水稲冷害研究チーム

2001年編集長日誌



この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。

9月

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○9月1日(土) 早期警戒情報第19号
【天気概況】
・寒気を伴った低気圧が通過し、その後高気圧の覆われ、太平洋側を中心にやませが入る。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターから近況を知らせるメールが届く。
「枝豆の収穫の終わりとともに気温の方もずいぶん涼しくなってきました。ひとめぼれやはえぬきはずいぶん色づいてきました。先日の台風では被害もなく無事にやり過ごすことができ幸いでした。今はカメムシ対策で8月中刈らずにいた圃場の草刈に追われています。雑草の草丈も伸びて80cm位になっているところもあり、作業もなかなかはかどりません。しかし色づき始めた稲穂を見ながらがんばっています。稲刈りは9月10日頃には始まると思うので、それまでに機械の点検や作業場の籾溜めの準備など、遅れないように進めていかなければなりません。今年も1等米である事を願っているところです。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(1日): エルニーニョ監視海域の海面水温は平年より低くなる。日本列島からフィリピンにかけての海域の海面水温は平年より低くなる傾向がみられる。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年より低い状態が続く。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(31日):エルニーニョ監視海域の海面水温はほぼ全域で負偏差となる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(31日):今後低気圧が日本付近に停滞、5日頃から東海上からオホーツク海にかけて気圧の尾根が形成される予想。
・気象庁週間予報支援図(31日):今後低気圧が日本付近に停滞し、5日頃から東海上からオホーツク海にかけて気圧の尾根が形成される予想。北日本・東日本上空へはやや強い寒気が入る予想。地上気圧配置予想(1日)によると、8日頃までは北に偏った高気圧の影響を受け続ける見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):ほぼ全域でかなりの降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:岩手県北部沿岸で生育遅延が懸念される。
・日射量不足域:全域で強度の日射量不足となる。登熟遅延が懸念される。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域: 最低気温から見ると、山形県庄内沿岸部、宮城県南部沿岸から福島県浜通り、福島県福島市周辺。
・青森県太平洋側と岩手県沿岸部に低温注意報が引き続き出される。
【研究活動】
・早期警戒情報第19号を作成する。今後一週間、低温と日照不足が続く見込み。登熟の遅れがかなり心配される地域もある。
・生育作柄診断試験区の「かけはし」が成熟期、「はえぬき」が糊熟期にそれぞれ達する。
【その他】

○9月2日(日) 
【天気概況】
・北に中心をもつ高気圧に覆われ、日本海側を概ね晴れるが、太平洋側はやませが入る。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(1日):エルニーニョ監視海域の海面水温は全域で負偏差となる。−0.5℃の海域を現れる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(1日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、東海上からオホーツク海にかけて気圧の尾根が形成される予想。
・気象庁週間予報支援図(日):
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):秋田県北部、岩手県北部、山形県庄内と北部では降水を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県太平洋側、岩手県北部と沿岸部、福島県阿武隈山系などではやや生育の遅延が心配される。
・日射量不足域:青森県太平洋側、北上川流域を除く岩手県全域、宮城県全域、福島県浜通りなどでは強度の日射量不足が続く。東北全域で日射量不足の状態にある。
・極端な最低気温域:なし。
・高温障害が懸念される気温域:最低気温から見ると、山形県庄内沿岸部、宮城県沿岸南部、福島県浜通りと福島市周辺。
・青森県太平洋側と岩手県沿岸部に低温注意報が引き続き出される。
【研究活動】
【その他】

○9月3日(月) 
【天気概況】
・北海道付近に中心をもつ高気圧と前線の影響で天気はぐずつく。太平洋側はやませが入り、気温が上がらない。
【モニターネットワーク】
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。籾褐変異常の資料ありがとうございました。 明日、採種圃の最終検査です。9月3日より大豆の無人ヘリによる防除作業に入ります。稲刈りは予定より遅く9/12頃から採種圃の刈り取り作業予定ではありますが、穂のこまり具合が大変悪く、なかなか黄金色になりません。地域の方々によると、例年より収穫量がかなり落ちるのではないかと心配の声が多く聞かれます。」
・宮城県亘理町の友人からメールが届く。
「おはようございます。調査結果を郵送頂きまして有り難うございました。太平洋側は日本海側と比較して褐変籾がかなり多いのですね。実感しています。当地でも海に近いところで特に褐変籾が多いと聞いています。やはり低温の影響でしょうか。さて、私の稲は平均的には黄熟期と言ったところですが、平年に比べて登熟の揃いが悪くバラツキが大きいのが特徴です。刈り取りは9月20日前後になるのではないかと思っておりますが、登熟の不揃いがあるため刈取り適期を決めるのには悩まされそうです。」
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「褐変籾に関する資料とどきました。太平洋側と秋田地方という地域差も見られるようで興味深いデータです。これから収穫も始まるわけですが、実際の収量も注目したいものです。資料どうもありがとうございました。参考にさせていただきます。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(2日):エルニーニョ監視海域の海面水温は全域で負偏差となる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(2日): 偏西風は日本付近で大きく蛇行し、北から寒気が入りやすい状態が8日頃まで続く予想。
・気象庁週間予報支援図(2日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気が入りやすい状態となる。地上気圧配置予想(3日)によると、10日頃かで北に偏った高気圧の影響を受け続ける見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):青森県と岩手県でまとまった降水を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県太平洋側、岩手県北部・沿岸部、福島県阿武隈山系では生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:青森県太平洋側と岩手県北部では強度の日射量不足が続く。また全域で日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:なし。
・高温障害が懸念される気温域:最低気温から見ると、山形県庄内沿岸部、宮城県沿岸南部、福島県浜通りと福島市周辺。
・青森県太平洋側と岩手県沿岸部に低温注意報が継続して出される。
・仙台管区気象台から8月の天候のまとめが届く。キーサードは、@東北太平洋側の低温・寡照、A台風第11号の接近とある。
【研究活動】
・青森県で集めたサンプルの穂相の調査を行う。イネの反応は正直である。
【その他】

○9月4日(火) 
【天気概況】
・低気圧が日本の沿岸部を東に通過するため、南部を中心に天気がぐずつく。
・太平洋側はやませが入る。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「先日はご苦労様でした。鳥越さんが来町以来多少天候不順であるものの、夜涼しいこともあり日増に色ずいています。でも、出穂開花のばらつきが登熟状態にも影響していて刈り取り予定日を決めるのが難しそうです。」
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「資料届きました。参考にさせていただきます。昨日、管内の山間地に行って来ました。以外に遅れていました。原因として、今年の気候なのでしょうが、適地品種選択の概念がここ数年の高温気候で、かなり薄れてきたのが大きいのかも知れません。山間地向けの、良食味新品種”ゆめさやか”の期待が農家で大きいようでした。最近の気温は、平年値を下回っており、我が家で一番早く出穂したヒメノモチも、このままだと9/20前後の刈り取りになると見ています。積算気温データより、やや遅れている感が有ります。今後の、天候回復に期待しているところです。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(3日):エルニーニョ監視海域の海面水温は全域で負偏差、−0.5℃の海域も徐々に広がり、−1.0℃の海域も現れる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(3日):偏西風は日本付近で蛇行し、寒気が入りやすい状態が続く。台風は9日頃まで南海上で発達を続ける見込み。
・気象庁週間予報支援図(3日):偏西風は日本付近で蛇行し、寒気が入りやすい状態が続く。台風が8〜10日頃に接近し通過する予想となっている。地上気圧配置予想(4日)によると、9日頃までは北の高気圧に影響される予想。台風は10日頃に中部地方、11日頃に東北に接近する予想。稲刈りが始まる時期だ。今後警戒が必要だ。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(4日):海面水温が20℃以下の親潮は部分的に福島県北部まで南下。
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):宮城県と福島県全域、青森県と岩手県沿岸部で降雨が観測される。
・生育遅延が懸念される地域:青森県太平洋側、岩手県北部と沿岸部、福島県阿武隈山系で生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:日射量不足は徐々に解消され始めるが、依然として全域で日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:なし。
・高温障害が懸念される気温域:最低気温から見ると、山形県庄内沿岸部、宮城県沿岸南部、福島県浜通りと福島市周辺。
・青森県太平洋側と岩手県沿岸部に低温注意報が継続して出される。
・仙台管区気象台から夏の東北地方の天候(まとめ)がメールで届く。キーワードは次の通り。@気温の変動が大きい、A7月は東北北部で多雨・寡照、東北南部で少雨・多照、B8月は東北太平洋側で低温・寡照、C梅雨入りの時期は東北南部、東北北部とも平年より早かった、D梅雨明けの時期は東北南部は平年よりかなり早く、東北北部は特定しなかった。
【研究活動】
・青森県で収集したサンプルの穂相調査を行う。
【その他】

