませんでした。青米は反当り30kg程度出ましたが整粒の細がほとんど出ませんでした。刈取り適期としては予測通りだと思います。ひとめぼれを刈取ったところ、籾数の多さともみ張りの充実さに驚かされました。稲作りをして、しばらくぶりの経験です。モミには完熟した充実したでんぷんが詰まっている様です。くず米は少ない様です。ササシグレは25日に刈取ります。今日これから、ひとめぼれの残りを刈取ってきます。」
・宮城県亘理町の友人から収量・品質を知らせるメールが届く。
「おはようございます。思わしくない天気が続いておりますが、去る15日に刈り取りを終了しました。「みやこがねもち」の籾摺り作業が残っているだけです。さて、調査圃の収量が判明しました。収量は精米586kg/10a、くず米64kg/10aでした。「まなむすめ」の全平均は精米579kg/10a、くず米65kg/10aでした。くず米に関しては過去最高の収量(例年の5〜8割増!)でした。くず米には青米が多いことから完全に着粒過剰であったと思われ、なんと効率の悪い稲作であったことかと反省しています。先頃、全体の4割ほど出荷しましたが一等に格付けされました。以上、収量結果についてお知らせします。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜20日まで):今後とも東海上に中心をもつ高気圧に覆われる予想。
・週間予報支援図(17日):台風通過後は南から高気圧に覆われる予想。
【研究活動】
【その他】
○9月19日(火)
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、ほぼ全域で良い天気となる。稲刈りがさらに加速されるものと期待する。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターからグループで収穫した酒米の一部が1等に格付けされたとのうれしいメールが届く。栽培をはじめてから3年目にして大きな成果が得られたようだ。
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜23日まで):偏西風は北上し、南に中心をもつ高気圧に覆われる予想。
・週間予報支援図(18日):南に中心をもつ高気圧に覆われる予想。北日本上空にはかなり暖かい空気が入ってくる予想。
・青森県十和田・八戸の「むつほまれ」が成熟期に達したものと推定される。これで青森全監視地点で成熟期を迎えたことになる。
・岩手県久慈の「かけはし」が成熟期に達したものと推定される。
・福島県船引の「コシヒカリ」が成熟期に達したものと推定される。
【研究活動】
・穎花の分化と退化を調べるために、水管理試験区・過燐酸石灰追肥区の穂のサンプルをとる。
・試験圃場のコンバイン収穫が始まる。明日は水管理試験区などが刈り取られる予定。
【その他】
○9月20日(水)
【天気概況】
・移動性高気圧に広く覆われ、ほぼ全域で晴天となる。
【モニターネットワーク】
・宮城県河南町のモニターから収穫状況を知らせるメールが届く。
「9月5日から刈り取りが始まったものの、雨続きで作業が思うように進みません。今週は天気が良いようなので、150%頑張りたいと思います。当ライスセンターでは、倒伏した稲から刈り取るように考えています。まだ、調査ほ場のひとめぼれは刈っていません。9月19日現在、刈取り状況は、32ha中、10ha位です。水分は初め30%前後から始まり、本日は20%を割りました。」
・一般の方から回答に対するお礼のメールが届く。
「こんにちは。先日イネの半矮性育種について質問したものです。お礼が遅くなってすみません。とても丁寧に教えていただき感謝しています。最近農業を勉強し始めたのですが、専門が生物学なのでわからない事だらけです。いろんな本を購入してみたのですが、載っていなかったので、質問してしまいました。どうもありがとうございました。また質問することがあったら、よろしくお願いします。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(19日):太平洋中緯度地帯において日本列島からアラスカ沖まで広い範囲で海面水温が平年より著しく高い傾向が続いていた。ここにきて、太平洋中緯度地域の中央部で海面水温が平年より低くなる傾向が現れ始めた。日本列島東海域の海面水温が平年より著しく高い領域には大きな変化はなく、著しく高い状態が続く。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜24日まで):今の気圧配置の状態が続く見込み。
