水稲冷害研究チーム

2001年編集長日誌



この日誌は早期警戒システムの舞台裏を記録するものです。

10月

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○10月1日(月) 
【天気概況】
・低気圧が発達しながら、接近するため各地で降雨となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(30日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(30日):偏西風は日本付近で蛇行し、寒気が入りやすい状態が続く見込み。
・気象庁週間予報支援図(30日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気の入りやすい状態が続く見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(1日):海面水温が15℃以下の親潮は北海道釧路沖まで北上。
・日射量不足域:岩手県沿岸部や福島県浜通り地域で日射量不足となり始める。
・極端な最低気温域:ほぼ全域で最低気温が10℃以下となる。
・仙台管区気象台から9月の東北地方の天候のまとめがメールで届く。特徴のキーワードは、@台風第15号による東北北部の大雨、A下旬の低温とある。
【研究活動】
・青森県農業試験場の研究者が依頼研究員として6か月間の研修に来られる。
【その他】

○10月2日(火) 
【天気概況】
・低気圧が発達しながら通過するため、日本海側を中心に天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
・宮城県河南町のモニターからメールが届く。
「ご無沙汰しております。先日は坪刈りご苦労様でした。調査圃場の刈取りですがまだ未定です10日頃になると思います。先日お話した収量ですがライスグレイダーの故障で選別が不適当でしたので、遅れましたが以下の通りに訂正いたします。亀の尾:収量 458kg、中米(1.90〜1.85mm)44kg、くず米(1.85mm以下)45kg。ひとめぼれ:同542kg、50kg、24kg。ササニシキ:同560kg、45kg、30s。以上私の中間報告です。」
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「大変ご無沙汰しております。ずーっと好天続きだったので作業もはかどり、約3分の2の面積を終了することが出来ました。残りの3分の1は直播と遅延播種をしたトヨニシキと作業受託の一部です。収量は7俵半ぐらいから、9俵ぐらいまでで肥培管理と品種で差がでたようです。美山錦が7俵半ぐらいで、ひとめぼれと蔵の華が約8俵ぐらい、ササニシキは慣行栽培で、8俵半ぐらいでした。直播き水稲の低温の被害と言うことでしたが、メールをいただいてから稲刈りの合間に見ましたが、葉色が赤っぽくなって穂首も一気に枯れ込んできたように思われます。収穫をして玄米にしないとはっきりとしたことは言えませんが、ちょっとした被害はあるかもしれません。また報告をしたいと思います。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(1日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(1日):偏西風は4日頃から東西流となり、天気は周期的に変化する予想。
・気象庁週間予報支援図(1日):偏西風は日本付近で大きく蛇行し、4日頃から東海上からオホーツク海に気圧の尾根が形成される予想。地上気圧配置予想(2日)によると、5日頃から北に偏った高気圧の影響を受ける見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(2日):海面水温が15℃以下の親潮は北海道釧路沖まで南下。
・日射量不足域:ほぼ全域で日射量不足となり始める。
・極端な最低気温域:内陸部を中心に極端な低温が続く。
【研究活動】
・青森県六戸町の小林さんに4日坪刈りを行いたく電話で連絡する。7日にコンバイン収穫を予定しているとのこと。
・新システム移行後、停止していた旬別気象表をまとめる。
・出穂・開花期低温障害に関して問題を整理するために資料などを集める。褐変籾の発生や登熟歩合の低下のメカニズムを可能な範囲で明らかにする必要がある。また、極端な低温が登熟停止にどのように影響するのかも検討したい。
【その他】

○10月3日(水) 生育作柄診断試験区の穂数調査
【天気概況】
・発達した低気圧は北海道の東海上に抜け、移動性高気圧に覆われ天気が回復する。
【モニターネットワーク】
・宮城県中田町のモニターからメールが届く。
「チームの皆さんお疲れ様です。ご多忙の毎日かと思います。父から連絡があり、刈り取りも終盤を迎えたとの事 もち米を籾摺りしたところ、反当たり(2反の作付けですが)収量は693sで、“農業を営んで、40年になるがこんな数字は経験したことがない”とのことでした。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(2日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(2日):偏西風は東西流となり、天気は周期変化する予想。
・気象庁週間予報支援図(2日):偏西風は東西流となり、強い寒気の南下は予想されていない。地上気圧配置予想(3日)によると、今後は北の高気圧の影響を受け、天気は比較的良い見込み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・日射量不足域:全域で日射量不足となり、南部は強度の日射量不足となる。
・極端な最低気温域:極端な低温域は山形県最上町に残る。最上町モニターの「はえぬき」の登熟が気がかりである。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の穂数調査などを行う。
【その他】

○10月4日(木) 青森県六戸町小林さん圃場坪刈り
冷害気象との戦いを終えて 【天気概況】
・午前5時現在、気温はほとんどの監視地点で10℃以下となる。岩手松尾や福島県川内では5℃以下となる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「はえぬきは、葉の葉色は落ちましたが、枝こうは生きており緩やかですが登熟が進んでいます。根のダメージは、考えていたより少ないかもしれません。私のはえぬきは、10/7で積算温度1000℃の予測になっていますが、1050℃になる、10/11頃まで様子を見て刈り取りしたいと考えています。スノーパールも、心配していた低温障害後の登熟進展が見られます。ただ、刈り取り初期と違い枝こうの枯れも進んできていますので、品質が心配です。天候の回復を待って、刈り取りを急ぎたいと思っています。あきたこまちは、刈り取りが終了し結果が出ました。精玄米重は597kg/10a、屑米は15.5kg/10aでした。等級も1等米で良好です。」
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「今年の収穫は直播を残して終了しました。9月後半の低温では一晩で葉色の変化があり驚きました。収穫量は平年作以上です。思ったより取れました。ただ、米が細く、亀の尾は品質がよくありません。ササシグレはきれいな米になりました。まだ忙しくて炊飯していませんが今年のササシグレは特においしさが期待できそうです。鋳物のかまどで籾殻を焚いて釜で炊飯しようと思っています。結果は後日報告します。亀の尾サミットを記念して、本を出版しました。題名は”浪漫 亀の尾列島”です。つたない文章ですが寄稿して掲載されましたので送ります。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(1日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年よりかなり低い状態が続く。日本列島南海域の海面水温は平年よりやや低い。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(3日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差となり、−0.5℃以下の海域も広くなる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(3日):偏西風は8日頃までは東西流、その後蛇行の程度が大きくなる予想。
・気象庁週間予報支援図(3日):偏西風は7日頃までは東西流、その後南から高気圧が張り出す予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・日射量不足域:ほぼ全域で日射量不足の状態が続く。
・極端な最低気温域:内陸部と中山間地では気温の低い状態が続く。
【研究活動】
・青森県六戸町の小林さんの圃場に坪刈りに伺う。いつものように水田で待ってくれている。本年の水稲作について感想をお聞きする。「今稲はその一生を終えようとしている。このような冷害年に稲はよく頑張ってくれた。22,23日の低温はショックだった。あまりにも早すぎた。このような経験は最近ではない。ただ昭和29年、9月に霜があり、不作になったことがある。収量は11俵程度かな。」坪刈り後、一同で記念写真を撮る。稲束は確かに思い。来年は種まきのときから伺うことにする。
・青森県十和田市の篤農家(女性)の圃場を訪ねる。ちょうど、収穫のために圃場に居られ、久しぶりの再会を喜ぶ。水稲は成熟期に達しており、坪刈りさせて頂く。彼女の笑顔が技術の確かさと作柄をあらわす。
・その後、各定点圃場の生育の状況を観察する。前回調査時にはなかった共済の検査用の札が一斉に水田の片隅に立ち並ぶ。
【その他】