○9月5日(水) 
【天気概況】
・オホーツク海高気圧が張り出す。
・午前5時現在、岩手県北部山間部は気温が10℃を下回る。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(3日):エルニーニョ監視海域の海面水温は平年より低くなる傾向が顕著となる。日本の東海上からフィリッピンにかけての海域の海面水温は平年より低い傾向。カムチャッカ半島周辺海域の海面水温は平年より低い状態が長く続く。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(4日):エルニーニョ監視海域の海面水温は全域で負偏差となり、−0.5℃の海域の面積が増え、−1.0℃の海域も現れる。ラニーニャ的な現象になり始める。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(4日):日本付近は気圧の谷となり、寒気が入りやすい状態が10日頃まで続く。台風は南海上で停滞する予想。
・気象庁週間予報支援図(4日):7日頃から東海上に中心をもつ高気圧の影響を受ける予想。台風は高気圧の縁に沿って北上し、10日頃九州付近に接近する予想。地上気圧配置予想(5日)によると、今後とも北に偏った高気圧の影響を受ける予想。日本付近には前線が停滞する見込み。台風は10日頃九州付近に接近する予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(5日):海面水温が20℃以下の親潮は部分的に宮城県沖まで南下。
・穂いもち警戒(前日の降雨分布): 岩手県、宮城県、山形県、福島県の全域で降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:岩手県沿岸北部では生育遅延が懸念される。青森県太平洋側、岩手県北部・沿岸部、福島県阿武隈山系では生育遅延が心配される。
・日射量不足域:青森県太平洋側と岩手県沿岸部は日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:ない。
・高温障害が懸念される気温域:最低気温からみると、山形県庄内沿岸部、宮城県沿岸南部、福島県浜通りと福島市周辺。
・青森県太平洋側と岩手県沿岸部に低温注意報が継続して出される。
【研究活動】
・青森県で集めたサンプルの穂相調査を終える。データをまとめてみると、予測通りの結果であった。
【その他】

○9月6日(木) 生育作柄診断試験区収穫前穂数調査
【天気概況】
・オホーツク海高気圧が中部地方まで張り出し、北部は晴れるが、南部はやませの影響を受ける。
・午前5時現在、気温は岩手県北部山間部や遠野で10℃を下回る。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(5日):エルニーニョ監視海域の海面水温はほぼ全域で−0.5℃となり、部分的に−1.5℃の海域も現れる。ラニーニャ的な現象へ向かうのか。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(5日):今後、東海上に中心をもつ高気圧が張り出す予想。台風15号は南海上を西進する予想。
・気象庁週間予報支援図(5日):偏西風は今後北上し、東海上に中心をもつ高気圧に覆われる予想。北日本上空への暖かい空気が入る予想。台風15号は南海上を中国大陸へ西進する予想。地上気圧配置予想(6日)によると、低気圧が東北日本海まで北上し、南から暖かい空気を引き込む予想。11日以降は北に偏った高気圧の影響を受ける模様。台風15号は南海上を西進し、中国大陸方面に向かう模様。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(6日):海面水温が20℃以下の親潮は部分的に宮城県金華山沖付近まで南下。
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):岩手県沿岸部と福島県浜通りで降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県下北半島と岩手県北部・沿岸部で生育の遅延が懸念される。また青森県太平洋側、岩手県北部と福島県阿武隈山系で生育の遅延が心配される。
・日射量不足域:太平洋側全域で日射量不足となる。登熟への影響が心配される。
・極端な最低気温域:岩手県北部山間地で最低気温がかなり低くなる。
・高温障害が懸念される気温域:最低気温からみると、山形県庄内沿岸部、宮城県沿岸南部から福島県浜通り、福島市周辺。
・青森県太平洋側と岩手県沿岸部に出されていた低温注意報が解除される。
【研究活動】
・褐変籾と不稔の発生に関する調査結果をとりまとめ、関係者の報告する。
・生育作柄診断試験区の「かけはし」「ゆめあかり」「むつほまれ」「つがるロマン」について代表株を決めるため収穫前穂数調査を行う。穂数は前年より少ない傾向がみられる。一方、1穂は大きく見える。出来秋は近いが、地域による時期の違いが本年は大きくなる見込み。
・明日からは第2巡目の実態調査に入る。まず、宮城県のモニター圃場を起点に一般圃場を中心に観察を行う予定。
【その他】

○9月7日(金) 宮城県実態調査
【天気概況】
・北から高気圧が張り出し、太平洋側を中心に気温は上がらない。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(6日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差となり、−1.0℃以下の海域が大きく広がり始める。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(6日):台風15号は日本の南海上に進み、日本列島を北上する予想。
・気象庁週間予報支援図(6日):9日頃から東海上に中心をもつ高気圧に覆われる予想。台風15号は9日頃から九州付近に接近し、西に通過する予想。北日本上空へは今後暖かい空気が入る見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):ほとんど降雨は観測されなかった。
・生育遅延が懸念される地域:青森県太平洋側、岩手県北部と沿岸部、福島県阿武隈山系で生育の遅延が心配される。
・日射量不足域:太平洋側全域で日射量不足が続く。登熟の遅延が心配される。
・極端な最低気温域:岩手県北部と遠野周辺でかなりの低温となる。
・高温障害が懸念される気温域:最低気温からみると、山形県庄内沿岸部、宮城県沿岸南部、福島県浜通りと福島市周辺。
【研究活動】
・宮城県モニター圃場と一般圃場の登熟状況や穂いもちの発生状況を観察する。褐変籾は依然と目立つ。穂いもちも黄熟期を迎え、発生圃場が車窓からの観察でも容易に分かるようになる。登熟歩合を推定するために穂を集める。
・作柄調査を行っている東北農政局統計情報部の方々と出会う。生育を追跡する基準筆の調査とのこと。
【その他】

○9月8日(土) 早期警戒情報第20号
【天気概況】
・高気圧に覆われ、概ね良好な天気となる。気温も上がる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(7日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差、−0.5℃の海域の面積が増える。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(7日):台風15号は日本に上陸し、日本海に抜ける予想。
・気象庁週間予報支援図(7日):台風通過後は東海上に中心をもつ高気圧に覆われる予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):北部と太平洋側で降水を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県太平洋側、岩手県北部と沿岸部、福島県阿武隈山系で生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:
・極端な最低気温域:岩手県北部と遠野周辺。
・高温障害が懸念される気温域:なし。
【研究活動】
・早期警戒情報第20号を作成する。台風15号の動きが注目される。
【その他】