・週間予報支援図(19日):25日頃から偏西風が南下し、気圧配置に変化が出てくる見込み。
・仙台管区気象台から3か月予報がメールで届く。秋の気温は高いと予測されている。
【研究活動】
・国立研究機関をアメリカ合衆国など海外に紹介する「チャンネルJ」が企画案をもとに、当場の研究活動の映像収録に来る。中心的な課題は「やませ」の水稲冷害研究であり、早期警戒システムも午後の時間を使って収録が行われた。開発目的、現在の開発状況、ホームページの内容、生育・作柄診断試験区の意味などについて取材を受ける。
【その他】
−−−−−−−−− 下旬 −−−−−−−−−
○9月21日(木)
【天気概況】
・移動性高気圧に広く覆われ、ほぼ全域で好天となる。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからうれしいメールが届く。
「昨日「ひとめぼれ」を210袋出荷しました。倒伏程度3程度に傾いて更に雨と高温で穂発芽を心配していたのですが、1等に格付けされ一安心です。今年は未熟米が極端に少なく、整粒もとても充実してきれいです。収量については最後にならないとわかりません。今日で移植「はえぬき」の収穫も終わりました。直播き「はえぬき」の刈り取りは25日頃にと考えています。枝梗も1/3程度黄化してきてるところもありますが、まだ青未熟の多いところもあったりと生育にばらつきがあります。これも播種時の鳥害のために追い播きしたところに起因するところが大きいかと思います。私の直播きは8月10日の出穂期なので積算気温1000℃に達するのは、山形農試庄内支場のある藤島で9月22日なそうなので25日の刈取りは妥当なところかと思われます。今年は9月いっぱいで収穫がすべて終わりそうです。その日を楽しみにもうひとがんばりです。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜25日まで):25日頃から日本付近で偏西風の蛇行が大きくなり、東海上に気圧の尾根が形成される予想。オホーツク海上に高気圧が形成される予想。
・週間予報支援図(20日):25日頃から偏西風が蛇行し、日本付近が低圧部となり、一方オホーツク海上に高気圧が形成される予想。秋雨前線が活発化するか。
・大型で非常に強い台風18号が監視画面に現れる。今のところ日本付近に直接的な影響はない模様。今後の動きが注目される。
【研究活動】
・試験区の籾摺りが始まる。「あきたこまち」は粒の張りや粒揃いも良い。
・生育作柄診断試験区「コシヒカリ」を除いて、坪刈りが終わる。
・気象現象の時間的・空間的スケールと早期警戒の監視態勢の関係を整理する。時間的スケールとしては1週間以上、空間的なスケールとしては100km以上を東北地域の冷温障害また高温障害の監視基準とすると、最も重要な現象はブロッキング高気圧、次には温帯低気圧と台風となる。台風も安定生産上は監視項目にならざるを得ない。中規模の現象としては梅雨前線と秋雨前線が付加されることになる。この時間的・空間的なスケールに合わせた早期警戒の予測と実況把握が重要なポイントとなるものと考えられる。
【その他】
○9月22日(金)
【天気概況】
・天気は低気圧の接近で徐々に下り坂に向かう。週末天気がくずれるため、稲の刈り取りがさらに遅れる可能性がある。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからうれしいメールが届く。
「地域の「ひとめぼれ」の収量は550キロくらいでこの辺ではやはり豊作です。「蔵の華」は570キロくらいですが等級がいまひとつです。「美山錦」は520キロくらいでやや豊作で等級が大変よく初めての1等がでました。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜26日まで):26日頃から偏西風が大きく蛇行し、東海上に気圧の尾根が形成され、オホーツク海に高気圧が形成される予想。