○10月5日(金) 
【天気概況】
・低気圧が通過するため、各地で雨となる。連休は好天が期待でき、刈り取りが進むものと期待される。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「スノーパールの刈り取りが、今日終了しました。登熟検査用の、サンプルの収集もしております。(坪刈り時のように、対角線に集めました)雨で遅れて、刈り取り適期ギリギリ(1100℃)でしたので、品質の心配が多少有りますが、登熟はかなり進みました。(青未熟率15〜25%くらいでした)最初の刈り取り(1000℃)は、生青が多かったので「低温障害時でも、もう少し待った方が良かったかな?」と今になって思っています。(青未熟率20〜30%くらいでした)はえぬきは、今日までのスノーパールの登熟結果から予想すると、10/10〜14頃が刈り取りに適する状態になりそうですが、品質を落とさない適期の見極めをしたいと思います。(こちらも、刈り取り時に登熟サンプル収集しておきます)それにしても、低温障害(葉の黄白化)が成熟期前に起こっても、登熟が望める(ゆっくりですが)事が判りました。周辺の圃場と比べて、シガレが割合すくないのは、”土作り”が効を成していると思っております。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(4日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差が続き、−0.5℃以下の海域の面積も増える。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(4日):偏西風は東西流となり、天気は周期変化する予想。
・気象庁週間予報支援図(4日):偏西風は8日頃から蛇行の程度が大きくなり、東海域からカムチャッカ半島にかけて気圧の尾根が形成される予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(5日):海面水温が15℃以下の親潮は北海道襟裳岬まで南下。
・日射量不足域:
・極端な最低気温域:青森県太平洋側、岩手県北部、福島県阿武隈山系で極端な低温が続く。
【研究活動】
・陸羽132号を育成した寺尾博さんが1940年代に発表した一連の論文を読む。幼穂形成期と減数分裂期が低温に弱い時期であることを詳細に研究している。昭和9年の冷害を契機に冷害研究施設(制御温室)が整備され、それを利用した研究のまとめである。開花期低温による障害の研究も組織化学的な側面から行っているが、褐変籾などの記述は見当たらない。
【その他】

○10月6日(土) 早期警戒情報第24号
【天気概況】
・北の高気圧に覆われ、概ね良好な天気となる。刈り取りが一気に進むものと思う。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(5日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差、−0.5℃以下の海域の面積が広がる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(5日):偏西風は9日頃から蛇行の程度が大きくなる予想。
・気象庁週間予報支援図(5日):偏西風は9日頃から蛇行の程度が大きくなり、東海上に気圧の尾根が形成される予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(6日):海面水温が15℃以下の親潮は青森県下北半島まで南下。
・極端な最低気温域:内陸部を中心に気温が下がる。
【研究活動】
・早期警戒情報第24号を作成する。速やかな刈り取りを期待したい。
【その他】

○10月7日(日) 
【天気概況】
・北から張り出す高気圧に覆われ、概ね良好な天気となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(6日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年よりかなり低い状態が長く続く。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(6日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差、−0.5℃の面積が広がる。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(6日):偏西風は今後日本付近で大きく蛇行する予想。
・気象庁週間予報支援図(日):
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(7日):海面水温が15℃以下の親潮は青森県下北半島付近まで南下。
・極端な最低気温域:青森県太平洋側、岩手県北部、福島県阿武隈山系では最低気温が10℃を下回る。
【研究活動】
【その他】
・釜石に家内とともに釣りに行く。紫波・遠野・釜石などでは稲刈りが終盤を迎える。

○10月8日(月) 
【天気概況】
・北の高気圧に覆われ、概ね晴れのよい天気となる。低気圧が近づき、天気は下り坂に向かう。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(7日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差、−0.5℃以下の海域がほとんどを占める。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(7日): 低気圧が日本付近に停滞し、天気が崩れる予想。
・気象庁週間予報支援図(7日):偏西風は10日頃から蛇行の程度が大きくなる予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(8日):海面水温が15℃以下の親潮は青森県下北半島付近まで南下。
・極端な最低気温域:岩手県北部、山形県中山間地、福島県阿武隈山系などで最低気温が10℃を下回る。
【研究活動】
・雫石周辺の稲刈りの様子を観察する。刈り取りは進んでいるが、まだかなりの面積が残っている。
【その他】