○9月9日(日) 
【天気概況】
・台風15号の影響で、太平洋側を中心に天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(8日):エルニーニョ監視海域の海面水温は平年より低い。日本列島東海域の海面水温は平年より低くなる傾向がみられる。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年より低い状態が続く。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(8日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差、−0.5℃以上の海域の面積がほとんどとなる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(8日):台風の通過後は偏西風の蛇行の程度が大きくなり、寒気が入りやすい状態となる見込み。
・気象庁週間予報支援図(8日):台風の北上に伴って南から暖かい空気が入る予想。通過後一時的に高気圧に覆われるが、14日頃から偏西風の蛇行の程度が大きくなり、北から寒気が入りやすくなる見込み。地上気圧配置予想(9日)によると、台風15号は11日頃関東から東海地方に上陸し、12日頃東北付近を北上する予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):北部と太平洋側でまとまった降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県太平洋側、岩手県北部・沿岸部、福島県阿武隈山系では生育の遅れが懸念される。
・日射量不足域:福島県中通りや阿武隈山系では強度の日射量不足となる。太平洋側を中心に日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:ない。
・高温障害が懸念される気温域:ない。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「むつほまれ」「つがるロマン」が成熟期、「めんこいな」「ササニシキ」が黄熟期に達する。「こいむすび」は昨日で糊熟期に達する。
【その他】

○9月10日(月) 
【天気概況】
・台風15号が東海地方に接近し、太平洋側を中心に天気が崩れる。
・台風は11日東北地方を通過する予想。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「今日はフェーン現象のためかとても暑く34度近くあるようです。また今回の台風の進路は日本海側にとても大きな影響をもたらしそうです。今日あたりから刈取のコンバインが見られるようになりました。私も13日か、14日から始めるつもりですが、どれくらいの風と雨になるもかとても気がかりです。13日に鳥越さん達がいらっしゃるわけですが、台風の被害調査にならないことを祈っています。」
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「やっと大豆の防除も終わり、秋のお祭り(伊達政宗公祭)も終え、稲刈りの準備に入ろうとしたときまたもや台風来襲で、また田んぼに入れない状態です。私の家の最初の稲刈りは天候がよければ9/13か14になる予定です。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(9日): エルニーニョ監視海域の海面水温は全域で負偏差、−0.5℃以上の海域の面積が増える。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(9日):台風の通過後、偏西風は北上し、15日頃までは南から高気圧に覆われる予想。
・気象庁週間予報支援図(9日):偏西風は15日頃から日本付近で大きく蛇行し、北から強い寒気が入る予想。それまでは高温傾向とみられる。地上気圧配置予想(10日)によると、台風15号は11日に東北地方を通過する見込み。16日頃から北から高気圧が張り出す予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(10日):海面水温が20℃以下の親潮は青森県下北半島付近まで南下。
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):岩手県、宮城県、福島県でまとまった降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:岩手県北部や福島県阿武隈山系で生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:太平洋側では日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・岩手県立大学ソフトウエア情報学科3年生の学生さんが、本日から9月末まで技術講習に来る。岩手県胆沢町の稲作農家の出身。
・宮城県で集めた穂サンプルの登熟調査を行う。
【その他】

 
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○9月11日(火) 
【天気概況】
・台風15号の影響で風と雨が強くなる。大きな被害が出なければよいが。
・東北南部は午後から台風15号の影響を受け始める。局地的な強い降雨がある。
【モニターネットワーク】
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「こちらは台風来襲中で大雨が降っています。一部の稲が倒伏しています。稲刈り前の骨休みをしているところです。13日はたぶん、稲刈りの準備中なので、お会いできると思います。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(10日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差、−0.5℃以下の海域の面積は増える傾向。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(10日):偏西風は北上し、東海上に中心をもつ高気圧に16日頃まで覆われる予想。
・気象庁週間予報支援図(10日):台風の通過後は偏西風が北上し、南から暖かい空気が入る予想。17日頃から偏西風が南下し、蛇行の程度も大きくなり、寒気が入りやすくなる予想。地上気圧配置予想(11日)によると、台風通過後は東海上に中心をもつ高気圧に覆われ、17日頃から北の高気圧が張り出す予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(11日):海面水温が20℃以下の親潮は青森県下北半島付近まで南下。
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):全域でかなりまとまった降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:岩手県北部沿岸で生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:宮城県山沿いと福島県中通りと浜通りでは日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・宮城県モニター圃場で収集した試料の登熟調査を行う。データを整理して、結果をモニター各位にお送りする。
・成熟期を迎えたモニター圃場の刈り取り準備を行う。本年はモニター各圃場の成熟期が大きく異なるため、刈り取りが長期に及ぶ予想。
【その他】
・神田君がアクセス状況を調べる編集者用プログラムを作成してくれる。これでやっと旧システムの段階に到達する。新システム移行への障害はかなり大きかった。移行時期が最悪であったといえる。

○9月12日(水) 米国で衝撃的な事件発生
【天気概況】
・昨日の台風の影響により、青森県十和田・八戸・むつ・小田野沢・六ヶ所・三沢、岩手県軽米・久慈、福島県川内では、100ミリを超す降雨があった。
・台風に伴う寒冷前線が通過し、日本海側を中心に天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
・宮城県中田町のモニターからメールが届く。
「いつもお世話様です!登熟データー有難うございました。調査圃場の刈り取りの件ですが、OKです!お待ちしていますとの事。それから、20日頃をめどに調査圃場から順次刈り取りに入る予定でいます。それでも、私どもの地域では、かなり早いそうです。」
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「調査結果拝見しました。登熟が今ひとつのようで自分の圃場も今ひとつなのかなと心配になってきます。近所のカントリーでは刈取が始まっていますが、担当者から聞くと未熟が多いとの事でした。単に刈取時期が早いのかもっと他の問題があるのか気になるところです。私も14日からの刈取に向け準備を急いでいるところです。台風は東北地方を今夜通過するようですが、皆さんに被害のないことを祈っています。13日にお待ちしています。気をつけて御出でください。」
・岩手県普代村のモニターからメールが届く。
「おはようございます。お見舞い有り難うございます。和野山には、まだ行っていませんが大きな被害は多分ないと思います。昨日からの総雨量は200_程度かと思いますが、この程度ですと、経験上実害はありません。風は、ほとんどないと言って良いくらいというか、3月、5月頃の風が強いものですから、麻痺しているというか。馬鈴薯掘りは、先月25日以降雨続きで中断していましたが、9日と10日の1日半で完了し、当面の心配は大豆とソバの倒伏ですが、さてどうでしょう?? ソバはちょっと問題かな。北上行きは、7日に行ってきました。種子芋生産農家の方と色々話しこんで遅くなったもので、寄り道せずに帰宅しました。この地域には約15軒の生産農家がありますが、「半数の畑が不合格になり、大打撃をうけた」とのこと。60年の歴史で、こんなことは初めてだと話していました。」
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「台風15号は無事に通過しました。午後3時頃少し強い雨が降りましたが雨、風とも大きな被害は出ませんでした。亀の尾は先の台風11号で倒伏しました。登熟が不揃いのため、刈り取り時期を特定できません。株刈り取りの件は了解しました。刈り取り時期のご指導をお願いします。」
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。台風の心配をしていただき有り難うございます。ハウスの方は既設のハウス、新設ハウスとも被害はありませんでした。ただ、今回の台風は短時間ではありましたが、ものすごい量の雨にたたられ一部浸水した箇所もありますが、大きな影響はないようです。田圃の方は大麦跡地が8割位倒伏しました。この所ずっとハウス建設に時間をとられ、他のやり残している作業と苺の定植が重なって大変ですが、頑張っていきたいと思っています。」
・岩手県種市町のモニターからメールが届く。
「久慈、大野では田畑が冠水した所もあったようですが、今見てきた限りではまだ冠水している所や、倒伏している被害田は見受けられませんでした。それより不稔障害のほうが。この3年ほど冷害が酷くなかった為、あきたこまちを作つける農家が多くなり、このまま秋雨前線に南下された日には・・。今年の共済事故の受付は、早稲種が9/13、晩生はまだ決まっていません。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(10日):エルニーニョ監視海域の海面水温は平年より低い状態が続く。カムチャッカ半島から日本の東海域の海面水温は平年より低くなる傾向がみられる。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(11日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差、−0.5℃の海域の面積がほとんどを占める。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(11日):偏西風は17日頃までは東西流となり、南から暖かい空気が入る予想。
・気象庁週間予報支援図(11日):偏西風は17日頃から日本付近に南下、大きく蛇行し、強い寒気が入る予想。地上気圧配置予想(12日)によると、17日頃から西高東低の気圧配置となり、北から寒気が入りやすくなる予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(12日):海面水温が20℃以下の親潮は青森県下北半島付近まで南下。
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):全域でまとまった降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:岩手県北部山間部と青森県下北半島では生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:岩手県沿岸北部を除く、全域で日射量不足となる。太平洋側南部では日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・台風の影響がないか、圃場を見回る。水稲関係は大きな被害がなかったが、一部倒伏箇所がでる。そばとスイートコーンがかなり倒伏する。
・宮城県モニター圃場登熟調査の結果をまとめる。
・生育作柄診断試験区の「あきたこまち」が成熟期、「まなむすめ」「ひとめぼれ」「はえぬき」が11,12日にそれぞれ黄熟期に達する。
・過去の冷害の記録から、葉鞘褐変病と褐変籾に関する記述を拾い出す。昭和51年冷害と昭和55年冷害の記録に参考になる初期の情報がある。
・13,14日に山形県と宮城県の早い稲の刈り取り調査の準備に取りかかる。庄内地方のすばらしい稲をみるのが楽しみである。
【その他】