・週間予報支援図(21日):24日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、東海上に気圧の尾根が形成される予想。
・福島県二本松の「コシヒカリ」が成熟期に達したものと推定される。福島県の監視アメダス全地点で成熟期を過ぎる。残すのは、生育作柄監視試験区の「コシヒカリ」と岩手県宮古の「あきたこまち」となる。これらも数日後には成熟期に達すると見込まれる。
【研究活動】
・本省農林水産技術会議関係者が場を視察。水稲冷害早期警戒システムの研究活動を紹介する。
・水管理・過燐酸石灰追肥試験区のコンバイン収穫が始まる。
・米の消費量が伸びないのを残念に思い、神田君が関連リンクに「お米を食べよう!」のコーナーを新しく設ける。そこには3つのホームページが紹介されている。
【その他】
○9月23日(土) 早期警戒情報第23号
【天気概況】
・低気圧が近づき、各地で雨となる。
【モニターネットワーク】
・岩手県種市町のモニターからメールが届く。
「種市町は8〜9割、久慈市7〜8割方終わっています。台風の影響を受けた低気圧のせいで、先々週、先週と雨続きとなったのが響いています。倒伏した田も少しは有ったようで、刈り取り適期に雨降りとなるのも昨年同様でした。台風17号の進路には全く冷や汗ものでした。(それてくれて本当に有難う)」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜27日まで):東海上に気圧の尾根が形成され、日本付近は低圧部となり、ぐずついた天気が続くものと予想される。
・週間予報支援図(22日):25日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、日本付近は低圧部となり、また寒気が入りやすくなる予想。
【研究活動】
・早期警戒情報第23号を作成する。今後ぐずついた天気が予想されるため、刈り取りの遅れが心配される。
【その他】
○9月24日(日)
【天気概況】
・低気圧の影響でほぼ全域で強い雨となる。刈り遅れが心配される。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「長雨の影響で予定より遅れて始まった刈り取り作業ですが、「ヒメノモチ」「あきたきまち」「スノーパール」と、その後の好天にも恵まれ順調に刈り取りを終えています。今年は、屑米が極端に少なく(10kg/10a前後)玄米の粒張りも良いようです。また、刈り取り時期が適正だったこともあり、品質も良好のようですのでご安心ください。「はえぬき」は、8/9に出穂期だった私の圃場の場合、9/23に平均気温の出穂後積算気温が1000度に達しました。リミットの1200度まで10日程の余裕が有りますので、現在降っている雨の回復を待っているところです。管内は、6〜7割の刈り取り終了になっているようです。もう少しです、稲ワラの回収作業も織り込みながら、頑張っています。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(23日):日本列島東海域の海面水温が平年より著しく高い領域には大きな変化はみられない。また熱帯海域の海面水温も変化がみられない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜28日まで):27日頃までは東海上に気圧の尾根が形成され、オホーツク海に高気圧が居座る予想。
・週間予報支援図(23日):今後は偏西風が南下し、蛇行の程度も大きくなる予想。27日頃までは東海上に気圧の尾根が形成され、オホーツク海に高気圧が居座る予想。その後は寒気が南下する予想となっている。
【研究活動】
【その他】
○9月25日(月)
【天気概況】
・動きの遅い低気圧の影響で北部を中心に天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「雨が降ってやっと一息つきました。稲刈りの進捗状況は9割ほど終わって、残ったのは直播のササニシキだけとなりました。収量は品種別でいろいろで、すべて分かるのは今月末頃になると思います。品質としては「ひとめぼれ」は良いようです。直播の3品種は除草に失敗したので収量こそ上がりませんが、品質は上々だと思います。我が家の稲ではないのですが、今年は「ひとめぼれ」がコンスタントに540s以上の収量があり、中には620sの収量を上げた人もいました。ササニシキはほとんどが510s前後でした。また詳しいことが分かりましたらメールします。」