○10月9日(火) 生育作柄診断試験区の坪刈り
【天気概況】
・低気圧が接近し、天気は下り坂に向かう。
【モニターネットワーク】
・宮城県亘理町の友人から出来秋を知らせるメールが届く。
「お陰さまで収穫作業は全て終わりました。今年は倒伏が全くなかったので刈取りが楽でした。収量は精玄米470kg/10a、くず米96kg/10aといったところです。出荷した米は全て一等に格付けされました。くず米は未熟粒が多いのではなく、粒張りが悪いために1.9mm幅に僅かに達しなかったためであり、きれいな粒が多いのが特徴です。また、僅かばかり自家用に作った「みやこがねもち」は倒伏も無く、10a当たり換算収量で600kgを超え、くず米は僅かしか出ませんでした。寒さに強いはずの「ひとめぼれ」の収量が全く駄目で、寒さに弱いはずの「みやこがねもち」の収量が予想外に多かったとは皮肉なものです。自分の稲作りの腕の悪さに反省することしきりです。周辺から聞こえてきた今年の収量は反当り6.5〜10俵とまちまちです。以上、今年の結果をお知らせします。」
・宮城県石巻市のモニターから小松光一編著『浪漫・亀の尾列島』論創社出版が送られてくる。帯には“あの『夏子の酒』龍錦のモデル、幻の「亀の尾」 創選者阿部亀治のひたむきな姿勢が今、「亀の尾」に魅せられた人々を巻き込んで列島をかけぬける”とある。
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(8日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差で、−0.5℃以下の海域の面積も広い。ラニーニャ的な状況になるのか。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(8日):日本海に低気圧が13日頃まで停滞し、天気はぐずつく見込み。
・気象庁週間予報支援図(8日):偏西風は日本付近で蛇行し、気圧の谷や低気圧の影響で天気がぐずつく予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(9日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
・極端な最低気温域:ほぼ全域で最低気温が10℃を下回り始める。秋が深まる。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の晩稲品種の坪刈りを行う。今シーズンが終わったことを、稲束をもって実感する。早期警戒の活動もいよいよ終盤を迎える。
・航空機実験のデータが納品される。盛夏の7月28日頃の研究活動が思い起こされる。
・農業技術協会刊行『最新稲作診断法』(1973)の序文にある戸刈義次先生の文章を久しぶりに読み返す。そこには、次のようにある。
“作物の生活はまことに規則正しい。出葉や分げつの秩序、出穂や開花の規律には思わず襟を正す。万根錯綜する根の発現や生長も、実は幾何学を思わす正確さに則っており、そこにはいささかの虚偽もない。
温度に、光に、栄養に、作物は物理学の原則と化学の方程式にしたがって反応し、その上、生物特有の環境適応よりする機能発揮や形態変化もまた生化学の法則に基づくものである以上、作物の生活が整然たるのはむしろあやしむに足らない。
かかる作物生活の整然さを鋭い勘で感じとり、かつ多年の経験をつんで環境に対する作物の因果応報を会得し、作物と語りうる少数の人がある。その存在は尊いが、その栽培法はその人独特の勘と経験により成り立つので、一般大衆は無縁に近い。つまり芸術であっても技術ではない。
大衆にとって実施可能であり、かつ適切な栽培法を求めようとして、従来巨多にのぼる栽培法試験が行われ、その結果、まず無難な栽培技術が成立している。この栽培法は大衆の身近かにあって誰にも親しまれるが、元来総合的に成立している技術であるから、ある時期、ある部分に起こる作物の現象を理解し、その診断に基づいて処置することは依然困難である。困難な理由は技術の樹立が技術的手法でなされ、科学的手法によらないからである。いわゆる総合式と積上式の相違である。
最近、これらの点に着目し、従来の栽培技術に科学的根底を与え、一段と精彩あるもににしようとの研究成果が蓄積されてきたい。その結果は、作物生活の規律を肌で感ずるのではなく、科学的基礎に立つものとして何人にも理解される。・・・」
【その他】

○10月10日(水) 
【天気概況】
・低気圧が接近し、南部から徐々に雨となり、天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「本は今までの亀の尾にかけた思いが詰まっています。鳥越さんの書棚に置かせてください。11月にそちらにお伺います。お会いできるのを楽しみにしています。13日に直播の刈り取りを予定しています。長年使ったコンバインのキャタが切れてしまい、刈り取りは友人に頼みました。収穫の感触が得られず残念です。今後ともよろしくお願いします。」
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。メールを頂き有り難うございます。稲刈りは今月3日から始まり半分をすぎたところです。中には刈り取るのにはまだ早い圃場もあります。今年は特にハウス建設に時間をかけすぎて、その分全ての作業が遅れてしまいました。でも、我が家の状況から見て田圃に関しては今頃の作業でちょうどよいようにも思います。苺と田圃をやりくりしながら作業を進めています。収穫の方は1区画だけ最初に田植えをした所を籾摺りしましたら9俵半/反でした。これから全部終わってみないと分かりませんが、昨年と籾の量とくずの量ともほぼ同じですが、収量が昨年より伸びません。今後色々な角度からの課題です。また、こちらの方においでの際はお会いしたいと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(8日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年より低い状態が長く続く。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(9日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差で、−0.5℃の海域の占める部分も広い。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(9日): 偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気が入りやすくなる見込み。
・気象庁週間予報支援図(9日):14日頃までは低気圧や気圧の谷の影響で天気がぐずつく見込み。その後、偏西風が大きく蛇行し、寒気が入りやすい状態となる予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(日):
・極端な最低気温域:内陸部や山間部を中心に10℃を下回る状態が続く。
・仙台管区気象台から寒候期予報の解説がメールで届く。予報のまとめは次の通り。
「最近の東北地方の冬(12〜2月)平均気温は低くなった年が少ないこと、帯状平均層厚換算温度が春以降は平年を上回って上昇傾向にあることから見ると、今年の冬平均気温は高くなる可能性が考えられる。
 しかし、北日本(東北地方)の気温と高い正相関を持つ北半球500hPa高度場の第一主成分のスコアが今年の冬は平年並から負の値を取る可能性があること、および東北地方の冬平均気温が最近数年間はほぼ平年並となっていることから、東北地方は平年並となる可能性が大きいと考える。」
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の最高穂20本の登熟調査を始める。最高穂の収量構成要素データが株全体や圃場全体のデータとどのように対応するのかを明らかにしたい。
・褐変籾に関する文献を調べるが、なかなか見つけることができない。
【その他】

 
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○10月11日(木) 
【天気概況】
・低気圧が通過し、南部から天気は回復に向かう。暖かい空気が南から入り、気温が上がる。寒気を伴った低気圧が日本海をゆっくりと東に移動するため、大気の不安定な状態が続く。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(10日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差で、−0.5℃以下の海域の面積もかなりを占める。
・ヨーロッパ中期予報センター北半球500hPa循環場予測(10日): 偏西風の蛇行の程度は日本付近で大きくなり、東海上からオホーツク海にかけて気圧の尾根が形成される予想。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(11日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
・極端な最低気温域:内陸部と中山間地では10℃を下回る。
・10月上旬の気象表をまとめる。降水量が多く、日照時間が少ないのが特徴である。
・13日に早期警戒態勢解除を予定する。本年度最後の早期警戒情報の文案を検討する。
【研究活動】
・松島省三著『稲作の理論と技術』を再読する。稲作関係者には必読のテキストの一つであると改めて感じる。はしがきには次のようにある。
 「稲の試験研究に従事し始めたのは、昨日のように思われるのに、既に20年の歳月が流れた。20年間の試験研究の結果、はっきり言えうることが一つある。それは稲の世界が自分には全くわかっていないということがわかったことである。昔ギリシャの知識の神殿に、“汝自らを知れ”と書かれていたということを、学生の頃に塚本虎二先生から教えられ、近頃特に強く思い出されているが、20年の試験研究の結果、自分自身の無知無能を知らされ、ここでやっと稲の世界の門口に到達したのだと、自分に言い聞かせて自ら慰めている現状である。・・・」
・先月研修に来た岩手県立大学の学生さんと指導教官の先生がご丁寧にお礼に来室される。農業分野の情報化のためのシステム開発について、今後とも相互に交流しながら研究を進めることをお約束する。
・恩師の渡部忠世先生から『日本農業への提言−文化と技術の視点から−』(農文協出版)が恵送されてくる。
【その他】