○9月13日(木) 山形県・宮城県モニター圃場刈り取り調査
【天気概況】
・北の高気圧に徐々に覆われ、天気は回復に向かう。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「いつもお世話様です。今日は1日中霧雨模様でした。そのため予定されていた娘の小学校の稲刈が13日午後に順延になってしまいました。PTAの役員にもなっているので欠席できません。鳥越さんたちの坪刈には妻を同行させますので宜しくお願い致します。ひとめぼれは台風の雨で一部倒伏しましたが、刈取適期を迎えています。稲倉の準備を急ぎ天気の回復を待っているところです。気をつけて御出で下さい。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(日):
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(日):
・気象庁週間予報支援図(12日):偏西風は17日頃から南下し、その蛇行の程度も大きくなり、強い寒気が南下する予想。地上気圧配置予想(13日)によると、18日頃から西高東低の気圧配置となる予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):北部と日本海側でまとまった降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県下北半島や岩手県北部山間では生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:岩手県北部沿岸を除いて、全域で日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・宮城県岩出山町モニターの「ササニシキ」が成熟期を迎えたため、刈り取り調査に伺う。モニターは稲刈りの準備を終え、天候の回復を待つ。作柄はまずまずだが、穂の下部には未熟籾が目立つ。今日午後からでも刈り取りに入りたいとのこと。これから一ヶ月あまり刈り取り作業が続くという。
・山形県鶴岡市のモニターの「はえぬき」「ひとめぼれ」が成熟期を迎えたため、刈り取り調査に伺う。ご本人は小学校田の刈り取り実習のため、15分ほどしかお話を伺うことができなかった。奥さんが水田を案内してくれる。作柄はまずまずであり、順調に刈り取りを終える。直播き「はえぬき」の作柄はすばらしいものである。株と株の分布具合、穂の位置の斉一性、粒の張りなど、われわれ一同を驚かせるものである。収量の結果が楽しみである。
・宮城県・山形県の各地では、今日からコンバインが動き始めた感じである。収穫作業は今後急ピッチで進行する見込みだが、先の天候が思わしくない。山形県最上町の山の上の宿に投宿する。眼下には、最上川と水田地帯が広がる。明日は、最上町と宮城県のモニターの刈り取りに向かう予定。
【その他】

○9月14日(金) 山形県・宮城県モニター圃場刈り取り調査
今年の刈り取りが始める 【天気概況】
・秋雨前線が北上を始め、天気はぐずつく。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(日):
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(日):
・気象庁週間予報支援図(13日):偏西風は17日頃から南下し、蛇行の程度も大きくなり、北から寒気が入りやすい状態となる見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):北部を中心にまとまった降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県下北半島と岩手県北部では生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:全域で日射量不足が続く。登熟の遅れが心配される。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
・1か月予報の解説が仙台管区気象台よりメールで届く。
【研究活動】
・山形県最上町モニターの「あきたこまち」が成熟期に達したので、刈り取り調査を行う。熟色・粒の張りも良好であった。出穂期が8月上旬にあった「ヒメノモチ」には太平洋側と同じように葉鞘褐変病や褐変籾がみられる。
・宮城県石巻市の酒米が成熟期に達したので、刈り取り調査を行う。倒伏していて刈り取りがやや困難であったが、粒の張りはまずまずである。
・宮城県中田町モニターの「ひとめぼれ」が成熟期に達したので、刈り取り調査を行う。ご両親が私たちを迎えてくれる。当該圃場の作柄や地域の作柄について意見を交換する。収穫適期の判断が今年は難しいとのこと。日射量不足のためか、確かに登熟が遅れている。
【その他】

○9月15日(土) 早期警戒情報第21号
【天気概況】
・秋雨前線が東北に停滞し、天気はぐずつく。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。昨日は、大変お世話様でした。あきたこまちは、成熟期前ですがここ数日間の気温が平年値を上回っているので、進みが幾分早くなってきているようです。秋雨前線の影響で、昨日の夜はかなりの降雨が有りました。刈り取りを間近に控え、晴天が続くことを祈るばかりです。天候の回復を待って、ヒメノモチから刈り取りに入りたいと思っています。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(14日):エルニーニョ監視海域の海面水温は正偏差の部分が増え始める。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(14日):偏西風は東西流となり、天気は19日頃まで周期変化する予想。
・気象庁週間予報支援図(日):
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):津軽地域を除き、まとまった降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県下北半島では生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:南部で強度の日射量不足となる。また全域で日射量不足が続く。登熟の遅れが心配される。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・早期警戒情報第21号を作成する。宮城県・山形県など生育の早い地帯では刈り取りが来週から本格化する予想。
【その他】