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「22日から昨日まで島根県で開催された第四回亀の尾サミットに参加してきました。今日、直播のササシグレの刈り入れをします。「ひとめぼれ」の最終収量はまだ出ません。品質は1等米格付です。但し、1.9mm以下の細い完熟米がかなり出ており、今年の天候としては不本意な結果です。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜29日まで):偏西風は南下し、蛇行の程度も大きくなり、北から寒気が南下する予想。
・週間予報支援図(24日):偏西風は蛇行し、北から寒気が南下する予想。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「コシヒカリ」が昨年より2日早く成熟期に達する。
・富山県農業試験場の友人から講師依頼の打診がある。
・青森県の中学校から次のような問い合わせがある。
「今、総合学習で紫黒米について調べています。@なぜ 紫黒米が注目されているのですか?A紫黒米の作付け面積は広がっているのですか?」
(水田利用部稲育種研究室の友人に回答をお願いする。)
【その他】
○9月26日(火) 発育監視終える
【天気概況】
・動きの遅い低気圧は北海道付近に居座り、北の高気圧が張り出す。また寒気が入るため、日本海側は天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターから調査圃場の収量の報告が届く。
「日雨のため調査圃の調製をしました。1ヘクタールで201袋(30キロ)の収穫でした。まあまあですが刈り取りをしていてコンバインの排塵に不稔籾が多くみられ籾数と登
熟バランスが良くなかったようです。刈り取りも後3.6ヘクタールになりました。」
(10俵を達成していただき、大変うれしい。)
・東大阪市の友人から久しぶりのメールが届く。
「鳥越編集長、お久しぶりです。病気や怪我ではありませんが少々、パソコンから遠ざかった生活をしておりました。まとめて日記を読ませていただきました。相変わらずバイタリテー溢れた活躍の様子が伝わってきます。今年は去年よりは良質なお米が出来上がっているようですね。収穫時期でお忙しい処恐縮ですが、少し教えてください。下記のお話が気にかかりました。
○9月18日(月)・宮城県亘理町の友人から
586kg/10a、屑米64kg/10aでした。「まなむすめ」の全平均は精米579kg/10a、屑米65kg/10aでした。くず米に関しては過去最高の収量(例年の5〜8割増!)でした
○9月24日(日)
山形県最上町のモニターからメールが届く。今年は、屑米が極端に少なく(10kg/10a前後)玄米の粒張りも良いようです。
くず米というのはどうゆう物ですか?又、その用途は? 市場に出回っているものですか?」
(とりあえず、一般的な回答をお返しし、モニター各位に詳細を聞くのが適切であろう。)
・宮城県岩出山町のモニターから早々に返事が来る。
「屑米は十分に実らない米のこと。主に専門業者、雑穀業者に買われて、再選別し、一部は米として出荷し、また建築用糊や家畜の飼料になります。」(携帯電話からポイントをおさえた簡単な解説が届く。)
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜30日まで):29日頃までは偏西風が南下し、蛇行も大きく、北から寒気が入りやすい状態が続く見込み。30日からは偏西風は東西流となる予想。
・週間予報支援図(25日):月末にかけて、北日本・東日本上空へ強い寒気が南下する予想となっている。
・岩手県宮古の「あきたこまち」が成熟期に達したものと推定される。これでアメダス監視全地点の発育追跡を終了する。
【研究活動】
・紫黒米の質問に対して、まずは次のように返答する。稲育種研究室から返事が来たら、お知らせすることにする。
「ご質問のメールありがとうございます。
@なぜ 紫黒米が注目されているのですか?
A紫黒米の作付面積は広がっているのですか?