○10月12日(金) 
【天気概況】
・寒気を伴った低気圧の影響で、日本海側を中心に天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「お久しぶりです。籾摺り調整作業のほうも順調に進んでいます。今年は青未熟米は少ないのですが米が細い感じで、グレーダーの下にも良い米がいっぱい落ちてきます。また芯白も散見されます。病害虫では心配されたカメムシの被害もなくほっとしています。3分の2ほどの進歩状況ですが、今のところ全部1等に格付けされています。直播きの収量は546kg(9.1俵)で一粒一粒とても充実してきれいな米でした。移植のはえぬきとひとめぼれの収量はもう少しお待ちください。分かり次第報告します。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(11日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差、−0.5℃以下の海域の面積も広い。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(12日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
・極端な最低気温域:内陸部と中山間地では10℃を下回る。
・仙台管区気象台から1か月予報の解説などがメールで届く。
・仙台管区気象台気候・調査課と東北農政局の関係官に、明日早期警戒態勢を解除する旨のメールを送る。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の最高穂の不稔と登熟歩合調査を行う。
・明日は一般公開で場内のあちこちで準備が進む。天気が心配される。
【その他】

○10月13日(土) 早期警戒態勢解除、一般公開
【天気概況】
・低気圧が通過し、天気は回復に向かう。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「おはようございます。春から長期間にわたり本当にご苦労様でした。システム運用のために緊張を持続されている鳥越さんの熱意に敬服いたします。私にとっては毎日最低一回は必ずアクセスする定番サイトです。毎日の作業のひとつとしてPCに向かい合い新着情報をチェックするのも習慣になりました。これも全て本システムのお陰と感謝しております。私たちもこれからは今年の反省と来年への計画を考える時期になりますが、モニターの皆様と意見交換する機会を設けて頂ければありがたいものです。直播きの資料についても自分なりに纏めてみたいと思います。これからもお世話になりますが、よろしくお願いいたします。」
・宮城県中田町のモニターからメールが届く。
「こちらこそ、大変お世話様でした。両親の農業の技術レベルがチームの皆さんに評価を頂き、有難く思います。また、我が家でも“しばらくぶりに、良い意味での緊張感を持って稲作活動ができた。”ことに大変感謝申し上げます。(両親も例年になく気合が入っていました:笑)先日、今年の反省と来年の稲作方針を家族で話し合いました。来年は、「今年の反省点を私自身で記録を作り、両親に負けないくらい」の2足わらじ農家に、力を入れたいと思います。チームの皆さんは、これからが研究データの整理があることと思いますがお体だけには、十分気をつけて活動なさってください。一年間、本当に有難うございました。また、次年度も宜しくお願いいたします!」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(12日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差、−0.5℃以下の海域の面積は狭くなり始める。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(13日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
・4月下旬から入った本年度の早期警戒態勢を本日、早期警戒情報第25号で解除する。モニターや関係者の方々にお礼のメールを送る。皆さんのお陰で、無事警戒を終えたことを感謝したい。明日からは次年度に向けた準備が始まる。
【研究活動】
・本日は一般公開日であり、担当は稲作相談と受付である。天気も回復し、多くの方々が来てくれる。
【その他】

○10月14日(日) 
【天気概況】
・高気圧に覆われ、快晴の天気となる。遅れていた稲刈りが急ピッチで進むだろう。
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「今年も緊張した中での冷害監視活動ご苦労様でした。年の初めころは今年も冷害かと思われましたが、7月からの好天で一時は豊作を感じました。8月に入り一転して低温日照不足の日が続き秋の収穫が心配されました。いざ収穫して見ると、しっかりした実りを迎え、稲のチカラ強さを感じさせられました。平成13年も無事に終わりつつあります。これからも皆様の活躍を祈念します。安全で安心な農業活動を目指して益々のご指導をお願いします。」
・岩手県普代村のモニターからメールが届く。
「長い間、ほんとうにご苦労様です。警戒態勢中は殆ど気の休まる暇もないほどお忙しいことと拝察いたします。東北地方を股に掛けての活躍ぶり、またその間に寄せられる質問等に対する間髪を入れぬ丁寧な返信など、常々、敬服しながら読ませていただいたおります。大方は、読むだけのモニターですが、長い間には何かの役に立つ場合もありましょう。今後とも宜しくお願い致します。
麦の播種は、先月末に完了し、現在は本葉2枚程度にまで出揃っております。これで今年の播種作業はすべて終わり、ほっと一息。1日から3日にかけての雨、10日から11日にかけての雨と畑は乾く暇もないほど大量の雨を受け、幾筋もの流出跡が大きな爪で引っ掻いたように付けられましたが、それでも麦はすくすくと育っています。流出土を被ったところはどうでしょう?再び麦が土を覆うかどうか、観察中です。
今は馬鈴薯の種芋の選別をやっております。通常は、馬鈴薯生産は4月開始と殆どの人が思っておりますが、私は今がまさに来年の馬鈴薯生産の開始時期と考えて、芋とにらめっこの毎日を過ごしています。大豆は、そろそろ葉が落ち始め、早いものは莢が茶色く変色し始め、2週か3週で収穫時期を迎えそうです。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(13日):エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差の程度が小さくなり、正偏差の部分も現れ始める。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(14日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
・山形県最上町のモニターの「はえぬき」が昨日成熟期に達したものと推定される。これでモニターの生育監視がすべて終了する。今日にも収穫されるものと予想される。
・アメダスの気温区分を変更する。
【研究活動】
【その他】