○9月16日(日) 
【天気概況】
・低気圧が通過し、北部を中心に天気はぐずつく。
【モニターネットワーク】
・一般の方から次のような問い合わせのメールが届く。
「やませによる冷害は何度ぐらいの低温になると障害が起きるのか教えてくださいお願いします。」(回答):ご質問の件ですが、早期警戒システムのホームページの「東北の稲作」−「図説:東北の稲作と冷害」のコーナーに次の項目があります。それらをご覧頂けませんか。
冷害など気象被害監視編
1)冷害に関係する主な気象現象とその特徴 ・ 《PDF版》
2)監視のポイント
活着期低温障害の問題構造 ・ 《PDF版》
分げつ期低温障害の問題構造 ・ 《PDF版》
幼穂発育期間低温障害の問題構造 ・ 《PDF版》
開花・受精期低温障害の問題構造 ・ 《PDF版》
登熟期低温障害の問題構造 ・ 《PDF版》
 さらにご質問がありましたら、メール下さい。
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(14日):エルニーニョ監視海域の海面水温は平年より低くなる。カムチャッカ半島近海の海面水温は平年より低い状態が長く続く。日本列島南海域の海面水温は平年より低くなる。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(15日):エルニーニョ監視海域の海面水温は部分的に正偏差となる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(15日):偏西風は20日頃から蛇行の程度が大きくなる予想。
・気象庁週間予報支援図(15日):偏西風は18日頃から南下し蛇行の程度も大きくなり、北から強い寒気が入る予想。地上気圧配置予想(16日)によると、18日頃から北の高気圧が日本付近に張り出す予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):全域でまとまった降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県下北半島で生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:青森県、岩手県、宮城県では強度の日射量不足となる。全域で日射量不足が続く。登熟の遅れが心配される。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「コシヒカリ」が糊熟期に達する。
【その他】

○9月17日(月) 生育作柄診断試験区早生品種の坪刈り
【天気概況】
・高気圧の圏内に入り、概ね晴れの良い天気となる。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターから20日頃から収穫に入るとのメールが届く。
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「先日は大変ご苦労様でした。ちょうど学校の行事と重なってしまい、ゆっくりお話できなくて残念でした。先週はなかなか天気の良い日がなく、鳥越さんのいらっしゃった日と土曜日半日それから日曜日が雨が降らなくて稲刈ができました。今日1日天気がよければひとめぼれの刈り取りを終わらせることができるのですが、先ほど8時過ぎに雨が降ってきました。収穫時期になってからなかなか天気が続きませんが、刈遅れないように気をつけていきたいと思います。籾摺りをしてみて今年の米の状況を早く見てみたいものです。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(16日):エルニーニョ監視海域の海面水温は正偏差の部分が増え、負偏差の部分が減少する傾向がみられる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(16日):偏西風は20日頃から蛇行の程度が大きくなり、寒気が入りやすくなる予想。
・気象庁週間予報支援図(16日):偏西風は19日頃から南下、蛇行し、強い寒気が入る予想。地上気圧配置予想(17日)によると、19日頃から北から高気圧が張り出す予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(17日):海域の海面水温の状況が一変する。海面水温が15℃以下の親潮は宮城県北部沿岸まで南下する。
・穂いもち警戒(前日の降雨分布):ほぼ全域で降雨を観測する。
・生育遅延が懸念される地域:青森県下北半島と岩手県北部で生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:青森県太平洋側と岩手県沿岸部で強度の日射量不足、また全域で日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「かけはし」「ゆめあかり」「むつほまれ」「つがるロマン」の坪刈りを行う。
・宮城県モニター圃場の登熟調査結果を所関係者に報告する。
・明日は青森県六戸町の小林さんの圃場と現地調査を行う予定。調査準備を行う。
【その他】

○9月18日(火) 青森県六戸町小林さん圃場調査と実態調査
良く頑張った稲 【天気概況】
・秋雨前線が南下を始め、北部から天気が崩れる。
【モニターネットワーク】
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「こちらこそお久しぶりの再会とても楽しかったです。収穫作業は雨で大幅に遅れていましたが、昨日、今日と稲刈りができました。過リン酸石灰区とその対照区の稲刈りは終わりました。現在乾燥作業中です。珪酸区のひとめぼれは9/19日から刈り取りの予定です。一昨年、昨年のような豊作に近いできから比べると、なんとも頼りない手ごたえとなり残念です。8月の低温と日照不足は稲作ほか、園芸関係に大打撃となりそうです。ササニシキはすでに白米として食べてみましたが、こんな天気でも大変おいしいお米でした。一部、乳白や心白があり、ホソも例年と比べるとかなり多く、全体の収量、品質にひびきそうです。毎年、稲作は勉強です。今後ともよろしくお願いします。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(17日):エルニーニョ監視海域の海面水温は北半分で正偏差、南半分で負偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(17日): 偏西風は蛇行し、日本付近に低気圧が停滞し、寒気が入りやすい見込み。
・気象庁週間予報支援図(17日):偏西風は19日頃から蛇行の程度が大きくなり、北日本・東日本上空にかなり強い寒気が23日頃まで入る予想。その後は南から暖かい空気が入る見込み。地上気圧配置予想(18日)によると、北の高気圧が23日頃まで日本付近張り出す予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(18日):海面水温が15℃以下の親潮は部分的に岩手県沿岸北部まで南下。
・生育遅延が懸念される地域:青森県太平洋側と岩手県北部で生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:強度の日射量不足の地域はなくなるが、全域で日射量不足の状態が長く続き、登熟の遅れが心配される。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:ほとんどなし
【研究活動】
・青森県六戸町の小林さんの圃場に伺う。稲は黄熟期から成熟期の間にあり、頭は重く垂れ下がる。小林さんは、“本年の天候にも係わらず、稲が良く頑張ってくれた。それも水田の土の力による”という。収量は11俵程度になるのではと作柄を予測する。
・青森県太平洋側各地の水稲生育状況を観察する。黄熟期を前に、障害不稔、水口青立ち、穂いもちなどの障害の発生状況が徐々に顕著になり始めた水田も散見される。多くの水田は傾穂も進み、最後の登熟段階に向かいつつある。秋の好天を期待したい。
【その他】

○9月19日(水) 
【天気概況】
・寒冷前線が東北にかかり、大気の状態が不安定となる。台風17号が北上しつつあり、今後の動きが注目される。
【モニターネットワーク】
・宮城県河南町のモニターからメールが届く。
「ご無沙汰しております。16日から当ライスセンターの稲刈りが始まり、かなり水分が高めで28〜35%位あり、乾燥時間が24時間前後かかります。収量ですがひとめぼれ ササニシキで510kg前後との予想のようです。ササニシキの倒伏が目立っており、品質の低下が心配されるので刈り取りを急ぎたいと思います。刈り取りは10月中頃までかかると思います。また連絡いたします。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(18日): エルニーニョ監視海域の海面水温は平年より低い傾向が続く。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年より低い状態が続く。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(18日): エルニーニョ監視海域の海面水温は北半分で正偏差、南半分で負偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(18日):偏西風は日本付近で蛇行し、北から寒気の入りやすい状態が続く見込み。
・気象庁週間予報支援図(18日):偏西風は今後南下し、蛇行の程度も大きくなり、かなり強い寒気が北日本・東日本上空に入る予想。地上気圧配置予想(19日)によると、台風17号は明日関東付近に接近して通過後、北から高気圧に覆われる予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(19日):海面水温が15℃以下の親潮は部分的に岩手県久慈沖まで南下。
・生育遅延が懸念される地域:青森県下北半島と太平洋側内陸部、岩手県北部と沿岸部で生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:北部を中心にほぼ全域で日射量不足が長く続く。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の「あきたこまち」の穂数調査を行う。穂数は例年に比べてやや少ない傾向がみられる。
・青森県から採集した穂の登熟歩合調査を行う。
・宮城県松山町と石巻市のモニターに21日坪刈り調査を行うことを連絡する。
【その他】