紫黒米(紫米)は一般に有色米に入ります。有色米には他に赤米(あかまい、あかごめ)などがあります。これらは玄米の果皮に赤褐色や紫色の色素を含むものです。昔は赤米も多く作られていました。東南アジア諸国では、有色米は現在も栽培されており、赤飯、おかゆ、菓子など、祝祭事用として珍重されています。有色米は精白すると果皮の色素がぬかとともに除かれて、普通の米と同様に白い米になります。それで、有色米は玄米のままか、色素が少し残る程度に精白して利用されます。この米の色素は浸漬する過程で全体に染み出し、紫や淡赤色のご飯になります。日本でも近年、有色米に対する関心が高まり、赤飯や着色酒、高級呉服の染色などへ利用が期待されています。特に紫黒米については、赤飯、黒粥、だんご、寿司などの着色米飯、着色酒(古代酒風)、紫黒米の色素を利用した漬け物(ぬか漬け)、染め物などに利用されています。私の知ってる範囲では、これらの利用目的は地域の特産品を作り、地域興しに役立てようとするものと推察されます。大規模な産業として、どのように利用されているか私は知りません。現在、東北農試の水田利用部稲育種研究室の友人に問い合わせています。返事が来ましたら、お知らせいたします。なお、紫黒米の作付面積は不明です。ただ、東北地域でも各地で紫黒米を材料に、様々な利用法を検討しているように新聞などから伺えます。
以上、回答いたしますが、さらに不明な点がありましたらメールを下さい。
・今度は別の生徒さんから同様の質問がメールで届く。申し訳ないが、同じ回答で返事を出す。
・発育予測モデルを用いて、平成5年冷害の発育状況を確認する。障害不稔の発生もさることながら、遅延型冷害も顕著である。品種「かけはし」は成熟直前、基幹品種の「あきたこまち」もやっと黄熟期に達して、また「ひとめぼれ」は糊熟期に達して秋冷を迎えたものと推測される。
【その他】
・アクセス総数が62,000件を超す。
・明日から3日間夏休みをとる。30日には京都で恩師渡部忠世先生の喜寿の祝いがある。久しぶりの京都であり、また大学時代の多くの仲間が集まるであろう。帰りに岡山市の実家を訪ねる予定。10月1日に盛岡に戻る。
○9月27日(水)
【天気概況】
・寒気が入り、日本海側では天気がぐずつく。稲刈りが進まない状態が続く。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターから屑米について返事が届く。
「お問い合わせの件ですが、選別した後に残る屑米には2種類有ります。農業共済基準では、食料米の最小の米の大きさは1.75mm以上の網目を通るものとゆう規定があります。しかし実際の出荷用選別網目は1.9mmから1.95mmの物で選別しており、その間に残るものを農家の自家消費用飯米として再分類したり、あるいは、農協以外の米穀集荷業者に売り渡します。さて、米穀集荷業者に売り渡された小粒米及び未熟粒(通称青米)は精度の良い米粒選別機等を用いて再選別し、一般のお米と同じ流通ルートに載り、市場に出回ります。但し、粒が小さいのが特徴です。それから、未熟粒はそれに含まれるでんぷんを必要とする専用の事業部門に流通します。米でんぷんを使って行われる事業の例:ビール醸造用添加米、接着用のりの原料、紙の製紙行程での利用(グラビア紙等は表面にでんぷん等が塗布されています。)味噌、しょうゆ等の醸造用原料、家畜のえさ、タンパク、アミノ酸等有機化学工業用原料などですが私の推論ですので少し大げさなところも有ろうかと思います。いずれにせよ、安価に整粒米が入手でき、又、でんぷんの利用が可能です。私の小さい頃は、小粒米は自家用販米とし、未熟粒をえさとして鶏や豚などの家畜を養い、米の消費の循環が出来ていました。現在は、集荷業者に任せっぱなししです。米がもたらす“でんぷん”は太陽のエネルギーで作り出された有機物です。何も無いところから形有るものが出きるのは農業を置いてほかに有りません。今後食料を生産する農業者としてどうあるべきかをおおいに考えさせられます。」
・山形県最上町のモニターから屑米に関する回答が届く。
「出荷する米(玄米)は、収穫した米を通常1.9mm目のふるい網に掛けて精選したものです。(品種や気候によって玄米の大きさが微妙に違いますので、最適な網(私は2.00〜1.85)を使用して選別しています) この時、未熟米や奇形米等の不完全米が除かれます。 この除かれた米を、屑米と言っています。通常25kg/袋に詰めて、JAや業者さんに出荷します。農家では、一部を”玄米浸け”や、家畜の餌に使用する人もいるようです。出荷した分は更に大きさ別に分けられ、用途別に利用されると言う話は聞きます。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(26日):日本列島東海域の海面水温が平年より著しく高い領域には変化が見られない。熱帯海域の海面水温も大きな変化が見られない。