○10月15日(月) 
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、概ね良好な天気となる。
【モニターネットワーク】
・山口県のモニターからメールが届く。
「お変りありませんか? 今年の稲作も今日でもって一応終わりとなりました。結果は自分としては、上々とゆうところです。
コシヒカリ 24a 22.8俵
ひとめぼれ 13a 13.0俵
モチ   8a 6.5俵
天候に恵まれラッキーでした。あまり手入れもせずに終わりました。消毒も2回ですみ、しかも乳剤を使用したお陰で3,000円ばかりでした。来年は作付け面積もこの倍になります。退職者で一人農業は手ごろな面積です。農機具収納庫もぼつぼつ進んでおります。ツーリング仲間がミーテイングルームを待ち望んでおるところです。あちこちの集落から、祭の太鼓の音が聞こえてきます。これが終わると、当地も秋が一段と深まって参ります。」
・宮城県岩出山町のモニターからメールが届く。
「おはようございます。昨日で収穫作業は終了しました。約一ヶ月間の戦いでした。その間、米国テロ事件、狂牛病騒動など大変な事件続きで21世紀もなにかと不穏な情勢です。今年の稲作は、宮城県内の方々とお話しすると、北部沿岸部と宮城県北西部丘陵地(岩出山町など)で極端に他の地域より収穫量が落ちています。原因は、八月の日照不足とそれによる穂いもちの発生、褐変などではないかと思います。しかし、例年より米粒の大きさは小さくてもそれなりに品質が良いお米ができました。ただホソが例年の2倍強で、これをどうするか悩んでいるところです。調整作業は10月下旬までかかる見込みです。」
・宮城県亘理町の友人からメールが届く。
「おはようございます。メールありがとうございました。本年も長期間に亘っての警戒業務大変ご苦労様でした。本システムも年を経るごとに内容がますます充実し、今や中核農家から非常に頼りにされている様子がうかがえて大変に喜ばしいかぎりです。今年の私の稲作は完敗でしたが、稲は作り手の技術の未熟さ、栽培上の手抜き、ごまかし等を敏感に反映してくれるように思えて嬉しくなってしまいます。まるで自分の姿勢を写してくれる鏡のように思えます。来年の稲作が待ち遠しい限りです。」
・青森県六戸町の小林さんに調査田の収量を電話でお聞きする。ふ系149号は10.5俵で全量が1等米とのこと。11俵にはとどかなかったが、本年の冷害気象下でさすが名人の芸術的な技である。
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(12日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差で、その程度も大きくなる。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年よりかなり低い状態が続く。日本近海の海面水温は今までは平年より高い状態が続いていたが、平年より低くなり始める。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(14日): エルニーニョ監視海域の海面水温は西経110〜120度付近まで正偏差となり、+0.5℃以上の海域面積も広がる。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(15日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の最高穂20穂の不稔・登熟歩合調査を行う。
・試験区の全刈りが行われる。玄米はきれいで1等米は確実な模様。
【その他】

○10月16日(火) 新渡戸記念館
南部に固有のにお積み 【天気概況】
・高気圧に覆われ概ね良い天気が続く。寒冷前線が近づき、天気は下り坂に向かう。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。
「早期警戒態勢解除ということで、今年も長期にわたりご苦労様でした。新体制になって初年度でしたが、7月の低温が原因と思われる穂と葉鞘の褐変症状や部分不稔、9月には早すぎた極低温での黄化と登熟低下等、厳しい気象変化で大変だったと思います。私の方は、はえぬきのコンバイン刈りも無事終了し、残っていた農産加工施設で使用する減農薬・自然乾燥米のヒメノモチの脱穀も昨日で全て終えました。これからは、籾摺り調製とコンバインで立てた稲藁の回収が当面の作業です。近年、暖かい年が続いた為に低温障害への意識が薄れつつ有ったので、なおのこと課題が見えてきた年でも有りました。それらを整理・対応しながら、来年に向け準備して往きたいと考えています。今後とも、よろしくお願いします。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(15日): エルニーニョ監視海域の海面水温は西から正偏差に変化し始める。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(16日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
【研究活動】
・一般公開の代休を利用して、家内と青森県十和田地域にドライブする。
・遅れていた稲刈りもほぼ終盤にあり、コンバイン収穫や南部地域に固有の“にお積み”が各地で行われている。にお積み中のおばあさんがおられたので、写真を撮らせて頂く。風を入れる入り口は西向き、そこに稲穂が集められる。そして東には風が流れ出る小さな出口があり、20日間程度乾燥させて脱穀するとのこと。米の味はコンバイン収穫・乾燥のものよりは良いとのこと。コンバイン収穫したいくつかの圃場では、片隅にいくつかにお積みあがる。自家用にするものと思われる。
・十和田市の新渡戸記念館を訪れる。新渡戸稲造を含めて、十和田の農地開墾に尽力した新渡戸一族の活動が紹介されている。敷地の片隅には、新渡戸家代々のお墓があり、静かな空間がつくられている。
【その他】

○10月17日(水) 
【天気概況】
・寒冷前線が通過し、その後強い寒気が入るため、天気はぐずつく。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(16日): エルニーニョ監視海域の海面水温は負偏差。カムチャッカ半島付近の海面水温は平年よりかなり低い状態が続く。日本列島南海域の海面水温は平年よりやや低い。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(16日):エルニーニョ監視海域の西半分が正偏差となり、+0.5℃の海域も東に広がる。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(17日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
【研究活動】
・図説コーナーの改正計画を検討する。
・生育作柄診断試験区の最高穂不稔・登熟歩合調査を行う。
【その他】

○10月18日(木) 
【天気概況】
【モニターネットワーク】
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「平成13年の水稲生育収穫の成果を報告します。(すべてLL網目)
品種名       反当り俵数 (最低収穫俵数)
亀 の 尾  :     7.5俵   (6.5俵)
ササシグレ :    10.0俵   (8.0俵)
ササニシキ :     8.5俵
(湛水直播)