○9月20日(木) 
【天気概況】
・台風17号と寒冷前線の影響で、天気はぐずつく。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「昨日、刈り取りを頼まれたササニシキ55アールを刈り取りました。圃場は紙マルチ圃場の反対の変形の場所です。生籾の収量はありましたが調製しないとわかりません。明日は午前ですと調整中です。見学に来て下さい。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(19日): エルニーニョ監視海域の海面水温は南半分で負偏差、北半分で正偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(19日):偏西風の蛇行は今後とも続く見込み。
・気象庁週間予報支援図(19日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、21、22日を中心に強い寒気が入る予想。地上気圧配置予想(20日)によると、北の高気圧が21日頃から張り出し、23日頃まで北に偏った高気圧の影響を受け、その後気圧の谷となる予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・生育遅延が懸念される地域:青森県下北半島と太平洋側内陸、岩手県北部と沿岸部で生育の遅れが心配される。
・日射量不足域:日射量不足は南部から徐々に解消され始めるが、北部はほぼ全域で日射量不足が続く。生育・登熟の遅れが心配される。
・極端な最低気温域:岩手県北部山間部で気温が下がり始める。
・高温障害が懸念される気温域:なし
・仙台管区気象台から3か月予報の解説がメールで届く。気温は平年並みとのこと。暖かい秋を期待したいが。
【研究活動】
・青森県で集めたサンプルの穂相調査を行う。
【その他】

 
−−−−−−−−−   下旬   −−−−−−−−−


○9月21日(金) 宮城県モニター圃場刈り取り調査
【天気概況】
・北から高気圧が入り出し、天気はぐずつく。早朝は10℃近くまで冷え込む。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(20日): エルニーニョ監視海域の海面水温は南半分で負偏差、北半分で正偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(20日): 偏西風は26日頃から蛇行の程度が大きくなり、寒気が入りやすくなる予想。
・気象庁週間予報支援図(20日):偏西風は日本付近で大きく南下し、寒気が入りやすい状態が続く。23日頃までは北日本・東日本上空へ強い寒気が入る予想。地上気圧配置予想(21日)によると、24日までは北に偏った高気圧の影響を受け、その後台風が東海上を北上、27日頃から次の北の高気圧の影響を受ける見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(21日):海面水温が15℃以下の親潮は岩手県久慈沖合まで南下。
・生育遅延が懸念される地域:青森県、岩手県北部と沿岸、秋田県北部では気温が下がり、登熟の遅れが心配される。
・日射量不足域:青森県太平洋側、岩手県全域、宮城県山沿いでは日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
・仙台管区気象台から1か月予報の解説がメールで届く。明日はかなり冷え込み降霜に注意、山間地では氷点下になることも予想されるとのこと。
・霜注意報が北部3県に出される。
【研究活動】
・宮城県モニターの「ひとめぼれ」が成熟期に達したので、坪刈り調査を行う。周辺地域では予想外に収穫作業が進んでいない。モニターによると、未熟籾があり、籾の水分含量が高く、乾燥調製に時間がかかり調製の仕方も難しいとのこと。また屑米も多いとのこと。
【その他】

○9月22日(土) 早期警戒情報第22号
【天気概況】
・全域で気温が急激に下がる。午前3時現在、盛岡6.0℃、軽米1.9℃。
・午前4時現在、岩手県山間地のアメダス地点は氷点下を観測する。軽米1.1℃、鹿角1.6℃、雫石2.1℃、十和田4.0℃、盛岡5.4℃。
・午前5時現在、軽米1.1℃、三戸2.0℃、十和田3.9℃、岩手松尾1.7℃、雫石1.4℃、盛岡4.1℃、鹿角1.4℃、大館2.8℃。降霜害が懸念される。
・午前6時現在、軽米1.5℃、三戸1.8℃、十和田3.6℃、岩手松尾1.3℃、雫石1.4℃、盛岡3.6℃、鹿角1.7℃、大館3.2℃。降霜害が懸念される。場内には霜は観察されない。
【モニターネットワーク】
・宮城県中田町のモニターからメールが届く。
「父から連絡があり、調査圃場の収量は次のとおり。3956kg÷6(反)=659kg(1反あたり)でした。父談:籾摺り前は見当がつかなかったが、予想をはるかに超えた。調査チームの方々に、モニターとして恥ずかしい結果にならないよう良い意味での緊張感をもって、今年は稲作活動をすることが出来た。結果をチームの皆さんに知らせてほしい!品質としてはメールの内容のとおりでしたが・・・」との電話の内容でした。なお、地域の収量状況は、今のところ最高で540s前後だそうです。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(21日): エルニーニョ監視海域の海面水温は南半分で負偏差、北半分で正偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(21日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気が入りやすい見込み。
・気象庁週間予報支援図(21日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、今後とも寒気が入りやすい状態が続く見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(22日):海面水温が15℃以下の親潮は岩手県久慈沖まで南下。
・生育遅延が懸念される地域:北部3県の中山間地の登熟不良が懸念される。北部3県と南部3県の中山間地で登熟の遅れが心配される。
・日射量不足域:全域で日射量不足となる。登熟の遅れがさらに懸念される。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・早期警戒情報第22号を作成する。宮城県モニターによると、乾燥調製がとても難しいとのことなので、適正な乾燥調製作業をお願いしたい。
【その他】

○9月23日(日) 岩手県北刈り取り状況調査
【天気概況】
・北の高気圧に覆われ、気温は昨日並に下がる。
・午前5時現在、軽米2.7℃、岩手松尾1.8℃、雫石1.7℃、盛岡4.3℃、鹿角3.3℃、飯舘1.7℃、川内1.3℃、船引3.3℃。降霜害が懸念される。
・午前6時現在、軽米3.0℃、岩手松尾1.5℃、雫石1.8℃、盛岡4.5℃、鹿角3.1℃、飯舘1.7℃、川内1.2℃、船引3.8℃。降霜害が懸念される。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「低温被害予測調査、そして一昨日の坪刈りおつかれ様でした。私もお会い出来なかったのが残念です。我が家の稲刈りは来月から予定しています。苺の新設ハウスもまだ完全には完成してはいませんが、新設ハウスについては一応定植を終えました。まだこれから定植する分がまだまだ残っています。これから稲刈り、麦蒔き、苺と予定がぎっしりですが何とか調整しながら頑張っていきたいと思います。今後とも宜しくお願いいたします。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(22日):エルニーニョ監視海域の海面水温は南半分で負偏差、北半分で正偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(22日):偏西風は日本付近で蛇行し、北から寒気が入りやすい状態が続く見込み。
・気象庁週間予報支援図(22日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気の入りやすい状態が続く見込み。地上気圧配置予想(23日)によると、北の高気圧の影響を受け続ける見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(23日):海面水温が15℃以下の親潮は岩手県北部沖まで南下。
・生育遅延が懸念される地域:青森県、岩手県北部、秋田県北部では登熟の遅延が懸念される。
・日射量不足域:ほぼ全域で日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:なし
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・青森県から集めた穂の調査を行う。
・岩手県北部の水稲の生育と刈り取り状況を調べるために観察に行く。「かけはし」は刈り取りが始まっているが、まだ青い水田もみられる。
【その他】