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜10月1日まで):29日頃から偏西風は東西流となり、天気は周期的な変化となる予想。
・週間予報支援図(26日):今後とも偏西風が南下し、蛇行も大きく、寒気が入りやすい状態が続く予想。
【研究活動】
・データ配信先の指示に従って、アメダス監視システムのメモリー増設を行うが、認識されなく空振りに終わる。
・93年冷害の被害診断の詳細について予測モデルを利用して行う。盛岡の基幹品種「あきたこまち」は前歴期間の著しい低温が障害不稔の多発に大きく影響したことが予想される。
・水管理試験区のコンバイン刈り取りがやっと始まる。
【その他】
○9月28日(木)
【天気概況】
・オホーツク海にある動きの遅い低気圧と寒気の影響で、日本海側では天気がぐずつく。この影響の今日までの予想。週末は天気が回復し、稲刈りが進むものと期待される。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターから屑米についてメールが届く。
「屑米とは米を選別するときの網目の大きさがあります。普通は1.9ミリを使いますこの目から落ちたものを屑米といいます。しかし1.9ミリ以下でも良いのがありますから、比重選別機とか色彩選別機とかで選別し用途に合わせて再選別するようです.一番良いものは食用にビール、味噌米菓、糊、飼料などになるようです。集荷するには米同様許可が必要で私は農協に出荷しますが専門に買い集める雑穀商の人もいます。今年は1キロ60円前後のようです。」
・山形県最上町のモニターから天気のいたずらを嘆くメールが届く。
「朝から雨で、刈り取りの予定が立ちません。昨日は、刈り遅れ等で待っていられない方が、晴れ間を縫って行っていましたが、急な雨で一向に進んでいないようでした。明日から2日程、予報では晴れなのでそれに期待しているところです。アメダスでは、日本海方面が主に雨だったようですね?本当に、天気の回復を祈っています。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜10月2日まで):週末は一時的に天気が回復するが、またオホーツク海に低気圧が停滞し、寒気が入りやすい状態が予想される。
・週間予報支援図(27日):10月1日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、寒気が北日本・東日本上空に入る予想。
【研究活動】
・明日の岩手県農業気象協議会において「水稲冷害早期警戒システムの開発状況」の講演を依頼されたので、その資料、OHPフィルムを作成する。
【その他】
○9月29日(金)
○29日(金)岩手県農業気象協議会
【天気概況】
・移動性高気圧の中心が東北地方に移動し、全般に良好な天気となる。良い天気は今日、明日と続く見込み。その後は天気がぐずつくと思われる。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町の紫黒米を栽培しているモニターから中学生の質問について回答が届く。
「昨日やっと稲刈りも終わり、今日は自家用に栽培した有機米(自然乾燥)8aの脱穀作業をしました。田圃に稲がなくなってほっとしております。さて、質問の答えになるかどうか分かりませんが、いま現在の思いをお答えしたいと思います。私が紫黒米と出会ったのは3年前の農協青年部の研修旅行で行ったいわき市の米の販売店でした。そこでは、時代に先取ったというか変わった取り組みをしていて、生産者と直接契約をして作らせた「ミルキークイーン」や蜂蜜を薄めて葉面散布させた「はちみつ米」(米が甘くなるらしい)などを取り扱い、中でも「古代米」は健康食ブームも手伝って一際力を入れているようでした。そこで「赤米」と「紫黒米」を見せてもらい種子も販売するということでしたので、青年部員と相談して、小学校の「学習田」で合鴨を使って栽培してみようということになり種子を購入しようということになりました。きっかけは以上のような経緯からでしたが、一度作って食べてみると以外に美味しかったのと、ご飯の色が小豆色で着色料を使わない赤飯の色と一緒でした。赤飯に入っている小豆が嫌いな人もこれなら食べられるといって喜んで食べていました。