13年度の反省として、、前年秋に米ぬかをすき込んだところは、ずいぶんがんばったようです。収量の低いところは今年初めて作付けしたところなので、圃場状態がわからず心配なので肥培管理を控えた為です。3月頃の乾燥で乾土効果が強く出て後半の窒素の制御に手惑いました。7月からの高温に惑わされて管理を怠り8月の低温に備えが充分でないまま、収穫を迎えてしまいました。その結果、登熟が非常に長くかかり、米の粒張りも芳しくありませんでした。7月中に出穂したところはよかったようです。飯米用に作付けしているササシグレの出来には驚かされました。昭和の40年頃には、8俵がようやくの収量のようですので驚いています。
品種ごとの反省では、亀の尾は茎が長くなってしまい倒伏して、品質の低下をきたしました。量はまずまずです。未熟粒もほどほどです。おかげさまで全量出荷しました。ササシグレは、びっくりするくらいの出来でした。くずも出ません。米質もきれいです。一部に稲麹病が発生し、籾すり後の玄米のなかにも黒いものが見られます。稲麹の黒い粒と併せて、イナゴの頭がいっぱい混じってきます。いもち病予防の共同防除以外農薬は使用していませんのでやむをえません。
直播ササニシキは網下のL通し分が反当45Kg程度出ました。又、くず米が反当60Kg程度出ました。登熟の遅れと倒伏が原因です。複粒化種子による試験区は倒伏の被害が軽く、条播試験区は全面倒伏となりました。幸い、登熟後期の倒伏の為、品質の低下はあったものの穂発芽等はあまり苦になりません。来年度に向けての複粒化種子による直播に確信が持てました。
 試験栽培の東北172号は、米粒の白濁が少なくいかにも美味しそうです。農林8号からのうまみが出てくるのでしょうか?ササシグレも農林8号の血を受け継いでいます。8月、9月の悪天候の為、当初は収量品質とも期待していませんでしたが、思ったよりも収穫量も上がり、品質もまずまずでした。自分で寒い季節に弁当に持っていっても美味しくお昼の弁当が食べられる、そんな稲つくりを目指してきました。子供たちや家族に美味しく食べてもらい、なおかつ、健康な生活が出来るような安全な米の生産を目標として来ました。昨年から、今年にかけてとても忙しい日々でしたが、おおむね目標どおりの成果が上がったようです。13年度の稲創りには鳥越様はじめ多くの皆様の多大なるご指導、ご支援ありがとうございました。誌上を借りてお礼申し上げます。14年度の計画は、コタツリーグが始まってからゆっくりと考えます。一年間ありがとうございました。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(17日):エルニーニョ監視海域の海面水温はほとんど正偏差となり、+1.0℃以上の海域が現れ始める。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(18日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
【研究活動】
・岩手大学工学部横山先生と地理情報システムに関する研究打ち合わせを行う。
・生育作柄診断試験区最高穂20穂の不稔・登熟歩合調査を行う。
・生育作柄診断試験区から試験用サンプルを集める。
【その他】

○10月19日(金) 盛岡で初氷・初霜を観測
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、概ね晴れの良い天気となる。放射冷却のため氷点下となる監視地点もある。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターから穂のサンプルが郵送で届く。
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(18日): エルニーニョ監視海域の海面水温はほとんど正偏差、北半分は+0.5℃以上となる。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(19日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
・仙台管区気象台予報官から管区ホームページの案内がメールで届く。
「いつも季節予報をご利用いただきありがとうございます。仙台管区気象台では、今年の11月末頃を目処にインターネットのホームページを開設する予定で準備を進めています。現在は、気象庁のホームページから各地の気象台・施設機関等の下に気象官署の所在地や業務の紹介等を掲載しているだけです。しかし、新たなホームページには上記の他、今のところ仙台で発表した報道発表資料や季節予報、天候情報、あと1〜3か月程度の気象官署の日データや平年値等が掲載される予定となっています。もう既に、東京管区気象台や福岡管区気象台ではホームページを開設して気象データ等の提供をはじめています。ホームページ開設の折にはまたご連絡を差し上げますので、ご利用をお願いいたします。」
・仙台管区気象台の予報官からメールが届く。
「大変遅くなってしまって申し訳ないのですが、水稲冷害早期警戒体制を解除とのこと、本当にお疲れさまでした。今年は、7月の猛暑、7月末から8月の低温と日照不足、おまけに9月下旬の寒波など、などなかなか変化に富んだ暖候期でした。実況や週間予報の資料をベースにしてこまめに天候情報や注意報を発表し注意を促してきたつもりです。とりあえず、本当にお疲れさまでした。ところで、季節予報のみならず天候のまとめやその他の資料までホームページに掲載していただきありがとうございます。特に、天候情報や注意報は閲覧者が一番見ている編集長日誌に掲載していただき、農家のみなさんへの周知に大変役立っていると考えています。ただ、先ほど送付したメールにありますように、今年の11月末を目処に仙台管区気象台でもホームページを立ち上げることになりました。今まで送付してきた資料はすべてこのホームページに掲載する予定でいます。」
・仙台管区気象台から1か月予報の解説などがメールで届く。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の最高穂の不稔・登熟歩合調査を行う。
・図説「東北地方の凶饉年表からみる冷害の歴史」を作成する。仙台管区気象台(昭和26年)「東北地方の気候」を読む。冷害研究では資料価値は高いものであると思う。
【その他】

○10月20日(土) 
【天気概況】
・移動性高気圧に広く覆われ、快晴の天気となる。監視地点の一部は氷点下となる。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「今日、紙マルチ蔵の華を調製出荷して作業が終わりました。結果は8.7俵です(慣行栽培は10.5俵)屑米が大変多く10アール当たり90sくらいでました。8月の天候が影響していると思います。(良かったら大豊作でしたね)今年の晩期栽培は良くないようで、直播きの方も結果は良くないようです。遅くなりましたが、早期警戒態勢解除ご苦労様でした。今年の稲作も早期警戒のお陰で平年作を確保できました。来年も宜しくお願いします。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(19日): エルニーニョ監視海域の海面水温はほとんどの海域で正偏差、南半分では負偏差。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(20日):海面水温が15℃以下の親潮は下北半島付近まで南下。
【研究活動】
・仙台管区気象台(昭和26年)『東北地方の気候』にある「凶冷(同気象台 内海徳太郎)」と「特殊気候−山背風(八戸測候所 門脇關郎)」を読む。
【その他】

 
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○10月21日(日) 
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、概ね晴れの良い天気となる。
【モニターネットワーク】
・山形県最上町のモニターからメールが届く。出穂期が遅かったものは遅延型冷害の影響で収量が8俵程度にとどまっている。9月22,23日の極端な低温がかなり大きく影響したといえる。
・宮城県石巻市のモニターからメールが届く。
「おはようございます。直播のササニシキが等級各付で1等をもらいました。又、東北172号(品種名:たきたて)を今朝炊飯しました。とても甘味があり、香りも良くふっくらとした感じです。子供たちは低アミロースの特徴であるもちもち感があると感じていました。食味は大変好評です。どこかササシグレの味を感じさせる米でした。」
・宮城県河南町のモニターからメールが届く。
「10月16日直播きの刈り取りを最後に19日ですべておわりました。約1ヶ月間 毎年これ位かかります。 昨日は1ヶ月ぶりの休みでのんびりと体を休めました。
<結果報告>
・調査ほ場 ささろまん 564kg    中米(1.90〜1.85) 67kg   くず米(1.85以下) 28kg
・直播き  ひとめぼれ 420kg                54kg                38kg
 ・移植   ひとめぼれ 540s                49kg                 24kg
 ・北部ササニシキ 612kg                 57kg                28kg
 ・南部ササニシキ 582kg                 51kg                22kg
(全部1等米)
・ゆめむすび(加工米1.80)630kg               くず米      1.80以下   17kg (1等米) 追肥不足で残念11俵以上取りたかった。
今から福島へ研修旅行で9時出発です 失礼します。
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(19日): エルニーニョ監視海域の海面水温は平年より低い状態が続く。太平洋中緯度海域の海面水温は平年よりかなり低く、海域の面積も増える。日本列島近海の海面水温も平年より低くなる傾向がみられる。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(20日): エルニーニョ監視海域の海面水温はほぼ全域で正偏差。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(21日):海面水温が15℃以下の親潮は八戸付近まで南下。
・10月中旬の気象表をまとめる。
【研究活動】
・仙台管区気象台が昭和26年に刊行した『東北地方の天候』を読む。当時の冷害に対する見解が理解でき、大変興味深い内容である。
・図説「凶冷」の内容を検討する。凶冷とは夏期の異常低温を意味するようだ。
【その他】