○9月24日(月) 
【天気概況】
・放射冷却のため、午前5時現在、多くの観測地点で気温が10℃以下となる。
・移動性高気圧に覆われ、概ね晴れの良い天気となる。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「今日ようやく亀の尾の刈り取りが終わりました。石巻稲作研究会メンバー全員終了しました。台風にやられ、おおかた倒伏しましたが、どうにか収穫できました。刈り取ってみて気付いたのですが、枝こうは所々青いのですが、水分は20%を切っています。刈り取り適期限界になっていたのでしょうか。脱穀調整しないとわかりませんが、籾袋は軽く、がさもありません。収量は期待できません。7月に出た穂には身が入り、8月に出た穂には身が入らなかったのかな?」
・栃木県小山市のモニターからメールが届く。
「このメールを頂いた折りには、台風による冠水被害を受けた水田は、日光地区あたりの一部の水田のみです。2回目の台風が9月に来ました折りには、コシヒカリを栽培する圃場は見渡す限り倒伏いたしました。県内のあちこちの水田で草丈を中心に調べてみると、草丈120cm以上のものはすべて倒伏。115cm〜120cmのものは、一部倒伏。110cm以下のもの、これは稀少、稈長で95cm〜90cm、は倒伏なし。今後ともよろしくお願い致します。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(23日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差領域広がる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(23日): 偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気が入りやすい状態が続く見込み。
・気象庁週間予報支援図(23日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、今後とも寒気が入りやすい状態が続く見込み。地上気圧配置予想(24日)によると、28日頃から大陸の高気圧が張り出す予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・生育遅延が懸念される地域:北部三県や南部の中山間地において登熟の遅れが心配される。
・日射量不足域:南部三県で日射量不足が続く。
・極端な最低気温域:全域でかなりの冷え込みとなり、登熟の停止などが懸念される。
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・青森県で集めたサンプルの穂相・登熟歩合データの分析を行う。
【その他】

○9月25日(火) 
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、概ね晴れの良い天気となる。早朝は放射冷却のため冷え込む。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「今日、亀の尾の籾摺り調製作業を行いました。米が細く登熟不良を感じます。しかし、水分はかなり低く、冷害監視システムの生育診断予測データ通りの生育ステージでした。少し刈り遅れた感じです。平均収量は7.5俵です。これからもよろしくお願いします。」
・一般の方から次のような質問が意見交換の広場に届く。
「質問:いつも拝見させて頂いております。非常に単純な疑問というか、いまさらといえなくもないのですが・・・・・。稲刈りの時期とされている時期の前提はコンバインなのかバインダーなのかということです。少なからずバインダーの場合(日干し)藁に含まれる水分によりいくらかの成長(表現が適切ではありませんが)があるとおもわれるのですがいかがでしょうか。乾燥に影響するだけで気にするほどのものではないのでしょうか。
回答:菅原様、ご質問ありがとうございます。私にとっては難しい質問ですが。取り急ぎ、次のように回答申し上げます。
 刈り取り時期、すなわち収穫適期の判定は通常籾の成長程度に依存して決定されます。収量と品質のいずれに重点をおくかによって、収穫適期は若干異なりますが、収穫時期を判定する指標としては、@粒重、A玄米の透明化程度、B出穂後日数・出穂後積算温度、C枝梗や籾の黄化程度などがあります。それぞれは次のような特徴があります。
@ 粒重は出穂後日数を経るとともに増大し、米粒の水分含有率は成熟するにつれ減少します。米粒の乾物重が最大になるのは出穂後35〜40日で、その頃収穫するのが良いのです。ただ、この時期には水分含有率が20%以下になっており、もし降雨があると胴割れを起こす危険性があります。品質を重視する場合は早めに収穫するのが良いのです。
A 玄米の透明化程度:粒重の追跡は大変手間がかかります。玄米の透明化程度によれば、任意の時期に穂上の特定の位置の米粒の断面を調査することにより、穂の登熟程度を推定できます。調査の詳細は省略致します。
B 出穂後日数・出穂後積算温度は基本的に同じ考え方に基づくものです。栽培地域、品種ごとに多数の測定例がありますので、それから設定されています。例は、品種xxxは出穂後40日、積算温度1,000度日と表現されます。
C 枝梗の黄化、青味籾の残存率:粒重の測定や透明化程度の調査をせずに、また出穂日の記録もない場合、穂の黄化の程度や緑色籾の残存程度(青味籾残存率)から収穫適期を判定しようとするものです。これらは出穂後日数や出穂後積算温度を密接な関係があることが確かめられています。例えば、早期栽培では、青味籾が10%程度、枝梗の90%はまだ緑色で、穂軸は全部緑色の時期が品質の面からみた適期であると言われる。
 このように、稲の側からみて収穫適期が決められています。さて、バインダーと自脱コンバインの収穫作業方式の問題ですが、次のように考えます。収穫作業方式は、@鎌、Aバインダー、Bコンバインの3つがあります。鎌とバインダーによる収穫は、その後予備乾燥(地干し、架干し)、棒掛け、束立て、にお積みなどし、脱穀して籾の乾燥に移ります。コンバイン収穫は、直接籾の乾燥へ進ます。このようにバインダーとコンバインとは作業の方式の違いであると思います。バインダーで刈り取り、自然乾燥した場合、藁に蓄積されている養分が移行するかどうか、この点に関しては科学的な知見を見つけることができません(手元になる書物によると、また時間がないので)。この点は冬の宿題にさせて下さい。
 以上、取り急ぎご回答しますが、不明な点がありましたらメールを下さい。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(24日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差領域が広がる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(24日): 偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気が入りやすい状態が続く見込み。
・気象庁週間予報支援図(24日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、今後とも寒気の入りやすい状態が続く見込み。地上気圧配置予想(25日)によると、27日頃から大陸の高気圧が張り出す予想。現在停滞している台風19号の動きには注意が必要だ。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・生育遅延が懸念される地域:ほぼ全域で気温が下がり、登熟の遅れが懸念される。
・日射量不足域:ほぼ全域で日射量不足が解消される。
・極端な最低気温域:ほぼ全域で10℃以下となり、登熟の遅れが懸念される。
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・青森県の調査結果をとりまとめる。
【その他】
・今日から3日間夏休み。

○9月26日(水) 「あきたこまち」坪刈り
【天気概況】
・前線が弱まりながら通過したため、日本海側を中心に天気がぐずつく。その後は移動性高気圧に覆われ、天気は回復に向かう。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「このところの好天で稲刈も順調に進み、残すは直播きはえぬきのみとなりました。明日から刈る予定です。今日は明日の出荷に向けコシヒカリを調整中です。収量については全部終わってしまわないと何とも言えませんが、品質はとても良いようです。まずは一安心です。刈り取りが終わりましたら連絡します。今後とも宜しくお願いいたします。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(24日):エルニーニョ監視海域の海面水温は平年より低い。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年よりかなり低い状態が長く続く。日本列島南海域の海面水温は平年より低くなる傾向がある。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(25日): エルニーニョ監視海域の海面水温は平年より低い状態となり始める。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(25日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気の入りやすい状態が続く見込み。
・気象庁週間予報支援図(25日):28日を中心に北日本・東日本上空へ強い寒気が入る予想。その後30日頃から東の太平洋高気圧が張り出し、暖かい空気が入る予想。地上気圧配置予想(26日)によると、30日頃までは北に偏った高気圧の影響を受け、その後低気圧が日本付近を通過する予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(26日):海面水温が15℃以下の親潮は北海道襟裳岬付近まで南下。
・生育遅延が懸念される地域:ほぼ全域で気温の低い状態が続く。登熟の停滞などが心配される。
・日射量不足域:日射量不足はほぼ全域で解消される。
・極端な最低気温域:ほぼ全域で最低気温が低く、生育の遅い稲の登熟が心配される。
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・青森県調査結果を所関係者に報告する。
・今朝、試験圃場に行って、稲の葉色が急変していることに気づく。昨日までは緑の残っていた葉は黄色く変色する。22(最低気温3.6℃),23日(最低気温4.3℃)の低温の障害が現れたものと推察される。この程度の低温は監視地点の各地で観測されたため、障害の発生規模が心配される。
・私用で旅行している神田君に、稲の様子を調べてもらうようメールを出す。同程度の低温にあったとみられるモニターに電話で問い合わせる。昨日までは大した影響は出ていなかったというが、再度観察するとのこと。
・低温が厳しかった雫石周辺の水稲を観察する。同様に葉はほぼ全域で黄色く変色している。水稲はほぼ成熟期に達しているため、被害の程度は小さいものと推察される。
・生育作柄診断試験区と水管理等試験区の「あきたこまち」の坪刈りを行う。
【その他】