米糠を嘗めてみたらすりゴマのような味がしたので、おにぎりにまぶして食べてみたら大変美味しかったです。社長の話では、ある人が紫黒米を炒って煎じて飲んだら白髪が黒くなったという興味津々の話もしていましたので、これは絶対に作って試してやろうと思ったのも事実です。(まだ試してはいませんが)そんなことから、農協青年部としての取り組みに独創性を持たせるのと、小学生に学習させることで地域の話題づくりになるということと、健康食ブームにあやかったことと、一般米よりも高値で売れるということと、農業におもしろさをもたせるということで、現在栽培に取り組んでいます。参考になればと思います。」
・水田利用部稲育種研究室の友人から「紫黒米」について回答を頂く。
「@「紫黒米」には、その名の通り、玄米の「果皮」とよばれる部分(米糠の一部だと考えて下さい)に、黒みがかった紫色が発色します。この紫色の色素は、アントシアニン色素と呼ばれるもので、化学的には「ポリフェノール」という化合物の一種です。この「ポリフェノール」を摂取すると、血圧を安定させる効果や、体内での活性酸素(ガンの発生を促進する物質の一つ)の増加を抑制する効果などがあるといわれています。(ただし、全てのポリフェノールにそうした効果がある、というわけではありません。)こうしたことから、一種の「地域特産の健康食品」の材料として注目されていると考えられます。ポリフェノールは、例えば赤ワインにも豊富に含まれているので、数年前には、赤ワインが健康に良い、とマスコミなどで宣伝され、「赤ワインブーム」が起きたこともありました。サツマイモなどにもアントシアニン色素を多量に含む品種があるので、紫黒米と同様に健康食材として注目されています。紫黒米の用途としては、赤飯(小豆を入れなくても紫色になります)、着色酒、菓子の材料などが考えられています。また、紫黒米品種の中には、玄米だけでなく稲の葉や茎などにも紫色が発現するものがあり、田圃に植えておくときれいに見えるので、一種の観光資源(要するに、見世物)として利用している地域もあるようです。A紫黒米は、数年前から少しずつ作付面積を広げていますが、一般の食用の品種(あきたこまち等)に比べると注目されているとはいえ紫黒米の需要はかなり少ないので、今のところ、作付面積は日本全国での合計でもせいぜい数十ha程度ではないでしょうか。
このあたりは、食糧庁発表の統計にも現れませんので、正確なことは分かりません。紫黒米品種の中では、当研究室で育成した「朝紫」が、面積が多いものの一つだと思われます。その他に、主に関東以西で、海外から導入した紫黒米品種を作付けしている人もいます。」
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜10月3日まで):2日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、東北地方付近が低圧部となり、寒気が入りやすい状態となる見込み。
・週間予報支援図(28日):2日頃から偏西風の蛇行が大きくなり、日本海付近が低圧部となり、天気がぐずつく見込み。
【研究活動】
・定例の岩手県農業気象協議会に出席する。「水稲冷害早期警戒システムの開発状況」について講演する。
【その他】
・恩師渡部忠世京大名誉教授の喜寿の祝いが京都市内で開かれるため、夜行バスで東京へ向かう。京都は娘の大学受験に付き添って行ってから4年ぶりの訪問となる。学生時代また助手時代のことがよみがえり、気分は高ぶる。大学時代ドイツ語を個人的に教えていただいた故長井先生の奥様に是非ともお会いしたい。
・ホームページのことも気になるが、今回は停電もあるので休止させて頂く。
○9月30日(土) 懐かしの京都
【天気概況】
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・NOAA海面水温平年偏差図(日):
・ECMWF北半球500hPa高度場(〜日まで):
・週間予報支援図(日):
【研究活動】
・恩師渡部忠世先生の喜寿のお祝いの会に出席する。満78歳におなりになったが、まだお元気で著作活動をなされている。最近小学館から出版された「稲にこだわる」を拝受。大学時代の仲間が多く集まり、近況を語り合う。
・大学時代お世話になった故長井先生の奥様にお会いする。突然の訪問に大変驚かれる。お元気のようで安心する。
・久しぶりに大学を訪れ、農場や研究室を訪ねる。
・夜、母の待つ岡山に移動する。
【その他】
torigoe@tnaes.affrc.go.jp