○10月22日(月) 
【天気概況】
・低気圧が接近するため、天気は下り坂に向かう。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(21日):エルニーニョ監視海域の海面水温は正負偏差域が混在する。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(22日):海面水温が15℃以下の親潮は青森県八戸付近まで南下。
・仙台管区気象台から3か月予報の解説などがメールで届く。予報内容は次の通り。
11月:天気は数日の周期で変わるでしょう。低気圧の通過後は冬型の気圧配置となって、平年と同様に、東北日本海側では曇りや雨の日が多く、東北太平洋側では晴れの日が多いでしょう。気温、降水量共に平年並でしょう。
12月:冬型の気圧配置が強まる時期はありますが、長続きしないでしょう。平年と同様に、東北日本海側では曇りや雪または雨の日が多く、東北太平洋側では晴れの日が多いでしょう。気温、降水量共に平年並でしょう。
1月:時々冬型の気圧配置が強まりますが、長続きしないでしょう。平年と同様に、東北日本海側では曇りや雪の日が多く、東北太平洋側では晴れの日が多いでしょう。気温、降水量共に平年並でしょう。
 なお、11〜1月の3か月間の降水量は平年並でしょう。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の最高穂の不稔・登熟歩合調査を行う。
・試験区やモニター圃場サンプルの脱穀調製の準備を行う。
・図説「凶冷」を作成する。
【その他】

○10月23日(火) 試験区などの脱穀・調製
【天気概況】
・低気圧が東北地方を通過するため、天気は日本海側と北部で崩れる。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターからメールが届く。
「19日(金)にやっと稲刈りが終了しました。土日にいろいろ予定が入り報告が遅くなってしまいました。19日に刈ったササニシキは水分も20パーセントほどになりやっと適期になったかなという感じでした。まだ全部籾摺りをしていませんのではっきりした収量はわかりませんが、今年の直播の収量は、平均すると反当たり350s程度になると思います。管理の悪さはもちろんですが、中米屑米(特に未熟米)がとても多く、やはり8月、9月の低温も少なからず影響したと思われます。籾摺りが全部終わりましたら、また報告をしたいと思います。研究チームにおかれましては早期警戒情報のお仕事、長い間ご苦労様でした。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(22日): エルニーニョ監視海域の海面水温は西半分で正偏差。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(23日):海面水温が15℃以下の海面水温は青森県八戸市付近まで南下。
【研究活動】
・試験区とモニター圃場の試料を脱穀・籾摺りを行う。収量・品質はまずまずのようで安心する。モニター圃場の玄米も皆さん精農家のためかなり良い成果がでるものと期待される。出来秋を実感する。
・所内は明日の独立行政法人・農業技術研究機構・東北農業研究センターの発足式典と記念パーティーの準備が進む。
【その他】

○10月24日(水) 東北農業研究センター発足式典
【天気概況】
・北からの高気圧に覆われ始め、天気は回復に向かう。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(22日): エルニーニョ監視海域の海面水温は全体的には負偏差。太平洋中緯度の海面水温は平年よりかなり低い状態が続く。日本近海の海面水温は平年より低くなる傾向がみられる。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(23日): エルニーニョ監視海域の海面水温は西半分で正偏差。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(24日):海面水温が15℃以下の親潮は青森県八戸東沖まで南下。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の最高穂20穂の不稔・登熟歩合調査を行う。
・当センター発足式典と記念パーティーが開かれる。懐かしいOBの顔がある。
【その他】

○10月25日(木) 
【天気概況】
・大陸からの高気圧に覆われ、概ね良好な天気となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(24日):エルニーニョ監視海域の海面水温は西半分で正偏差。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(25日):海面水温が15℃以下の親潮は青森県八戸東方沖まで南下。
【研究活動】
・図説「東北地方における海況」を作成する。三陸沖の海水温と夏期異常低温との関係を紹介する。
・山形県最上町モニターの穂サンプルの不稔・登熟歩合調査を行う。
・岩手県立大学の学生さんが農業情報システム開発の研究打ち合わせに来室。
【その他】

○10月26日(金) 情報アグリビジネススクール運営委員会
【天気概況】
・移動性高気圧に広く覆われ、晴れの良い天気となる。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターから調査圃場の収量がメールで届く。
「おはようございます。申し遅れましたが早期警戒態勢が終了されましたこと、ご苦労様でした。稲刈りは21日に倒伏した麦跡地を最後に全て終了いたしました。調査圃場を別に調整しましたところ、最初に植えた圃場(それぞれ4反歩)と収量がほぼ同じ9俵半でした。等級については全量出荷しましたが前半の分が全て一等米、後半の分はまだ確認がとれていません。苺の方も遅ればせながら何とか全棟曲がりなりにも植え付けました。田圃の方が終わっても遅れている苺の仕事が山積しているので、気持ちのうえでの区切りがつきませんが、来年にむけてまた頑張っていきたいと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(25日):エルニーニョ監視海域の海面水温は西半分で正偏差。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(26日):海面水温が15℃以下の親潮は青森県八戸東北沖まで南下。
【研究活動】
・日本農村情報システム協会から依頼された「情報アグリビジネススクール運営委員会(第1回)」のため東京に行く。東北新幹線の車窓からみると、東北は秋が深まる。
【その他】