○9月27日(木) 
【天気概況】
・気圧の谷に入り、天気は徐々に下り坂に向かう。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「今日で、3割くらい刈り取りました。美山(8.7俵)、チヨホナミ(9.5俵2等)、と蔵の華、ササニシキの一部を刈り取りました。収量、品質は思っていたより良いと思います。出穂のばらつきが影響していまだ青米があり乾燥、調製が大変です。黄色に変色した件ですが、ひとめぼれだけが色濃く(オレンジ色)なったように思います。」
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「好天が続き作業がはかどっていますが、少し疲れが出てきました。珪酸区のひとめぼれの収穫作業2.5haが終わりました。計算すると1等米(1.9mm)で約8.2俵/10a前後の収穫量です。品質は以外に良くて、私の家の平年作から比べると30kg/10a落ち位だと思います。褐変の影響は意外と少ないと感じました。 過リン酸石灰区のササニシキは約8俵/10aでホソが多く、ホソが大分多く取れました。今年は両方とも透明な太りきれない米粒が多く、もし充実して実っていれば、ササニシキ10俵、ひとめぼれ9俵半は取れたかもしれません。対照区のササニシキは7.5俵/10aでホソが多く、腹白、乳白が多く、品質は良くありません。地域の方の話だと6俵/10aから7.5俵/10aが平均な収穫量と思います。かなりの減収となっています。珪酸カリや燐酸の効果は効果絶大で、8月の低温にも効果ありと見えます。一昨年や昨年と比べると大変頼りない数値ですが、この気象条件をクリアするのはこれしかないと思っているところです。」
・山形県最上町のモニターからメールが届く。22,23日の低温による同様な症状が26日に確認できたとのこと。
・青森県六戸町の小林さんと電話で話を伺うと、22,23日の低温による同様な症状が26日確認された。成熟期にあるものはできるだけ早く刈り取りしなければならないとのこと。
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(26日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(26日): 偏西風は日本付近で蛇行し、低気圧が通過し天気がぐずつく見込み。
・気象庁週間予報支援図(26日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気の入りやすい状態が続く見込み。28日を中心に北日本上空へ強い寒気が入り予想。地上気圧配置予想(27日)によると、28日〜30日頃までは北の高気圧の影響を受ける予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(27日):海面水温が15℃以下の親潮は北海道襟裳岬沖まで南下。
・生育遅延が懸念される地域:登熟の程度や登熟の遅延がほぼ全域で懸念される。
・日射量不足域:日射量不足は解消され、南部を中心に多日射量条件となる。
・極端な最低気温域:ほぼ全域の内陸部で10℃以下の低温にさらされる。
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・国際農業農林水産業研究センター(つくば市)が中国で計画中のプロジェクトに関する意見交換のため、検討会用資料「東北地方における水稲冷害早期警戒システム」を作成する。
【その他】

○9月28日(金) 国際農業農林水産業研究センター
【天気概況】
・前線が東北地方を南下し、その後高気圧に覆われる。
【モニターネットワーク】
・岩手県普代村のモニターから、ダイズの低温障害を問い合わせたところメールが届く。
「8月末から続いた天候不順は18日頃から安定。遅れていた麦まきの準備に、いまは大車輪の忙しさ。やっと今日明日で播種完了までの見通しがつき、ほっと一息というところで、変な時間に起き出してしまいました。22日は7度台、23日は5度台でした。この寒さのせいか、近所の畑の大豆は急激に黄変が進んでいます。しかし何故か、私の大豆はまだ青々としています(雑草に保護されているせいでしょうか?)。24日にいくつか抜いてきましたが、やや小ぶりの印象を受けますが、生理障害と思われるものは出ていません。枝豆にして食べましたがなかなか美味しい!この時期の低温は、さて大豆の生育にどんな障害があるのか考えてみましたが、未熟粒の発生しか思いつきません。念のため「大豆、低温障害、未熟」をキーワードに検索して見ましたら、なんと殆どの検索エンジンで「2000年編集長日記」1件を検出。思わぬところで旧知の友に遭遇した感じ。googleのみ、他に山梨県の大豆栽培マニュアルを検出。一方、寒さのせいではありませんがソバは殆ど消えてなくなってしまいました。これについては後日再び。」
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「確かに急に葉色が変色しました。特に遅いモチとコシヒカリに影響が出ているかもしれません。すでに実っているササニシキ、ひとめぼれ等は影響が少ないかもしれません。22,23日はそんなに気温が低かったでしたか?まったく気づきませんでした。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(日):
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(日):
・気象庁週間予報支援図(日):
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・生育遅延が懸念される地域:登熟の停止・遅延が懸念される。
・日射量不足域:日射量不足が心配される地域はない。
・極端な最低気温域:岩手県北部と福島県阿武隈山系で極端な低温に遭遇する。
・高温障害が懸念される気温域:なし
【研究活動】
・国際農林水産業研究センターへプロジェクト等の検討会議に参加し、早期警戒システムの活動を紹介する。中国でどのような早期警戒の研究プロジェクトが可能かを参加者で検討する。
・東北新幹線の車窓から水稲の登熟状況と22,23日の低温の影響を観察する。栃木県北部の稲までが程度の違いはあるが、葉色が退色している。東北地域は稲刈りが徐々に本格化する。
【その他】

○9月29日(土) 
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、放射冷却で気温が下がる。午前5時現在、内陸部を中心に4℃以下にもなる。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターから収穫が終わったとのメールが届く。
「28日は午後から天気が回復し、残っていた直播きのはえぬきを全て刈ることができ、稲刈は無事終了することができました。周りを見渡してもほぼ95%は終わりました。これからは天気を気にすることなく稲倉で調整作業が続きます。今まで出荷したひとめぼれ、コシヒカリとも蛋白含有量が6.9%と低く、全て1等に格付けされています。コシヒカリの収量は520kgでした。初めての栽培でおっかなびっくりでしたが、来年からが楽しみです。はえぬき、ひとめぼれの収量についてはまだ分かりません。取り急ぎ稲刈終了のご報告まで。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(28日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(28日): 偏西風は日本付近で蛇行し、3日頃から東海上に気圧の尾根が形成される予想。
・気象庁週間予報支援図(28日):偏西風は今後とも日本付近で蛇行し、寒気が入りやすい状態が続く見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(29日):海面水温が15℃以下の親潮は北海道釧路沖まで北上する。
・日射量不足域:日射量不足の地域はない。
・極端な最低気温域:岩手県北部、秋田県北部、阿武隈山系では極端な低温が入る。登熟停止が懸念される。
【研究活動】
・つくばから盛岡に帰り、早期警戒情報などを更新する作業を始めたが、本部のネットワークサーバが電気施設の点検のため停止しているために作業ができない。
【その他】

○9月30日(日) 早期警戒情報第23号
【天気概況】
・低気圧が接近するため、南部を中心に天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(28日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年よりかなり低い状態が続く。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(29日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(29日): 偏西風は5日頃から蛇行し、東海上に気圧の尾根が形成される予想。
・気象庁週間予報支援図(29日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気が入りやすい状態が続く見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・日射量不足域:日射量不足の地域はない。
・極端な最低気温域:沿岸部を除いてほぼ全域で最低気温が下がる。
【研究活動】
・早期警戒情報第23号を作成する。成熟期に達しているものは速やかに刈り取って頂きたい。胴割れなどによる品質の低下が懸念される。
【その他】


 
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