2005年仙台管区気象台発表予報

5月25日発表3ヶ月予報



 本情報は仙台管区気象台発表の3ヶ月予報内容をお知らせします.

○5月25日発表 3ヶ月予報(6月から8月までの天候見通し)

    <予想される向こう3か月の天候>
     向こう3か月の出現の可能性が最も大きい天候は以下のとおりです。
     この期間の平均気温は平年並、降水量は平年並か多いでしょう。

    6月 天気は数日の周期で変わりますが、前線やオホーツク海高気圧の影響で天気のぐずつく時期があるでしょう。東北地方は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込みです。

     気温は平年並、降水量は平年並でしょう。
    7月 低気圧や前線の影響で天気がぐずつき、東北地方は平年に比べて曇りや雨の日が多いでしょう。太平洋高気圧に覆われて晴れて暑い日もある見込みです。
     気温は平年並、降水量は平年並か多いでしょう。

    8月 太平洋高気圧に覆われ晴れて暑い時期と寒気や前線の影響で天気のぐずつく時期があるでしょう。東北地方は平年に比べ晴れの日が少ない見込みです。
     気温は平年並、降水量は平年並か多いでしょう。

    <向こう3か月の気温、降水量の各階級の確率(%)>
    向こう3か月の気温、降水量の各階級の確率(%)

  1. 数値予報(アンサンブル予報)による大気の流れの予報
    3 か月平均の500hPa 高度と偏差の予想図:
     予想図は、北半球全体に暖かい空気に対応する正偏差が広がっており、太平洋高気圧は西への張り出しが強い。沿海州付近では等高度線がやや北に蛇行して、偏西風の分流が見られる。寒気の南下やオホーツク海高気圧が現れる時期がある見込み。

    月別の地上気圧と偏差の予想図
    6 月:日本の南海上とカムチャツカ半島付近に正偏差の中心があり、太平洋高気圧の影響を受ける時期と、オホーツク海高気圧の影響を受ける時期がある見込み。
    7 月:西日本を中心に平年より気圧が高く、太平洋高気圧の西日本への張り出しは明瞭。東北地方は太平洋高気圧の北のへりにあたり前線の影響を受けやすく、平年に比べて曇りや雨の日が多い見込み。オホーツク海付近は弱いものであるが高圧部がみられ、一時的にはオホーツク海高気圧が現れる見込み。
    8 月:東日本以西は平年に比べて気圧が高い。北日本も正偏差で太平洋高気圧は北へも張り出す予想だが、上層の天気図(図略)では北日本に寒気の南下が予想される。このため東北地方は太平洋高気圧に覆われ晴れて暑い時期もあるが、寒気や前線の影響を受ける時期もあり、平年に比べて曇りや雨の日が多い見込み。

  2. 循環場の特徴
    5 月1〜20 日:500hPa 高度では、高緯度で正偏差(平年より高度が高く暖気に対応)、中緯度で負偏差(平年より高度が低く寒気に対応)となり、日本付近では負偏差の中心が日本の東にあり、寒気が入ることが多かった。(日本の西が負偏差の場合は寒気が入りにくい)。
     東北地方は上旬後半から中旬中頃にかけて上空の寒気の影響を受け、気温が低く、曇りや雨の日が多かった。

  3. 最近の天候経過
    5月上旬:低気圧が数日の周期で通過した。東北南部では、天気は数日の周期で変化し、晴れの日が多かった。東北北部では、前半は天気は数日の周期で変化し晴れの日が多かったが、後半は気圧の谷の影響で天気がぐずついた。また、6日頃からは寒気の影響で気温が平年を下回る日が続いた。
     平均気温は東北北部で低く、東北南部で平年並。降水量は東北北部で平年並、東北南部で少ない。日照時間は東北北部で平年並、東北南部で多い。

    5月中旬:17日頃まではオホーツク海高気圧や上空の寒気の影響で曇りや雨の日が多く、気温の低い日が続いた。18〜19日は低気圧が発達しながらオホーツク海へ抜け、19日は強風となり列車の運行が乱れた。
     平均気温は東北北部で低く、東北南部でかなり低い。降水量は東北北部で少なく、東北南部でかなり少ない。日照時間は東北地方で少ない。

  4. 太平洋赤道域の海水温等の状況、及びエルニーニョ現象等の今後の見通し
    エルニーニョ監視速報(No.152)より抜粋(http://www.jma.go.jp/
     太平洋赤道域の海面水温は、中部の正偏差は減少し、東部では正偏差域が広がった。太平洋赤道域の海洋表層(海面から深度数百mまでの領域)では、水温正偏差が南米沿岸に到達した。一方、負偏差域が中部から東部に移動した。大気に関しては、太平洋赤道域の西部で対流活動が顕著になり、西風偏差が見られた。
     エルニーニョ監視海域の海面水温は、今後夏までは、基準値(1961〜1990年の30年平均値)よりやや高い値で推移し、その後、基準値かそれよりやや高い値で推移するとみられる。秋までにエルニーニョ現象が発生する可能性は低い。

    【解説】
     1月下旬に西部太平洋赤道域に出現した海洋表層の顕著な水温正偏差は、4月下旬に南米沿岸に到達した。これに伴い、東部太平洋赤道域の海面水温は西経90度以西の広い範囲で前月の負偏差から正偏差に転じた。一方、日付変更線付近を中心とした中部の海面水温正偏差はやや減少し、+1℃を超える海域はなくなった(下図)。エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.5℃となった。4月の太平洋赤道域の対流活動は、季節内振動の活発化に伴い西部で平年よりも活発で、大気下層では西風偏差が見られた。これに伴い、東経160度付近の海洋表層水温に正偏差が生じた。
     3月に東経160度付近に出現した海洋表層水温の負偏差域が中部を東進し、4月末にはその東端が西経120度に達している。この負偏差域は今後さらに東進し、東部の海面水温正偏差を減少させると考えられる。したがって、現時点で東部の海面水温偏差を今後一段と増大させ得る要因は考えにくいことから、この正偏差の増大は一時的なものとなる可能性が高い。
     エルニーニョ予測モデルは、監視海域の海面水温が基準値より高い値で秋まで推移すると予測している。しかしながら、ここ数か月実際より0.5〜1℃程度高めに予測する傾向が続いていることを考慮すると、監視海域の海面水温はモデルの予測を下回ると考えられる。
     以上のことから、監視海域の海面水温は、今後夏までは基準値よりやや高い値で推移し、その後、基準値かそれよりやや高い値で推移するとみられ、秋までにエルニーニョ現象が発生する可能性は低いと判断される。ただし、赤道季節内変動の今後の動向によっては4月に西部太平洋に現れた海洋表層の正偏差を強化することも考えられるので、大気・海洋の状況を引き続き監視していく。

 
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