○10月27日(土) 
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、概ね晴れの天気となる。
【モニターネットワーク】
・早期警戒で以前お世話になった予報官からメールが届く。
「新組織発足おめでとうございます。組織変革に向け大変だったことと思います、今後も益々頑張って下さい。また、今まで通りよろしくご指導やご鞭撻のほどお願いします。今年久慈地方はかなり気温が低く大冷害になるかと思っていたら、かけはしの成績がよく、「やや不良」にとどまったのではないかとある農家の人が言っていました。」
(返信)
「メールありがとうございます。新組織になりましたが、所幹部の計らいでメンバーは替わらず、強力な支援態勢が維持されています。チームメンバー各位には本年特に感謝しています。冷害の被害診断のために、息つく暇のない実態調査の連続でした。昨日10月15日現在の作況指数が発表され、大きな冷害にならなくてホッとしているところです。久慈の地域も心配されましたが、早生品種「かけはし」の作付が多く、大きな被害にはならなかったものと推察しています。
平成6年から早期警戒を行っていますが、夏期の気象条件は毎年異なり、そのたび毎に勉強させられます。そして、季節予報の難しさを痛感させられます。予報官の苦労がよく分かります。やませ最前の久慈にお住まいですので、今後ともお世話になることが多いと思いますので、ご指導お願い致します。」
・青森県六戸町の小林さんから写真をお送りしたお礼の絵はがきが届く。そこには次のように記されている。
「秋の取り入れも終わり一年一作の米も今年の気まぐれな天候に苦労されたと思います。主人に従いよくついてきてくれたと感謝をしています。鳥越さん一行にもよくお世話になったと思います。今お米よ有り難うと感謝の気持ちいっぱいです。写真有り難うございました。(絵はがきは雲間から日差しが漏れる写真であり、“晴れの日も、雨の日も、空は空だろう。うれしい時も、かなしい時も、恋は恋だろう”と詠われている。)
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(26日):エルニーニョ監視海域の海面水温は西半分で正偏差。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(27日):海面水温が15℃以下の親潮は青森県八戸東方沖まで南下。
【研究活動】
【その他】

○10月28日(日) 
【天気概況】
・低気圧が通過し、天気は崩れる。
【モニターネットワーク】
・山形県鶴岡市のモニターからメールが届く。
「最後の出荷も26日に終わりようやく収量が確定しました。まだ報告していなかった「はえぬき」は10.1俵で、「ひとめぼれ」が9.7俵で、全て一等米に格付けされました。やっとゆっくりした気持ちになってきました。今日は日曜日と言う事ですが、午後から雨も降ってきたしゆっくり休みとします。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(26日): エルニーニョ監視海域の海面水温はほぼ平年並み。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(日):
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(28日):海面水温が15℃以下の親潮は岩手県久慈東方まで南下。
【研究活動】
【その他】

○10月29日(月) 現地農林水産技術会議
【天気概況】
・前線が通過後、一時的に冬型の気圧配置となり、日本海側を中心天気がぐずつく。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(28日):エルニーニョ監視海域の海面水温はほぼ平年並みとなる。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(29日):海面水温が15℃以下の親潮は岩手県久慈東方沖まで南下。
【研究活動】
・現地農林水産技術会議が当所で開かれる。研究成果として、水稲冷害早期警戒システムホームページを紹介する。
・図説:「お米の一大産地−東北−」を作成する。
【その他】

○10月30日(火) 
【天気概況】
・移動性高気圧に覆われ、概ね良好な天気となる。放射冷却のため、雫石では氷点下となる。
【モニターネットワーク】
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(日):
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(日):
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(30日):海面水温が15℃以下の親潮は岩手県久慈東北沖まで南下。
・本省関係者からメールが届く。
「今年の稲作シ−ズンは大変お世話になり、ありがとうございました。今年は高温、低温、台風と農家の方や鳥越さんは一時も気が抜けなかったのではないでしょうか?しかし、東北の作況はやや良となっており、収量的には問題がないようにお見受けしましたが・・・。品質も一等米比率はまずまずなようですね。関東から西ですが、高温(西日本)又は寡照(関東)により一等米比率が低いところが見受けられます。天候以外にも何らかの原因があるようですが。しかし、このHPがあったおかげで大変助かりました。(個人的には大変勉強になりました)今後ともよろしくお願いいたします。」
・昨日公表された1等米比率によると、各県とも比較的良い成績にやや安堵する。
【研究活動】
・生育作柄診断試験区の最高穂20穂の籾について登熟歩合調査の塩水選を行う。比重1.06は篩い目1.70mmにほぼ対応するため、発育停止籾は比較的少ない。これは最高穂ゆえか。
・生育作柄診断試験区の最高穂・主稈穂・その他の不稔・登熟歩合調査を行う。
・本年の気象と作柄の特徴に関する解析を始める。
・農業および園芸に連載された田中稔さんの『深層追肥稲作の再認識』に目を通す。最後の最後に次のようにある。「わが国の研究者は、冷害になると、よく不稔歩合のことを問題にするが、籾/わら比が低くなることをなぜ問題にしないのか。深層追肥の有利な点はここにあることを見のがしてはならない。」本年の作柄を解析する上で、示唆のある意見である。
【その他】

○10月31日(水) 
【天気概況】
・移動性高気圧に広く覆われ、概ね晴れの良い天気となる。岩手県北部の監視地点は氷点下を記録する。
【モニターネットワーク】
・宮城県松山町のモニターから米のサンプルとメールが届く。
「ご無沙汰しています。米のサンプルは山の水田のひとめぼれ、無農薬・無化学(米ぬか栽培)のひとめぼれ、ササニシキ、たきたて(東北172号 )です。試食してみて下さい。今は大豆の収穫作業待機中です。殻と子実は収穫によいのですが、茎に水分が有り汚粒の発生とコンバイン作業の低下もあり出来ません。良い天気が続いてほしいです。」
【早期警戒活動】
・米国海洋大気庁の海面水温平年偏差図(29日): エルニーニョ監視海域の海面水温はほぼ平年並み。太平洋中緯度海域の海面水温はほぼ全域で平年よりかなり低い状態が続く。日本列島南海域の海面水温は平年より明らかに低くなり始める。
・太平洋海洋環境研究所TAOアレイ(30日): エルニーニョ監視海域の海面水温はほぼ平年並み。
・岩手県水産技術センター北日本表面水温(31日):海面水温が15℃以下の親潮は岩手県久慈東北沖まで南下。
【研究活動】
・岩手県立大学の学生さんが農業情報システムの具体的な検討に来室される。JA営農レベルで利用できるものを作るには大変な作業と勉強が必要となる。
・本年度作柄解析の概要を作成する。緻密なデータ解析により褐変籾発生要因にどの程度接近できるかが焦点となる。
・生育作柄診断試験区の登熟歩合調査を行う。不授精籾を除く、未登熟籾の褐変籾の割合は品種で大きな違いが見られるようだ。
【その他】


 
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