
2.東北農政局発表:平成8年度水稲作柄概況(8月15日現在)
1) 8月中旬(表3参照)
平均気温は22〜26度程度。ほぼ平年並みであった。
最高気温は25〜31度程度。岩手県内陸、宮城県南部、秋田県北部、福島県会津と中通りでは平年より1〜2度高かった。他の地域はほぼ平年並みであった。
最低気温は17〜22度程度。ほぼ平年並みであった。
降水量は青森県津軽、岩手県、宮城県、秋田県北部、山形県内陸南部、福島部で平年よ著しく少なかった。
日照時間は全地点で平年よりかなり多かった。
この期間は全般的にはやや高温で経過したが、出穂・開花時期であり水不足が心配された。7月中旬以降の好天で水稲の生育も回復し、順調に開花・受精が行われたものと期待された。一方では、8月上旬の低温による障害不稔の発生や出穂の遅延が大平洋側北部や沿岸部、また標高の高い地帯で心配された。
2) 8月下旬(表4参照)
平均気温は19〜22度程度。平年に比べ2〜3度程度低かった。
最高気温は22〜27度程度。平年に比べ2〜4度程度低かった。
最低気温は15〜19度程度。平年に比べ2〜3度程度低かった。
降水量は大平洋側を中心に平年に比べ少なかった。
日照時間は全般に平年に比べ少なく、特に大平洋側でその傾向が顕著であった。
この期間は登熟の初期に当たり、この低温と日照不足が登熟遅延につながるのではと心配された。
3) 9月上旬(表5参照)
平均気温は18〜21度程度。平年に比べ2〜3度程度低かった。
最高気温は22〜26度程度。平年に比べ1〜3度程度低かった。
最低気温は14〜18度程度。平年に比べ1〜4度程度低かった。
降水量は一部で少ないところもあったが、ほぼ平年並みであった。
日照時間は岩手県沿岸部で平年より少なかったが、ほぼ平年並みであった。
この期間は登熟盛期であり、8月下旬からの低温が続き、登熟遅延が地域によってはさらに心配された。全く残暑のない涼しい夏となった。
4) 9月中旬(表6参照)
平均気温は17〜20度程度。宮城県や福島県では上旬に続き低温傾向であった。
最高気温は23〜25度程度。青森県では平年に比べ1〜2度程度高かった。他の地域はほぼ平年並みであった。
最低気温は13〜17度程度。宮城県、山形県内陸、福島県では平年に比べ1〜3度程低かった。
降水量は全般に少なく、特に岩手県、秋田県、山形県で顕著であった。
日照時間は平年に比べかなり多かった。
この期間は8月下旬以降続いていた低温が東北北部から解消され、多照とも相まって今までの登熟遅延の回復が期待された。しかし、低温傾向は東北南部では依然と解消されなかった。
東北全域の高標高山間地帯の水稲の登熟遅延が心配された。
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<編集後記>
本年の稲作もいよいよ終盤にさしかかりました。早期警戒の監視は4月20日からはじまり、5ヶ月が経過しました。今年は早期警戒システムのホームページで情報を公開したため、過去2年間とは異なり、私自身かなりの時間を情報作成に投入してきました。また、ボランティアで協力して頂いている関係者にも多大の負担を押しつけることになりました。途中何度か「とんでもないことを始めてしまった」と反省することが多々ありましたが、どうにか出来秋を迎えることができそうです。ホームページの情報更新を優先したため、本通信の発行が遅れがちになり、読者の方々には情報提供が遅れてしまいました。お詫びいたします。
さて、本年は5月上旬の著しい低温、6月から7月上旬までの低温と日照不足、8月上旬の低温、そして8月下旬から9月中旬までの低温と、全く気を抜く暇はありませんでした。東北農政局発表の8月15日現在の作柄は「平年並み」となっています。近く9月15日現在の作況が発表されるものと思います。各地の作柄がどのように動くか、心配の種は少なくありません。
本年の監視は一部地域で登熟が遅れていると予想されるため、10月下旬まで続ける予定です。
以上